◆◇ お気楽観劇日記◇◆
公演やビデオなどを・・・見たまま、聞いたままを
つらつらと書き綴ったまたまた気楽なコーナーです。

2003年07月29日(火)  星組新公 『王家に捧ぐ歌』 初陣に出る将軍ラダメス

大きな下級生レオンの新公初主演。
本公演と同じく「なぜ、彼女にオペラ?」
・・・ま、いっか。
なんかまたまた緊張の面持ちで席に座る。
開演アナウンスで拍手・・・「ああ、いいなぁ・・・なんかいいなぁ。」

さて、いつものように思いついた人、シーンから・・・。

まず、最初に断っておくが、常にたくさんの人が舞台上にいるけど
見てわかる人や、目に止まる重要なポイント・・・というのは多くない。
思い浮かぶ人がめちゃめちゃ少なくてもそれは私の記憶力の悪さなので、
誤解されないように・・・。

最初に度肝を抜いた・・・ファラオ・・・祐穂さとる・・・。
さとるっちは歌がウマイ。
さとるっちの歌を堪能してみたいと常々思っていた。
そしたら・・・ファラオだった。「やった―――っ!!!」
歌う歌う、ウマイウマイ、歌う歌う、ウマイウマイ。
セリフもいつぞやは「?」と思っていた発声がめちゃめちゃ改善され、
・・・本役さんほど重さはないもののどこか優しさのあるファラオだった。
凱旋のところでナターシャブランコに乗っていなかったのはちょっと残念。

ネセル・・・美城れん・・・。
神官の長・・・組長の神官はどちらかというと
“力で得た権力”がある、いわゆる“王家に仕える神官”だったのに対して
美城さんの神官は“学識があり、人望で得た信頼”がある、どちらかというと
“学者タイプ”の神官に見えた。

透き通るような白いイメージで、声も優しく、まなざしもどこかはかなげで
「ああ、神に通じているんだな。」という感じだった。

ケペル・・・綺華れい・・・。
顔がキレイすぎて、あの被り物が気の毒なほどだった。
キレイな顔に煌びやかな被り物。
ラダメスの戦友・・・というよりも「机を並べて学んだ」タイプ。
 (をい、どこがで聞いたぞ。)
「戦争に行く。」と言えば「やめておけよ。」と言いそうなタイプ。

メレルカ・・・夢乃聖夏・・・。
今回1番、気になっていた。
本公演でも「おっと、レオン、大抜擢やな。しいちゃんと同じような役なんて。」
・・・と思っていただけに・・・見る前の緊張は・・・ただものではなかった。
「セリフ、ちゃんとしゃべれるだろうか、歌は歌えるだろうか、
 マント、もてあまさないだろうか、ブーツ履いて、ちゃんと走れるだろうか。」

・・・そんな心配はいらなかった・・・。
ちゃんとしゃべるし、ちゃんと歌える。
マントを翻し、闊歩して歩く・・・。
下級生のわりには声がしっかりしていて、コケることはなかった。
「ヒトツ目の銅鑼は・・・」の歌の時もキッと目を利かせていた。
本公演の槍さばきもなかなかスピードがあったけど、
新公での太刀さばきも浮いたり、揺れたりすることなく、安定していた。
(今回、本公演で下級生までもが太刀さばきや槍さばきが見事で
 “さすが・・・”と“我が愛”を思い出すほどだった。)

そしてそして今回私の大ヒット・・・。
ウバルド・・・ももこ・・・大真みらん・・・。
「ももちゃん、いつの間にそんな役者さんになったの?」
そう何度も思わずにはいられなかった。
汐美ちゃんのウバルドは・・・
どちらかというと“野心に燃えた王子”という感じだったのに対して、
ももちゃんのウバルドは
“妹や父を思い、エチオピアをこよなく愛する王子”だった。
幕開きの「今ならわかる気がする。」という歌も
汐美ちゃんの場合はどことなく“悲劇性”が感じられたのに対して、
ももちゃんの場合は“希望の光”のようなものが感じられた。
歴史が流れても妹の気持ちをわかることができたことへの喜び・・・
そんな歌に聞こえた。

