◆◇ お気楽観劇日記◇◆
公演やビデオなどを・・・見たまま、聞いたままを
つらつらと書き綴ったまたまた気楽なコーナーです。

2003年11月29日(土)  初風 緑コンサート『Carmine -カーマイン-』

あー、とうとう今年のラストコンサートかあ。
まだまだ先やと思っていたのに。

完全なコンサート形式のリカコン、ミュージカル形式のジュリコン・・・
はたしてガイチコンはどんな感じだろう???

期待と不安入り混じり・・・いざ初日へ。

・・・そう初日にまず、見た。
ガイチも宙組の組子も・・・そして客席も手探り状態だった。
ガイチの言葉を借りれば「緊張している客席と私たち。」だそうだ。
歌やセリフを間違う・・・そんなシーンもあったりした。

歌や衣装・・・ところどころで「おや、これは○組の△△や。」とか
「×××の時の歌や。」というものが・・・たっくさんあった。

正直な話、草野先生に失望した。(←これ、マジ)

「あんたの作品の寄せ集めかよ。」ってね。

初日にはそんなこんなでわりと盛り上がりもないまま帰宅した。

そして千秋楽・・・初日の不安を抱えてのぞんだ千秋楽。

だけれども・・・なんと言ってもやっぱりガイチはすばらしかった。
ガイチの歌はさすがさすがで・・・ため息モノだった。

一部はカーマイン=赤にちなんで、宝石や血や情熱をテーマにして綴る。

他は・・・というと、はっちゃん、とも、ともえちゃん、とっきー、なぎなちゃんが
超ミニスタイルで登場してガイチを誘惑したり、

子どもから老人までの恋を綴ったり・・・しかも超お笑いで。
ここでの子ども・・・女の子がとっきーだった。
そして男の子がともえちゃんとなぎなちゃんだった。
デカイ女の子にさくらんぼとりんごをあげて取り合いする男の子たち。
おかしくておかしくて・・・こわかった。
ちなみにとっきーの名前は“クララちゃん”だった。

かと思いきや、闘牛士の運命のようなものを感動的に踊ったり・・・
笑いもあり、涙もあり・・・だった。

闘牛士のシーンではガイチ扮するジターノとリキ扮するペドロが
硬い友情で結ばれた闘牛士で他の男役たちが獰猛な闘牛。
一緒に闘いに出て、危険にさらされたジターノをペドロが守り、
ペドロは死んでしまう・・・そういうシーンだった。
この2人の歌がなんとも心地よく、聴き応えがあった。

千秋楽ではガイチは大粒の涙を流しながら、歌っていた。
私も泣けて泣けて仕方がなかった。

なぜかガイチ=闘牛士というイメージがあり、
別に『哀しみのコルドバ』の新公を見たワケでもないのに
今回絶対闘牛士のシーンはあるだろう・・・と思っていたくらい。

雪の中、泣きながらペドロへの想いを歌うジターノ。
感動の中、1部が終わった。

〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜

2部はさまざまな街をめぐり、人々に出会う・・・という設定。
まずニューヨーク。
ここではガイチがニューヨークメドレーを歌いつぐ中、
スクラッチの・・・サックスとトランペットとトロンボーンの人が降りてきて
ガイチと一緒にセッションをする・・・という新しい試みもあった。

ガイチのような人でなければできないだろう・・・と思わせた。
ガイチのうれしそうな笑顔となんともすばらしすぎる歌とセッション・・・
なんだか、うまくいえないけど、心地よい、満足感で涙が出た。

次は陽気なイタリア。
みんな陽気に歌い踊る。
そしてかなみちゃん率いる娘ちゃんたちの『コーヒールンバ』かわいい。
それから誘惑されてしまった旅人にとも・・・。

そのあと、極彩色の羽根をつけた極楽鳥が登場。
ともえちゃんだった。
しばらく1人で舞台で妖しげな光を放ち、踊る。
「すごい、すごいや。」めちゃめちゃうれしかった。
そしてゼブラの衣装を着た男役たちが歌い踊る。

それからウィーン。
白い衣装にブロンドの髪のガイチとかなみちゃんの
甘く美しいデュエットダンス。

それからアルゼンチン。
ブエノスアイレスの町のハスラーたちとさすらいのハスラーの戦い。
そして友情と別れ・・・。
赤いキューを持って踊るハスラーたち。これは迫力だった。

それから若いエネルギーのブラジル。
それぞれ全員が少しずつラテンメドレーを歌い継ぐ。

そしてガイチを残し、ピンクのロングガウンのガイチがラストの歌を歌う。
全員が黒エンビとドレスで登場し、ガイチを称えて・・・ラストソング。

千秋楽ではラストソングあたりからガイチの目に涙が。

カーテンコール・・・そう、3回か、4回あった。
その何度目かの時にガイチはボロボロ泣いていた。

そしてラストスタンディングになった瞬間・・・もう話せなかった。

「宝塚が好きです。
 今回のコンサートでこの仲間たちとまた大きな大切な重いページが増えました。
 まだまだやってみたいことがあります。これからもヨロシクお願いします。」
と所々、声をつまらせながら、挨拶していた。

