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007:毀れた弓(こわれたゆみ) 暗く虚ろであったシュテルの眼窩に、常の紅い光が点る。 失っていた意識を回復した機械騎士は、即座に己の状態をチェックし始めた。 数瞬の後、階級転移が解けかなりのダメージを受けているものの、動けぬ程ではない、という結論を出し――――― そこで、はたと気付く。 己は、あの聖騎士共と邪竜皇帝の攻撃で致命傷を負った筈。 それも自己修復では到底追いつかないレベルのものを。 なのに何故、傷が此処まで回復しているのか。 「気が付いたか」 唐突に傍らから投げられる声。 シュテルは慌てて体勢を立て直し、そちらに向いて跪いた。 『ガルデン様……』 「その分だと、傷はましになった様だな」 言って微かに笑う主は、鎧を脱ぎ、顔や胸、手足に包帯を巻いていた。 痛々しい姿ではあったが、その落ち着いた表情は不思議と見るものを安堵させた。 『ガルデン様、我等は一体……』 「墜落したのだ。大地の剣の頂から、聖騎士の一撃を受けて。 五体がバラバラにならなかったのは奇跡としか言い様が無いな。 ……まあ、それもお前が最後の力で私を庇ったからであろうが」 『…………』 「気が付いた時には全く人気の無い森の中に居てな。 ひとまずお前を札に戻し、休める場所を探す事にした。 暫くして、お誂え向きの場所……此処を見つけたのでな、とりあえず身を寄せた」 『そう言えば、此処は……』 「既に信じる者が絶えて久しい、六柱神でも剣神でもない名も無き神を奉った神殿だ」 ぐるりと周囲を見渡す主。 天井は高く、それを支える柱は太く、嘗ては壮麗な眺めであった事が容易く判るつくり。 しかし今では荒れ果て、すぐにでも崩潰しそうな危うさを放っている。 其処彼処にあるレリーフや神像の類も、遠い昔に破壊されたのか原形を留めているものは無い。 「ヴァニール教とユール教が和解するより更に昔、精霊の千年紀初期に建造されたものであろう。 荒廃の所為でやや判別し難いが、この柱やレリーフの意匠の特徴は、丁度その時期のものと合致する。…… ……お前はそれより遥か古から存在していたと言うのに、判らんのか?」 『剣薄明期以降、ガルデン様に出逢うまでは札に封じられておりましたので……』 「……そうであったな」 主は苦笑し、傍の柱にもたれて座った。 「何にせよ、此処は我等の様な『背信者』にとっては丁度良い休息場所であったと言う訳だ。 幾ら他人の目が無かろうと、剣神や六柱神の神殿に入る気にはなれまい」 此処の空気は我等の傷にも良い様であるし、と続けられた所で、シュテルは最初の疑問を思い出した。 『ガルデン様、その「傷」なのですが』 「ん?」 『わたしの傷は、自己修復ではとても補いきれないものであった筈。 なのに何故……』 「ここまで傷が癒えているのか、か?」 『……はい』 沈黙の後、手に何かを召喚する主。 収束した闇はスパークを伴って、ひとつの武具の形となった。 「君主」の力を秘めた魔槍……剣聖界に大きな傷痕を穿った破壊の鉄槌。 しかし、その柄部分に嵌め込まれていた筈の精霊石が無い。 『ガルデン様、もしや……』 「ああ。精霊石を使ってお前の傷を修復した」 『では、その精霊石は』 主はシュテルの足元を指差した。 ひび割れた床を見れば、綺麗な蒼の欠片があちらこちらに散らばっている。 『!!』 「無茶な使い方をしてしまった様だな。 本来ならばリューかそれ以上の力を持つ機械で使用せねばならん修復魔法を、生身の私が、その石で無理矢理増幅してお前に掛けたのだ。 それが闇の秘術であった事も災いしたのか、使い終わった瞬間に砕けてしまった」 『な、何と言う事を』 狼狽するシュテル。無理も無い、あの精霊石はこの世にふたつと無い最強の石であったのだ。 それを己の様なガラクタ同然であったものに使用し、失ってしまうなんて。 『この精霊石は、ガルデン様にとって無くてはならぬものであった筈です』 「しかしあのまま放っておけば、お前は遠からず完全に沈黙していたであろう」 『わたしが沈黙した所で、精霊石を失う以上の痛手にはなりませんでしょうに!』 「黙れ」 吹雪の声が、我を忘れていた下僕の背を凍てつかせる。 「何を選び何に価値を見出すか……それを決めるは、全ての所有者たるこのガルデンよ。 貴様如きがでしゃばる事ではないわ」 『は……はっ、も、申し訳御座いません』 即座に己の分を弁えぬ言動に恥じ入り、膝を着くシュテル。 しかしその心中では、精霊石より己を選んだ主の考えを未だ量りかねていた。 主はそんな下僕の疑問を見透かしているのか、一つ溜息をついた後に囁いた。 「……お前は『道具』だ。そして精霊石も『道具』だ。 この観点からすれば、ふたつは等価値と言えよう」 『…………』 「しかし、精霊石には意思が無く、お前には意思がある。 この違いだけが、精霊石を捨てお前を選んだ理由だ」 『……道具には、意思など不要では……』 「そう思っていたのだがな。 お前が持つ『道具であろうとする意思』だけは、私にとって至極心地の良いものだったのだ」 槍を消し、何かを確かめる様に空の手を握り締める主。 「強い力を持つ道具……それを真に己のものにするには、私が『手に入れたい』と思っているだけでは駄目だ。 道具もまた、私というモノに『使われたい』と思っていなければ…… その真の力を引き出し、完全に道具として手に入れ、使いこなす事は出来んのだ」 主の言葉に、道具たる下僕は衝撃を覚えた。 それが、常日頃から己が考えていた事の、正に鏡写しであったから。 己が「ガルデン様の道具」である為には。 「道具でありたい」と願い、傍に侍っているだけでは駄目なのだ。 ガルデン様にも「所有したい」と思って頂かなくては、それはただの自己中心的な独善…… 「長い間共に在ったのに、気付くまでに随分掛かってしまった」 笑いながら主は、青玉の右目を眇めて言葉を続けた。 「改めて訊こう。 お前に、私の『道具』たる意思はあるか? 今の私は満身創痍、ものを見るも剣を執るも侭ならぬ瀕死の有様。 しかしそんな事とは関係なく、剣聖・剣邪両世界の者共が、私の命を狙うであろう。 何故ならこのガルデンは、ふたつの天に弓引いた、最高の愚者にして大罪者であるからだ。 既に引いてしまったものは、もう取り返す事は出来ん。 例えその弓が毀れようと、放たれた矢は二度と戻らん」 握り締めていた右手を開き、男は真っ直ぐシュテルを見詰める。 「そう、例え天をも堕とす弓がこの手に無くとも…… 私は『反逆者』の一族として大罪の字(あざな)を背負い、生きてゆかねばならん。 そんな男に、お前は『道具』として仕える事が出来るのか?」 問われたシュテルは、……この様な形で思いを告白する機会を与えた名も無き神に、密かに感謝しながら……はっきりと告げた。 『あなた様はわたしの主人であり、わたしはあなた様の忠実な下僕で御座います。 出逢った時から、変わる事はありませぬ。 背に大罪者の烙印が押されようと、誓いを違えは致しませぬ。 このシュテルは、永遠にガルデン様の道具で御座います』 「……よくぞ言った」 所有者たる男は、道具の答えにその薄い唇をにいっと吊り上げた。 「私はお前が望む限りの永遠を」 『わたしはあなたが求める限りの永久を』 「ソーディンの聖剣にもメディットの魔剣にも断ち切れぬ禍因の鎖で、我等は互いの腹を繋ごう。 ……ああ、愉しくて堪らぬ。 今の私と『天』には、お前程度で丁度良い。 私は再び立ち上がり、この千切れた腕でお前を引き絞ろう」 呪いにも似た洗礼と誓いの為の言葉を零し、彼はその笑みのままに命を下す。 「私の傍に寄れ、ダークナイト・シュテル。 槍無き君主、私の毀れた弓よ」 誘う様に差し出された手に、シュテルはぎしりと身を軋ませて寄った。 触れるは、無骨な機械騎士にもそうと判る甘い手。 この手に使われる為、己はこうして此処に在るのだと、そんな真実を教えてくれる唯一絶対のもの。 恐ろしい程よく馴染むその手を取り、砕けた石を更に踏み砕いて、毀れた弓は厳かに応える。 たとえ弦が切れ、この身が元素に還ろうと。 其処に残る魂の一欠けらまで、ガルデン様、あなたの為に。 ――――― 「文字書きさんに100のお題」配布元:Project SIGN[ef]F様 ――――― 漫画版シュテルとガルデンの「その後」を書くのもこれで三回目くらいだと思うのですが、毎回違った設定になっていますね。(いや、設定がころころ変わるのは漫画主従に限った話ではないのですが) 何にせよ、あのままで終わる二人(二匹?)ではないと思うのですが、如何でしょうか。 「弱者は強者に屈服するのみが真実」というガルデンの言葉を否定出来ていない限りは、いつまたガルデンが復活したり、第二第三のガルデン的存在が出てきてもおかしくないのですし。 それにしても、漫画版ガルデンのこの書き易さは一体なんだろう。 ――――― 今朝(?)は風切嵐様とまたもディープな萌え滾るお話を…!(有難う御座います!) その中で色々な情報を頂き今からドキドキ。 後、凄く気になっているのですが、結局下僕は恋敵もろとも崖から転落、ガル様を手に入れたのはその相談相手の理性と忍耐の男になったのでしょうか…!! ――――― さて、いよいよ色々企みの季節がやってきますぜ。 なんたって6月はガルデン様TV初登場記念月間だもんね。(6月14日に登場)
まずは本日の更新。 TOP絵更新。「頭頂高18.5トール」 腕や足を太く、胸を心持ち厚くしただけでこれですよ。 デッサンとかそれ以前の問題。 それでは、また後程。 ――――― 先週の話で恐縮なのですが、あじさいが綺麗に咲いているのを見かけました。 もうそんな季節なのですね。 雨に洗われた緑の様に、綺麗なものを見ると想像力も生き生きとします。 「……でさー、近くに引越したのは良いけど、何かこう部屋が殺風景でさ」 「ふむ…… それでは、花を飾ってみると言うのはどうだ?」 「花?」 「殺風景な部屋でも、花や緑があるだけで印象が変わるものだ」 「そっか……花かあ。 思いつきもしなかったな。……うん、良いかも」 「なら……丁度今、この屋敷の庭であじさいが盛りになっている。 好きな色形のものを選んで、少し持っていくと良い。 ……シュテル」 「はい、ガルデン様」 「アデューを庭まで案内して、花を切ってやってくれ」 「……。はい、承知致しました」 「………えーと、この色のが良いかな。綺麗なブルーで」 「……あじさいの」 「え?」 「あじさいの花言葉は『移り気』」 チョキン 「……いつも落ち着きなくそわそわしている移り気な貴様などさっさと帰ってしまえというガルデン様の思し召しだ!!受け取れ小僧!!!そして失せろ!!!!」 ベシッ!! 「ぶわっ!!て、てめえ、何勝手に話進めてんだ!! しかも誰が移り気だ、俺は一穴主義だっつうの!! そんな風に思い込みが激しいから、お前いつまで経っても(ピーー)なんだよ!!」 「なっ……き、き、き、キサマァァ!!!」 ――――― 無論ガルデンの方には何の意図もないという話。 そしてアデューの主義は「このサイトに於いては」という注釈がつくという話。 更に言うと(ピーー)の部分には最初が「童」の二字熟語が入るという話。 並んで植わっているあじさいの群れの中で、ひとつだけ花の色が違う木があると、その下には死体が埋まっているんじゃないかと根拠も無く妄想してしまいます。
