samahani
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わたしは本当は弱い人間なのに、なぜか全く反対に見られることが多い。
まず、お酒に弱い。ワインをグラスに一杯飲んだだけでへろへろになってしまう安上がりな人だ。なのに「強そうに見える」とか「酒豪かと思った」とか言われてしまう。
それから、体が弱い。疲れたと言っては、すぐ寝る。いつか「もう離婚してひとりで暮らすワ」って夫に言ったら、「それだけ寝てばっかりいる人は自活できないんじゃないの」と返されて、それもそうだと思った。(笑)
それに、涙腺も弱い。涙もろい、すぐ泣く。いつか、子育てを考える座談会に出席して、自分の子供のことを話していたら、感極まってぽろぽろ涙が出てきたことがあった。すると、「山田さんでも泣くことがあるのねぇ」なんて言われて、とっても驚いた。わたしって、強そう? 血も涙もない石のような心の持ち主だと思われていたのかしらん?
さらにそれから、乗り物に弱い。船なんて全然ダメ、必ず酔う。飛行機にもときどき酔う。昔は、バスや車の後ろのシートでも酔ったので、少し窓を開け遠くを見るようにして緊張しながら乗り物に乗っていた。
そうは言っても、大人になってからは、山手線や東京の地下鉄では酔うことはなかったし、本を読んだり地図を見たりもできた。
ところが、ワシントンの地下鉄に初めて乗った時、気持ちが悪くなった。昔、乗り物酔いしていた時のように、もの凄く緊張しながら必死で気を紛らわせるようにして乗らなくてはならなかった。本を読むなんてもってのほか。地下鉄の車体の揺れ方が違うから、体が付いていかないのだ。
地下鉄に乗ることは滅多になかったので、なかなか慣れることができなかったのだけれど、最近、地下鉄に乗ることが増えて、4年半経って、やっと慣れてきたみたいだ。今日も英語のクラスの帰りに、地下鉄の中で文庫本など読んでいた。その時、ふとそんな自分に気付いて、「ああこれで、私もワシントニアンの一員かしら」などとちょっと感慨深かったりしたのだ。
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