キ ミ に 傘 を 貸 そ う 。
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疲れて眠っていた25:34 キミからの着信。
寝ぼけた頭でも、条件反射で電話を取る。
『はる、寝てた?』
遠くてキミの声が聞こえた。
『明日から忙しいから、と思って。(今日電話したよ。)』
キミは変わったよね。 前は忙しい時はいつだって放置されてた。 何日だって連絡を取ってくれなかった。
『はるが愛しいなぁー。』
甘すぎるキミの声を聞くと、いつも、いつだって これは現実だろうかって確認してしまうよ。
キミもすごく眠たそうだったので、早めに電話を切った。
Jの顔、手、腕、すべてが今ここにはなくて この世界にほんとにJが居るのかなって思うときがある。 でも本当にJは居るのかなって確認できるのは やっぱり電話やメールしかなくて 心でいくらJを想っても、想うだけでは補えないものがあるんだよ。 だからちゃんと、声を聴かなきゃダメだって思う。
同期の彼と飲んでから、いろんな場面でJと比較してしまう。 同期の彼は、私の傘をわざわざ開いて渡してくれたり デザートをいつの間にか頼んでくれていたりと 抜け目がないほどの紳士だけれど。 一番大事な事が欠けてた。 それは誰かを想う一途な気持ちだったんだと思う。 彼女が居るのなら、その人を一途に想っていて欲しかった。 彼女でもない女(私)に、そこまで優しくして欲しくなかった。
Jに対しては、『ほんとに私のことだけ想ってくれてるんだ』 って実感できるときが度々ある。 遠距離だから、いくらだって嘘はつけるし浮気だってできると思うけど Jはそんなことしないって、私はどこかで強く信じていられる。 これが信頼というものなのかな。 本当にJが浮気してるかどうかは分からないけどね。
キミが今ここに居てくれればいいのに。 ぎゅーって抱きしめてもらってJの胸に顔をうずめて Jが居るんだーって思いながらJの匂いを実感したい。
キミも私も、ずっと一途でいられますように。
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