私も泣いていた・・・けど、隣で妹が号泣していた。
鼻を真っ赤にして泣いていた。めずらしいくらいだ。

今回はガイチを堪能したかったし、ともえちゃんも楽しみたかった。

もちろんガイチは堪能できた。もっともっと宝塚にいてほしいと思った。
こういうエンターティナー的スターは必要だと思った。
そしてジュリコンの時も思ったけれども、実力はもちろんだけれども
時をかけて培ってきたものを表現できるスターは大切だと思った。

そしてともえちゃんも極楽鳥もあったし、ナニゲにスポット浴びて踊るシーンもあったし、これはとてもうれいしことだった。
ダンサーとしてこれからももっともっといろいろ見せてほしいと思った。

それからかなみちゃんもやっぱりさすが実力者だ・・・と思った。
かわいらしいし、大人の女もできる、歌える、踊れる。
本当にこれからが楽しみだと思った。

余談:今回は本当に見覚えのある衣装、聞き覚えのあるナンバーが多かった。
順番に言っていけるくらい。
衣装で言えば、『ヘミング』のゼブラ、『ラッキースター』の黄色いスーツ、
同じく『ラッキースター』のデニムジーンズ、『スタイリッシュ』の赤い衣装。
・・・・・・他にもあった。

歌も『夢は世界を〜』の銀橋の若手男役たちの歌、『イッツ・ア・ラブストーリー』の
ババルー、タンゴの曲も聞き覚えがあった。
他にもいろんなことを思い出せるナンバーがたくさんあった。

千秋楽を見終えたあと、ババルーがなんの時の曲か・・・で散々盛り上がった。
結局、「大階段でヤンさんが歌ってた。」ということになって、
そこからかつての花組談義に花が咲いた。






2003年11月17日(月)  宙組 『白昼の稲妻』 『テンプテーション』

今回の公演はわりとまんべんなく通った。
初日見て、翌週見て、また翌週見て・・・・・・・・・そして千秋楽。
最初は・・・見終わった時「なんや?これ?」って正直思った。

どこかありきたりで、盛り上がりにかけ、終わり方がまたいつもと同じだったから。

・・・・・と言いながら、本公演だけでも5回は見たから、私としては多いほうだ。

『白昼の稲妻』

花總さん演じるヴィヴィアンヌの復讐劇。
簡単に言ってしまえば、それだけのこと。
初日には言葉遣いはキレイなんだけど、意味の伝わらなさに不快感を感じながらも
ストーリーを追っかけるのに必死だった。

ワオさん扮するアルベール。
またもや時々失礼男に変身する。
ガイチさん扮するオーギュストとかなみちゃん扮するベラがいちゃついているところに
咳払いをして登場し、「ヴィヴィアンヌを見なかった?」と聞く。
「見なかった・・・。」と言われると「失礼、ジャマして悪かった。」と立ち去る。
ホント、ジャマだよ。2人はいいところだったのに、エンリョしてくれよ。

いや、その前にも久しぶりにサロンに登場したところで、オーギュストと話していたのに、
ヴィヴィアンヌを発見したとたん、オーギュストとの話を強引に中断し、
しかもギャランティーヌ夫人が挨拶をしているのにそこそこにヴィヴィアンヌに声をかける。

・・・目上の人に失礼だよ。

そのうえ、ヴィヴィアンヌが親の敵を知って復讐する・・・と言いながら、狼狽しているところへ「助ける」と言いながら「君が好きだ。」と告白する。

今、言うなよっ!!! 
いや、本当は「君が好きだから、君を助けたい。」なんだろうけど、
どうも唐突過ぎて・・・「今言うなよっ!!!」と思えてしまったのだ。

失礼男はアルベールだけじゃなかった。
タニオカくん扮するサバティエ。
彼もヴィヴィアンヌに密かに思いを寄せながらも、諦めざるを得ない・・・とわかった時に
自分に思いを寄せる・・・まちゃみ扮するジルダの肩を寄せ
「結局、オレにはこんなところがお似合いか。」と言う。
最初はビックリした。
「お、おいっ!!! まちゃみに対して失礼やろ。まちゃみ、あんたも怒りぃ〜や。
 失礼なこと言われてんで。それてもホレた弱みか?」そう思った。

・・・ところがこれは私の解釈マチガイだった。
サバティエは裏町の人間。
貴族だけでなく、有力な人々が権力を持ち、財力を持つようになっていくこの時代、
自分もかすかな夢を見ていたのか、ヴィヴィアンヌと同じ社会に生きてみたいと思ったのか、その諦めから出たセリフのようだった。

ご、ごめん、サバティエ、ごめん、ジルダ・・・あたしがまちごーとった(>_<)

その他の人・・・ってまだなんぼも書いてないな。

今回は花總さんのお衣装にぶっ飛んだ。
ぴ、ピンクかよ〜(>_<)

今回は全体的にデザインがイケてなかった。
それでも涙を流しながら迫真の演技の花總さんは・・・さすがだと思った。

ミズのランブルーズ侯爵。
彼は見れば見るほど病み付きになる。
あの少し鼻にかかった声で嫌味を言ったり、挑発的なことを言ったりする。
真実を見せずに裏ばかり・・・というのがドロドロと伝わってくる。

かなみちゃんのベラ。いい人なのか、悪い人なのか・・・純粋なだけなのか。
でもやはり「さすが。」と思わざるを得ない人だ。

ガイチ・・・明るいガイチ。フラれるガイチ。陽気なガイチ・・・いや、オーギュスト。
そのオーギュストの陽気さがあとのベラにフラれた時の哀しみを際立たせる。

劇中劇『オセロ』はガイチで成功したようなもんだ(失言?)

