わたしは、よく街で尋ねられます。 「○○はどこですか?」などと道を聞かれるのがほとんどです。 おまけに日本人ならまだしも、外人に尋ねられる率も高く、 英語圏に生んでくれなかった親を恨みます。
学生時代、渋谷で「ハンズはどこですか?」と外人に聞かれ、説明ができなくて、 「ゴー!カムヒア!」とか言ってハンズまで連れて行った経験があります。 立川のホームで「どの電車がいちばん速く東京に着くか?」と英語で聞かれて、 今ホームにいる電車は「快速」だけど、 いちばん速いのは反対側のホームに次に来る「特快」に乗らなきゃいけなくて、 でも今いる快速が行った後には普通電車が入って来ちゃうから、 単純に次の電車に乗れって言ってもこっちのホームの次の電車じゃなきゃダメなわけ。 ってゆーか日本人でもちょっと頭を使う中央線なのに、外人にわかるわけないし。 あたふたしながら反対のホーム指して「ネクスト、ジスホーム!」とか言って なんとか伝わってホッとしたこともありました。 先日は東海道線で「藤沢に停まりますか?」と外人に聞かれ、 藤沢に停まらない電車なんてねぇ!と内心思ったんですが、 止まりますよと優しく教えてあげました。
それがもう「尋ねられ師」と言うだけあって、旅先でまで尋ねられるのです。 わたしそんなに「この街は俺の街」みたいな顔で歩いてますか? ガンバやラーメンズ絡みで大阪へ行ったときも 「厚生年金会館はどこですか?」とか「この辺に映画館ありますか?」とか ジモティーさながらの質問をされました。 最近では、あ、あの人こっち来る!なんか聞きに来るー!と 察してしまうまでになりました。
そんなアタシも今日はさすがにびびりました。
車でRちゃんを駅まで送って、帰る道の途中。 わたし運転はかろうじてできますが、できれば左折だけで帰りたいわけですよ。 自分の描いた地図の中に右折があるだけで 憂鬱になるくらいプレッシャーなのに、 どうしても今日は避けられない右折があって、慎重に走っていたのです。 魔の右折交差点に差し掛かると、ちょうど信号が赤になり、 ワタシは「右折で先頭車」という悲惨なプレッシャーを浴びることになったのです。 対向車の微妙な台数を見て、あぁ5台行ってからじゃないと曲がれない・・・とか 憂鬱になりはじめていたとき。
ドンドンドン! ドンドンドン!
助手席の窓をいきなり叩かれたんです! !? そこにはおじーさんが立っていたんだけど、 ってかちょっと信号待ちだぞー?!何考えてんだよ、じじぃ! 慌てて窓を開けようとする間もなく、 いきなし! ドア開けやがったッ!!!!! なにしやがるんだーーーッッッ!?ひとんち車だぞー!? アタシはマジでびっくりして、 「ちょ、っちょっと何ですかっ!?」って言おうとしたらジジィに遮られ、 いきなり出し抜けに、
「西はどっち!?」
「に、にしぃー?!」意味わかんねーよ。すると、すかさず、 「東京はどっち?!」とジジィ。 「あ、あっちですけど?」うわーバカっぽいけど、とっさにそう言うしかなかった。 「じゃぁ、西はこっちね?!」とジジィ。 「はぁ・・・」あっけにとられたワタシ。 「ありがとう!」
バンッ!
とアタシの車のドアを閉めて「西」へ歩いて行ったジジィ。 ・・・モーッッッ!!!!!なんなのぉ!? よりによって右折の前だよー? おまえ、アタシがどんなに右折がイヤか知りもしないで! 信じらんなーい! ちっくしょー!逆教えればよかったぜ! なんて非常識なジジィなの! この衝撃的なジジィとのやりとりは当然同じ信号待ちの対向車にも、 アタシの後ろの車にもお見通しだったと思うが、 傍目では「知り合いのじーさん」としか思えなかったかもしれない。 違うんだよー、この人、いきなり勝手に人の車開けてさぁー! 犯罪だと思わないかー!
何事もなかったように再び前を向き、信号が変わるのを待ち、無事に右折して帰ったのだが。 ジジィと話してる間に信号が青になっちゃったらどーしよーかと思ったわ。
反省すべきはアタシがドアロックしてなかったことなのだが、 それにしてもずうずうしい。 年寄りってどーして強引なのか。 今思うと尋ね人の老人だったからよかったものの、 犯罪に巻き込まれたりする可能性も十分あるわけで、 車を奪われるかもしれないし、そのまま誘拐されたり、襲われたりするのかもしれない。 冷や汗が出ました。 みなさんもくれぐれもドアはロックで。 そしてくれぐれもこんな尋ね方しないでください。
今頃になってオザケンのドアノックが頭を巡りました。 キミノ ココロノ トビラヲ タタクノハ イツモ ボクダッテ カンガエテル〜♪
ジジィ〜〜〜(怒)。
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