キ ミ に 傘 を 貸 そ う 。
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2007年02月06日(火) 消える。

君の「会いたい」を聴いたり
君が呼ぶ「はる。」を聴いたとき
私がどれだけ安心するか、君は分かっていない。

そして何も分かってないのは私も同じこと。

『私はいつか君を失っても、
一生、君の夢を応援して見届ける強さだけは持っていたい。』

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先週の土曜日に電話をするはずだった約束をJにすっぽかされて
お詫びのメールも何もこないので、
とうとう私も疲れ果てた。

けれど、Jがわざと電話をしなかったとかそういう事ではなくて、
Jのやりたいことに没頭しすぎていて
Jのいう「やりたいことやっていて、はるのことがどうでもよくなる」時間に
丁度入っていってるんだなということも理解していた。

そしてJが「はるはオレのことずっと好きでいてくれる」
と安心しきっているのも私にも分かっていた。

次の日の日曜日も電話を待っていたけれど、ついに来なさそうな気がしたので
「よし、全てを言おう」と決心してJの携帯電話にコールをする。
もう何でもいい。


少し申し訳なさそうに電話に出たJ。
なんだか冷めていたように思う。
でも私の名前を優しく呼ぶのはいつも通りで
Jにとってはいつもの自分だっただろうし、いつもの私だったと思う。

いつもの何気ない話をしてから、
「あのね、昨日みたいに、約束してたのに何も言わないでるのやめてね。
電話とかメールできないときはあらかじめ何か言って。
Jは自分の状態がもちろんわかるけど、私は分からなくて不安だから。
もしこれからちゃんと守ってくれなかったら別れるから。」
と言った。

突然「別れる」なんていう単語が出てきてJも驚いていた。
「え!?・・・分かった、ちゃんと、言います。」
よし。分かる男だ。(多分。)


そして、今まで不安に思っていたことを全て言った。
恋は本当に病気だ。
思い込みだけで全てが動いている気がする。
相手は何も意図せずに行動したことでも、受けて側にとってはすごく傷つくことだったり、嬉しかったり。

「今日電話したのはね、別れようかどうしようか相談しようと思ったからなんだよ。」
と言うと、どうやらJは「はるが思いつめてる・・・」と思ったようで、
静かに話を聞き始めた。


「女の人はさ、例えば極端な話だけど『1日に2回好きって言われてて、それが1日に1回になったとしたら、愛情が二分の一になった』って思うんだよ。
例えば私が犬で、毎日餌をちゃんともらって可愛がってもらえてたのに、
それが少なくなったら、お腹もすくしすごい淋しいし、死んじゃうんだよ。
他のところに行きたいって思うんだよ。辛いんだよ。

Jはさ、前に『オレは自分から好きって言いたいから』って言ったでしょ?
『言いたくなったときに言う』って。
それってつまり、『好きじゃないときは言わない』ってことだって思っちゃうんだよ、私は。
しかも、最初はちゃんと「好き」とか言ってくれたけど、最近は全然言ってくれないし、そうなると不安になってくる。
本当はJが私のこと好きって思ってくれてても、言ってくれなきゃ私にとっては「無」なんだよ。

電話も、最初は私が着信履歴残してたらすぐに昔はかけなおしてきてくれてたけど、今はそういうのが無いでしょ。そういうのでまた私は不安になる。

そういう不安がいっぱい重なって、もう私は「好かれてる」とか「愛されてる」とか全然思えなくなった。
自信なんて、何にも無かった。
Jは「自信持って」っていうけど、勝手に自信なんて持てるはずないし。
すごく辛くて不安だった。
Jの様子が明らかに違うの分かってたし。

それなのにJは、「オレの事嫌いになってよ」とか言ったでしょ。
そんな事言われたらもう、「好き」とか「会いたい」とかも言えなくなった。
オレの事嫌いになってよって、私が重いってことでしょ。
もうずっと辛くて、バカって分かってたけど勝手に私ばっかり辛くて、
もう別れようかって思った。


恋人同士ってさ、好きなだけじゃダメなんだよ。
相手を思いやれなきゃ意味ないよ。


私、いつでもJのそばにいる訳じゃないから。
淋しくて死にそうになったらどっかいっちゃうから。」


もっと沢山、自分のエゴを押し付けた言葉を言ったかもしれないけれど
だいたい上のようなことを言ったように思う。
涙は自然にずっと流れていたけど、
伝えなければと思って泣くのを我慢しながら必死に言ってた。

私も勝手な言い分ばっかりだったかもしれないけれど、
Jが安心しきって私をおろそかにしていたのは十分感じていたし、
Jもそれをどこかで理解してたのかもしれない。

「何か言って。」というと、
暫くたって、Jが言った。


「そんな思いつめてるなんて思わなかった。
・・・これからは、もっと、努力します。
オレは、はるがずっとオレのそばに居てくれるって思ってすごい安心してた。
でもオレははるじゃなきゃだめだし・・・うん。
オレは別れたくない。」


今回はちゃんと届いたみたいだった。
いつも私が不安になって「不安だ」と泣くと、
「なんで?どこにも行かないって言ってるのになんでそんなこと言うの」
みたいに少し責められていた気がする。
責められていた理由も分かる。
だって私がJの言葉を信じられなかったから。
信じて裏切られるのが怖かったから。
信じられる力をJからもらいたかった。
確かな言葉や態度で。


今回、ちゃんと言ってわかってもらえて良かった。
わかってもらえたと思う、多分。




次の日から、Jはちょっと変わった。
メールもなんだか優しくて、
メールの中で何度も私の名を呼んだ。


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