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お昼寝、こわい夢。     2004年09月06日(月)



お昼寝をした。
夢をみた。
とてもとてもこわい夢だった。

**

現実にちかいせかいではXディが決まっていて、
その日まであとわずかだった。
荒廃してゆく空気を感じながらあたしは歩いた。
たくさんの場所を歩いた。
教会のような場所で幸せそうな夫婦に出逢った。

その日は来てしまった。
人がばたばたとしんでゆく。景色は崩れてゆく。

けれどしなないひともいた。あたしはそのひとりだった。
完全に色の無くなったせかいをあたしは歩いた。
いつかの教会では未亡人が泣いていた。
夫人だけ生き残ってしまったみたいだ。

枯れた丘であたしは友達のお兄さんに出逢った。
会ったことはないけれどそのひとは彼女の兄だった。

「これは妹から君に、とあずかっていたものだよ。」
そのひとはあたしに緑色のディスクを2枚手渡して去っていった。

そのディスクから映像が流れてきた。彼女がわらっていた。
もうどこにも色が存在しないこのせかいのなかで
あたしのまわりにたくさんの色があふれてきた。

あたしは涙をこらえて歩いた。
知らないおんなのひとから赤い箱をもらった。
どうやらこれもあたし宛てのようだった。

箱をひらくと、きれいな音楽と声と色とりどりのしゃぼんだま
が宙を舞ってあたしのまわりを囲んだ。
あたしはその柔らかくて芯の通った雰囲気から一瞬で
もうひとりの彼女からの贈りものだと気づいた。

あたしはもう涙をこらえることが出来なかった。
あたしは立ちつくしたままだった。

色の無いこのせかいで、あたしのまわりにだけ存在する
ふたつの、ふたりの色。


色が想いが声が空気が笑顔がゆっくりときえてゆく。

待って、待って。行かないで。



**

「どうしたの?」恋人に強く揺さぶり起こされて、涙で濡れた顔やまくらに気づいて、あたしは夢から覚めた。
とてもひどくうなされていたらしい。気づいたらからだも汗でびっしょりだった。
「とてもこわい夢をみたの。」そう言いながらあたしは泣いた。夢でよかったとおもって泣いた。

だいすきなあのふたりは今、元気かどうか心配になった。
悪いことが起きてないかとても不安になった。

いてもたってもいられなくなってメールをした。
電話ですぐにでも声を聴きたい気持ちだったけれど、ふたりの生活を考えて、あと何よりあたし自信がパニック気味でうまく話せそうになかったからメールにした。
そんな状態で書いたメールだからあとで読み返してみたらとても拙くて恥ずかしかった。

ふたりからのあったかくてやわらかい返信にこころからほっとして、夕方ふたたび眠った。
もう夢はみなかった。




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