2006年01月22日(日) |
『エリザベートガラコンサート』 |
『エリザガラコン』そう聞いただけで見たくなるのに かよちゃんが出る・・・これは見たくてたまらなくなった。
あとから知った出演者は実に魅力的だった。 ナルセも出る、ぶんちゃんも出る・・・あやか嬢やみどりサンも出る。
もう見たいに決まってるやん。
でももちろん、チケットなんて取れるはずなかった。 『グランドホテル』と同じ時期だから一度に見たい。 そう思っていたから余計に厳しかった。
ようやく手に入れたチケットはたった1枚・・・しかも3万円。 妹にあきらめてもらって・・・私ヒトリで見ることにした。
トート・・・麻路さき フランツ・・・稔幸 シシィ・・・白城あやか ルドルフ・・・絵麻緒ゆう 子ルドルフ・・・朝澄けい エルマー・・・成瀬こうき
な〜んとスペシャルなんでしょう。
そこへルキーニは樹里咲穂・・・とまたまた豪華さプラス。
どんなふうな舞台になるんだろうか・・・と期待と期待と期待だけだった。
舞台はオケがどーんといて、その真ん中と両サイドにスロープ状の階段。 たったそれだけのセットだった。
「被告ルイジルキーニ・・・イタリア人テロリスト。 エリザベート皇后殺害の罪で逮捕。刑務所独房内で自殺を図る。」 とお決まりのセリフで始まる。 ルキーニ・・・いつもの衣装で後ろ向きに登場。
振り向いたルキーニは太いマイクを握り締めていた(笑)
ストーリーそのままに展開されていく舞台。 でも登場する人たちは全てトート閣下までも太いマイクを握り締めていた。 最初は違和感を感じた・・・でもあっという間にそんなことは気にならなくなった。
麻路トート登場。現役時代と変わらないオーラを感じる。 歌は・・・・・・・・・だけど、そんなこと気にならないくらいの圧巻。 「これだこれだ。このオーラだ。」 悲しいけど、今、劇場の隅々までオーラを届かせることができる生徒はいない。 ・・・私はそう思っている。
あやか嬢も現役の時と変わりなく、それよりも声に艶があり、 すばらしいシシィだった。
最初の「鳥のように〜」はちょっと「ありゃりゃ?」と無理を感じたが そんな無理なんてどこかへぶっ飛んでしまった。 どちらかというと在団時のシシィよりも味がある。
まあ、とりあえず、思いついた人から・・・
ヘレネ(愛田芽久) なんとかわいい妹のような姉のヘレネ。 「皇太子殿下、こちらの娘もかわいいですぞ。」とオススメしたくなるくらいかわいい。
母親のルドヴィカ(久路あかり) 彼女もうまい。シシィよりも若いおかーちゃんっていうのもなんだけど うまさでカバー。 役的にちょっと物足りないような気がしたけど、あとでマダムヴォルフで登場。 こちらもかなり圧巻だった。 「そういえば、新公で2幕のシシィをやったっけなぁ。」と思い出してしまった。
マックス(大峯麻友) あったかいなぁ。この人の芝居はあったかい。 歌だけなのにあったかさを本当に感じてしまった。 そしてこの人の『ベルばら』のルイを思い出した。 あの役もあったかかった・・・。
グリュンネ伯爵(ちあきしん)もっと歌が聞きたかった。 シュヴァルチェンベルク公爵(葛城七穂)懐かしいなぁ。 ヒューブナー男爵(雅景)美しさが変わらない。 ラウシャー大司教(真丘奈央)記憶に新しい。 ケンペン男爵(すがた香)彼女も歌がかなりうまかったなぁ。 再び歌が聴けてうれしかった。
この5人はことごとく・・・後ほど市民などで登場するけどそれがコワイコワイコワイ。 群集でいるだけなのにちあきさんときたら存在感ありすぎなんだもの。
ゾフィ(美々杏里) 在団中よりもすこしクドさのなくなったゾフィでとても見やすかった。 美々サンも市民で登場したりした。彼女も存在感ありまくりだった。
ヴィンディッシュ嬢(真樹めぐみ) 昔「歌のうまいカワイイ人だなぁ。」って思った覚えがある。 彼女のヴィンディッシュ嬢は本公演とは少し違った雰囲気で それでもとても悲しみを帯びた感じがした。うまかった。ホントにうまかった。 歴代の中で一番好きかもしれない。
