語り
DiaryINDEXpastwill


2002年02月16日(土) わたしの友達の「紫龍」


 わたしの中学時代は濃い。
 わたしも濃いが、友人たちはもっと濃い。
 そしていまだに濃いつながり。

 そんなこゆい私達の間では、「聖闘士星矢」をみる事は、はっきりいって、わたしらの間では、たしなみであった。基本であった。
 かくいうわたしも、聖闘士星矢は、
 「車田マンガは基本やろ」(※なにのだ)
と、すすめられて見た口であった。
 おかげでアニメも、第一話から見のがさずにすみ、10数年後、なにげにこんなHPまで作るまでになった、ていたらく、もとい、成長したわたしである。ありがとう。感謝してもしきれないよ、りんちょ・・・


 そんな仲間たちはそれぞれ個性豊かで、その中で、そいつら(6名ほど)が口をそろえて
 
 「お前こそまさに紫龍」と太鼓判をおされていた友人がいる。

 さっきまでいっしょにカレーオムライスを食っていたんですが、ゆみという小学時代からの友人。

 どの辺が紫龍なのかというと、

 「授業中の内職で、ひとに頼まれた塾の宿題(しかも、一日3人分)をやる女」(※己の授業はどうしてたんだ、ゆみ)

 「お茶マニアで、毎日でっかい魔法瓶の水筒にめずらしいおいしいお茶をいれて持ってくるが、学校では本人はほとんど呑んだ試しがないくらい、人に呑まれてしまっていた女」(※すまん、私も呑んでいた)

 「宿題のノートをひとに貸して、そのノートは自分が当たる授業の時に帰ってきたためしがないが、それでも毎回貸してやってる女」

 仲間内で数々の伝説を残す、瞠目すべきお人好しなところがあげられる。
 
 また、ストレートロングな髪型であることや、天然ボケであるところ。

 どんなかんじで天然なのかというと、こんなかんじ。 

 彼女にもらう誕生日プレゼントは毎回奇妙キテレツな品で、「どうやってつかうんだ、コレ、っていうか、どこにうってるんだ、コレ」と唸らされる品ばかり。
 ひそかに、毎回楽しみでもあった。

 例をあげれば、

 ・ゴムで作った鶏卵オブジェ(最初飾っていたが、後に犬のおもちゃに採用)、
 ・台湾のトイレの個室(しかも汲み取り式な景観)を牧歌的に描いた壁掛け(仕方ないので適材適所、トイレに飾った)、
 ・手のひらサイズのゴミ箱(カセットレーベル入れに採用)、
 ・豪華な鏡つきのメモ帳(やたらずっしりと重量感があり、持ち歩けないので、住所録に採用) 
 ・貞子が井戸からがばっと出てきている姿を模した、マグカップ(※古井戸なので、飲み口のところが欠けている。飲みづらい上、持ち手のところが、貞子の髪で、きしょい)

 そして、成績優秀な優等生であるところ。

 なぜ彼女が成績優秀かといえば、ひとの分の宿題なんぞを毎日内職してるからである。
 「毎日テスト勉強してるようなモンで、おかげでテストの時にあわててテスト勉強せんですんだので、よかった、あれは」
 と、彼女は語る。

 10年以上立っても、己の宿題を期限付き(※しかも「昼休みまでに終わっていてほしい」、と1時間目にもってくるようなやつら)でひとにやらせとった、かつての人非人な友人たちに、感謝のココロを忘れていないあたり、やっぱり未だに紫龍なんである。
 (ちなみに、わたしはちゃんと自分のぶんの課題はやっていたので、その3人のうちにははいってません、念のため)
  
   
 そんな彼女は近所のおさななじみ。
 小、中、高と毎朝一緒に登校していた。
 一番そばにいるが、一番淡白なつきあい。
 それがここちいいので、いまも小学校からそのままのスタイルのつきあいだ。

 大学は、わたしは東京、彼女は神戸なので離れたが、また2人とも実家ぐ らしなので、昔にもどった。
 寒中見舞いも、郵便局を経由するより早いので、散歩がてらで彼女んちのポストにいれてくる。
 歳がばれるが、かれこれ20年のつきあいになる。
 
 地元の企業で、国際部で活躍して海外を飛び回って、休みになると倒れている(ほんとに倒れて救急車を呼んでいる)あいかわらず生き急ぐ姿(こんなとこも紫龍くさい)を、そばで見ている。 

 今日いっしょにご飯を食べた時に、今年の中旬には、会社を辞めて、新しい勉強をしたい、と、いうゆみ。
 会社で出張して覚えた中国語を極め、テラピストの資格をとりに、中国と台湾とイギリスにいくことになったと、これまた、世界への翼を広げている。

 そうか。ひさしぶりに、のんびり学生してこいよ、といったら、
 それまでに、純子の故郷(※正しくは伯父がすむ田舎)の龍神でまったりしにいきたいので連れていけ、と笑っていた。

 帰りの車中で、中国語版のKiroroの「長い間」を、歌ってくれた。
 うまかった。


 


ぶな |MAIL