お題006:ポラロイドカメラ 俺の手元に、ひとつの機械がある。 以前野暮用でエルドギアに呼び出されたとき、ホワイトドラゴンからお駄賃代わりに貰ったものだ。 レンズと覗き窓、ボタンを備えた黒い箱。 「ポラロイドカメラ」と言うらしい。舌を噛んじまいそうな名前だ。 ヘンな形をしているけど、ドラゴンに習った通りに構えてみると、不思議と手にしっくりくる。 「……………」 覗き窓から辺りを覗いてみる。何だか銃で標的を狙っているみたいだ。 こうして「標的」を窓の中に納め、ボタンを押すと、その姿を箱の中の紙に焼き付ける事が出来るらしい。まるで生きているかの様に、色も形もそっくりそのまま。これを専門用語で「撮る」「撮影する」と言うんだってさ。 そんな事したら撮られた方は魂とか吸い取られちまうんじゃないのか、と尋ねたら、ドラゴンは無知な俺を哀れむかの様な視線と共に、丁寧に「姿を紙に焼き付ける」技術の原理を教えてくれた。難しくてよく判んなかったけど。 「何をしている?」 あちこちを覗いている俺の背に、訝しげな声が掛かる。 振り向いてみると、覗き窓にガルデンの姿が飛び込んできた。 「!……何だその機械は」 急に変な物を向けられた彼は少しびっくりした様子で、さっと俺の前から体を退けた。 俺は「ごめん」と手を下ろし、件の機械を彼に見せた。 「ポロ……ポロラ、ポラロイドカメラ、って言うんだってさ。 まるで鏡みたいに、此処から覗いた風景やものを紙に焼き付ける事が出来る機械。 前にエルドギア行ったろ?その時に貰ったんだ」 少し噛み噛みになりながら、覗き窓やレンズを指して説明する。 ガルデンは何故か「エルドギアブランドの機械」に弱い。 訝しげだった表情も改め、興味しんしんといった様子だ。 ……普段は余り見られない、無防備な顔が可愛い。 俺はひょいと機械を構え、ガルデンを視界に収めた。 「今まで何撮ろうかって迷ってたけど、やっぱり一番はお前にする」 「え」 きょとんとこちらを見てくる彼に向かって、ボタンを押す。 ぱしゃ。 水の跳ねる様な、でもそれよりもっと乾いた音がした。 「あっ、……」 呆然としていたガルデンだったけど、すぐに断りも無しに姿を取り込まれたのに気付いて、むっと眉を寄せた。 「いきなり何をする!」 「だってお前が嬉しそうにコレ見てる顔、可愛かったから」 「そういう問題か!しかも嬉しそうになどしていない!!」 「判った、悪かったって。もう不意打ちはしない。 嬉しそうだったのは本当だから撤回しないけど」 「〜〜〜〜」 そんな事を言い合っている間に、機械からびーー、ぺっと言う感じで紙が吐き出された。 光沢があって少しつるつるしたその紙は、最初は何も「映って」いなかったけれど、やがてぼんやりと影の様なものを浮かび上がらせた。 「あ……」 「へえ……」 影はどんどん鮮明になっていって、最後には俺が覗き窓から見たのと全く同じ光景になる。 「すげえ、本当に俺の見たまんまになってる」 「…………」 どんなもんだろうと思っていたけど、此処まで綺麗な絵になるなんて。 ガルデンは、紙に焼きつけられた自分の表情の無防備さに少し不満そうと言うか、恥ずかしそうにしていたけど。 それでもやっぱり、こんな短い時間で完璧に光景を写し取る技術にいたく好奇心を刺激された様子だった。 俺はその紙を大切に懐に入れてから(やめろと言われたけど譲らなかった)、自分も触ってみたくてうずうずしているのが丸判りのガルデンに、機械を手渡した。 「お前も使ってみたら?こう持って、此処覗いて、このボタン押すだけだし」 「良いのか?」 尋ねてくるのに頷くと、彼は、こっちが驚く程嬉しそうに微笑んだ。 ああ……普段がクールで物静かで理知的で余り感情を出そうとしない分、こういう時の顔がすっげえ可愛いんだよな……。 いや、普段の顔や戦ってる時の凛々しい顔も大好きなんだけどさ。 「…………」 ガルデンは渡されたカメラを観察した後、さっきの俺みたいに、覗き窓から辺りの光景を見てみている。 その姿はやっぱりいつもより何処か明るくて、無防備で、幼い感じにさえ見える。 ……あいつのあんな表情、今までに一体どれくらいの奴が見る事が出来たんだろう。 他の仲間だって、あいつが少し恥ずかしそうに笑ったり、目を輝かせたり、むくれたりもするなんて、知らないかもしれない。 勿体無いよなあ。 いつも自分の気持ちを素直に出す事が出来る奴じゃないから、仕方ないけど。 それに、まあ……知っているのが俺しか居ないっていうのも、何だか妙に嬉しかったり。 俺しか知らないあいつの素顔。喜怒哀楽だけじゃない、あんな事やこんな事してる時の顔や声、縋ってくる腕の細さとか乱れた銀の髪の輝きとか潤んだ翠の瞳の綺麗さとか、そう言えば昨日の夜も堪らないもんがあったな、まさか自分から俺に訴えてくるなんて…… パシャ。 「!」 乾いた音に我に返ると、すぐ目の前にガルデンが立っていて、機械を構えていた。 「マヌケ面を晒していたから」 言いながら機械を下ろしたガルデンは、悪戯が成功した子供の様に、少し得意げに笑んでいる。 さっきのお返しという事なんだろう。 「……やられた」 ぼけーっとしている所を、不意打ちされて紙に焼き付けられる…… コレは結構恥ずかしいかも知れない。 「何を考えていたか知らんが、中々笑えるだらしのない顔だったぞ。 これに懲りたら、先程の様な不躾な真似は止めるのだな」 「……スミマセン」 言いたい放題言われている間に、ぺっと吐き出された紙を取る。 ぼんやりとした影が浮かび、やがてそれは鮮明な――――― 「……………なっ」 「えっ…………」 ―――――硬直する俺達。 紙に焼き付けられていたのは俺のマヌケ面ではなく――――― ……凍っていた時間が動き出した瞬間、俺は真っ赤になったガルデンにぶん殴られた。 「ぐわっ!!ちょ、ちょっと待て、待てって!」 「貴様ーーー!!最初からこんな愚行の為に機械を!!!」 「ち、違う違う、誤解だ!!本当だって、俺は何も……」 「問答無用!!!」 「ぎゃぁぁああああ!!!」 ……気が付くと、俺は一人で地面に這い蹲っていた。 全身を殴打された上に回し蹴りを入れられた所までは覚えてるんだけど。 ……俺以外だったら死んでたぞ、あんなの。 「いてて……、……!」 何とか立ち上がろうとしたところで、手の中に何かを握りこんでいたのに気付く。 広げてみると、それはさっきガルデンが撮った紙だった。 無意識の状態でも、これだけは何とか死守したらしい。 「……………」 握っていた所為でついた折り目を伸ばし、まじまじと見てみる。 其処に浮かんでいるのは俺ではなく、あいつ。 しかも、俺が撮られた時に思い出してにやけていた、昨日の夜の…… そんな鼻血モノのしどけない姿がくっきりと焼き付けられてたのだ。 ……そりゃキレるよな。 しかし……何だってこんな事に。 あの機械、やっぱりどこかおかしいんじゃないのか? そう言えば、あの機械はどうなったんだろう。 ガルデンに捨てられてしまったんだろうか。 「……ゼファー」 俺は低い声でリューを召喚し、今すぐエルドギアに向かう様頼んだ。 とにかく、一刻も早くこのアクシデントの原因を追求して、ガルデンに説明しないと。 「頼んだぜ、ゼファー」 手の紙を密かに懐にしまいこみながら呼びかける。 ……ゼファーは物凄く呆れている様子だった。 ……で、ホワイトドラゴンから聞いた話によると。 ああいう風にモノを映し出すアイテム(例えば『ポラロイドカメラ』や『鏡』、『映像記録球』)は、それを使う奴の魔力や感受性の強さによって、たまに「使った奴の思い描いているもの」や「映される側の考えていること」なんかの「目に見えない筈の何か」が映ってしまう事が在るらしい。 これを「念写」と言うんだと。 ガルデンの場合、期せずして俺の考えていた事を撮ってしまった訳だ。 早速飛んで帰って、宿でむくれていたガルデンに一生懸命詫びながら説明する。 「わざとじゃないんだ、お前を恥ずかしがらせてやろうとか、そんな気持ちは全然無かった」 「……しかし、いつもあんな破廉恥な事ばかり考えているのは事実だろう」 「違う違う、考えてないって。あれはたまたま、本当に偶然なんだって。 お前が生き生きしてるの見て、ああ可愛いなあ、そう言えば昨日の夜のお前も…って考えたとこでパシャって。 本当なんだよ。いつもあんなやらしい事考えてる訳じゃない」 必死で訴えていると、ぷいと顔を背けていたガルデンが、ゆっくりと此方に向き直った。 「だったら、証明して貰おうか」 その手にはあのポラロイドカメラ。 再び俺を念写して、心を見てやろうって事か。 「ああ、良いぜ。証明してやるよ」 俺は自信満々に言い切った。 いつもお前の事ばかり考えてる俺だけど、別にそれはやましい気持ちからじゃない。 お前をこんなにも愛してるからなんだ。 それが証明されるなら、幾らでも撮ってくれて構わない。 「……………」 俺の迫力にちょっと気圧されて動揺したのか、ガルデンは機械を構えようとして…… 手を滑らせた。 「あっ」 つい二人とも慌てて、床に落ちたそれを拾う。幸い壊れた所は無かったみたいだったけど、そんな事より。 ガルデンが屈んだ瞬間、さらりと銀髪が流れて、グッとくるくらい色っぽいうなじが俺の目の前に、しかも爽やかな石鹸の匂いがふんわりと…… どんな絵が撮れたかは、今は訊かないで欲しい。 ただ、その後一週間、口さえきいて貰えなかった事を此処に記しておく。 ――――― 「文字書きさんに100のお題」配布元:Project SIGN[ef]F 様
