キ ミ に 傘 を 貸 そ う 。
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2013年09月16日(月) |
優しくて残酷で、最低で、大好きなあなた。 |
Aさんがまた一つ歳をとった。
お祝いをした。 完全なる自己満足だけど。
私がお店に用意してもらったケーキを 無理して食べてくれた。
Aさんは昔より、私の前で全然無理をしない。 (多分、家族に近い扱いなのだと思う。) けれど、例えば、用意されたケーキをきちんと食べるとか。 そういうことは、義理がたくこなす。 私はそういうAさんが、ひどく好きなんだと思う。
最低な人なのに。 でも最低なのは、私も一緒だから。
Aさんが私を抱くよりも、 手を繋いでくれた方が、ずっとずっとドキドキするし 愛を感じてしまう。おかしいよね。
いつの間にか、Aさんが私のベッドで寝てしまって 私はずっとずっとAさんの顔を撫でていた。 いつかは離れてしまう。 いつかは触れなくなってしまう。
終電間際になってAさんを起こした。
『時間ですよ。電車なくなっちゃいますよ。』
『・・・うーん。。今日どうしよう。。 帰って欲しくない?』
『もちろん、居て欲しいですけど。 帰った方がいいです。だから起きてください。』
きちんと、帰り支度を始める。 私の大好きな、スーツ姿に着替える。
そしてAさんはいつも、私の部屋を出るときに言う。 『いってきます。』と。
優しくて残酷だ。
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