おびえるジュリアをなだめすかしながら、獣道へと潜り込む。自分も複テい。けれど自分が怯えていては、幼い妹は更に怯えて泣くだろう。それだけは避けなければならない。自分とジュリアを守る為にも。「俺がいるから大丈夫だ。」 そんな慰めにもならないような言葉しか、アイザックは言えなかった。けれどジュリアはその言葉にこくりと頷き、腕にしがみつき、複テさに泣き出しそうなのを耐える。「大丈夫だから。」 再び繰り返した言葉は、自分に向けてのものであった。