005:釣りをするひと 主が釣りをしている。 糸を垂らされた湖は、何処までも透き通ってしかし底は知れず、藻やいきものの影も無く、ただしんと静まってある。 それもその筈だ、この湖の本来の役割は巨大な水鏡。 剣聖界に起こる全ての事象を映す、神々のルーペである。 そんな所に釣り糸を垂らし、日がな一日飽く事も無く時間を貪っている主に、シュテルは畏れながらも声を掛けてみた。 『あの……』 「何だ」 『何をなさっているのですか』 「見れば判るであろう」 『……何か釣れるのですか?』 「まずは一匹、構って貰いたがりの図体のでかい黒いのが掛かったな」 『…………』 いつもの事だが、主はひとが悪い。求める答えを貰えず言葉を詰まらせた下僕を、その湖より深く蒼い目で面白そうに見やっている。 「他に何が釣れると思う?」 『何か釣れる、とは思いませんが……』 居心地悪くなりながら、シュテルはようよう言葉を継ぐ。 『では、何故、釣りをしていらっしゃるのですか』 「……………」 ガルデンは湖に視線を戻し、口端を微かに吊り上げた。 「こうしているとな……我等が嘗て駆けた地、剣聖界アースティアに溢れる思念が、この糸を伝って私に流れ込んでくるのだ」 湖面を見ている様で、何処か違う場所を見ているような、そんな捉え難い切れ長の目が細められる。 「我等が神界と剣聖界のあわいに封じられて、もう随分な年月が経った。 此処でそう思うくらいなのだから、地上の尺で計れば、それこそ気の遠くなる程の時間だったのであろうな」 『……………』 「その長い時間に何が出来たかと言えば、水鏡に映る剣聖界と流れ去っていく刻を、ただぼうと見送る事だけ。 ……余りにつまらんのでな。こうして、剣の大地に今も生きる者達の声を聞いて、無聊を慰めているのだ」 退屈は魂を腐らせる。 腐らせる事こそが「彼等」の目的なのであろうが、と続けて意地悪く笑う主。 「我等は、『リューと乗り手』としては余りにも強大な力を得てしまった。 それだけならば、階級制限等の『剣聖界のルール』で束縛出来たのであろうが…… 生憎私もお前も、肉・霊共に剣聖界のルールには属さない存在ときている」 『「彼等」に出来る事は、秩序と体系の破壊者たるあなた様とこのシュテルを、剣聖界という己が箱庭から追放し…… あわいに封じた上で、緩慢な魂の死を待つ事のみだった、と……」 「『彼等』は気が長いからな。何せ、少なくとも剣聖界よりは年を食っている。 剣聖剣邪の混ざりものが堕落するまでにどれだけ掛かろうと、そう気にはすまい」 そして、 「そんな風に気が長いから、この『声』も中々聞き取れぬのだ」 と、綺麗な黒の竿を撫でる。 「此処に生きる者にとって、剣聖界に溢れる声は余りに小さく、早口で、本来ならばノイズとしてしか処理されぬ。 どんなに必死に願おうと、それが『彼等』の耳に届く事は滅多に無い。 しかし私には……よく聞こえるのだ」 『それは、どんな……』 「神を呪う声だ。全てに絶望した者の断末魔、悲しみと怒りに身を焦がす者の怨嗟の叫び。 神など居ない、神など要らないと啜り泣く幼子の訴え…… 体系の破壊を望む声、混沌を願う声。実に感情的で素直な声が、退屈に蝕まれる私の魂を程好く刺激してくれるのだ」 『神を呪う……声』 「私は神を否定する者。剣聖界の理を無にかえすもの。 そんな『私を呼ぶ声』の中でも特に良い叫びを上げた者には、この力を分け与えてやる事も吝かではない」 「!!」 いきいきと熱を帯びて見える主の表情に見惚れていたシュテルは、我に返って『しかし』と口を挟んだ。 『剣聖界との過度な接触・干渉は、神界に於いてはタブーとされております。 もしこの事が発覚すれば、どうなるか』 「それならそれで、退屈はせんだろうさ」 今より悪くはなるまい、と言い返され、おまけに 「お前は如何するのだ?」 等と唐突に質問される。 「私が禁忌を破っている事を密告するか? すれば、恐らくお前の『存在の罪咎』は赦され、『彼等』に属するリューとして此処を出、剣聖界に戻る事も出来よう」 『…………』 主の傍に居れるならと、自ら進んで追放されたこの下僕だったらどう答えるかも、全て判っている癖に。 こんな風にわざわざ問いを投げ、決心を迫る意地の悪い主にシュテルは、 (釣られた………) と深く深く思いながら、共犯者となる旨だけを短く伝えた。 ――――― <「文字書きさんに100のお題」配布元:Project SIGN[ef]F 様> ――――― 色々な思い付きを詰め込みすぎて訳が判らなくなってしまいました。(ショボーン) お題「004:マルボロ」は、以前モテモテ王国の方で書いたので省略しました。
003:荒野 「この辺りは、何も無い荒野だった」 上司の呟きに、マーカスは軽く頷いた。 「西部大陸への入植が始まったのは、今から大体100年程前。 隊長にしてみりゃつい昨日といったところですか」 隊長、と呼ばれた上司は小さく笑い、 「その時は、此処までヒトが増えると思わなかった」 ふっと視線を巡らせた。 此処は西部大陸最大の都市、モンゴック。正規の品から盗品まで何でも揃う街。 時折開かれる闇市には、禁止薬物や古代遺跡より発掘された魔法の品など、そんじょそこらじゃお目にかかれぬ物が多数出品されている。 その闇市が開かれるホールの二階、馬蹄型劇場になぞらえて言うならパルコ席。 上得意客のみに提供される豪華なブースにて、マーカスとその上司は競売が開始されるまでの時間を潰していた。 何となく居心地悪く落ち着かないでいるマーカスと違い、程好く固いソファに半ば寝そべった、しどけない姿である上司。 彼はホール内に満ちている熱気と喧騒に、目を僅かに伏せて言う。 「最初に此処を開拓し始めたヒトの群れは、敬虔で信心深い者達ばかりだった。 彼等は、己の故郷が人口の許容範囲を超えたと知った時、精霊が宿るすぐ側の豊かな森を切り倒すのではなく、魔獣しか居らぬ様な荒野を耕す事を選んだ。 自然から離れる事によって、自然を守る。ひいては其処に棲まう精霊達を守る。 ……そんな考えから始まったのだ、西部入植は」 だが、と、上司の薄い綺麗な唇が笑いの形に歪む。 「今尚殖え続けるヒト達の誰も、そんな事を覚えてはいまい。 今の彼等はただ貪欲に、己が領地を増やす為の陣取り合戦を繰り広げているだけだ。 僅かに残る野を焼き、木を切って、農場にするか……街を作るか。 緑に守られていた己が故郷を忘れた者達に、精霊の声など届かぬであろうが」 「……………」 マーカスは、嘲りの色濃い上司の口調の中に、それでも愛情の様に思える響きを感じて目を瞬いた。 彼はどうやら、そんな「ヒト」を嫌ってはいないらしい。 マーカスの驚きを悟ったか、上司はこう付け加えた。 「見えぬものを闇雲に有り難がる教会の坊主共より、聞こえるものに気付かぬままで居る此処の者達の方が幾らかましさ」 そしてゆっくりと起き上がり、にやりと笑う。 「マーカスは此処の市は初めてだったな」 「はあ」 「最初は何をやっているか判らんだろうが、まあのんびりと見物しておけ。 ヒトの考え出した競売の仕組みは中々面白いものがある」 「今回は……何を買われるんで?」 尋ねるマーカス。 上司の事だから、「上」から命じられている強力な魔法の品、もしくは彼の好奇心や研究欲を満たす何がしかのものであろうと予想はしていたのだが。 しかしそれは大きく裏切られた。 「女だ」 「女?!」 素っ頓狂な声を上げる。 いや、女が「商品」となるのは珍しくない。寧ろありふれていると言って良い。 ……そんなありふれたものを、どうしてわざわざ出向いてきた闇市で。 女が欲しいのならば、そこらの置屋で買えば良いではないか。 そもそもこの上司が、わざわざ買ってまで女を手に入れようとするのが理解できない。 彼のその美しさと色香、手練手管にかかれば、どんな良家の淑女や細君であっても自分から足を開くと言うのに。 「そんな顔をするな」 からかう様に囁く上司。 「ただの女を買うほど相手には不自由していないさ」 其処まで言われて、はたと気付く。 「ただの女でない……という事は」 「そう、我等の『同族』だ」 同族―――――邪竜とエルフの混血、ガルデンの一族。 「今回競りを仕切るギルドからの情報でな。 エルフの集落を追放された所を『保護』したらしい」 「追放……」 「何らかの事情があって、邪竜の血を引いていると判明したのだと。 純血を尊ぶ奴等のやりそうな事だ」 懐中時計を取り出し、おかしそうに笑った。 自分と同じ生き物であるとは到底思えぬ、艶やかな笑み。 「そろそろ時間だ。今度は我等が彼女を『保護』してやらねばな」 一族の長はそう言いながら、時計を懐に仕舞い。 口をつけていなかったテキーラのグラスに手を伸ばして……ふと気付いた様に言った。 「そうだな。私がこの街の者をそう嫌っていないのは…… 私もまた彼等と同じであるからかも知れん」 「?」 「入植者だ。自らの土地を持たず、若しくは持てずに放浪し…… 剣聖界という荒れ野に己の新しい故郷を作る為、其処を耕し平らげる」 「喋りすぎた」と苦笑し、手の中の小さなグラスを煽る上司。 その蒼く静まり返った瞳の中に、100年の昔の荒野が見えた気がした。 <「文字書きさんに100のお題」配布元:Project SIGN[ef]F 様> ――――― 風鈴堂様の日記で、シュテル=ウイルスバスターという解釈を知る。成程……!! ウェブ上に蔓延る諸々の害悪から身を呈して主(パソコン)を守り、時には戦う。 たまに過剰反応かという「添付ファイル密かに削除」なんて荒業をやってのける辺りもシュテルっぽい……!!寧ろシュテルそのものだ。 ところでウイルスバスターには(も)リアルタイム検索という機能が付いています。 ネットに接続している間(常時接続ならパソコンに電源が入っている間)ずっと、主への不審な訪問者や贈り物が無いか監視しているという機能です。 ますますシュテルっぽいじゃないか(特定のカップリングにおける場合の)………!! 更に、パソコンへのウイルス侵入や感染が無かったかどうかハードディスク内の全てのファイルをチェックするという「ウイルススキャン」を、気がついたら勝手にやっている事もあります。 主の!隅々まで!!侵されていないか!!!検査!!!! 「!」マークを沢山つけて誤魔化していますが、これは大変な事なんじゃないかと。 試しにオンラインスキャンなどを受けて頂ければ判ると思いますが、そのチェックの凄まじさと言ったらもう。 滝の様に流れる検索対象のファイル名。 一見何気ないタイトルのテキストファイルの数々。しかしその中身がどんなものか判っている書いた本人にとっては、公開羞恥プレイに近いものがある。 圧縮ファイルもどうやら中身まで見ているらしく、その様は検査と言うより陵辱という言葉を思い出させる。 シュテルがウイルススキャンの名の元に主の全てを引ん剥いてあんなことも!こんなことも!! そんな偏執狂気味なソフトを常駐させているから、様々な怪現象が起きるのではないかと今ふと思いました。もうどうにかなってしまいそう。 あと、パソコンより先に私の脳を医者にスキャンして貰わなくてはいけない気がしてきました。
002:階段 パティは何故か階段が好きだった。 階段を見つけると、とととっと走って行く。 のみならず、同行者にも「こっちから行きましょ」と主張する。 それが例え回り道になるとしても、階段を使って行くと頑固に言うのだ。 「何故だ?」 或る日ガルデンが、パフリシア城内でも特に長く続く階段を登りながらそう尋ねてみると。 その一段先を行くパティがふっと振り向き、立ち止まった。 「……ああ」 「ね」 合点するガルデンと、にっこり笑うパティ。 いつもなら見下ろしている彼女のすみれ色の瞳は、今は自分と同じ高さにあった。 ――――― 「文字書きさんに100のお題」配布元:Project SIGN[ef]F さま
