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―― 連ねた意味も、持てない小鳥。
氷室火 生来
回帰

2007年02月09日(金)
これがきっと、生まれて、初めて。


確かにその選択肢も頭の隅にはあった筈なのに、いつの間にか消え失せて困る。閉じた世界だと、尚更。

たまに外を出歩いていると、うちの猫が逃げ出したんじゃないかと思う時があり。それは、若しかしたら外界との一切を遮断している後ろめたさが見せる幻にも感じたり、しかし実際酷似した容姿の子がいたのでした。
まぁね、正直人が見分けられるのなんて模様とかそのくらいだよね。もっと接近すれば差もあるでしょうが如何せん外にいる猫なんて殆どが警戒心の固まりか、だれまくって撫でられて三秒してからはっと気付くような鈍感さんです。両極端の後者は実際近場にモデルがいます勿論。
それとは違いますがその似た感じの猫は、矢張り同じ系統の茶色い虎柄で、けれどこれまでの遭遇は夜間だったりしたからあまり気付かなかった、接近せずとも気付ける差を、目の当たりにしたり。
先ず、鳴き声が違う。か細くてキンと高くて震えているような、声に野良の半数以上はそうであるように尻尾は途中で途切れた瓶洗いブラシ、歩いているとびっこを引いているのかバランス感覚が悪くてずっこけているのかよたよたとして、朝方まで雨が降っていたからなのか毛は濡れて艶があったけれどそんな付け焼刃じゃどうしようもない、がさがさっとした毛の質感。
人が猫を見分ける方法が模様くらいしか無いというのなら、野良を拾うのなんてその時気が向いたから、ちょっと懐いてきたから、なんて行き当たりばったりでしかなくて、場の違いで宅には今日見たあの猫がいたのかもしれない。
別に哀れだとかいいたいのではなく、ちょっと比較の仕方がそれっぽいですが、或いはうちの子は自慢にも取れますが、なんだろう、崖っぷち犬は欲しくて保健所の犬は別に要らないとか、いう世間とそれって一緒だよなぁと。


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