ジャキッとエッジの立った、それでいてマイルドに心地よく歪んだ音がする。 2004年01月12日(月)

誰にも話したことはないのだが、私の身体の一部はギターアンプで出来ている。1972年製のマーシャル50W。テレキャスターを直結すると、ジャキッとエッジの立った、それでいてマイルドに心地よく歪んだ音がする。

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当時の私は、音楽を続けていくにあたって、どうしても付きまとってくる音楽以外の部分にうんざりとしていた。なにもかもが嫌になって、音楽の道を自ら断ってしまった。そして、それを見計らったように、私のギターアンプを売って欲しいという男が現れた。私はさほどためらうでもなく、長年連れ添った相棒をその男に売り払ってしまった。その頃の私はとても貧乏だったので、その金は全て食うために使った。そう、あのギターアンプは私の血となり肉となったのだ。

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誰にも話したことはないのだが、私の身体の一部はギターアンプで出来ている。そしてそれはまだ、私の一部であることを、私は信じている。

シュガウェーブ 卯瑠寅