リヒテンシュタイン(秋園美緒) そんちゃんの声は本当にきれいだ・・・とつくづく思った。
エルマー(成瀬こうき) 現役と変わらぬスラリとしたスタイル。 歌があまりないのが寂しかったけどナルセの男役スタイルが見れたことが とてもとてもうれしかった。 何よりもルドルフのぶんちゃんと絡んでいるのがうれしい。 さよなら公演を思い出してしまったくらい。 もっと出番があれば・・・と思ったけど、歌中心の構成だから仕方がない。
子ルドルフ(朝澄けい) 今回はかよちゃんを見に行ったと言って過言じゃない。 かよちゃんの子ルドを見ることができるなんて 夢にも思っていなかったから本当にうれしかった・・・。 現役当時の・・・歌うと少し力んでしまう癖もあまり出ず、 どちらかというと自然に歌えていたと思う。 『ラビリンス』での麻路トートとの絡みなんて本当に夢のよう。 このあたりからボルテージがあがってきたような気がする。 出番はかなり少ないけど、それでも十分満足できた。
ルドルフ(絵麻緒ゆう) ぶんちゃんが出てきた途端、本当に時間が戻ったかと思った。 それくらい全く変わりないルドルフで・・・ あれから長い年月が経っているなんて思えないくらいだった。
歌中心でストーリーの流れに無理があるというのに ぶんちゃんはヤバイくらいにルドルフで・・・当時 「この人は役を演じるのではなく、役そのものになってしまうんだ。」 と思いながら見ていたのをふと思い出してしまった。
そこへフランツヨーゼフ(稔幸)登場。 もうこのあたりから涙が止まらなかった。 退団してから少しふくよかになった稔サンを見ていただけに 今回どうだろう・・・って思ったりもしていたのにそんなことはカケラもなく、 哀愁漂う哀しみの皇帝フランツがそこに存在していた。
あやか嬢のシシィと歌う『夜のボート』は鳥肌が立った。 歩み寄りながら手を差し伸べ、届きそうなところでふとうれしそうな顔をするフランツ。 でもすれ違ってしまって一瞬にして寂しい顔になってしまう。 その横顔を見たら切なくて・・・また泣いてしまった。 「哀しいよ。フランツ。」そう思ってしまった。
麻路サンのトートは現役の時もとても好きだったけど 今回、それこそ、歌だけでつなぎ、黒天使もいなくてどうなることかと思ったのに そんな心配をよそに完璧なくらいのワールドを創り出していた。 指先にいたるまで美しく・・・セットがないため・・・ 例えば、1幕のラスト銀橋に座り、自分を見つけてしまったシシィに困惑する様子や 棺の上に乗って「命を奪って」というシシィに見せる表情とか・・・ ・・・そういうのを見ることはできなかったけど・・・それでも魅了するに値するトートだった。 黒天使までもが見えるようだった。
一度は見たかった樹里ちゃんのルキーニも小気味いいほどで テロリストというふうではなかったけど、ウマサ抜群だ・・・と・・・ 「ブラボーっ!!!」と叫びたくなるほどだった。 客席を自分のものにするのがうまい・・・そう思えるシーンもあった。
他の出演者もみんな歌のうまい人ばかりだから、アンサンブルも超豪華だし、 カゲコーラスなんてビンビン来るし・・・民衆なんて圧巻だし・・・ 「なんて贅沢なんだろう。」って何度も思った。
出演者のメイクなども少し薄めで・・・髪が長かったり、 その・・・太いマイクを握っていたり・・・ソデから出てきて急に歌いだしたり・・・と もちろん本公演とは少し違ったものだったけれども・・・ 本公演当時と比べてみなさん、肩の力がいいくらいに抜けていて 妙な力みもなく、全てが心地よく調和されていたように思えた。
今回、私にとって本当にベストメンバーだった。 他の日の出演者がそうでないワケではない。 私は、麻路さん率いる星組の時代が本当にとてもとても大好きだったから このメンバーでこのすばらしい作品を見ることができるなんて 本当に夢にも思っていなかったことだから・・・始まるまでの緊張感や 見ている間の喜び・・・見終わったあとの満足感・・・なんともいえないものだった。 「恍惚」というコトバがぴったりくる作品だと思った。