早速更新記録。 TOP絵変更。「封印の美姫の指輪」 掲示板の利用方法&表示形式変更。 それでは、また後程。 ――――― 先日からホットメールの方にウィルスメールらしきものがちらほら。 ウイルスバスターの全ファイルスキャンを毎日走らせている限りでは、このお馬鹿ちゃんなPCは感染などはしていないのですが。 風鈴堂様や同仁茶房様、和織花月様の所でも似たような謎メールが来ていると(各サイト様の日記参照)…… はて……。 ――――― 文章というものは、毎日書かないとどんどん下手になっていくのではないかと自分の書いたものを見て思いました。 ので、引越し時にコンテンツ削除してそのままだった「文字書きさんに100のお題」(配布元:Project SIGN[ef]F さま)に再挑戦してみようかと思います。 キリリク小説や原稿、その他の合間のストレッチとして(もしくは荒行として)頑張ってみようと思います。目標は出来るだけ。 恐らくアデュガルもパティガルもシュガルもCP無しも混じると思いますが如何か御勘弁を。 ――――― 001:クレヨン クレヨンが嫌いだった。 「線」が引けないから。 インクをつけたペンや鋭く尖らせた鉛筆の様な、くっきりとした綺麗な細い線が引けないから。 クレヨンを構成するものはインクの様に使うには余りに固く、ナイフで尖らせるには余りに柔らかい。 そんな中途半端なところも嫌いだった。 自分みたいで、苛々する。 「でもさあ」 と、向かいの席に座っているアデュー。 「俺はそういうクレヨンの柔らかい線とか、好きなんだけどな。 紙の上にクレヨン軽く塗るとさ、表面のでこぼことかも浮き上がって見えてくるだろ。 ああいう所とかさ」 先程から彼は、何処で拾ってきたのか七色のクレヨンを手に、此方をちらちら見ながら真新しいスケッチブックに何か描いている。 「偏屈で……思い通りに操るのも厄介なのに」 「でも、付き合ってく内に少しずつ癖が判って来てさ。 何かどんどん楽しくなるんだよ。もっとこれで絵を描きたい、って思う。 画材としての扱いとか、そんなの俺は素人だから知らないけど。 操るなんてピンと来ないし。 それでも、俺はクレヨン好きだぜ。 クレヨンにしか出せない色や柔らかいこの線が」 「…………」 「よし、でーきた」 と手を止めてアデュー。 彼はにんまり笑いながら、先程までクレヨンを走らせていたスケッチブックをこちらに向けてきた。 其処には、柔らかい……所々力みすぎたり掠れたりして太さも濃さも目茶目茶な……線と面で構成された、似顔絵。 辛うじて、アデューの向かいに座っている人物のそれと判るもの。 「……、……」 「え、何て?」 「……。無礼なまでに下手だと言ったのだ」 「うわ、ひでぇ」 苦笑いするアデュー。だがその表情は何処か嬉しそうだ。 「でも、そんな口叩けるって事は、この絵が誰なのかは判ってるんだよな」 「…………」 「へへ、今度はもっとうまく描くからさ。そんなむすっとすんなよ」 「如何でも良いから手を洗って来い」 「あ、いっけね」 言われて見て、手のとりどりの色に気付いたアデューは慌てて部屋を出て行った。 急にしんとなる部屋。 置いていかれたスケッチブックを取って見てみる。 クレヨンが嫌いだった。 けれど、それで描かれた絵は、嫌いじゃないと思った。
召喚されたゲボキング かわいい主(こ)にラブフィーリング なんと寝取られショッキング みんなで止めようファイティング ゲボキング ゲボキング みんなで呼ぼうよ ゲボキング 下僕の王様、ゲボキング。 其処に支配者の威厳は無い。 ただキングオブサーヴァンツである誇りと実績のみが、彼を王たらしめ同時に輝かせるのである。 ゲボキング ゲボキング 特技は呪いだ ゲボキング 嘗てコカ・コーラから発売されていた飲み物「カルキング」を御存じない方には全くもって不親切な書き出し。 こんばんは、TALK-Gです。 そんな事より下僕祭りが絶賛開催中ですよ!!フェスティバルオブGEBOKUですよ。 下僕カーニバルと言っても良い。平たく言えば下僕の祭典。 まずドンパチ様の雑記や管理人東海林様とのチャットで、「勇者警察ジェイデッカー」のデッカードのボス(勇太)バカっぷりを知った事!! 何かあったら「勇太」、何もなくても「勇太」。全てに優先して「勇太」。他の仲間なんて見えちゃいない。 素晴らしい!!(気持ちフォントサイズ100くらいで) 「勇太のもとへ、普段は離れて暮らしている両親が帰ってきた。両親と過ごせる嬉しさからついデッカードを邪険にする勇太。それにショックを受けて家出するデッカード」なんてストーリーを聞いたらもう……!!デッカード燃え!そのアレっぷりにむしろ萌え!! 上司バカたるもの尽くしまくっている上司に邪険にされて一人前!! しかもこれ丁度10年前、リューナイトと同時期にやっていた勇者シリーズですよ。 すげえ!!リューと言いGガンと言いセラムンSと言い幽白と言い勇者と言い10年前ってすげえ!! 絶対ビデオ屋巡りしてでも観てやるぞと、そのボスと部下の愛の軌跡を見てやるぞと!! そう意気込みドキドキしながらネットでジェイデッカー検索して、ストーリーダイジェストとか読んでもう既に感動で反泣きになっている所になるみ忍様の日記にて、「機甲警察メタルジャック」のストーリー&キャラクタ紹介。 もう動悸息切れ最高潮。 更に、余りにステッキーでドンピシャで美味しさフルコースな配役(例えば私の場合ハンバーグとエビフライとスパゲッティと奈良漬がひとつの盆に載って運ばれてくる様な……!!大好物のオンパレード。しかもひとつだけ明らかに異質な奴が混じっている)に、動揺の余り膝の上にGペン先をぶちまけたりしながら(タチカワ製のは結構痛い)割れんばかりの下僕コールですよ。スタジアムは熱気の渦ですよ。 10歳の少年に傅く良い年した男。主の為なら身を投げ出す事すら厭わない男。でも結局報われる事はない男。 下僕たるもの自分の全てを捧げた主をポッと出の熱血主人公や小娘に奪われて一人前!! むしろ下僕上級者と呼ぶべきか。 世の中に、こんなにも素晴らしい下僕従僕登場作品があったなんて……!! それを初めて知る感激、新たなものへの感動。 この感情をセンス・オブ・ワンダーと呼んでも構わない。 思わず聖約のガルデン風に「世界は広い……どんな下僕が居るか判らんからな」と言い切ってしまいたくなります。 果てなく深い下僕道。下僕の道は修羅の道。思い込んだら試練の道を行くが下僕のド根性。 東海林様、なるみ忍様、有難う御座いました……!! そして今日の下僕収穫。(まだやるのか) 「ペットショップオブホラーズ」秋野茉莉・著、ソノラマコミック文庫(全七巻) 有名なので、御存知の方も多いかと。 「欲しいものは何でも手に入る」と言われる、L.A.のチャイナタウン。 其処に在る一軒のペットショップを舞台にした、一話完結の怪奇ファンタジー。 妖しく美しいペットショップの店主「D伯爵(カウント・ディー)」、彼が紹介する様々な動物や植物たち(それが購入者などにはヒトの姿に見える場合が多々ある……つまり動植物擬人化がバンバン出てくる)、謎めいた事件が起きる度に捜査線上に上る「D伯爵」を怪しみ、彼に接触を繰り返す刑事レオン。彼の弟で、人と話が出来ない代わりに、伯爵同様動物と会話が出来るクリス。そして様々な思いを胸に店を訪れる客や依頼者…… 彼等の繰り広げるドラマが深く、しかも判り易くて、魅力的で。 何かこう、人間の業みたいなものを考えさせるとても面白い漫画でした。 で、この作品の何処に下僕が出てくるのかと言いますと。 文庫版1巻収録のお話の中に! 強盗に両親を殺され家に火を掛けられ、そのショックで目が一時的に見えなくなってしまった富豪のお嬢様の為にD伯爵が用意した!! 盲導犬兼ボディガードのドーベルマンが!!! しかもこのドーベルマン、他の話に登場するペット同様、しっかりヒトの姿で登場!! それが精悍で知的で渋い軍服兄さんときたもんだ!!! 性格もガッツリ下僕&軍人。 ご主人様となったお嬢様の為に、甲斐甲斐しく頑張ります。 その頑張りっぷりがまた生真面目で良い。 <以下ネタバレ含ストーリー紹介> ガードとして働こうとご主人様の部屋に一緒についていこうとして「女の子の部屋に入ろうとしないでよ、貴方には下の客間を用意してあるから其処で寝て」とぽいと放り出されたり(でも朝ご主人様が目覚めて部屋を出ようとした時に、其処のドアの外で寝ていた事が判明する犬)、水溜りがあるところでひょいとご主人様を抱え、「そういう事をするときは先に一声かけて、後もっと離れて歩いて」と怒られたり(それにいちいち律儀に「ヤー(ドイツ語で「はい」)」と答える犬)、ドーベルマン特有の「断耳」(本来は垂れている耳を切ってぴんと立たせるアレの事)の件でご主人様に「そんなの酷い!痛かったでしょう」と泣いてもらえたり(そんな思いがけないご主人様の反応にちょっとびっくりしつつ、「昔の事です、大丈夫、もう痛くないんです」と一生懸命言う犬)、銃を持ちご主人様を人質に取った強盗犯に勇猛に飛び掛っていったり!!(その際「貴方は逃げて警察にこの事を証言して」と言うご主人様に「ナイン(いいえ)、そんな命令は聞けません!」と答える犬) 悲劇的な結末が多いこの作品の中でもハッピーエンドなのがまた素晴らしい。 下僕の一念岩をも通す。 「ペットショップオブホラーズ」の話全体がとっても良い感じだったのですが、不肖私としましては、もうこの一話でお腹一杯大満足でした。下僕ぎっしり確かな歯応え。そんな感じで。 先日書いたVシネネタでもそうなのですが、何かもう「ああ、そうそう、ドーベルマンってこんな感じだよね!!生真面目でストイックで主人第一でさ……!!」と拳を固めるくらいツボな下僕っぷりでした。 ツボな余りこんなものを描いてみたり。 なに考えてるのこの子……!!!(嗚咽) いや、その、美味しい話があったらつい「この話をリューでやるなら……」と考えてしまうのが私の悲しい性。目になんか変なレンズでも嵌ってるのか。「神に背を向けた男」の時もそうでしたが。 とりあえず「謎めいて様々な能力があって妖しいまでに美しくて常に動植物側に立ってものを話し人間にはかなり厳しくて、でも甘いものには目がなくてお茶目な面もたっぷりなD伯爵」はグラチェスで。これは外せない。 そして「そんな彼を追いかけつつ、いつもからかわれキリキリ舞いさせられる、真っ直ぐで口が悪くてかなり直情的な刑事レオン」はサルトビ。 ついでに言うなら私はサルグラが好きなのですが、茨でしょうか。 ドーベルマンとご主人様はシュテルとガルデン(らしきもの)。 今まで擬人化シュテルは執事服で描く事が多かったのですが、軍服も良いかも知れないとふと思いました。あのフォルムとカラーリングを流用した時に、一番違和感が無いのは寧ろ軍服の方かも知れない。 こう……詰襟ベルト半長靴でさ……!!(一人で何を言っているのか)
