ニューヨーク俳優修行日記
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2005年03月08日(火)

すぐに泣け


久しぶりに自主制作映画のオーディション。
台詞はいっさいなく,ほぼビジュアルのみの演技。
妻の葬式の日に悲しいながらも,ある種のセックスドライブを
否定できずにいる男の話。
オーディションでは妻の墓の前で泣き出したものの,
その横においてある紙袋が気になって
泣くのをやめると言う演技。
それから,その袋に中にあった二つのパンから
なぜかおっぱいを連想し,それに武者張りつかずには
いられないという演技を要求された。

役者なんだから,キュー一つで泣く事ぐらいできるでしょう、
という人もいるけど,僕はこれが実に苦手だ。
だから,オーディション先でこれを読んだとき
正直こんなの出来ねえよ、思った。

ところがいざ初めて見ると,意外と泣けたのでびっくり。
別に嘘泣きというのでもなく,墓にいる時に寂しい感じ,
自分の四肢が空になっていく感じを連想して,
自分の中を良く見渡してみたら,意外と簡単に泣けた。
自分でも,結構驚いた。
台詞がなくてもいいというのが,楽だったのかもしれない。

自分としてはまずまずの出来。
これで役がとれなかったら,もう仕方ない。

今週はずっと仕事(企業研修)でかなり疲れてる。
明日はフィラデルフィア。朝6時起きである。
午前中はそこで仕事,午後はマンハッタンに戻って
リハーサル。5時半から劇場の下見をして
7時から演技の授業。考えただけで疲れる。




      

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