今では見慣れてしまったからかもしれないけれど見ながらワクワクしたり、ドキドキしたり、 計り知れない感動を覚えたりする舞台が最近ではあまりないように思える。 スター性ばかりを重視して、作品のストーリー性さえも軽んじられることが多いことも 理由のひとつだ・・・今回はそのことも改めて思った公演でもあった。
初めて雪組で見た時に強い衝撃を受け、驚愕し、そして困惑さえしたこと、 星組で見た暗い舞台の中に不思議な色彩を見たような驚き、 それから全組通すまで回を重ねるごとに見る側の耳も目も肥えてきて、 違った視点で隅々まで見るようになって ・・・歌詞の一語一句までも・・・歌えそうな 黒天使のダンスまで踊れそうな(いや、踊られへんけど)・・・そんな気にさえなったこと・・・ そんなことを何度も思い出しながら・・・浸ることができた。
一瞬にして“当時”へタイムスリップしたかのような錯覚さえ覚えた今回のガラコン・・・ 気がついたら、涙し、気がついたらのめりこみ、 そして気がついたら、心から拍手を送っていた。 ルキーニの歌に鳥肌が立ち、トートの指先や表情に酔いしれ、 フランツやルドルフ・・・そしてシシィのシーンヒトツヒトツに心が震えた。 本当に震えが止まらない公演だった。
もう2度とこんなスペシャルな公演はないんだろうなぁ・・・と 少し寂しくもなったけれども・・・このチャンスにめぐり合えたことに とても幸せを感じることができた。
PS.少し哀しかったこと。 今回必死の思いでチケットを入手した。 前売り当日から様々なサイトで高額で売り出されていたチケット。 それでも見たい気持ちに変わりはなく、 「私のような人がいるから高額で売り出す人もおるんや。」と思いながら チケットを探し続けた。 ようやく見つけ、入手したチケットは3万円。 2階の一番後ろの端っこの席。通常は1万円もしない。 「この後ろは立ち見。立ち見で2万5千円出すなら・・・」と もう狂ってしまった頭で妙なイイワケをして決心した。 届いたチケットは友の会の先行予約のものだった。 友の会のチケットであってほしくなかった。 それでも「いらないよ/怒」と言えないことの哀しさ。 少し裏切られた気持ちがしたことは否めない(涙)
1989年・・・月組・・・涼風真世さよなら公演で初めて見た。 プラチナチケットだったこともあって、2回見るのが限界だった。
そのあと、宝塚版CDと海外版CDを買って 飽きるほど聴いた・・・何度聴いても飽きなかった。 「もう一度みたい。もう一度あの回転扉が回るのを見たい。」 そうずっと思っていた。
そこへこの舞台の話を聞いた。しかも紫吹サンが出るという。 「え?紫吹サンがフラムシェン?あのアサノカヨがやった役?」 そう思ったけど、見たくてたまらなくなった。
早々に先行予約でチケットをGET。 今か今か・・・と待ち遠しくてたまらなかった。
雪の影響でヤキモキしながらようやく着いた劇場。 重厚な雰囲気の舞台装置。 大きな回転扉とその上から両側に降りた階段。 そしてその全体の上にバルコニーのようになっていて そこにオケが入っていた。 オケの人たちも盛装をしていた・・・。
開演ベルもなく・・・始まる。 耳に覚えのあるメロディが流れ始めた。 どきどきと鼓動が高まり、涙が出てきた。 「見たかってん。ずっと見たかってん。」そう何度も思った。
歌詞は違うものの、ニュアンス的には同じで全て聴きなれた曲だ。 もううれしくてたまらない。
何度目かのさよなら公演中だというグルーシンスカヤに前田美波里サン。 ガイゲルン男爵に岡幸二郎、グルーシンスカヤの無二の親友に諏訪マリー 出産間近の妻を持つホテルマンエリックにパク・トンハ、ドクターに藤木孝。 それからプライジング社長に田中健、オットークリンゲラインに小堺一機・・・ そしてフリーダフラムシェンに紫吹サン。
