愛より淡く
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2008年10月02日(木) 耳元で囁く

昨日、夫が買ってきたヒラタケというキノコを入れて、スープを作った。

しかし、このヒラタケ、煮るごとに、腐った漢方薬みたいな、なんともいえない強烈に変な匂いを放った。

私は、その匂いで、気分が悪くなり、吐き気を催してしまったくらいだ。

こんな変なにおいのスープ作っても、子供らに文句言われるし、きっと誰も食べない。

と、思って、慌てて、ヒラタケだけを取り出して、もう一度作り直した。

じゃっかん、ヒラタケの匂いは残っているものの、まあ、気にならない程度になった。

夫は、鈍感なので、なあに、ヒラタケがほとんど入ってなくても気づかないだろうと、タカを括っていたのだけど。

昨日に限って、夕食の時、いそいそと鍋のフタをあけて、自ら、スープをつごうとした。

ま、まずいかも。

と、一瞬、嫌な予感が頭をかすめた。


「アレ?ヒラタケは?どこにもないぞ。どうしたんだ。どこやったんだヒラタケ」

「あのな、これこれこうで、めちゃめちゃくさかったんで捨てた」

と、かいつまんで説明した。

私の説明が終わるか終わらないうちに、
モーレツに怒った夫が、私に殴りかかってきた。

「なんで捨てるんだ。ヒラタケだけを楽しみに、帰ってきたのに」


「せやけど、ほんま変な匂いがして、くさってると思ったんやもん」

防御体制に入りながら、弁解したけど、後頭部に一撃をくらってしまった。

手加減しているとは思うけど、それなりに痛かった。

「痛いやんか、なにすんのん」

と、頭に来たので、殴りかえしたった。


(中略)



なんだかねえ。


ヒラタケで、こんなに争うとは思ってもみなかった。

もう、すっかりヒラタケトラウマ。


でも、私は、間違っていない!!。
あのまま、スープにヒラタケを入れたままだったら、とんでもなくまずいスープになっていたに違いないのだ。
私のとっさの判断は正しかった。

おかげで、子供らは、おいしい、おいしい、と喜んで食べてくれたし。



で、夕食も終わり、一段落した後。

いつものようにソファーに寝転がりながらウトウトしはじめた夫を見て、私は、無性に、耳元で囁きたくなる。という衝動にかられた。

で、囁いてみた。

そーっと耳元に近づいて


「ヒ・ラ・タ・ケは、まずい。ヒラタケは、まずい。」


なんでもウトウトしているときの人間は、暗示にかかりやすいと聞いたことがあるので、試してみたい。というのもあった。


そしたら、そしたら、寝ながらしっかり言い返されてしまったではないか!


「ヒラタケは、まずない。ヒラタケは、まずない。」


しっかり聞いていたようだ。


がっかり。






おわり。





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テキスト庵さん