samahani
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2001年11月16日(金) 駐在員妻の憂鬱

今日は金曜日、日記を書き始めてから一週間経ちました。
金曜日は週に一度のごみ収集日なのです。私は、朝7時頃に来るゴミ収集車に、直接ごみを持って行きます。前の晩に、大きなバケツを収集所までゴロゴロ引っ張って行ってもいいのですが、また持って帰るのが面倒だから。

でも、日本の主婦ってほんとに働き者ですよね。
毎日、洗濯して、掃除機掛けて、買い物に行って、お天気のいい日にはベランダに布団を干して、何品ものご馳走を作って、ごみはきちんと分別して決められた日に出して、子どもの幼稚園の送り迎え、小学校の行事、地区の自治会の集まり、しなければならないことが沢山あったような気がします。

わたしはここに住み始めてから、これらのことを見事に何もしなくなりました。冷蔵庫も洗濯機も乾燥機も食器洗い機も大きいから まとめ買い、まとめ洗いすればいいし、凝った日本食など材料も揃わなくて出来ないから作らない、布団を干すこともない、子どもにも手が掛からない・・・っていうか、彼らのほうが英語上手だし・・・。 

お気楽主婦もいいけれど、気楽過ぎて憂鬱になります。

積極的に自分から外に向けて働きかけないと何も起こらないのです。分かってはいるけど、東京みたいにエキサイティングな街と比べるとワシントンはとっても田舎。地下鉄の駅から家に帰ってくるまでの道に鹿や狸や狐が出て、ベランダにはリスがやって来るほどなのです。

それに、日本人社会は閉鎖的で世界が狭いのです。ちょっと繋がりを広げれば、友だちの友だちはみな友だちってな感じで、知り合いばかり。悪いことも出来ません。飲みに行きたくても居酒屋はないし、カラオケもない。映画館に行っても字幕はないし、日本語のテレビも放映してない(朝の1時間だけ)。(日本語の)カルチャーセンターもないし、講演会もありません。

つい最近、近所の日本人コミュニティーで10組いた日本人家族のうち4組の親子が、旦那さんを残して帰国してしまったということがありました。まるで伝染したみたいに。

そういう話はよく伝わるんですね。「テロの後、日本の親が心配して早く帰れと行ってきたから」だとも聞きましたが、なんにしろ、あまり居たいとは思わなかったということなのでしょう。

どんな場所にいても楽しめる人って、本当に得だなあと 最近つくづく思います。


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