今住んでいる所(2F)のバルコニーからは、側の竹林が見下ろせるのですが。 昨日辺りからぎゃあぎゃあと其処のカラスが煩かったので、何事かと出て見てみましたら、何だか小さくて丸っこい子供と思しきカラスが地面をぴょこぴょこ飛び歩いている。 その近くの切った竹で出来た柵の上には、大きなカラスが一羽。 仔ガラスはその大ガラスに何か訴えるようにかあかあ鳴いています。 と、其処にもう一羽、更に大きいカラスが。 そいつが仔ガラスに近付いて餌をやっていると、柵に止まっていたカラスは交代だとでも言う様にさっと飛んでいきました。 その後もぴょこぴょこ歩いたりコケたり鳴いたりしている仔ガラスの側には、必ず大人のカラスが一羽ついています。 子供のカラスが誤って巣から転落したので、それが飛べる様になるまでああして見守って世話をしているのでしょうか。 その後もちらちら観察していたのですが、夕方には三匹揃って竹林の奥へと消えていきました。 大人が子供を守っている姿って良いですね。 誰?と訊かれたら全部ガルデンですと言うしかないのですが。 父親=漫画ガルデン、母親=聖約ガルデン、子供=その他(OVA17話とか)のガルデン。 相当怪しいですが。 羽はオプション。 最初は父親を六枚羽にしようかと思ったのですが、描いて見たら訳判らなくなったので止めました。 手に持っているのはランスです。頭掻いてる訳ではないのです。 説明しなきゃ判らない絵描くんじゃないよと言いたい。鏡に向かって。 ギルツとマルトーとアデューで描くのが一番しっくりくるかも知れない。
まずは更新記録。 「ILLUST」を整理。過去のTOP絵と寒中お見舞いをUP。 「LINK」にBREAK OF DAY様をお迎え。 リューナイト仲間って、なんて素敵な響き。 その名に恥じぬ様頑張らないと……! ――――― 先日、初代から買い続けているゲームの最新作BLACK MATRIX 00がAmazonから届いたので、原稿の合間に小説打ちの休憩にと少しずつ進めているのですが。 システムがやたらと複雑になっていて説明書だけじゃ絶対理解不能とか死滅・剣血システム無いのとか、色々あるのですがそんな事より、 なんだこの下僕属性付きキャラの多さは。 初代からラヴな「何でも知っていて意味深な発言をする落ち着き払った男」属性のヨハネは兎も角として、自分よりずっと年下の少年にしか見えない姿の上司に命かけて忠誠を誓う強剣士クレイスやいつも相棒の女性ルカの傍に在り、ぶっきらぼうで無愛想ながらも何処か面倒見が良くお人好しな悪魔ザイオンなんて外見厳ついのに中身は犬属性の男がゴロゴロ。サルトビ好きな方なら絶対ザイオンは気に入ると思いますが如何か。 そんな下僕達の中でも最もアレなのが自信家で、他者には居丈高な態度を取るのに自分の部下グリシナには「あれは奔放で美しい蝶の様だ…欲しがりで、わがままで……しかし其処が良いのだ……」なんて風にメロンメロンで、して同僚の部下である少女に「少年の様に愚直で可愛い方」とか言われてしまう厳つさMAXの力天使レッド・ムフロンというのも。 それは正に下僕属性の中の特殊階級「恋の奴隷」。 その下僕全開発言(「うちの部下グリシナの顔に傷をつけた奴ら(主人公)を取り逃がしただと?!」「申し訳御座いません…(←クレイス)」「レッド・ムフロン様、貴方がご自分でその者達の首を刈って、グリシナに贈ると言うのは如何ですか?いつだって、殿方からの心のこもった贈り物と言うのは嬉しいものですわ(←別の部下)」「そ……そうか?だったら俺がそいつらをやる!!今度見つけたら俺に報告しろ!!(ドキドキワクワク)」「……はぁ」みたいな)の数々から目が離せません。 ――――― 10月の死を告げるお手紙がイン・ザ・メールボックス。 早くお返事書かなきゃ……!!
携帯から書き込んでいます。 ネットに繋ぐためのケーブルモデムが原因不明の故障を起こしたので。 だ…大明神が来るッ…!! 誰か助けて!!! ――――― 業者の方に来て頂いたのですが、その方も首を捻るばかり。 とりあえず先に更新だけ。 TOP絵変更。 「無翼の大賢者」 ナジーが獅子の千年紀の歴史を伝える大賢者なら、アデュー達が活躍した「竜の千年紀」の歴史を伝える次代の大賢者は当然ガルデンだろと思っているのですが如何か。 ホワイトドラゴンと仲良いし(ラジオ参照)、邪竜族の世界にも闇の魔法にも詳しいし、何と言っても長命種だ。 パフリシアでの儀式の見届け人を任せられる辺りもまた。 当然高レベルの治癒魔法と記憶操作の魔法はラーニング済み。 いや、カッツェが大賢者になったりしてもそれはそれで面白いですが。 それでは、また後程。 ――――― 昨日は風切嵐様とチャットを……(毎度有難う御座います!) 私が仕舞い込んでいたテキストを読んで頂いたり、「ガルデンとその力と精神状態」について色々考察したり、ついアデュガルを連想してしまう様なナイスソングを色々教えて頂いたり、妙な計画にお誘いしてもみたりみたり! グッと濃ゆい時間を過ごさせて頂きました。萌え話ってホント素晴らしいものですね。(水野何とか調で)心のビタミンですわ。 いや、むしろ亜鉛か。
「嘘・大げさ・読み易い(展開が)」と三拍子揃ったVシネアクションが大好きな当方なのですが。 それをリューで、しかもシュテガルでやるとどうなるか。 アースティアTV深夜のサスペンスアクションVシネ劇場 「檻の中の令息」 ―――――「ロード製薬」。 嘗ては「カオスティア製薬」の子会社であったのが、秘密裏に進められた新薬開発の成功と会長を始めとした役員、社員、研究員の辣腕ぶり、其処から広がる強力なコネクションによって見る間に発展し、ついには「親」を見限る形で独立した会社である。 その目覚しく輝かしい成長のあおりを食らって「カオスティア製薬」は斜陽の一途を辿り、遂には倒産した。 それから数年。 押しも押されもせぬ巨大企業に成長した「ロード製薬」会長の私邸に、彼の留守を狙って或る日五人の男女が押し入る。 彼等の狙いは金でも宝石でも無い。仕事の為なら何を捨てても惜しくないと公言する会長が唯一つ大切にしている「血族」、美貌の会長令息ガルデンだった。 邸宅内の使用人や警備員を片付け、ガルデンに迫る侵入者。 護身用にと修めさせられていた数々の武術で、果敢に侵入者に抗うガルデン。 そして日頃可愛がってくれた彼……主人を護るべく勇猛に牙を剥く番犬(ドーベルマン)のシュテル。 圧倒的不利な状況で、それでもガルデンとシュテルは必死に戦うのだが…… 不意に侵入者のうち一人の女の撒いた香によって、ガルデンが五感を狂わされる。 鋭敏な感覚を失い、侵入者に追い詰められるガルデン。主人の様子がおかしいのに気付き、狼狽したシュテルは、その一瞬の隙を衝かれて銃で撃たれる。 動けなくなったシュテルの目前で捕らわれた主人が■■な侵入者の■■押■■■■■れ■■されて■■■気丈■耐■■■■■■■■■■たが処■■■■■■■■■遂■■鳴■■■、そ■■シュテ■■■■■■で一度も上げ■■■無か■■狂■■■■吼■■■■■る■■■を煩■■■打■■更に見■■■■■■■痛■■■■■■■■■■■■■る。(注:検閲削除) やがて意識不明になったガルデンを抱え、部屋に火を放って去る侵入者達。 燃え落ちる屋敷の中で、主人を侮辱され奪われた犬は己の無力さを呪い侵入者共の卑劣さを呪い、攫われた主人をひたすらに恋い慕いながら、断末魔の叫び声を上げる。 数ヵ月後…… 各メディアで連日連夜取り上げられた「ロード製薬会長宅放火殺人事件」が、会長令息の遺体も発見出来ないまま未解決事件として風化し、日々の営みに忙しい人々の脳裏から消え去った頃。 一人の男が、未だ事件の記憶が残る会長私邸跡地に現れた。 黒い髪。 黒い肌。 しなやかで頑健な体躯、鋭い黒曜石の瞳。 男は土に埋もれていた汚れた「札」……ドッグタグを拾うと、それを己が首に掛け、密やかに誓う。 「ガルデン様……何処かに居られるかけがえの無い方、美しく誇り高き我が主。 この忠実な犬が、必ずやあの下郎共の血を贄に、あなた様をお救い致します」 タグに刻まれた名は「STERU」……「星」と「死」から生まれた下僕の諱(いみな)。 黄泉路より蘇った彼は現世(うつしよ)にてヒトの躰を得、殺戮と邂逅の為に今一度焼けた土を踏みしめる。 仇は五人――――― 黒曜石の瞳が真紅に染まる時、呪詛と思慕、妄執に彩られた復讐劇が幕を上げる。 何かこんな感じで。 で、多分全六話になっていて、 第一話―――漆黒の復讐者 シュテルによる会長宅襲撃事件の回想と、「仇」が全てカオスティア製薬の関係者である事が判明する辺りがメイン。 話の終盤でシュテルに始末される「仇」は、元カオスティア製薬の幹部候補の一人、ギメル。表か裏かのコイン占いなんかで、シュテルの主人をなぶりものにすると決めた男。 襲撃の報酬として手に入れた豪邸のプールにて、突然現れ命を狙ってきたシュテルの正体に、やっと気付きかけた所で感電死。 第二話―――紫紺の破砕者 巷を騒がせるコンピューターウィルスやワームを次々に作り出す敏腕クラッカー「サルトビ」が登場。その正体は過去の「ロード製薬」の強引な進出によって借金を抱え込み、心中した一家の生き残り。 「ロード製薬」の会長を恨んでいたという事で「仇」かと疑われるが、実際はシロ。シュテルから会長宅襲撃事件の全容を聞いたサルトビは、「誰がそんな汚い真似するか」と激怒。サルトビのクラッキングの師匠である爆烈丸も交えて、何故か皆で「仇」の正体を調べる事に。 割り出されたのは、やはり元カオスティア製薬の幹部候補の一人にして、今では医療用計測機器メーカーの重役となっている男、ドアン。 ロード製薬会長……ひいてはその息子であるガルデンが持つ稀有な「血」に興味を示して襲撃に加わったらしい。 現在彼は襲撃で得た「データ」解析の為、また襲撃の際に番犬に傷付けられた視神経を回復させる「機械仕掛けの義眼」の調整の為、コンピュータシステムで護られた研究室に一人閉じ篭っている。 シュテルはそんな0か1かの世界に倒錯した挙句、主人をモルモットの様に扱ったドアンを始末する為に、サルトビと爆烈丸からコンピュータウィルス「闇風」を入手する。 ドアンの収集・解析したデータをコピーして取り込み、原本(オリジナル)は速やかに凍結・破壊・消去してゆく「闇風」。ドアンは暴走を始めた研究所から車で逃走しようとするが、義眼へのウィルスの侵入に気付かず、目測を誤って事故死。 第三話―――深緋の追想者 これまでの経過と前回入手した情報から、「仇」にあたりをつけるシュテル。 