宝塚版はオットーが主人公だったけど、今回は違うため 視点が少しずつ・・・違ってきてるけど・・・流れなどはそのまま。
岡サンの声はすばらしく、鳥肌がたつほどだった。 美波里サンはチュチュ姿はびっくりしたけど、さすがに存在感は圧巻。 途中、男爵と恋に落ちるシーンでのびっくりするほどの赤いバラのついた白いベッドには度肝をぬいたけど・・・(笑)
紫吹サンのフラムシェンは色気たっぷりで、麻乃佳世が演じたフラムシェンのような純粋無垢・・・無邪気な感じはなかった。 麻乃佳世のフラムシェンは世間知らずゆえの大胆さのようだったが 紫吹サンのは上り詰めていくための計算された大胆さだった。 でも心が純粋だったため、上り詰めるための堕落を見ることはなかった・・・というような感じだった。
美しすぎるほどの美脚を惜しげもなくさらけ出し、色気を振りまく。 なかなか似合っていた・・・ついこの間までバリバリくさくさの男役だったとは思えないくらい。
小堺サンは、期待以上でとても人間くさい、憎めないおじさんだった。 今回・・・見る前と見た後の印象のギャップが一番大きく、 一番心に残ったのは小堺サンだった。
他の人たちもそれはそれはすばらしい声の持ち主たちだったり、 小気味いいダンスを踊る人たちだった。
2時間弱の短い舞台だったけど、1曲1曲が心に響き、 ストーリーもだけど、舞台構成・演出が洗練されていて 見た後にもしみじみと心に染み渡る・・・ もっともっと見ていたい・・・そう思う公演だった。
『グランドホテル』・・・宝塚版・・・あの頃の映像が見たくなった。
2006年01月17日(火) |
星組新公 『ベルサイユのばら』 |
普及の迷作…いや不朽の名作『ベルばら』の新公。 新公といえども『ベルばら』 一歩大劇場ホールに入ると異様な雰囲気が漂っていた。
友人と「スゴイ人やなぁ。なに?最近じゃ珍しいんじゃないの?」 そんなことを言いながら、食事をするための空席を探す。 やっと見つけた場所で、食事をしながら…発表されたばかりの なぞなぞだらけの異動の話をはじめた。
よくよく…聞いてみるとまわりの人たちもなにやら組替の話に花を咲かせている。
異様な雰囲気はこれだったのか…。そう思った瞬間だった。
さてさて『ベルばら』新公。 見る前からすでに満腹状態の気持ちだった。
いつもの趣味の悪い衣装の小公子ちゃんたちがズラリ。 「超下級生がやってもかわいくないわ。」そう思ってしまった。
さてアントワネット登場…陽月華。 うーん。贅沢三昧の王妃に見えない。 すでに幽閉されているかのごとく…少し貧弱。 …というかジャンヌのよう。 品があるとかないとか…書けない。
オスカル…麻尋しゅん。 オンナだ。全くの女の子。男装の麗人ではなく、女の子だった。
フェルゼン…柚希礼音。 「あの〜、上級生は出ちゃダメなんですけど。」そう言いたくなる貫禄だ。
全体的に…歌…イケてない。ダメだ。 歌えていたのはレオンだけだった。
ウメ…そして夢乃聖夏アンドレ…もっともっと歌のおべんきょ、しましょ。 まひろ…女の子なの?オスカルなの?声が出ていない。
全体的にすごく毒舌で申し訳ないのだが… ウメちゃんは芝居はまあ、できていたけど、何よりも王妃に見えなさすぎで どこか気の毒な感じがしてしまった。 でもさすがラストの幽閉されてからの芝居は文句なしにうまかった。
まひろは最初から最後まで情熱あふれる女の子で まるで部活に燃えてる女子高生のようだった。 表情がとぼしい。 バスティーユで死んでしまう時も剣の置く場所を冷静に気にしてみたり 立ち位置を気にしてしまって…途切れ途切れに見えた。
アンドレ(夢乃聖夏)芝居はうまかった。細かい表情もできていたし、 何よりもスターブーツを履いて歩いたり、走ったりがスマートだった。