そして1幕のラスト、ラダメスがエチオピアの開放を願って歌を歌う時の
妹アイーダの様子を見て「おい、こいつはまさか、本当に敵国の将軍に?」と
自分の目を疑う表情をした。
そしてアイーダの肩をつかみ「おい、おまえ・・・。」と・・・。
父王アモナスロが企みの笑みを浮かべた時もまた、父王の肩をがっしりつかみ
一緒にこの復讐をかなえよう・・・と静かに誓うのもよくわかった。
2幕の最初、幕開きから、ウバルド、カマンテ、サウフェがいて、
3人で剣を重ねて、復讐を誓う時も、不敵な笑みを浮かべて、剣をなめた。
その時の顔がおそろしいくらいだった。
そんな大事なシーンのキメの時、ももちゃんの手からポトリ・・・と剣が落ちた。
それを・・・静かにゆっくり拾い、天に掲げた・・・演出だと思った・・・・・・。
だけど、ただ単に落としただけらしい・・・すごいわ、ももちゃん。
復讐を遂げ、捨て台詞ののち、息絶える時も剣を立てたまま・・・だった。
考えすぎ・・・深読みしすぎだけど、“敵国エジプトの大地に剣を立てて”に見えた。

本公演のウバルドもとても好きだ。
でもこうも違うタイプのウバルドを見せられて、衝撃的だった。
汐美ちゃんのウバルドは話が進むにつれて、さらに悲劇性が高まる・・・というか、
ウバルドの哀しさが浮き彫りになっていった。
ももちゃんのウバルドは、話が進むうちに“復讐の鬼”のようになっていって
1歩ずつその野望に近づくにつれて、達成する喜びへの光が見えたようだった。

いろんなシーンがカットされていたから、ヨケイにそう思うのかもしれない。

カマンテ・・・彩海早矢、サウフェ・・・鶴美舞夕・・・。
カマンテとサウフェは、メイクがとてもキレイだった。
あまりコレ・・・と言った見せ場がなくて・・・残念。
サウフェはアイーダに「優しかったおまえまで・・・。」と言われる時が
とてもとても哀しく見えた。

他には・・・ないと思っていた女官の「すご、すご、つよ、つよ・・・。」の歌があって
目が覚めてしまったこと・・・
最初の伝令3人が・・・順番に出てきて、3人目が血まみれでおまけにたぶん、
血のりを吐いたように見えたけど・・・そのあと息絶えて倒れたのが
2番目の伝令の顔の上で、本公演のように兵士が担いで出て行かないので
気になって気になって仕方がなかったこと、
・・・ちなみに伝令1が涼麻とも、2が天緒圭花、3が凛華せら・・・。
こりゃホントに気の毒だった・・・迫真の演技だったということだけど。
父王アモナスロ・・・真汐薪のせリフなどがほとんどなく、
目だけで芝居をしていたことに驚いたこと、
エチオピアの囚人たちのコーラスがとてもキレイだったこと(歌詞はイケてないけど)
・・・そんな感じかなぁ・・・。

さあ、それでは・・・主役たち・・・・・・・
さて・・・どちらから書こう・・・・・・・・・タイトルロール、アイーダ・・・麻尋しゅん。
まず最初に「すんません」と言っておこう。
「なんでこの子がアイーダなん?」とめちゃめちゃ思った。
だけど、すぐに吹っ飛んだ。
かわいい・・・。
トウコちゃんアイーダに見える戦争が続く国の王女・・・というイメージとは全く違って
平和に過ごしてきたまだ幼さの残る王女だった。
いや、どちらかというと王女・・・よりも裕福な牧場かどこかの一人娘・・・だった。
セリフの声も心地よく、歌もトウコちゃんほど聞き惚れる何かはまだないけど
優しい声でキレイに・・・歌いこなしていた。
ラダメスがファラオにエチオピアの開放を願っている時に
やっと自分の思う人の本当の気持ちがわかった・・・といううれしさが全身に溢れていて、
そのあと、自分との立場の違いに顔を曇らせる・・・そんなことまでしてのけた。
まいった・・・まいった・・・ホント、まいった・・・。
男役にしておくのはもったいない・・・と思った・・・
  (でも露と消えた身長が169センチだそうな:::)
アイーダが1人舞台に残ったのち、歌い、セリフを言ってソデに入ったとたん、
自然、拍手が沸き起こった・・・・・・。まいった、まいった。