ギメル、ドアン……彼等と同じく元幹部候補にして精神系薬物のエキスパートであるアドリア……彼女等の上司である元カオスティア製薬重役のリゲル…… そして、リゲルの愛人であり、カオスティアとロードが袂を分かつまでは会長やガルデンとも懇意にしていた女、イドロ……。 しかし肝心の主の居場所ははっきりとは掴めず、シュテルは苛立ちを募らせる。 そんな折爆烈丸が、現在アドリアが勤めている製薬会社の上層部が、会員制の秘密パーティを催しているという情報を入手。 野生の勘で何かを感じ取ったシュテルは、酒色は無論、値千金のデータや一般の流通には乗らない薬物まで出回るというその宴に潜入する事に決める。 しかしパーティが開かれるのは、十重二十重のセキュリティを完備したVIP用のホテル。しかも先日のギメルとドアンの殺害事件の余波か厳重な警備がしかれ、テロでも起こす装備が無ければ忍び込む事は出来そうに無い。 かと言って本当にテロ紛いの事をすれば、無駄に騒ぎが大きくなるだけでなく、本来の目的である「主人の情報」まで逃してしまう可能性がある。 再び壁にぶち当たるシュテル。 其処に現れる、緋色の髪をした一人の青年。 主の数少ない友人……運輸業において絶対のシェアを誇る、陸海空全ての覇者たるウォルサム家の当主、アデュー・ウォルサム。 彼は、目の前の黒い偉丈夫がガルデンの護衛犬「シュテル」である事を見抜き、これまでの事情も知った上で協力を申し出る。 自らの力を使って、パーティの招待状を手に入れると言うのだ。 かくして正装までさせられて「正攻法」でパーティに潜り込んだシュテルは、其処で我が目を疑うものを目撃する。 まあアレですわ、アドリアに薬漬けにされてラリラリになったガルデン(外見上は52話)が、パーティの高級ホステス(コールガール?ストリッパー?)として働かされていたとかそんな感じの光景が。 雑記帳上では何なのでそのあたりはさらりと流して。 で、アデューとシュテルは、そんなラリラリガルデンをパーティ主催者側から「買う」事で、一晩だけ共に過ごす事が出来る様になると。 第四話―――虎黄の簒奪者 漸く見つけた主は、薬物漬けにされた挙句「仇」の懐を潤す為に、パーティの度に客への接待を強要されていた――――― 余りに惨い事実にシュテルはショックを受け、今すぐにでも彼を此処から解放したいと考えるが、現状はそれを許さなかった。 自分が不甲斐無いばかりに大切な主人がこんな目に、と号泣するシュテルを、不思議そうな目で見詰めるガルデン。今の彼は、自分がどうしてこんな所に居てこんな事をしているのかも判っていない様子だった。 が……シュテルが着けているドッグタグやアデューの呼びかけによって、依然記憶の混濁は残る状態ながら、一時的に正気に戻る。 アデューが此処に居る事と、シュテルがヒトの姿を取っているのに驚くガルデン。事情を聞いた彼は、友人と愛犬を業深い道に引き込んだ事を憂い、もう自分の事は良いからと復讐を止める様勧める。 しかしシュテルは頑として首を縦に振らず、逆に「全て片付けるまで生きて待っていて欲しい」と訴える。 シュテルにとってこの一連の事件は、自分の手で片をつけてこそ意味があるというのだ。 アデューもまた、事態は既に表の司法組織にだけ任せておける状況ではない、と判断した旨を伝える。 お互いの意志を伝え合った後、久々にゆっくりと時間を過ごす三人。何も無く平和だった頃に思いを馳せながら、貴重な夜を更かす。 ……翌朝、シュテルとアデューはホテルを後にする。 シュテルは主人に磨いて貰ったドッグタグを胸に、全てを終えたら必ず彼のもとに戻る事を決意するのだった。 今回終盤で始末される「仇」は、パーティで禁止薬物の取引や人身売買を斡旋していたアドリア。 ガルデンを使って幻覚剤や媚薬の人体実験を繰り返していた彼女は、その結果秘密裏に完成させた非常に依存性の強い麻薬のレシピを、サルトビ&爆烈丸のウィルス「巴(ともえ)」によってネット上にばら撒かれてしまう。 その後、これ以上秘蔵の開発データを漏洩したくなければ……と呼び出されたホテルにて、シュテルに首を切られ窒息死。 しかしその場に現れたイドロによって、シュテルも撤退時に傷を負わされてしまう。 第五話―――蒼翠の断罪者 襲撃事件に関わった者とその所属組織に確実にダメージを与え、消してゆく「暗殺者」の正体に気付き、戦慄するイドロ。 しかし上司のリゲルは、非現実的だと取り合わない。彼はカオスティア製薬再建の事しか今は頭に無いのだった。 一方シュテルは、自らの正体を「仇」側に悟られた事から、騒ぎが飛び火する前にと協力者達の元を去る。 廃墟に身を潜め、思ったより深かった傷を癒しながら、そもそも何故「ロード製薬会長宅襲撃事件」が起きたのか、何故奴等は会長ではなくその令息を狙ったのか、等を推理していると、其処に一人の男が現れる――――― 数日後、シュテルの居場所を突き止めたイドロは、これ以上の損害が出る前にと彼を旧カオスティア製薬本社ビルに呼び出す。 罠と知りつつも、未だ主人の身柄がイドロ等の下にある事を考え、指定場所に出向くシュテル。灯りの入らないだだっ広い部屋にてイドロを待っていると、突然背後から銃撃される。 咄嗟に避けて後方を見ると、其処にはイドロに伴われてぼんやりと立つガルデンの姿が。 彼は嘗ての世話役であるイドロに、薬物と催眠で洗脳されてしまっていたのだった。 命令一つでシュテルを撃つ事も自分の頭を撃ち抜く事も厭わない操り人形と化した主の姿に、シュテルは「何処まで主を愚弄すれば気が済むのだ」と激怒する。 が、イドロは怯むどころか「幾ら傷つけ、貶めても気が済まない」と却って憎悪を剥き出しにし、ガルデンにシュテルを攻撃させる。 手が出せず、ひたすら攻撃を避け続けるシュテル。その内に傷が開き、動きが鈍った所で遂に部屋の隅に追い詰められる。 「今度避けたらガルデンを自殺させる」と脅され、絶体絶命のシュテル。 主が下僕に銃口を向け、命じられるまま引き金を引こうとしたその瞬間。 一発の銃声が響き、ガルデンは手の銃を弾き飛ばされる。 次の瞬間にはイドロが肩を撃たれ、彼女は苦痛と驚愕に引き攣った顔で弾丸の飛来した方向を見やる。 其処には硝煙たなびく銃を手にした「ロード製薬会長」……ガルデンの父にして一族の長が、返り血に白い頬を染め、ただ静かに立ち尽くしていた。 最終話―――白銀の終結者 突然の乱入者に茫然としていたイドロだったが、彼の返り血が下の階に待機させていた部下、ケルトとサルスのものである事を知ると激しく動揺し、再び憎悪を剥き出しにする。 「裏切り者」と会長を罵倒するイドロ。しかし会長は「先に裏切ったのはお前ではないか」と淡々と返す。 二人が言い争っている間にシュテルはガルデンを抱き寄せ、洗脳を解かんと必死に呼びかける。 催眠の深度が浅かった所為か、度重なる薬物の濫用で薬が効き難くなっていた所為か、下僕の願いが通じたのか、幸いにして洗脳を解かれ、何とか正気を取り戻すガルデン。 傷で、または薬で弱っている互いの体を気遣いながらも、二人は会長とイドロのやり取りを見守る。 「ロード製薬会長宅襲撃」を計画したのは、イドロだった。 ギメルにはゲーム感覚のスリルと報酬を、 ドアンには「一族」の血とデータを、 アドリアには使い減らない「実験体」と「接待用人形」を、 リゲルにはいずれカオスティア製薬を再建した際に使える「切り札」を。 それぞれが求めるものを「ロード製薬会長令息・ガルデン」という人物で提供する……それが表向きの襲撃目的だった。 が、イドロの内に秘められていた「真の目的」はもっと陰惨で、しかも極めて単純なものだった。 ロード製薬会長を苦しめる。 たったそれだけの為に、彼女は幾重にも会長令息を苛む罠を張り、実行していたのである。 数日前、身を潜めていた廃墟に訪れた会長から、彼が頻繁に息子の「近況写真」や「映像」を送りつけられていた事を聞いていたシュテルは、それらも全てイドロの仕業であると確信する。 「何故其処までして我が一族を恨む」と問う会長に、イドロは「お前が裏切ったからだ」と喚く。 イドロは元々カオスティアの子会社だった頃の、ロード製薬会長の秘書だった。 彼女は会長に尽くし、公私に渡って強力にバックアップした。 しかしそれは彼やロード製薬の為ではなく、あくまでその親会社であるカオスティア製薬、ひいては其処の重役にして愛人であるリゲルの為。 イドロはリゲルから、野心家のロード製薬会長を見張り、コントロールする密命を受けていたのである。 ロードがカオスティアから独立しようとしている事を知った時、彼女は必死で会長を思い止まらせようとした。が、それは聞き入れられなかった。 会長はイドロの掌に収まる様な人物ではなかったのだ。 それに気付いたイドロは会長の元を離れ、カオスティアに戻って妨害工作に着手したが時既に遅し。 結局ロード製薬はカオスティア製薬から独立し、まるで親の体を喰らって育つ蜘蛛の様に急成長していった。 その後カオスティアは倒産、任務に失敗したイドロはリゲルから愛想を尽かされ、何もかもを失う事になった………。 イドロにとって今回の事は、ロード製薬会長を苦しめると同時に、リゲルの歓心を再び買う為の、極めて単純な欲望に基くものだったのだ。 「しかしそれすらも台無しになった」と、イドロは絶望に濡れた声で会長やガルデン、シュテルを見やる。 ロード製薬会長を揺さ振りながら新たに発足するカオスティア製薬……その主要ポストに就き、専門分野でエキスパートとなるギメル、ドアン、アドリア、イドロ……そしてその頂点に立つリゲル。 綿密に描き、成就する筈だった野望。 それが、たった一匹の犬の為に目茶目茶になるなんて。 恨み言を呟きながら、身を翻すイドロ。追おうとしたその時、満身創痍のケルトとサルスが現れ攻撃を仕掛けてくる。 彼等の始末を会長に任せ、シュテルとガルデンはイドロを追う。 やがて辿り着くビルの最上階の大フロア。他の階とは違い、其処には多くの書類やディスクが雑多に積み上げられていた。 それはロード製薬発足以来の汚泥に塗れた彼女の歴史と、この数ヶ月に渡る会長達への呪詛。そして彼女の何もかもを破壊する、漆黒の復讐者の行動記録。 イドロは此処で全ての決着を付けようと、シュテルらに挑んでくる。 自ら覚醒剤を服用し、疲労と痛みを忘れて幾ら傷付いても立ち上がってくるイドロ。その最中シュテルは彼女の攻撃からガルデンを庇い、目を傷付けてしまう。 視界を奪われ、ピンチに陥るシュテル。物が多く距離感を掴み難い部屋の中で、闇に潜んだイドロに狙撃されそうになった正にその瞬間。 「Platz!(伏せ!)」 ガルデンの鋭い声に、反射的に身を伏せるシュテル。間一髪、空を貫く弾丸。 ガルデンはシュテルの目となり、彼が一匹の番犬だった頃と同じ様に、極めて短く的確な命令を出してゆく。 「Sitz bleib!…Marsch!!(座って待て!