芝居はできていてもスターブーツを履いて歩いたり、走ったりすると どうしても“素”の部分が見えてしまうもの。 でも彼女はそれがなく、見ていてホッとできた。 オスカルの部屋に入ってくる時の颯爽感は見事だった。
ただ、歌ね、銀橋で歌いだす時の緊張がコチラまで伝わってきて 「4番、夢乃歌います。」という感じがした。 歌の時の声の出し方を勉強しよう。
まひろオスカルと夢乃アンドレの今宵一夜はいけなかった。 ここで手をとる、後ろにさがる、ひざをつく…と 段取り段取りで…シーンがシーンだけに見ているこちらのほうが そのぎこちなさから、恥ずかしくなってしまうほどだった。
ジェローデル(水輝涼)とてもさわやかでうまかった。 「下級生やのに芝居うまいなぁ。」そう思った。
うまいと言えば、メルシー伯爵(七風宇海) すごいウマイ。 特にフェルゼンに「王妃と別れてくれ」といいに行く時。 最初は物静かに語り始めたのにそのうち、強く説得していく・・・すごい気迫。 その時の七風さんは本当にうまくて、本当にメルシー伯爵になっているようだった。
この場面で……初めて……泣きました。涙出ちゃいました。
ブイエ将軍(彩海早矢)うまいよ。いつの間にこんなにうまくなったの? そう毎回思わされるほど、うまい。貫禄ありあり。 オスカルに「オンナのくせに」という時も パリ市内で衛兵に「攻撃せよ。」と言いに行く時も気持ちいいくらいの貫禄だった。 思わず「来た、来たっ!!! 出てきた出てきた。」と喜んじゃうくらい。 おヒゲも凛々しく・・・巻き巻きヘアもステキでした。
あ、それからマリアテレジア(華美ゆうか)もうまかった。 やさしく穏やかにアントワネットやメルシー伯爵に語る。 それでも深く聞き入ってしまうような語り方。
さてさてフェルゼン(柚希礼音) 歌よし、芝居よし、着こなしよしっ!!! もう十分だよ。うまいよ。安心できちゃうよ。そんな感じだった。
そんな貫禄十分のレオン。 最後の挨拶で泣いてしまった。 「今回の公演でいろんな人に支えられているんだ…と いつもより、本当に思いました。」そのようなことを言いながら 言葉を詰まらせながら…泣いていた。客席も思わずもらい泣き…。 「ちえ―っ!!!」そんな声もちらほら。 割れんばかりの拍手に包まれ…幕を閉じた。
鳴り止まない拍手にカーテンコール。 みんなキッラキラの笑顔だった。
若いっていいなぁ。 なんかイイモノ見た気分になれた。
2006年01月08日(日) |
星組 『ベルサイユのばら』 |
ベルばらだよ…またまたベルばらだよ。 なんでもマリーアントワネット生誕250年を記念しての上演だとか。 関係ないじゃないかっ!!! それなら小林一三没後何年…とかやるほうがずっと説得力がある。
だけどだけど『ベルばら』だよ。 しかも星・雪と続演でその上、スター客演だとよ。 誰かの客演1度でいいのにチケット争奪戦に参戦だ。 うれしいか…?悲しいか?わからん。
えっと朝海サン、かしちゃん、ゆーひ、きりやん、ミズ ミズは前見たし、オスカルなきりやん…見たないし…… “今宵一夜”がしっくり行くのは…私たちの答えはかしちゃんだった。
結局私たち姉妹はかしちゃんオスカルを見るために前売りちょっとがんばった。 元々いい席で見ようなんて思ってないからA席でGET。 …ちょっとホッとする。
2001年の『ベルばら』を思い出しながら… でもあまり思い出せなくて…ピンとこないまま客席へ。
始まったぞ〜。ワタル氏のアナウンスが長いぞ。かみそうだぞ。 「え〜?サブサブタイトルまでついてたん?」妹がつぶやいた。
趣味の悪い衣装を着せられた小公子・小公女たちがずらりと並ぶ。 いつも思うんだが、この小公子のカツラなんとかならんか? (あ〜、前作はかよちゃんとまやちゃんやったな。研8やったな。オソロシ)
この子たちが歌い終わったあと、私たちの近くに座っていた女の子の 「もう終わったん?」という声が聞こえた。 「いや、これからやで〜。」と答えてあげたかった。