アムネリス・・・陽月華・・・。
すらりとした長身に衣装がよく映えた。
だけど、だんちゃんのような凛とした美しさや優雅さには乏しく、
歌やセリフも少し損をしていたように思う。
大国エジプトの王女ではなく、大金持ちの名家の一人娘だった。(ココがアイーダと違う。)
王女としての傲慢さがどうしてもいじわる・・・に見えてしまった。
これはキャラ的に仕方のないことだと思う。
いや、彼女がいじめキャラなのではなく、現代っ子というイメージが強すぎるのだ。
アイーダに「ひかえなさい。」と言うところなど、どうしても
高校のテニス部のできる部長のようにしか見えない。
でもラダメスを自分の手で処分しなくてはならない・・・という窮地に立たされ、
石牢を閉じさせる時、夢遊病者のように視線が空を舞い、足元がふらついている・・・
なんだか、とてもせつなくて、たまらなかった。
強さの裏の弱さ・・・を垣間見たような気がした。

ラダメス・・・柚希礼音・・・。
まー、いつの間に、こんなに歌うようになったの?
いつの間に貫禄ついちゃったの?・・・そう思った。
将軍ラダメス・・・というよりも初陣に出る戦士のようだった。
だけど、本役ワタル氏同様、衣装が映えるし、見事だった。
若さが前面に出ているため、アイーダとの気持ちも・・・すっきり素直だった。
常に夢に目を輝かせていた・・・。
こんなに貫禄あるラダメスだったのに・・・挨拶・・・では、何も言えず、
しばらくしたあと、ぽつり、ぽつり・・・と話始め、また途絶え・・・いや、涙を堪え、
客席から「がんばれっ!!!」という掛け声までかかり、大粒の涙を流しながら
「何度も逃げ出したくなったけど、いつもたくさんの人に支えられて・・・
 ひとりぼっちじゃないんだ・・・と思いました。」と精一杯に話した。
こんなにおおっぴらに大粒の涙を流したのは久しく見たことがない。
ホントにかわいいラダメス将軍だった。

花組の新公と同様、帰り道々、「ちえちゃん、かわいかったね。」と泣いてる人ちらほら、
「麻尋さん、すごかったね。」と感動しあう人ちらほら・・・なんだかとても熱かった。

いーっぱいカットされていて、1番、緊張して待ち望んでいた
ケペルとメレルカの歌がなかったことが残念だけど、見ごたえある新公だったなぁ・・・そう思いながら、帰ってきた。



2003年07月19日(土)  星組 『王家に捧ぐ歌』

新生星組お披露目公演。
オペラ『アイーダ』・・・この星組で?
???と?マーク飛びまくりでこの日を迎えた。

初見なので、あまりよくわからない。
そしてやはり、大量退団のあとだったので、
個人的に少し平静ではいられない観劇だった。
(新トップコンビ、組替メンバーに悪意敵意は全くなし。
 あえていうなら、“ようこそ。”という気持ち。)

ストーリーは・・・『鳳凰伝』より、残酷で悲劇的。
『鳳凰伝』は全体的に暗く、どんよりしていたけど
最後が超ハッピーエンドだったので、救われた。
でも今回は舞台が古代エジプトなので、煌びやか・・・
『エルドラード』や『黄金のファラオ』もビックリの煌びやかさ。
エジプト兵も目が覚めるほどの白い衣装なので鮮やか。

ただ、ストーリーに救いというか、ホッとする部分がなく、
「あららー。」という気分になってしまった。
ラストはいわゆる『エリザ』でいうなら、トートとシシィ。
『うたかた』でいうなら、ルドルフとマリー。
本人達はあの世でハッピーエンド・・・というパターン。

