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―― 連ねた意味も、持てない小鳥。
氷室火 生来
回帰

2008年04月05日(土)
自覚と、無自覚。


たまになんだかどうしようもなく、家にいる猫に愛される時があるのですが。
一通りの居住環境は整っていてそんなに文句を飛ばされる謂れも無いのに、わざわざ立ち上がって縋り付いて来る、瞳の輝きが、とても可愛くて、とても、こわくてたまらない。
おまっ、どんだけ捻じ曲がってんだw

いつだって自分の事が一番、なんて言えるくらい大切にしたいものも何も無くて。
だからそうして、他を犠牲にしてでも己を護ろうと行動し選択出来る人は、凄いなと、いつも思う。
何を守りたいのだろう? 命? 死んだら今後まだ見ていないアニメがどうなるのかとか、ネタで止まってる彼是どうしようとかは考えるけど、所詮そんな事止まり。
いなくなって滞るのはバイトのシフトくらいなものだし、リアルに泣き喚く人は、いる事はいるけどそれは自分に限ってではないし、もっと言えば何が無くなっても騒ぎ立てるのだろうから。鋏とか。
青臭く自分は要らないとか自己陶酔はしないけれど、必要の可能性は見い出せない。価値は探してみたいけれど、自分で作らなくちゃ、転がってなんていない気がする。
その為には矮小の世界観を壊して、外を見に行かなくちゃいけない。気力だ体力だを理由にして飛び出さないのは、結局真面目に挑んだ事の無い未知だから。
人と強く関わらないからこそ、記憶の改竄が容易なんだろうか。だって思い返す過去は全て、特定の人物で成り立っていて、村人Aの影さえ見えない。
だから異常にこわくて、異常に妄想を懐いて、あまつさえ猫までがこわいとか言い出すんだ。だけどどうしたら外に行けて、何処からが外なのかも、年々不明瞭になっていく気がする。
何処かに外はあるんだろうか。だって何処までも、自分は一人で歩いていけるし、そして一人のまま帰って来られる。自ら触れてみなくちゃ届かないくらい、外ってのは、遠い処。


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