出た〜っ!!! 池田理代子氏の漫画が出た。これがいらん。 舞台見に来てなんで“絵”やねん。
おおっ!!! アントワネット登場。となみだ。 なんと美しいことか、なんと麗しいことか… なんと歌のうまいことか……。ちょっとうれしくなった。
記憶に新しいお花サマや星奈サンとは比べ物にならない麗しさだ。 なんといっても品がある。びっくりした。
おっとオスカルが登場だ。 サッと私たち姉妹のオペラが上がる。 「かしちゃん、きっれ〜い。」
フェルゼン…ワタル氏だ。 「う〜ん…微妙だ。」 悪意はないがワタル氏にこういう貴族の役はあわないと思う。 どちらかというと『カスミラ』や『長い春〜』の時のような ああいう役のほうがしっくりくる。
ストーリーは…わはは…そのまんまで 見ていくうちにいろいろと思い出してきた。 でもなんだか必要そうではない場面が増えていた…。 それもしつこいくらいに長く…。
まず始めに幼い(らしい)アントワネットが嫁入りする場面。 こりゃまた趣味の悪いドレスで趣味の悪い豪華な二頭立ての馬車で ♪ラリンタラルンタンタ〜、夢の王子が待っている〜のシーン。 その馬車が登場した途端、後ろの座っていた男の子が 「なんじゃ?ありゃ?」と言った。 「せやろ?なんじゃありゃ?やろ?オスカル編になるとね、 もっと趣味の悪い豪華な馬車が出てくんねんで〜。」と コチラにも教えてあげたかった。
突っ込みどころはまたもや満載で 国王が夜の散歩をしているすぐ裏でアントワネットとフェルゼンが こりゃまたびっくりするくらい豪華なボートで密会中。 密会にはふさわしくないくらいの豪華さだ。 誰か教えてやってほしい、密会するにはもっと質素なボートで もっと質素な格好で…そして歌っちゃいけない…と。 しかも2人の出会いをお互いに語り始めた。 おいおい、キミたち…密会のたびにその思い出話をしているのか!? それもまるで初めて聞いたような返事をして…。
次…ブイエ将軍がお怒りじゃ。 オスカルに対してお怒りじゃ。女の分際でとまで言い放った。 食って掛かるオスカル。 ジャルジェ将軍…パパの登場…と同時にビンタっ!!! アンドレ登場でオスカルにかけよる…。台詞なし。 なんともせつないわ。アンドレ。絵になります…アンドレとオスカル。
そしてメルシー伯爵がフェルゼンに「帰ってくれ。」と言いに行く場面。 フェルゼンは「あなたは身勝手だ。」と言い放つ。 今までも見ていて思った。 「あなたは身勝手だ。」とよくよく言えたもんだ。 「どのクチがゆ〜ねん!?」と口をひねってやりたいもんだ。 「私には私の道理や分別がある。」と言う。 「変えたほうがいいぞ。」と言ってやれ、メルシー伯爵。
でもフェルゼン…決心しちゃいました。 オスカルもそれを喜びます。「よく決心してくれた。」と。 オスカル…この間フェルゼンに「女を捨てた。」といわれた。 一番言われたくない人に言われてしまった…悲しんだオスカル。 なのにエライよ。そんな健気なオスカルを見て 「もしかしたらキミはボクを?」と言う。 「なんと自意識過剰な…。」と言ってやりたいけど……ホントなんだよ。 「私はこの軍服を着ている時は心を封印している。」と痛々しい。
フェルゼンが帰国のあいさつに来た時、 フェルゼンの一挙手一投足…一言一言に… まずジェローデルが反応する。それを誰かに止められ、 次にオスカルが1歩出ようとする…アンドレが止める。 しつこいほどにあらゆる人が根掘り葉掘りフェルゼンを問い詰める。 ほんっとに根掘り葉掘り…。
ここのオスカルを押しとどめるアンドレの顔と 思わず歩み寄ってしまいそうになったオスカルの顔が印象的だった。
ジェローデル…すずみん、思ったよりも似合っていて さすが少し職人気質を持ったスター…うまかったりする。 フェルゼンの言葉に反応したオスカルを見るしぐさが細かい。
途中何度か登場する貴婦人たちはいらない。うるさい。 あんなダジャレが何年も通用すると思っているのか? 新曲を書くほどの場面か?
