あの頃は友達が大好きで大切で失いたくないって思った。 でも学校を一歩出てしまえば相手が何をしてるのか、まったくわからなかった。「卒業してもずっと友達でいようね」 この言葉を何度繰り返したのだろう?
結構切ないことにそれぞれの道を歩んで行けば 自然とばらばらになってしまった。
だから自分には信頼できる友達なんかいないって思ってた。
ある日部屋の掃除をしているときにたくさんの手紙が出てきた。 高校時代に書かれたもので授業中とかにかかれたもの。 懐かしい思いで読み返してみることにした。
それは大好きだった仲間からの他愛もない手紙。 そのときのあたしは多分つらくて苦しかったんだと思う。 友達からの励ましの手紙。
今はもう会うこともないけれど、 そこにはあたしを本気で心配して励ましてくれる 愛情がこめられてた。
とめどなく涙が流れてきて。 一人部屋の片付けも忘れて手紙を読み続けていた。
今はそれぞれの道を歩んでいるけど、 こうやって何かの形でそれぞれの励ましになってることをしった。 離れてても、もう会うこともなくても あのときの時間は決して無駄ではなく 友情も決して軽薄なものでもなく それぞれの心のどこかにあってふとした拍子に自分の支えや、 励ましになる大切なものなんだと思う。
あたしは手紙を小箱にしまい掃除を続けた。
なんだか幸せを感じた昼過ぎでした。
|