samahani
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東京の女の人はとっても綺麗なんだそうだ。イエメンと日本への出張から戻ってきた夫が、感心したようにそう言った。
夫は、チュニジア出身でフランス国籍の上司と東京で合流して、一週間行動をともにしたのだが、日本は初めてという上司は、日本は素晴らしいといろいろなことに感激していたそうだ。その彼も、女性がみんな綺麗だと驚いていたという。
そう言えば、つくばに住んでいた頃にも同じことがあった。日帰り出張で東京に行った夫が、帰るなり「東京の女の人ってみんなとても綺麗でビックリした」と言ったのだ。日頃そういうことを言わない人なので、わたしも驚いた。化粧もしていないわたしのことを、暗に非難しているのかと勘繰ったほどだ。
日本(東京?)では、プチ整形なるものが流行っていて、中高生が気軽に顔をつつく時代になっているらしいけれど、確かに東京ほど女の人が「きれい」ということに関心を持っている場所はないのではないかと思う。
ダイエットに気を使い、いろいろな化粧品を揃え、こぎれいな格好をして、かわいらしくニコニコとしている。働く女性の笑顔は、営業スマイルなのだけれど、アメリカのお店の店員は、ときにすごく無愛想だったりするので、そういう日本の接客態度に慣れていない外国人は、とても感激するのだそうだ。
アメリカのニュース番組に出てくるニュースキャスターは必ずしも美人ではない。はじめの頃、慣れていない時にはそれに違和感があったほどだ。テレビを見ていて、アメリカでは美人だということがそれほど重要視されていないのだなと思うようになった。
例えば、女性のキャスターで最高の年収を稼ぐNBCテレビのケイティ・コーリック(5年契約で6500万ドル=84億5000万円)は、この写真の真ん中の人なのだけれど、テレビでも、口の大きな人という印象だ。
ニュースキャスターは、ニュースを正確に分かりやすく伝える能力の方が、美人だということより大事だということなのだろう。
日本の男性の方が、アメリカ人よりも、女性に美しさを強く要求している気がする。そして、日本の地方(田舎)よりも東京の方がより強い。
けれどわたしはそれを非難しているわけではない。東京の女の人がきれいなのは、街に活気があるからで、鹿やタヌキが出るようなアメリカの田舎(けれど首都!?)に住んで、化粧することも着飾ることもめったにしない田舎者は、そんなふうにエキサイティングに暮らす東京の人たちを羨ましいと思っているのだ。
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