登場人物はとても限られていて少ないように思えた。

思いついた順番に・・・(役名は定かじゃない)
汐美ちゃん・・・
1幕、2幕とも幕開き登場なので重要かつ、おいしい。
「こういう芝居できる人なんやよなぁ・・・。」ってしみじみ思い、
トウコとの同期コンビの並びにただ単純に喜べた。
雪組時代の汐美ちゃんが大好きだったので、ヨケイに・・・。
芝居巧者・・・というよりは・・・役者・・・という感じ。
妹であるアイーダの罪に言い責めるところなどは迫真。

うん太&すずみん
セリフはあまりなく、汐美ちゃんと3人で出てきては、歌ったり、踊ったり。
うん太もこういう影のある役は似合うので、適役だったのでは?
すずみんは黒塗りがとてもよく似合い・・・というか、
違和感なくキレイにメイクしていたのが印象的。
時折見せる目の鋭さにドキリ・・・とする。

しいちゃん・・・
汐美ちゃんと同じく「ようこそ、星組へ。」
最初の登場のシーンでのオーラに驚く。
「な、なに?あれ・・・。」というくらい。
歌もすごくしっかりとしていて、うまく、芝居もできる人なので
見ていてとても安心できた。
もう研11だもんねぇ・・・。
雪組育ちの確実な芝居が楽しみだわ。

レオン・・・
今回学年的にはおいしい役。
大きいので存在感と安定感がある。
しいちゃんといつも一緒なので、ちょっとそりゃ、気の毒だったけど
歌もうまくなっていたし、セリフもうわずったりすることもなかった。

専科の方々・・・
チャルさんはすごいわ、ホントすごい。
歌いまくり・・・って感じ。うまいのなんの・・・さすがですわ。
ただいるだけで存在感がある・・・ってさすがだなぁ・・・って思った。
・・・ただ、ナターシャブランコで出てきた時はびっくりした。
ヒロさん・・・この人もコワイ。
エジプトの捕虜となったあと、ラダメスのおかげで命拾いした時の顔が怖かった。
まんま・・・企んだ顔だけど、オソロシかった。
アイーダに「ラダメスを利用しろ。」と言い寄るところも・・・。

そしてアイーダ。
男役の安蘭けいが好きやのに・・・。
そう思っていたけれどもそんなことどうでもよくなってしまった。
さすがトウコ・・・さすがやわ・・・ほんま・・・そればっかり。
歌もセリフの声も無理なく、うまさも半減することもなく・・・。
ワタルラダメスに抱きつき、首に細い両腕を絡ませるところなんて、
ホント・・・見ているだけでドキドキした。
トウコ・・・泣きっぱなし。涙でメイクが・・・。
時々セリフに力が入ると“アイーダ”から“安蘭けい”になってしまう。
でもそれも一瞬のこと。
なんてホソッコイんだろう。なんていじらしいんだろう。
なんてせつないんだろう・・・・・・。トウコブラボーっ!!!

アムネリス・・・だんちゃん。
キレイ。こんなに美しい人がいていいのか・・・っていうくらい美しい。
エジプトのファラオの娘らしく、凛とした美しさ。
豪奢な衣装も嫌味なく、すっと着こなしていた。
ファラオの娘ゆえの気の強さ、傲慢さ、なども無理なく、嫌味なく、
ここまでできる人は少ない。
その傲慢さの裏にラダメスへの想いとアイーダへの嫉妬心が垣間見えて
プライドを捨てることができない哀しさ、
自分の心へ素直になれるアイーダへのうらやましさ、
そんな心の葛藤があふれ出ていた。
やっぱり、だんちゃん、ウマイよ。
多くの人が「イケてない」」という歌も迫力があった。
私はイケてないとは思わないな。
「私がファラオになります。」と言い切る強さ。
「私に助けを求めなさい。」とラダメスに訴えるせつなさ。
「石牢を閉じなさい。」と自分の心に言い聞かせる哀しさ。
ラダメスとアイーダが石牢で再会し、一緒に死んでいくとは知らずに
エジプトの平和を誓う・・・雄雄しさ。
ヒトツヒトツが鮮明だった。
すごいわ、だんちゃん。

