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オトナの恋愛考
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2013年06月01日(土) 港ヨコハマ・ランデブー


ひろと横浜で逢うのは初めてだった。
約束の時間、早めに着いた彼から新横浜のスタバで待ってるとメールがあった。
北口の改札を出てまっすぐに行ったけど彼の姿はなかった。

エレベーターを降りながらメールを送ろうとふと見ると
ひろがエレベーターの下で待っていた。
改札の前にいたというからお互いに気づかずにすれ違ってしまったようだ。
でもそんな事は問題でなく本当に昨日はお互いに逢いたくて逢いたくて
顔を見たとたんに彼の満面の笑顔で私も嬉しくてニコニコしていたに違いない。

とりあえずランチタイムはとうに過ぎた昼下がり
駅ビルのレストラン階に上がって赤坂のなんとかという有名なおそばを食べて、
その蕎麦は値段の割に固くて噛んで飲み込むのも大変ででもそんな事も関係なく
「これは吉田うどんに匹敵する噛みごたえだね。」なんて
冗談をいいながら楽しく食べた。どんな事でも嬉しかった。

「さてそろそろ行こうか。」
「行こうかって、どこへ行くの?」とわざと聞いてみた。
今回は温泉リゾートでもホテル街のそばでも何でもないから
どこでどう過ごすのか皆目わからず彼に従うことに決めていたので
「ん?ヒミツ。」と笑ってる彼は何か思索があるようだったけど
どんどん歩いていくから「ねえどこへ行くの?私横浜はぜんぜんわかんないよ。」
と何度もきいても「うん、俺もわからない。」と言うので
ちょっと不安になった。履き慣れないハイヒールのパンプスのせいで
足も痛んできたのであまり長い距離を歩きたくはなかった。

ふと信号で止まって横断歩道を渡った先を指差して「ここだよ。」と
言った先にはこじんまりと小綺麗なホテルのエントランスがあった。
「なんだ予約してくれてたんだ。」「あれ?言わなかったっけ。」「うん。」

ここ数ヶ月は温泉リゾートがほとんどで温泉の楽しみもあったけど
逢っていきなりセックスだけならラブホでもいいや、とあまり期待していなかったし
真っ昼間の明るい部屋での情事もあまり気乗りしていなかったのも事実なので
だったら暗くてセックスするだけが目的に造られている部屋の方が逆に良いと思った。

しかしそんな思惑も関係なく・・・・なぜか今回は時間があまりなかったせいもあるけど
たった数時間しか一緒にいられなかったせいかここ最近めずらしく
お互いの身体を貪るような濃厚な時間を過ごしたと思う。

実際、先月逢ったときは例の事件後初めてで彼に対する気持ちが揺らいでいたし
彼の方もまだ元気を取り戻してはいなかったようで
2日間も一緒にいたのに妙によそよそしい感じで物足りなかった。
その分、昨日はすべての事を忘れて出逢ったばかりの頃のような感じで
本当に一緒にいる時間ずっとお互いの身体に密着していた。

「私ね、あなたの身体が好き。あなたの身体はすごく気持ちイイ。」
いつ果てるともわからない彼の逞しいものを受け入れながら
うわごとのように呟いていたのを思い出した。
「俺もうさちゃんの身体が好き。このお尻もすごく可愛い。」
そう言って更に愛撫や腰の動きは激しくなりそれは痛みとも快感ともわからず
あまり苦しくて「ひろ、ちょっとやめて、許して」と懇願した。
他のオトコはそう言うともっと激しくする傾向があったけど
心優しいひろはすぐにやめて「ごめんね、痛かった?」と言う。
「うん、ちょっと痛いの。」「痛かったんだ、じゃあこうしてあげるね。」
と自分のものを抜いて今度はその部分に顔をうずめた。
少しヒリヒリと痛みを覚えていた私の柔らかで濡れてぐしょぐしょになった
敏感な場所を今度は丁寧に舐め始めた。
あんなに丁寧に優しく長い時間、唇と舌で可愛がってくれたのも初めてかもしれない。
今までは私が声を出し始めるとすぐやめて挿入してきたが
昨日は私が何度も声をあげ痙攣し気が遠くなってもやめなかった。

私はひろの形の良い鼻と口元が好き。
彼の顔立ちはちょっと色黒だけど本当にキレイに整っていると思う。
その形の良い鼻先で私の敏感な場所をグリグリと刺激しながら
流れ出る体液をこぼさずに舌ですくいとり、唇で残さずすすってくれていると思うと
余計に感じてもう気が遠くなりそうだったけどラブホではなく普通のシティホテルだったので
防音設備が整っていないのだから顔を枕に押当てて一生懸命に堪えた。
でもたぶん普通の観光客やら泊まり客に聞こえてしまっていただろうな、と思う。

とにかくそんな感じであまりエロティックな表現は出来ないけど
ひろのペニスは固く大きなまま、しっかりとずっと私の中にいた。
部屋に入ってシャワーも浴びずに数時間、本当にずっと。
私はもう数えきれないほど逝ってしまって彼はどうだったのか
未だに不思議なんだけどああいうのを抜かず三発とか言うのだろうか。
あまり品のいい言い方じゃないけどそれ以外の表現のしようがない。

激しいばかりじゃなく静かにしている時は私の顔や腕や足や
髪の毛に優しくキスを繰り返しているのを目を閉じてても感じていた。
それからひろの性癖というか好きな体位に他のオトコと違うものがあり
最初は変なクセだと思っていたけどあまりにも気持ちよさそうなので
今まで私もだまってされるがままにしていたんだけど
昨日はその体位で私もけっこう感じて気持ちがすごく良くて
普通ならオンナの私は感じない格好なんだけど
その事を伝えると嬉しそうだったので良かったと思う。

とにかく、だ。期待していなかった分(彼への気持ちや自分たちの関係も含めて)
意に反してというか私はまだまだひろの事が大好きだと確信した。

「ねえ、オレとうさちゃんは身体の相性良いと思う?」
と動きを止めてキスしながらひろが聞いてきた。珍しい。
「あのね、出逢ったばかりならわかるけどもう3年以上付合ってるんだよ。」
「そっか、良いから続いているんだよね。」
「たぶんそう思う。私はあなたの身体好きだよ。」
「うん、オレも好き。」

まあそんな他愛のない会話をしながらセックスをして
私とひろは理屈抜きで心身ともに相性が良いから長続きしているのは間違いないと思う。
表向きはインテリで高学歴高収入の部類に入ると思う彼の
私の前だけで見せるスキというかおバカっぽさを私は愛しているのだと思う。

時間がきて私の方が今回は改札を入って
でも私が何度か振り返るとずっと見送ってくれていて
私はまたすごくひろの事が好きになったけどだからといって、
逢えない時間が辛いわけでもなく逢えない時間を楽しむ程度はオトナなんだと
最近つくづく思う。




夢うさぎ |MAIL

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