嫌いな食べ物「キュウリ」
次の日の日記を今日書くということを久しく遣ってない。
熱に魘されて節々の痛むのを聞きながら、もう10の夢を見た中の幾つかは、現実世界に酷く似通っていて笑った。
私の手元に、一つの本が在る。たった400円という薄っぺらな本の中に、燻った彼の、何かを捻り出した文字と文字の音が在った。私は読んで笑った、余りに、似ていた。今日の夢と同じ思考で。
他に様々な女が居る。様々な男が居る。私はこうして、何れも同じ経路を辿っている気がしてならない。
空は暮れる
磨硝子の色のままに。
おまえの歌はとだえた
固い木の実に似た わたしの怒りが撃ったから?
風が風景を裏返してすぎる
ああ 怒りはおまえ故でないとだれにいおう
だがおまえの濾過器でさえ
それを漉すことができぬとなら……
わたしの怒りはおまえのための
いとせめてけわしい頌歌だ
しかもそれを受けるには
おまえの盃口のあまりな繊さ
本意ない冬日のなごやかさを
わたしは装わねばならぬであろう
怒りの風をうしろにした帆のように。
(そのやわらぎのなんとわたしに痛いことだ)
高くなきさわぐ小鳥のように
悔いはおまえのうつろな満足にそよとささやく
怒りをこの純白な碑にきざもう為
再びの日……空ははげしい炉のように
おまえは観るであろう
天いっぱいの焔のさなかに
遠ざかるわたしの姿を!
さくま