そしてワタル氏・・・ラダメス。
エジプト衣装がよく似合うね。
将軍に選ばれた時の喜びの顔は正直な気持ちだね。
アイーダを見つめる眼差しが・・・優しすぎてせつない。
なんだろう?なんだろう?
いつの間にこんな貫禄ついたんだろう???
石牢に閉じ込められた時の静かな芝居が強烈に残っている。

主な登場人物はホントにこれくらいで、
他の娘役たち、男役たちは常にエジプト兵、エチオピア兵だった。
娘役ちゃんたちがエジプト兵になってワラワラワラと出てくるところは
なんともおかしかった。

そうそう、最初のシーンでエジプト兵が手に手に槍を持っていたのだが
妹はそれが・・・洗濯の・・・物干し竿に見えたらしい。
私はファラオをあおぐ大きな羽根の扇が・・・机や棚をふく静電気モップに見えた。

全体的には戦いのあとのシーンが残酷だった。
最初にエチオピア兵がヤラれた時は舞台上に・・・横たわる・・・ではなく、
討たれて倒れた・・・まんまのエチオピア兵たちが・・・
とても不自然な格好のまま、目をむいて倒れていて・・・見ていて、恐ろしかった。
「いや、きっと戦場ってこういう光景なんだろうけど、
 こりゃ、やりすぎやわ。」と思った。
・・・のも束の間、今度は奇襲攻撃をかけたエチオピアがエジプトの反撃を受けて、
壊滅した町・・・でも槍や剣が刺さったまま倒れている・・・と言った感じで
これもまた恐ろしかった。

「・・・また夏休みや・・・っていうのに。子供たちも見るっていうのに・・・。
 去年の『鳳凰伝』に引き続き、寒い夏休みやな。」って思った。
何も夏休みにせんでもエエのに・・・このご時世に。

そう思わせるほど恐ろしく、コワかったのは、
兵士役の死に方がウマイからだろう・・・とも思えた。
昔から星組は“死に方”がうまかった・・・。

そんなこんなを思いながら、フィナーレ。
エジプトを舞台にした作品なのだから、衣装や歌もそれなりに・・・して欲しかった。
汐美ちゃん率いる男役たちが黄色のやわらかスーツで出てきたのにはビックリした。

そのあとの衣装は・・・一応それっぽかったけど、歌が・・・。
せっかく歌のウマイトウコが歌うのに、なんや?その歌。
もっと聞き応えのある歌にしてくれ――――っ!!!

ラスト・・・グランドフィナーレではっとした。
「あぁ・・・新生星組なんや。」

***

余談だけど、この公演、花組のトップコンビ:マサちゃんとふーちゃんが見に来ていた。
客席・・・あちこちでどよめき、幕間などは行く先々で携帯を向けられ、
カメラを向けられ・・・気の毒だった。
2幕の始めなんて、客席についた2人に向けられたあまりのカメラに
マサちゃんは下を向いてしまった。
一挙一動・・・見逃されず、ちょっとしたことに笑いが出たり・・・どよめいたり。
これはあまりにもヒドイ。
カメラを向けられるのもどうかと思うけど、カメラ付き携帯はもっといけない。
撮るほうは必死だけど、撮られるほうはかなりいやだと思う。
それを見ている側もまた不愉快だった。
「不躾失礼やよねぇ。」そんな感じだった。
しかも2幕が始まったというのに
撮ったばかりの写真を携帯で確認して待受け画面にしている人が・・・
私の横にいた・・・・・・。
そして「○○さんにメールで送ろう。」とか言っている。
「そんなことはあとでせいっ!!!」
そんな気分だった。



2003年07月12日(土)  草原の風

CONVOYの橋本拓也が出る・・・。
ただ・・・ただ・・・それだけの理由で見に行った公演。
後から知った・・・『演出・荻田浩一』
「は〜?オギーそんなんできんの?]そんな気持ちしかなかった。

