一時間ほど歩いただろうか、山狩りの声も遠くなり、妹も泣くのを止めた。無言でただ歩き続ける二人の先に、湖が見えてきた。彼らは湖に向かって駆け出した。暗く恐ろしい森を抜け出し、月の光が辺りを照らす湖の畔。やっと安堵の息を付いて、湖の水を手で掬った。 まずは妹に飲ませ、続いて自分が喉を潤すと、途端に疲れがアイザックを襲った。横を見ると妹は既に眠っていた。その安らかな寝顔を見ているうちに、いつのまにかアイザックも眠ってしまった。「おやおや…」 彼らを見て微笑む男が居た。