It offers a cup of wine at common days!
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 出し子

「今は、ampm以外のコンビニでも、クレジットカードだけでなくほとんどの銀行のキャッシュカードが使える」
その事実をごく最近教わった私は、早速、朝一で地元駅前のローソンに向かった。
と、帽子を目深に被り、くすんだ水色のジャンパー姿の中年女性がATMを使っている。
すぐ終わるだろうと思っていたが、なかなか終わらない。
早よせいや!
ワザと間合いを詰めると、焦った風。
とは言え、その後も、何枚もカードを入れ替えていく。
明らかに厚みのある諭吉'sがポンポン大きな鞄に無造作に詰め込まれていった。
うは〜 この不況期に、しかもこの貧乏地域の住人の癖して景気いいなぁ〜
驚いているうちに処理が終わったらしく、足早に去っていく。
やっと私の番だよと、すぐATMの前に立つと、急かされて急ぎ過ぎたのか、引き落とした金額がまだまんま残っている。
その額、500,000円也。
思わず、チーン!というレジの開く音が頭の中に響いたり。
もしかして、銀行の監視が厳しくなったからとコンビニ利用して限度額いっぱい引き出してる"出し子"だったのかな。

・・・なんて思った数日後。

銀行に通帳記入しに行ったところ、「書く欄がなくなったので新通帳を発行するゼ」という案内画面が出たままフリーズしてくれた。
「通帳、出てこないんスけど(怒)」
ATMの脇にある電話で行員を呼び出す。
「ちょっとお客様、こちらのほうへいいですか?」
やってきたオッサン行員が、明らかに不審者を見る目つきで、私をATMの前から引っ張り出そうとする。
こんなか弱いバアさんのどこが怪しいっていうんだよぅ?
と、横目でチラリとATMに映る自分の姿を確認した。
花粉防止のサングラス。
鼻水押さえのマスク。
寒いからトレンチコート。
でも、足は会社用のつっかけサンダル。
・・・。
ち、ちちちちっとも怪しくなんかないっ

こうやって出し子疑惑の輪は世の中に広がっていくのか・・・。

2009年03月27日(金)



 WBC決勝戦の日の会社

今日は、WBC決勝戦。
今大会5度目の対決となり、まさに因縁の好敵手というべき韓国との勝負である。
今大会は「野球ってこんなに面白いものなんだ!」と思わせる素晴らしいゲームばかりで、さすがの野球音痴の私でも決勝を見逃したくはなかった。
しかし、皆はとても静かに仕事に励んでいる。
私だけワンセグをつけるわけにはいかない。
もうゲームは始まっているだろう。
焦燥感がつのる。

と、その時、隣の課の課長が他の事務所に電話をかけた。
「もぉ〜 さっき言った案件、まだー?」
マジメにやってるな、やっぱり。
と思いきや

「俺、落ち着いて決勝戦見たいんだよね、早くこっちに出しちゃってよ!!」

と続いた。
果たして、彼のデスクの上では、ケータイの画面の中でイチローがチラチラ動いていたのだった。

ふと周りのデスクを見回してみると、全員が全員、なぜかいつもと違ってデスクの上にケータイが横たわっている。
コンプラを管理している課や法務室の連中もその例に漏れなかった。

静かだったのはこのせいか・・・!

私も皆に習おうとしたまさにその時、上司が業務の進捗を尋ねてきた。
ちっ(ー_ー)
「役員室からのデータ待ちなので、催促に行ってきます」

そして役員室。
執行役員にデータまだですかと聞くと
「あっあ〜、うんうん」
とヘンな答え。
チラリとデスクを覗くと、彼の席でもWBCが映っていた。
その答えを持って自室に戻ると、先程進捗を尋ねた上司の席でもWBCが。

「なんだ、みんな同じの観てるじゃないですか〜」

その声で、全員が一箇所に集まり、その後楽しく観戦することとなったのだった。
平和な会社の最後の日。

2009年03月24日(火)



 雪国育ち

豪雪地帯に生まれ育ったK氏。
もう一人の雪国育ちのT氏と、
「こっちの連中は雪道を危なっかしく(車で)走るのですぐわかる、雪への心構えが生っちょろい」
と嘲笑うい合うのを冬場のお楽しみにしていた。
と、今日の雪。
どんどん斜めに降ってきて本格的になりそうな雰囲気に、K氏の意気は上がる。
「よしッ 出掛けてくる!」
25階からは地上の様子がよく見えないが、横殴りの雪のようだ。
わざわざそんな一番酷い雪の中を、役所に書類を提出しに彼は意気揚々と出掛けていったのであった。
…そしてしばらくして、見るからにしおれたK氏が帰ってきた。

「なんで雨みたいに濡れるの…」

東京の雪を舐めんなよ?!

2009年03月02日(月)
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