そのおかげでアンドレの目が見えないことや ジェローデルがオスカルに結婚を申し込むところなどか 思いっきりカットされ、途中つじつまがあわなくなってしまった。 これがあるからこそアンドレがジェローデルに 「オスカルを守りとおす。」と誓うところとかに意味があるのに。 そしてアンドレが死んでしまうところの悲しみがさらに深まるのに。
2幕あいてしばらくしてあっという間にオスカルとアンドレは死んでしまう。 オスカルとアンドレが死んでしまって…国王一家が幽閉されてしまってから となみアントワネットがまた際立ってきた。 声がキレイなのでせりふも聞きやすい。
あ、そうそう…これやめてください。 フェルゼンが命がけで馬車とばしてパリに向かう時の映像。 映像見たり、電光見ると…冷めます。興ざめです。 『黒い瞳』の時のようなコトができへんか? 手抜きにしか見えない。 舞台見に来てんのに…映画見に来てんちゃうのに。 この時の歌も笑える。 ♪進めっ、進めっ、行けっ!!フェルゼ〜ン まるで一昔・・・いや、ふた昔前のアニメソングのようだ。
国王との安らぎのあとの別れ、そして子供たちとの別れ。 ただ、公安委員のあの場面もやりすぎに思えた。 事実だとしてもあそこまでやる必要はないだろう。 あんなに殴ったりしたら、まるで飲んだくれの酔っ払いが 「よぉ、よぉ、姉ちゃん。」って絡んでいるようだ。
最後もね、泣けるのよ。でもね、お城の塔みたいなところに幽閉されてるのでしょ? フェルゼン、内緒で来たのでしょ? 必死なのはわかるけどそんなに叫んだりしちゃダメです。バレます。 バレたらお家断絶ですぞ。シモーヌ姉ちゃんが嘆きますぞ。
なんやかんや言いながらも…オスカルとアンドレは見入ってしまうし、 バスティーユ陥落の場面などは涙なしでは見られない。
まあ、私たち姉妹はトウコのアンドレとかしちゃんのオスカルが見れたら それでうれしいので、その2人が出てきたらサッとオペラをあげ、 まるでまるでディープなファンのように追いかけた。
ところがトウコのアンドレはどこか“らしゃ”だった。 やさぐれたアンドレだった。
それでもアンドレ・オスカルの並びは美しい。
そうそう…衛兵や貴族で登場する人たちが美しい。 ももこや綺華れいちゃん、あやみん…美しい。
ベルナールがもっと書き込まれてたらよかったのに。 …えっと貴婦人のシーンやスウェーデンの祭を省いてでも…。
今年の初観劇の『ベルばら』 そして来月も『ベルばら』 どちらかというとオスカルアンドレ編が好きなので こりゃまたアンドレにこだわってみた。
えっとマサちゃんとかしちゃん。 こちらは2回見る予定。
あ〜、その前に新公だ。 アントワネット…大丈夫ですか?
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