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しもさんの「気になる一言」
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2022年05月09日(月)
引っ越しは戦でござる、勝って錦を飾りたい

映画「引っ越し大名!」(犬童一心監督)から。
本当にあり得そうな話を、シリアスに描くのではなく、
コミック調に、軽快に笑い飛ばす展開で面白かった。
戦国時代の参勤交代、国替え、借金、減棒の苦労は、
事実としては知っていても、なかなか現代の社会と重ねて
想像することは難しいので、こういった楽しい作品があると、
歴史の苦手な人たちにとっても、受け入れやすい気がする。
さて「引っ越し奉行」なる奉行が存在したかはどうかは不明でも、
やはりどの時代でも、それを取り仕切るリーダーの存在は、
必要なんだな、と思う。(もちろん、影の力も大切であるが)
そして、引っ越しを効率良くこなすためのマニュアルも。
なぜか、このノウハウを詰め込んだマニュアルの存在は、
デジタルになったとはいえ、今の時代でも、役に立つ。
今回の主人公の前任者 (板倉重蔵)が残した「引越しの指南書」
「道具見切之術會得」「整理整頓之法會得」などと書かれたもの。
作品の中で紹介されているのは、3つの項目。
(1)歌こそ人々の心を1つにするものなり
(2)整理とは捨てることなり
(3)身体を保て、たどり着くまで
もっともっと知りたくなった「引越しのノウハウ」。
今で言う「断捨離のすすめ」とも言える。
成功の秘訣は、引越しをただの作業と捉えるのではなく、
「引っ越しは戦でござる、勝って錦を飾りたい。
共にたどり着こうぞ」と鼓舞したり、
「これは合議の理不尽に対する我らの戦でございます」と
「戰」というのは単語を使ったところにあるなぁ。

P.S
作品中「引越し奉行」という単語は頻繁に出てくるが、
「引越し大名」という単語は、一度も出てこなかった。
どうして、タイトルは「引越し大名!」なんだろうか。(笑)



2022年05月08日(日)
誰かが頑張って守ってくれてる秘密のお陰

映画「ゾッキ」(竹中直人・山田孝之・齊藤工監督)から。
う〜ん、楽しいことは楽しいが、映画作品という視点で捉えると、
これは評価が分かれるんだろうなぁ・・と思いながら、観終わった。
メモを眺めると「秘密」ってキーワードで括られる。
作品冒頭に「最近俺は思うんだが、生き物と言うものは
秘密がなくなると死ぬんじゃないだろうか?」
「秘密は大事にしろ、なるべくたくさん持て」という会話で始まり、
作品ラストに「牧田くんってさ、秘密ある?」「あるよ」「いくつ?」
「墓場まで持ってく覚悟のが1個ある」「何か重いね」
「でも、そうやって誰かが頑張って守ってくれてる秘密のお陰で
世の中うまく回ってるんじゃないのかな」
「そう思う?」「時々ね」という会話が用意されている分、
全体のつながりは「秘密」なんだろうと思う。
多彩な、そして豪華なキャストが揃ったのも、
3人の俳優の共同監督の力と言わざるを得ないのかもしれない。
秘密って、やっぱり謎めいた単語だよなぁ。

P.S
個人的には、冒頭に映し出された習字の2作品が気になる。
「太鼓と私」「絶望の光」・・この意味は?



2022年05月07日(土)
運命共同体ってわかるか?

映画「野性の呼び声」(クリス・サンダース監督)から。
主人公は「パック」という名の、表情豊かな犬。
前半は、秘境アラスカへの郵便配達に使う犬ぞり、
その犬ぞりの先導犬として活躍するまでを描いている。
面白かったのは、郵便配達人が犬に話しかけるシーン。
「バック、俺たちが運ぶのは手紙じゃなく人生だ」と。
さらに、まだ仕事に慣れずカーブで失敗したバックに、
「運命共同体ってわかるか?」と真剣に話す。
「犬には通じないって・・」という女性の言葉に、
「通じるさ」と言い放った後、またバックに話しかける。
「いいか、俺たちは全員で一つだ。
転ぶ時も、起き上がる時も。さぁ、やり直しだ」
彼のこの熱い思いが犬たちに伝わって、目標をなし遂げる。
手紙を受け取って喜ぶ人たちを見ながら「わかるか?、
運ぶのは手紙じゃない。大勢の人生と希望と愛を届けてる」
後半は、初老のハリソン・フォードとともに、冒険に出て、
苦労しながら、一緒の時間を過ごすことにより、
人間と同じような友情が芽生えて、気持ちが通じ合っていく。
人間と犬、やっばり「運命共同体」って感じだな。