…進め!!)」 シュテルはガルデンの声に視覚を委ね、聴覚と嗅覚、触覚に全神経を集中させる。 次第に追い詰められるイドロ。彼女は命令を出すガルデンを狙うが、それも駆けつけた会長によって阻まれる。 「クラッカーとウォルサム家の当主によって、お前達の違法行為は全て白日の下に晒された。リゲルはカオスティアの名を汚した事を今更に恥じて、自害した。 貴様の妄執と計画は全て潰えたのだ。……終わりだ、イドロ」 会長の宣言に逆上したイドロは、せめてシュテルだけでもと突っ込んでくる。 シュテルもまた、イドロだけはこの手でと彼女に向かう。 ガルデンはシュテルを止めようとするが思い止まり、最後のコマンドを出す。 「Feuer!(撃て!)」 部屋に響く二つの銃声。 二人は互いの心臓の位置をそれぞれ捉えていたが、イドロの放った弾丸はシュテルが胸に大事に入れていたドッグタグに阻まれ、致命傷にはならなかった。 遂に倒れるイドロ。銃撃戦の余波か最後の怨念か、出火し瞬く間に炎の海になる部屋の中で、彼女は事切れる。 リゲルへの思慕と会長への憎しみ故に復讐に身をやつしたイドロ…… 相通ずるものがある筈の彼女に、しかしシュテルは憐れみを覚える事は無かった。 その後――――― 長い間行方不明になっていたロード製薬会長令息の生還と、相次いで発覚した元カオスティア製薬社員の犯罪行為にメディアは沸いたが、会長令息が「何も覚えていない」とだけコメントを発表した事と、主要な容疑者が全員死亡しているという事もあってか、事件は徐々に風化し忘れられていった。 更に数年後、会長はガルデンの体の回復を待ってその地位を譲り、相談役に降格。新会長となったガルデンは新たに「ルーングループ」を発足、医療だけに留まらず様々な分野に手を広げた。 運輸業最大手のウォルサム家との提携や、新鋭メーカー「百道(ももち)」とのソフト開発競争など、常に話題と活気を振りまく状況を作り出す新会長の傍には、常に黒い犬の姿があったというが――――― 真相はすべて闇の中である。 元は病院の方の掲示板でゆうきみあぐ様に語っていたお話。(何て迷惑な) お約束に満ちた急な展開の端々にみなぎる投げやりっぷりを楽しんで頂きたく思います。(プロデューサーのコメント) ――――― と言うか「薬に体を侵され余命幾許も無いガルデンと、現世に居られる時間の限界が迫ってきたシュテルが、事件収拾後、人知れず手に手を取り合って何処かに去る」みたいなエンディングを考えていたのですが、それはいまいちハッピーで無いので止めました。 良いやん、もうハッピーでアレな判り易いVシネ的エンド(続編も作れるエンド)で。 会長はTV27話のガルデン(菱沼ガルデンの中でも一番老けて力が漲って見えるガルデン)。漫画ガルデンでも良いですが。 ――――― 衛星第2でやっていた映画「ブーメランのように」のアラン・ドロンが私的漫画ガルデンのイメージにピッタリでビックリ。
久々に顔を出したクラブで映画の話になり、キャシャーンはこうだった、アップルシードはああだった、と喧喧諤諤やっていたのですが。 「世界の中心で愛を叫ぶ」を観て泣いた!感動した!!と感想を言っていた後輩に<ネタバレ>CMでもやってたあの散骨のシーン、向かいから突風が吹いてきたら悲惨な事になってたのな、鼻に入ったりしてさ。「助けてください!!」って感じで<ここまで>と言ったら取って置きの三白眼で睨まれました。こんばんは、TALK-Gです。 友人間では何かにつけ「助けてください!!助けてください!!!」と叫ぶのがブーム。原稿の締め切り日とか。 映画を観ていても思うのですが、やっぱりどんな話でも最後は大団円になるのが、個人的には好きなのです。 でも、話を書いてみる側に立つと、大団円って何て難しいんだろうといつも思います。悲劇的なエンドよりずっと難しい。 ガルデンの様な、全身これ不幸要素の塊みたいなキャラを主役に据えるなら尚更。 しかしそれでも、頑張って大団円を書かなきゃいけないなと思いました。 安直に悲劇に逃げ込んではいけない。やるなら涙の大団円。 アデュガル小説は(何故か)灰色なエンドにしてしまう事が多いので、特に。 やっぱハッピーエンドはハッピーよね、と、風切嵐様の書かれた小説を読み、お話を伺って、改めて強く強く思ったのでした。
*アデュガルで* 朝、柔らかく大きな玉座の上では、あいつは君主になる。いや、暴君と言うべきか。 まず一緒にまどろんでいた筈の俺を玉座から蹴落とす。 次いで白の衣を纏いながら不機嫌そうに「水。」と一言。 もたもたしていたり、温もりを求めて玉座に這い上がろうとすると、そのしなやかな脚で再び蹴り飛ばされる。 冷たい水をコップに汲んで戻り、君主様に渡す。 美味しそうに飲み干すと、次の命令。 「腹が減った」 投げるようにして返された雫の残るコップを受け止め、俺は頭を巡らせる。 卵と、穀物と、野菜と、果物。乳製品。 これらを組み合わせて、美味しく、手早く、食べ易く、しかも君主様の気紛れな嗜好に合うよう朝食を作らなくちゃいけない。 こんな時、前日の夕食がスープ類だと良い。ちょっと味を変えたり卵を足したりで、条件を一度に沢山満たすことができる。乳製品と果物の組み合わせも良い。簡単で美味しいし、見栄えも綺麗だ。 だけど、あんまり似たようなメニューを連日出すと、突然君主様は癇癪を起こす。 昨日はスープ系だったから、今日はオムレツにしよう。 それにパンとチーズ、オレンジとサラダ。 ひねりの無いメニューだが、たまにはこういうのも良いだろう。 君主様は玉座に掛けたまま、俺が差し出すそれを雛鳥宜しく平らげていく。 熱いものなら程よく冷ましてやらなければいけないし、大きいものなら小さめに千切ったり切ったりしてやらなくちゃいけない。全く手間が掛かる。 オレンジの最後の一房を食べると、満足したのか君主様は、果汁で濡れた唇を舐め、頬を緩めて頷いて見せた。 「御苦労、下がって良いぞ」ってか。 冗談じゃない。俺はクーデターを起こす。 軽く目を見開く君主様を玉座に組み伏せ、未だ甘い唇を啜る。 「この私に無体を働くか」 息継ぎの合間の不満そうな唸り声。 「不敬罪…反逆罪で処刑するぞ」 「悪いな『君主様』。なんせ腹が空いているもんで。 それに俺を処刑したら、明日っからの君主様の世話は誰がするんだ?」 俺の言い方にからかうような色を認めたらしい。彼はその細い眉を寄せて睨みつけてくる。 でも、そんな顔をしてももう遅い。 こいつはもう君主じゃないんだから。 魔法は解けて、玉座はただのベッドに、白い衣は体液の染み込んだシーツに戻る。 「元」君主様は大儀そうに溜め息をつき、抵抗を止める。 「……痛くするな……」 命令ではなく懇願を漏らして、その腕を俺の身体に絡みつかせてくる。 「まあ、考えておくよ」 寛大な俺は捕虜の言葉に小さく笑い、囁いた。 ――――― 昔のネタ帳から発掘。アゲインスト下僕大明神(byなるみ忍様)の精神で。 と言うかこれ打ってる最中に3回もメモ帳が落ちたのですが。 「何でも下僕の所為にするなよ」と仰る方は、一度同じ様な体験をしてみる事をお勧め致します。笑えなくなります。 ――――― 水曜に夜篠嬢と「死に花」(http://shinibana.jp/)を観てきました。 もう、素敵過ぎでカッチョ良すぎな映画でした。 ネタバレになりそうなので余り多く書けないのですが、何か……こう、元気が出ると言うか、年甲斐も無く張り切りまくりの爺さん達に萌えと言うか……!!! 本当、たまらん映画です。 夜篠嬢と考えていたネタがこの話の最後とモロ被りで愕然としたりもしましたが。 山崎努氏のベッドシーンや青島幸男氏の熱烈キッスシーンにビビリもしましたが……!! 判りやすいストーリーとキャラクタに、渋い巧い深いの三拍子揃った役者陣が絡むとどうなるか。 笑って感激してほろりとくる、正に「青春映画」ですわ。 お勧めです。 キャシャーンの方はビデオ待ちにしました。 次はキューティーハニー、それから69。 邦画バンザイ。
※大学教授過去話※ ガルデンの麻ジャケットの懐に、ひとつの鍵が入ってある。 一度も使った事の無い、真新しい鍵。 彼の住居のマスターキーである。 これ一つで、家の門から玄関のドア、車庫、物置、地下書庫に至るまで全ての主要な錠を開く事が出来るとても大事な鍵。 『受け取る事は出来ません』 不意に、大変申し訳なさそうにでかい図体を縮めながら、それでもはっきりと告げてきた男の言葉が耳に甦った。 「結局、お前の予想通りだったという事か」 ガルデンは目を細めて小さく笑う。 布越しに触れる金属片からは、あの日と変わらない重みが伝わってくる気がした。 今から少し昔……ガルデンの家が完成した日。 一切を任せた建築デザイン事務所の応接間にて、ガルデンは件の鍵を受け取った。 「他の玄関専用や車庫専用の子鍵もだけど、特にこのマスターキーは無くさない様にして」 これ一つで家の全部を丸裸に出来るんだから、と、家のデザインから何から全てを手がけた女性から重々言い含められて、手渡された鍵。 複雑なジグザグに滑らかな曲線と不規則な凸凹が噛み合ったつくりの、目にも掌にも新鮮なそれの数は、ふたつ。 「ほら」 事務所を出てすぐ前に停めてあった車に乗り込んだガルデンは、ふたつの内一つを、運転席で契約書の類を纏めていた男に差し出した。 「は……?」 紙束から顔を上げ、紅い目を瞬く男。 「判らんか、シュテル。私の新しい家のマスターキーだ」 「は……いえ、それは」 理解しておりますが、と返事をしながら、鼈甲ぶちの眼鏡を外す。 いつに無く歯切れが悪い彼……シュテルの態度に、ガルデンは鍵を差し出した姿勢のまま、少し不審そうに眉を寄せた。 シュテルはガルデンの目付け役である。 ……その実は、仕事にかまけて寝食住の生命維持活動(略して生活)を疎かにしがちなガルデンの世話係だが。 ガルデンが「実家」に居た頃はそれこそ影の様に付き従い、其処を出てマンションで一人暮らしを始めてからも、何かと彼を助ける為に頻繁に出入りしていた。 生きていくからにはやらなければならない面倒な掃除炊事洗濯、街で暮らすからには踏まねばならない煩雑な諸々の手続き、時には日々の糧を得る為の仕事のちょっとした助手までこなす万能執事。 主であるガルデンの言葉には逆らった事の無い、忠実な僕(しもべ)。 それがシュテルという男――――― ―――――だったのだが。 「……出来ません」 しばしの後、シュテルは呟いた。 「何?」と益々眉を寄せるガルデンに「申し訳御座いません」と身を縮め、頭を低くしながらも繰り返す。 「受け取る事は出来ません」 そして大きな手で、鍵を差し出す主の華奢な手をそっと押し返す。 「―――――どういう意味だ?」 困った様な声。 シュテルもまた(主にしか判らぬ様な)困り果てた様な表情を浮かべ、緩く首を振った。 