原案:椎名誠『白い馬』〜モンゴル民謡:スーホの白い馬
音楽:斉藤恒芳

出演者は、恵谷彰・児玉北斗・張縁睿・三木雄馬・横関雄一郎・吉本真悟
ここまではバレエダンサー。
そしてNIRO・橋本拓也・森山開次ここまではバレエダンサーではない。

・・・ストーリーはモンゴルの草原でレースに出るために繰り広げられる
白い愛馬と2人の少年の物語・・・という、わかったようなわからないようなものだった。
音楽はどこかで聞き覚えのあるような流れ。
馬頭琴奏者が時々出てきて、モンゴルの風を吹かせる。

「あー、なんだろうなぁ・・・。」というなんとも掴みきれない気持ちで見ていた。
・・・ところが、バレエダンサーが揃って踊りだした時に度肝を抜かれてしまった。

・・・下手ソデから出てきて・・・跳んだ・・・。
また1人・・・跳んだ・・・そしてまた・・・1人・・・1人。
4人のバレエダンサーが・・・・・・・一度に跳んだ。
すごい、高さがスゴイ・・・。すごすぎる・・・。

・・・そこからぐいぐいと引き込まれていってしまった。
お目当ての拓也はバレエダンサーじゃない。
コンボイでやっていてもどちらかというと破壊的なダンスを踊っていた。
その拓也とバレエダンサーたちと踊ると・・・違いすぎる。
どちらがウマイ・・・とかじゃなくて、流れが違いすぎる。
NIROはコレと言って踊る場面もなく、あまりわからなかった。

なんだろう、この優雅な流れはなんだろう・・・。
ストーリーはあまりわからないから、そんなところしか見ようがない。
少年役・・・2人もバレエダンサーのようだった。
他は馬の群れとなり、風となり、草原となり・・・。
時折、拓也やNIROが草原の嵐か、何か悪となって登場する。
この2人は歌ったりもする・・・・・・。
拓也の美声は健在だった。

なんやかんやと見ているうちにあまりわからないまま2幕も終盤。
それぞれのダンサーが1人1人順番に1人ずつ踊り出る。
途切れることなく、次が出て・・・1人ずつ踊り、最後にはみんなで踊る。
この時の音楽といい、流れといい・・・何かどこかで見たものに似ていた。
『バビロン』の鳩のシーンだった・・・・・・。
何か胸にぐっときた。たまらない・・・。

音楽もどこか流れに聞き覚えがあった。
あとで知ったことだけど『激情』の時の音楽担当の人だったらしい。

最後の全員で踊ったあと、一人一人挨拶。
バレエダンサーは挨拶も優雅で、美しかった。
だけど、拓也たちは・・・ペコっと頭を下げただけだった。
それがとてもかわいらしくて・・・大笑いしてしまった。

カーテンコールは5回・・・。
最後はスタンディングだった。
カーテンコールでも拓也だけ手の振り方が違っていた。
「橋本拓也ここにあり」そんな感じでおかしくてたまらなかった。
みんなぴらぴらぴら〜と手を振っているのに
拓也だけおりゃーって感じで、「わしゃここや。」という感じだった。

見終わった時、無性にコンボイのステージが見たくなった。
ガシガシ踊るダンスが見たくなった。

余談:客席にジェンヌがいた。誰かわからなかった。
幕間にホワイエで・・・普通にドリンクを買うジェンヌがいた。
「あ、風香ちゃんや。」・・・そう花純風香ちゃんだった。
もう1人・・・男役・・・たぶん、貴怜良ちゃんだと思う。
あまりまじまじと見ることができないので、確認はできなかった。
「あらー、普通に人に紛れてくつろぐのねぇ。」と思って見ていたら、
2人がくるり・・・と振り返って・・・テクテクテク〜とこちらにやってきた。
私は妹と2人だったのだが・・・・・・そのテーブルへやってきた。
妹が「今から、まさに話そうと思ったことが話されへんようになった。」と言った。
宝塚の話がまったくできなくなってしまった。
「なんでこっちに来んねーん」というそういう気分だった。

・・・そう私たち姉妹は・・・小心者である。


 BACK  INDEX  NEXT


春吉

My追加