愛より淡く
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あれは昨年の秋頃だっただろうか?たぶんその頃だったと思う。
一目ボレならぬ1行ボレしてしまった日記があった。
そのかたが日記を更新されていたのは、ほんのわずかの期間だったけれど
その間は、毎日毎日更新がとても楽しみだった。
それは、パチンコと淡い恋心を綴っておられる40代の男性のかたの日記だった。
メインはその日のパチンコの収支決算の記録だったのだが、その文章は実に新鮮で活気があって生命力にあふれていた。拝見するたびに私はそのかたの日記からいつも元気をいただいていた。ありがたかった。
私自身、パチンコのことはほとんどわからないけれどそんな私ですら読んでいて楽しい日記だった。
思うにその方は、生まれつき、文章にたぐいまれなる才のある方だったのだろう。
さりげなく書かれておられるはずなのに、その文章が実に魅力的で愉快なのだ。
特にウケをねらって書いておられるわけでもないのに、読むたびにいつもピタッとツボにはまった。あれほどひんぱんに読み手の感情のツボにはまる文章というものは、なかなか書けるものではないと思う。 いつも感心して拝見していた。
もっとも好みも感性も、人それぞれなので、たまたまそのかたの文章が私の感性のツボにピタッとはまってしまっただけの話 なのかもしれませんが。
そのかたは、いつも行くパチンコ屋さんの店員のおねえさんに淡い恋心を抱いていらっしゃったようで
それがまた実にさりげない恋心なのだ。そのさりげなさ加減をあらわす筆致がまた絶妙だった。まさにこれぞ「淡い恋心」という感じの恋心だった。
例えばこんな感じの記述があった
「なんのためにこんな入らない店に通って来ていると思うんだい
それはあんたがいるからさ、気づけよ、この純情を!まあ無理だろうなあ・・・」(すみません一部変えています) なんだかいじらしくて切なくてよい感じ。
もともと私は自分から掲示板に書き込んだりとかメールとか送るのは苦手な方なのだけど、その時は思わず、
「がんばってください、楽しく拝見しています!!」
というようなファンメールを送ってしまったし、掲示板にもいくつか書きみをさせてもらっていた。
またその掲示板が、楽しくてね^^。あはは。思い出し笑い。常連が私を含めてあと2人ほどしかいなくて、管理人さんを含め、いつもその4人ほどで回っていた掲示板だった。
書きこむ頻度もひじょうにマバラだった。だけど、ほんとうにほのぼのちっくで あたたかくてよい掲示板だった。
「今日は思わずパチッてしまいました」 という掲示板御常連のかたの書きこみから、「パチる」という言葉をはじめて知った。(パチンコするという意味らしい)なんだか好きな言葉だ。
だけど、ああ、だけど。
楽しいひとときは、ほんとうに短かった。2ヶ月足らずだったかな?
日記もある日突然閉鎖されてしまった。理由はよくわからない。パチンコの負けがこんでしまったのかな?
その当時の彼は、失業中で、パートに出られている奥さんからもらったおこずかいで、ほぞぼそとパチンコを続けておられたようだったし、日記にも、負けがこむと更新できません、と書いておられたし・・・。
あの頃の私は
「今日は、どうかな?Bさん(そのかたのHMのイニシャル)勝ちはったかな」
などと毎日Bさんの勝敗が気になっていた。
負けはった時も勝ちはった時も変わらずに日記はハイテンションだった。とっても明るくて元気だった。
この日記は、うちの夫もいっしょに読んでいた。
パチンコに詳しい夫が読むとさらに内容がよくわかり面白かったみたいだ。
私は、どちらかというと、パチンコ以外の淡い恋心を記されていたところが好きだった。それほどたくさんはなかったのですがね。
閉鎖されて、しばらくはさみしかったなあ。だんだんと慣れたけど。なつかし
いなあ、
今ごろどうされているのだろうか? あいかわらずパチったはるのだろうか?
就職見つかりはったかしら? お元気でいらっしゃいますように!!
ありがとうございましたゥ
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