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囚われの姫を救出せよ! - 2004年02月21日(土) その日は隔週の土曜休みであった。 ほんの1年くらい前までは、休みの日と言えばとにかく 目が覚めるまで惰眠を貪るというのが基本的な生活パターンであり、 あるいは、休みの前の日となると結構浮かれて酒を飲んでしまい、 翌日昼くらいにならないと人間としてまともに起きあがれない ということも屡々であった。 ところが、こんな自堕落な休日からおれは立ち直ったのだ! そう、気分はインディー・ジョーンズもしくは ベスト・キッドといったところだ。 敢えて優劣をつけるならおれは断然ベスト・キッドを 選びたい。それには理由がある。 その理由とは、主人公(名前はすっかり忘れた)がなんだかヘンテコな修行? を受けて強くなっていくという単純明快なストーリーでもなく、あるいは、 主人公に修行?をさせるミヤギさんの人柄だとかどうして日本語を喋らない のかといったギモン満載なところでもなく、はたまた、クライマックスで 主人公が見せる技の格好の奇妙さでもなく、 この映画は中学時代の記念すべき初デート作品だからだ! デートなのにベスト・キッド。 デートなのに デートなのに 己はアホか? センスも甲斐性もありゃしねえってんだボケナスがっっ! とにかく、そんなわけでベスト・キッドな風情で自堕落生活からの 脱却を果たしたおれなのだ。 要因は2つ。 1:休日の朝のテレビは結構面白い 2:休日くらいは思う存分散歩をして日常の鬱屈を晴らすのじゃ 1年くらい前の散歩活動が、自転車という武器を得て散走となった 今でも、休みの日となると平日よりもやたらと早起きだ。 まるでおじいさん並にだ。 いずれにせよ、『早起きは三文の得』というではないか。 そして今日も、普段と同じように有意義な休日を送ろうとしていた。 録りだめしてあったビデオを少しだけ見て、で、ちょっとフラフラしますか と、いつもの自転車用装備を携えドアを開けると、 ない ない ない! とまるでシブガキ隊クラスの大騒ぎ(世代を感じますネ・・・ 愛チャリBD-1まりな号がないのである! それもそのはず、おれはここ数日ナゾの膝痛にやられていた。 今週の火曜あたりだったか、朝いつものようにシャーッと快適に 愛チャリBD-1まりな号で会社に到着し、テキパキと折り畳み輪行袋に入れ、 社員入り口へのスロープを下ると、やおら右膝に強烈な激痛が走ったのだ。 おれは危うく、斜度5%程度のスロープをフロスティー・ザ・スノーマン な雰囲気で(←この辺ちょっとディズニーマニアぶりを発揮中)転げ落ちる ところであったのは言うまでもない。それこそ、 インディー・ジョーンズ 魔宮の冒険あるいは、いつでも世間を お騒がせしているおれの母校のW田大学の某サークルの激流下りと 形容しても大袈裟ではないくらいの恐怖的危機的瞬間であったのだ。 そのために、おれは無念のバス通を余儀なくされてしまったのだ。 この日の事件以来、バスに乗ることを出来るだけ避け続けていたのだが、 階段を上り下りするのもままならないくらいの必殺技クラスのダメージを 受けてしまっているこんな夜は、おれはいつまでも僻んでいる訳にはいかないのだ。 もうそろそろ、バス共との和解の態度を示さねばならん時なのだ。 気分はすっかりパレスチナのアラファト議長である。 ノンステップバス万歳!イヤッホーゥ!!! そんなわけで、愛チャリBD-1まりな号は会社に囚われの姫となってしまっていた。 休日に自転車に乗れないくらいなら死んだ方がましだとは決して思わないが、 (ソンナテイドデ死ニタクナンカナイデスタイ)しかし自転車が身近にいない というのは、まるで同棲相手が急に部屋を出ていったかのような空虚感を覚える のだ(←まるで実体験したみたいだな、お前) 緊急出動 姫を救出せよ! そのためにはまず時間を選ばなければならない。 なぜならおれはまだ「膝が痛い痛い言ってるヘタレ野郎」 だと会社の人間からは思われているに相違ないからだ。 社内に人間が多く行き来している時間帯に乗り込むのは極めて危険だ。 変に気を遣われて、 「あなた、膝が痛いんでしょ?自転車なんか乗っちゃダメよ」 などと言われてしまってしおらしく撃沈、なんてことにもなりかねないのだ。 そうかといって、今日は土曜日。あまり遅い時間だと会社が閉まってしまう 可能性もある。もしそうなってしまった場合には、屈辱感が土曜日はおろか 翌日の日曜まで持ち越しとなり更には明後日の月曜を最悪の気分で迎えた挙げ句 会社の若いオネーサン共に悪態を突いてしまう可能性だってあるのだ。 それではいけない。 ということでミッション決行時刻を午後3時と定めた。 姫よ、待っておれ。 ...
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