シーリア・・・今回は驚くほどオイシイ役。
ミズの愛人の役で、未亡人の役。
ヴィヴィアンヌの遠縁で彼女とアルベールのために力になる・・・重要人物。
しっとりとした大人っぽさが今回の全てにおいて
社交界の煌びやかさと儚さと哀しさを表現している唯一の人だと思った。

あとは・・・タキちゃん演じるカッサンドラ。
「いるいる、こういう人に慕われる母ちゃん的存在の人。」と思わせた。
歌がいい、なんとも味があっていい。
サバティエやジルダ、ルネなどに対する優しさがにじみ出ていた。
ここに住んでいる人たちもおもしろかった。
日によってやっていることとかが違っていた。
ヤケ酒飲む人、女から逃げる人、追いかける人・・・取り合いする人。
楽の日は1人の女の子の膝の取り合いをしていた。
「痛い、痛い・・・痛いって・・・。」と言う声がよく通っていた。
客席は大笑いだった。

ヴィヴィアンヌの家族を殺したランブルーズとヴェルネに復讐するために
『オセロ』を演じることとなって・・・・・・・・・・・・
だけど、ランブルーズたちにかぎつけられて、
主役を演じるはずだったベラたちが出演不可能となった時にまず、
ヴィヴィアンヌが「私にやらせて。」と言った。
「言わなかったけど、私、ロンドンでやったことがあるの。」
    (・・・・・・そんなウマイ話があるかいっ!!!)
そしてアルベールまでもが「自分がやる。」と言い出す。
    (なんだいっ!!! 結局あーたたちが主役かいっ!!!)

だけどだけど劇中劇『オセロ』は迫力モノだった。

イアーゴを演じるガイチオーギュストが最高にいい。

結局、『オセロ』は大成功。ランブルーズとヴェルネが社交界追放となった。

オーギュストが「ボクは屋敷には帰らないから、探さないで。」といい立ち去る。

ヴィヴィアンヌは「私のためにあなたをこんなことに巻き込んでしまって。」と言う。
ちょ、ちょー、待ってくれ、オーギュストも屋敷には帰られへんねん。
カッサンドラの居酒屋も閉めないとあかんやろ。
・・・となるとサバティエも住むところなくなんねん。

社交界追放・・・と言ったって、ランブルーズたちは生きてんねん。
お金、持ってんねん。きっとみんな仕返しにくるって・・・みんな危険やって。
そうツッコミを入れてしまった。
アルベールも「もうここにはいられない。」と言っている。
なのに「一緒にブールバールの世界で生きてみないか?」って言う。
ぶ、ブールバールってすぐそこやん(>_<)
ど、どないなってんねーん!?!?!?

決してアルベールやヴィヴィアンヌに悪気はないんだけど、
どうもそう思わざるを得ないセリフに・・・「カンベンしてくれよ。」と思ってしまう。

そして「あー、またひっついて終わりかい。たまにはひっつかへんのが見たいな。
この間の雪組のヴァンサンとナディアのように・・・。」とも思った。

*********

『テンプテーション』

こちらもなんとなく・・・・・・・そう、なんとなくで終わってしまった。
どこがいいとか・・・どこがよくない・・・とかそういうワケではなく、
「あー、あのシーンがめちゃめちゃヨカッタねぇ。」という印象に残るシーンが
あまりなかったような気がするのだ。

でも私はこのショーと『オセロ』のために通ったと言っていい。
じゃ、ショーのどこがよかったのか?

・・・・・・・それはすしおさんがずーっとシーリアと踊っていたから。
途中、えっちゃんと踊っていたりしたけど、ほとんどシーリアと。

1度・・・バイラバイラ・・・じゃなくて、その前のシーンで、
シーリアの髪飾りのスカーフが落ちた。
それをさり気に拾い、ニッと笑いながら、シーリアに渡した。
「やってくれるねぇ・・・。」そう思った。

白い衣装のダンスでは・・・タニオカくんとまちゃみがうれしそうに楽しそうに踊っている
・・・・・・その後ろで「この世の終わり。」というなんともいえない哀しげな顔で
踊っていた二人。
まるで人生の最後のダンス・・・という感じ。

なんやかんや・・・こんなこと言いながらも5回通い、
そして今はトウコちゃんのランブルーズを見るために東京行きを計画中。

『オセロ』で上手セリからせり上がってくる・・・・・・
スモークに巻かれたトウコランブルーズが見たいやん(>_<)

これってハマった・・・というんやろか?


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春吉

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