2022年05月06日(金)
俺の故国じゃこう言う

映画「ワンダーラスト」(マドンナ監督)から。
ポップ・ミュージック界の女王、マドンナの初監督作品。
物語の主人公が、語りのように口にするフレーズ。
それが「俺の故国じゃこう言う」
その諺みたいに台詞がまた面白い。
「ナイフのジャムを舐める者は舌も切る」
「空に届きたけりゃ、とにかく飛べ」
「悪魔が力を失ったら美女をあてがえ」・・
どうやら「ウクライナの諺」らしい。(汗)
「故国」を辞書で調べてみると、
「古くからあった国・昔あった国。 
自分の生まれた国・母国・ふるさと・故郷」の意。
翻訳者が、どうして「俺のふるさとでは・・」とか
「俺の母国では・・」と訳さなかったのか、
ちょっぴりわかるような気がした。
先述した諺、もう一度、読み直して欲しい。
何かの教訓なんだろうか・・なかなか味わいがある。



2022年05月05日(木)
陰で陽を制すれば攻略できる

映画「SHADOW 影武者」(チャン・イーモウ監督)から。
白黒を基調に、映像美はさすがだったが、
気になる一言をメモしている私にとっては、
期待が大きかった分、消化不良として観終わった。
相手の絶対的な力強さの前に、
「楊家(ヤン)の刀術は豪壮な陽の質だ。
女人の動きで傘を使い、雨水で滑らせ、
陰で陽を制すれば攻略できる」と戦術を立てるのだが、
これもまた、戦いにありがちな作戦ではないか。
相手の力をまともに受けるのではなく、
力を逃して、その力を利用しながら、戦うこと、
それが「白と黒」の映像に通じるものかもしれない。
とにかく「剛・柔」「主・影」「男・女」など、
全体的な構成に「対」を意識したものとなった。
反対の立場になってみることの大切さ、
そんなことを教えてもらった気がする作品だった。



2022年05月04日(水)
君は進めたのか?

映画「ランボー ラスト・ブラッド」
(エイドリアン・グランバーグ監督)から。
ランボーのいつ戦闘が始まるのか楽しみにしていたが、
残り30分を切ってから・・でちょっと残念。
何もかもが、中途半端な感じがしたのは、私だけ?
何人か登場した人物の役割もそうだし、
伏線になるような会話とか、メモするシーンが少なかった。
物語の冒頭、ランボーが古い友人の孫娘、ガブリエルに
「レターナイフ」を贈るが、若い彼女は
「悪いけど今どき手紙は書かないから」とつれない返事。
そこでランボーが「なら男から身を守るために」と、
冗談めいて「何かに使える」と手渡すシーン。
また、ある女性に復讐の手伝いを頼む「手を貸してくれ」と。
しかし、あっさり断られ「なぜ?」と聞き返す。
彼女は「何か変わる?、何も変わらない。
悲しくても前に進むしかない」とつれない返事。
そこで一言「君は進めたのか?」と。
この一言、今の私にもけっこう響いたなぁ。(汗)



2022年05月03日(火)
1人で海を渡るってどんな感じ?

映画「アドリフト 41日間の漂流」
(バルタザール・コルマウクル監督)から。
実話の映画化ではあるが、何かドラマ的な展開を期待した。
アクシデント、ハプニング、トラブル・・なんでもいい、
観ている私たちが想像できないようなことが起きるのかと。
しかし期待は裏切られ、淡々と物語は進み、終わった。
邦題で「41日間の漂流」だとわかってしまうし、
「漂流2日目」の字幕を目にするまで、37分かかり、
あとは省略かな、と思えるような流れで、夢中になれなかった。
冒頭で、こんな主人公の2人の会話がある。
「1人で海を渡るってどんな感じ?」
「惨めだ、冷えるし、ひどいものさ」
「そんな・・本当に?」
「日焼け、不眠、船酔いのどれかに苦しめられる。大抵3つ同時だな。
空腹だし、体も濡れっぱなしだし、数日で幻を見始める」
「見ても楽しくないやつ?」「全然ね」
この会話をメモしてしまったので、流れが読めてしまった。
感動的な話なのだろうが、ドキュメントではないのだから、
もう少し、何か工夫が欲しかったなぁ。



