リレー小説
たつほとえみるのリレー小説。

2007年05月16日(水) 3話

 悪魔城とは何処だろう。
 母や父の会話から聞いた名ではあった。
 けれど、それが何処にあるのかまでは聞いた事は無かった。
 森の奥深く。
 獣やモンスター達の鳴き声がする。それに幼い妹は怯え、しがみついてくる。
 何処に向かえばいい?
 どっちの方角にあると言うのだろうか。
 振り返れば遠く、家が燃える赤い灯りが見える。
 あの炎のなかで父と母は燃え尽きた。
 何故。
 父と母は……いや、俺達は殺されなければならないのだろう。
 何もしていなかった。ただ静かにあの家で暮らしていただけではないか。逃げる最中聞こえてきた人々の声。
 美しかった母。
 優しかった父。
 どうして。
 それだけが胸の中をぐるぐると出口の無いままに巡っていた。


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黒獅鷲
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