リレー小説
たつほとえみるのリレー小説。

2007年05月18日(金) 5話

 おびえるジュリアをなだめすかしながら、獣道へと潜り込む。自分も複テい。けれど自分が怯えていては、幼い妹は更に怯えて泣くだろう。それだけは避けなければならない。自分とジュリアを守る為にも。
「俺がいるから大丈夫だ。」
 そんな慰めにもならないような言葉しか、アイザックは言えなかった。けれどジュリアはその言葉にこくりと頷き、腕にしがみつき、複テさに泣き出しそうなのを耐える。
「大丈夫だから。」
 再び繰り返した言葉は、自分に向けてのものであった。


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黒獅鷲
エンピツ