2022年05月02日(月)
HOTEL DE POLICE・・字幕は「警察署」

映画「シティーコップ 余命30日?!のヒーロー」
(タレク・ブダリ監督)から。
物語の最初から最後までコメディがウケた。
しかし、お笑い芸人が演じているのではなく、
俳優が真面目な顔して、ずっこけまくる。
下ネタも満載で・・フランスらしいな、と拍手した。
この映画に変なレビューはいらない。
スベりまくるネタに「くだらねぇ・・」と言いつつ、
ただただ笑っていればいい・・そんな感じだ。
冒頭にメモした単語は、警察署の看板。
「HOTEL DE POLICE」・・字幕は「警察署」
予告映画でも「フランスNo.1 大ヒット!!」の文字、
最近観たフランス映画は、眉間に皺を寄せるような、
人間関係が難しい作品が多かったから、
たまには、こんな映画もいいんじゃないか、と思う。
遊ぶ時は遊ぶ、泣く時は泣く、笑う時は笑う。
いろいろな要素を詰め込まなくても、いい。
ツッコミどころ満載・・これがコメディの真髄かな。



2022年05月01日(日)
本当の自分を恐れないで

映画「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」
(J・J・エイブラムス監督)から。
これだけ長くシリーズ化されると、
途中から観た人は訳がわからなくなるのでは?と思う。
全作観ている私でさえ、もう分からなくなっている。(笑)
1作目の冒頭、衝撃的な映像だった宇宙船、
今は驚きも少なく、自分が年齢を重ねたことを実感。
今回は、どの台詞を選ぼうか迷っていたが、
メモを読み返すと、何度か繰り返された
「本当の自分を恐れないで」が浮かび上がった。
そして「レイ、血よりも強いものがある」
「恐れとの対決はジェダイの宿命、君の定めだ」
「パルパティーンから逃げればジェダイは終わる」
いろいろな面で顔を出す、不安や孤独なども、
これは自分ではない・・・と否定するのではなく、
本当の自分を認めながら受け入れていく。
私たち人間の誰の心にも必ず持っている
「恐れ」という本質を味方にするくらいの気持ち・・
大切なんだろうなぁ、ジェダイには。



2022年04月30日(土)
フェンスなど作らないことだ。庭は2倍の広さとなる

映画「エジソンズ・ゲーム」(アルフォンソ・ゴメス=レホン監督)から。
「原題:The Current War」(電流戦争)を、
わざわざ「エジソンズ・ゲーム」にした意図は何だったのか、
ちょっと気になるところではあるが、意外と面白かった。
私のお気に入りは「シカゴ万博会場で2人が出くわすシーン。
電力送電システムをめぐって繰り広げたビジネスバトル=電流戦争に、
勝利した側のウェスティングハウスが、エジソンにこう話しかける。
「フェンスは奇妙なものだ。
隣家が作ると家が2つに分かれフェンスは共有に。
問題は片方の家がフェンスを設計し、それを作り、
そのための費用も負担する。だが、もう一軒は無料でフェンスが手に入る」
と、繰り広げられてきた「電流戦争」を例えた。
「君の案を奪ってはいない」と呟きながら、
「解決方法はフェンスの費用を折半にするか、フェンスなど作らないことだ。
庭は2倍の広さとなる、違うか?トム」と投げかけたことだ。
負けたエジソンも「話せてよかった」とその意味を理解した。
「2人は、新しいエネルギーで現代社会を創る」という目的は同じ。
いつまでたっても、フェンス越しにお互いを罵倒するより、
フェンスを取っ払って、大きな世界を創ろうよ、そんな提案にも思えた。
彼らのこういった競争があったからこそ、現代社会がある。
「エジソンは『電流戦争』に敗北後、
キネトグラフ、キネトスコープの特許を取得。
新産業の『映画』を創った」というテロップを見つけた。
こうしてこの作品を観ることができたのも、
エジソンのおかげなんだよなぁ、感謝。