「その鍵は、わたしの鍵ではありません」 だから受け取る事は出来ません、と言って項垂れる。 項垂れたいのは私の方だ。 ガルデンは思った。 何故急にこんな事を言い出すのか判らない。 実家を出て以来、何処かに転居する度に、世話係であるシュテルにも其処の鍵を渡してきた。 渡されたものをシュテルは必ず受け取ったし、しょっちゅう使ってもいた。 お互いにそれが当然の事だと思っていたのだ、今までは。 「―――――今までは」 ガルデンの考えを継ぐ様に、シュテルは口を開いた。 「今までは、ガルデン様のお住まいはわたしが在っても構わない場所でした。 わたしは頂いた鍵を、何の躊躇いも無く使う事が出来ました。 けれどこれからは違います。……違う、と、思ったのです」 口が上手い方ではない男は、それ故に一つ一つ自分の言いたい事を整理し、考えながら訥々と言葉を繋ぐ。 「ガルデン様は、何故今までのマンションを出、こんな立派な家を建てられたのですか」 契約書に目を落とした僕からの不意の質問に、主はふっと思考を巡らせた。 前のマンションに不満があった訳ではない―――――清潔で広くて安全で便利で、寧ろ満足していた。 ただ、このままでは増え続ける蔵書が収まりきらなくなりそうだったとか、緑が多い土地に惹かれたとか、職場での地位が助教授から正式な教授になったのを機にそろそろ一所に住居を構えようと思ったとか、たまたま手元にまとまった額の金があったとか、友人の友人に素晴らしい建築デザイナーが居たとか――――― ……何故かどれも言い訳じみた理由に思え、ガルデンは額を押さえた。 何故私は、此処にこんな家を構えようと思ったのだろう? 「判らない―――――が、」 それでも、此処に家を建てよう、と思った事は確かで、揺ぎ無い事実だった。 言ってしまえば、 「建てたかったから、建てたのだ。 私の、『家』を」 シュテルはその答えに、ごくごく小さく笑う。 自分もまた確かな答えを見つけた、という、何処か安堵した様な笑い。 「思うに、その時が来たのでしょう。 ガルデン様が、ガルデン様の『家』を得る時期を」 「…………」 「今までは」 と、話は質問の前に還る。 「ガルデン様がいらした所は、ガルデン様の『家』ではありませんでした。 お館様のものであったり、マンション管理者から借りたものであったり…… 故にわたしも、不躾に遠慮も無く其処に立ち入る事が出来ました。 けれど、この家は違います。 この家は他の誰でもない、あなた様御自身のもの」 膝に散らばっていた契約書を再び纏め、鞄にしまって。 「その『家』の全てを開くマスターキーを受け取るのは、わたしなどでは無い筈です」 シュテルは、今度は真っ直ぐ主を見詰めた。 「いずれ、本当にその鍵を渡したい者を、ガルデン様は見出されるでしょう。 それまでは大切に保管なさっていて下さい」 ……それに、 ……『その時』になって「鍵を返せ」と命じられるのは、辛いので。 「―――――シュテル」 ガルデンは、何をどう言うべきか迷い、考えて、結局口を噤んでただ頷いた。 握り締めていた手を開くと、其処には結局貰い手の見つからなかった真新しい鍵。 柔らかで澄んだ光沢を放つそれをそっとジャケットの内に仕舞うと、シュテルは目を細めて頭を垂れた。 「折角の御好意を無にした上に、差し出た事を言い、申し訳御座いませんでした」 言葉は殊勝だが、含む響きは満足気である。 ガルデンは片眉を上げ、助手席に座り直しながら呟いた。 「この鍵は渡さんが、暫くはお前に暇を出す気は無いぞ。 何せ、引越しは未だ全く進んでおらんのだ」 「あなた様に召喚して頂けるなら、わたしはいつでも、どうやってでもその御傍に参ります」 そう、これからは、従者が命無しに主のテリトリーを侵す事の無い様に。 そして主が己のテリトリーを易々と開く事の無い様に。 「家だけでなく、小言と制約までついてきた。……重い鍵だ」 ガルデンは苦笑し、早速下僕に命を出した。 「荷物の搬出搬入、必要なものの吟味と購入、諸々の手続き…… それらには是非ともお前が必要だ」 判るな?と問えば、彼はすぐさまシートベルトを締め、外の夕日より赤い目をサングラスで隠しながら、 「無論です、ガルデン様。 全てこのシュテルにお任せを」 口端を微かに吊り上げて笑い、諾と深く頷いたのだった。 「……何をぼんやりしてるの?」 背後からの柔らかな声に、意識を現在に引き戻す。 「ああ……」 少し考え事をしていた、と答えながら、ガルデンは体をそちらに向ける。 いつもの駅の噴水前、彼女は走って来たのを隠す為かいつもより澄まし顔で、アメジスト色の瞳をこちらに向けている。 ……どんなに澄まして見せたって、その瞳の輝きと頬の桃色を隠せはしないのに。 思わず口元を緩めるガルデンに、彼女は「何よ」と膨れて見せた。 「いや、……其処の喫茶店でも入って少し休んだ方が良いかと思ってな」 「……もう」 渡したいものがあるからって急に呼び出して。 その癖そうやって焦らすなんて、ほんと意地悪で陰険よね、と非難の言葉が飛んでくる。 そんなつもりではなかったと弁解してももう遅い。彼女は学校指定の重い鞄をガルデンに放り、「ケーキのフルコースなら機嫌直しても良いわよ」と、先に立って行ってしまう。 「……仰せの侭に」 鞄を受け取ったガルデンは、騎士さながらに呟いて笑い――――― 今はまだ真新しい「渡すもの」を取り出しながら、どんどん小さくなる若草色のお下げ髪を追い掛けていった。 ――――― 文中の「素晴らしい建築デザイナーの女性」はキリオさんです。 たった一人であんな船を作る事が出来るスーパー匠。 ビフォーアフターも目じゃない。
「ガルデン、これが今日から俺達が一緒に暮らすアパートだぜ」 「随分小さくて古いなりだな」 「そう言うなよ。これでも結構無理してんだぜ」 「悪いとは言っていない。……周りに緑も多いし、静かだ。 気に入った」 「そうか……そりゃ良かった。じゃあ早速部屋に……」 「ひとつ聞きたいのだが」 「ん?何だ?」 「この建物は我々が一緒に暮らす場所であろう? それでは私個人のスペースは何処になるのだ? 実家では、本邸と私の館が渡り廊下で繋がった仕組みになっていたのだが」 「お前には一度本気で常識ってやつを教えてやらなきゃいけないみたいだな」 こんばんは、TALK-Gです。 度々言っている事ですが、TVのガルデンは世間知らずなお姫様だと思います。生活の為に働くとか、自分で食事の用意とか、自分から出向いて日用品の買い物とか、本当有り得ない。そんなレベル。 44話冒頭でぼんやりしていたのも、イドロと決別して以来何も食べていなくて、お腹が空いて力が出なかったからだと思います。(38、9話の時点では空腹でイライラ状態。ひょっとしたら洞窟でアデューに何か食べさせて貰ったかも知れない。44話では空腹を通り越して頭に酸素や栄養が回っていない状態) ギメルやアドリアも「うち(邪竜軍)に来れば腹いっぱい美味いものが食えるぞ」とか言えばスカウト成功したかも知れないのに。 あと、「おかわり!」「ガルデンそれは俺のお雑煮だ!!」の特典CD2巻の影響か、案外大食漢(好きな食べ物は際限なく食べる。他人のを取ってでも)な気もします。 ガルデンがものを口にするシーンなんて、上記と最後の居酒屋の「もっと高い酒を持って来い」、4巻の酒を飲むシーン、45話のポワン草を飲まされるシーンしか思い出せないのですが。 漫画版ガルデンは豪華な食べ物を何時でも食べられる立場にあっても、口がひん曲がりそうな辛くて安い塩鮭を焼いてご飯に乗せてお茶をかけて食べていそうです。(どんな君主か) ――――― 9日には夜篠嬢と連れ立ってインテックス大阪にて開催されたるS.C.Cに行って参りました……! 雨が降ったり入場者が多かったりでもう熱気が凄かったです。 WING108の皆様と時宮京様にお会いできて、とっても楽しい一日でした。 お相手下さった皆々様、有難う御座いました&御迷惑お掛け致しました……! ――――― 十月に超・修羅場の予感。 十周年記念アデュガル本の原稿締め切りも十月末かと考えておりましたので……! 詳しい事はまた後日書きたいと思いますが、 ・ハッピーなアデュガル ・ガルデン至上主義 ・と言うかガルデンが幸せなアデュガルなら何でも良いよ……!! そんな本を、オフセットの表紙カラーで作りたいと。 その名も「アデュガルマニア」(仮)。 お互いしか見えていない、そんな砂を吐くほどスウィートラヴラヴなアデュガルが好きだ!!と言うかそんなのを書きたい!!寧ろ書いている!!という方の所には、今月の末頃に妙なメールが届くかも知れません。(犯行予告)
どうにも我慢が出来なくなってノートPCにタブレットを繋ぎ、お絵描き掲示板でアデュガルでもとゴリゴリやっていたら途中で強制終了を喰らい、此処まで来ても奴の呪いは健在なのだろうかと一人妄想に脅えているTALK-Gですこんばんは。 何度やってもうまくいかないので諦めて、丁度あった白紙ノートにガルパティイチャイチャ絵を描いていたら思いもかけず良い具合に出来上がって、これは一丁取り込んでピンクな色でもガッツリ塗ってやろうとウハウハしながらスキャナを探したのですが、ダンボール山脈は思いの外険しく深く、結局取り出す事は出来ませんでした。 関係無いのですがガルパティとプロパティって似てませんか。似てませんか。済みません。 今日はケーブルテレビというものを初めて視聴しました。凄い。いっぱいチャンネルがある。目移りしそうと言うか目が回りそうです。今までシャワーもベッドも自室のドアすら無い場所で暮らしてきた人間にとっては物凄いカルチャーショックですよ。色んなチャンネルの中から適当に自分の好きな番組を選べるなんて。ついつい荷物整理をする手も留守がちになります。忍者に「後ろに気をつけな」と言われるくらい気もそぞろ。 しかも何だか変わったプログラムが沢山ある。どうして深夜に「ザ・カゲスター」なんてやっているんだ?「人妻処刑人」って一体……? 夕方頃にはシャーマンキングの再放送も流れていたので、馬孫は出ているのだろうかと思いながらTVの前に陣取り。 シャーマンキングのアニメは初めて見るし漫画も途中までしか読んでいないのでストーリーについては何とも言えないのですが。アニメオリジナルの展開なんでしょうか?女の子五人組のシャーマンが出てきたのですが、何か浮いている気がしました。 それと。 とにかく阿弥陀丸デカ!!馬孫更にデカ!! 阿弥陀丸と並んで敵のハンマー攻撃を受け止めたりしているシーンでは何かこう凄まじく暑苦しくむさ苦しく漢汁が迸っていました。イイネ!イイネ!!(いいのか)台詞一言くらいしか有りませんでしたが、馬孫格好良かったです。 何だか阿弥陀丸もゴツい見た目の割りに可愛い性格でほのぼのしました。 コロロが一生懸命暑さでバテたホロホロを扇いでやっているのも。 竜と蜥蜴郎も良かった。 シャーマンとその持ち霊が仲良し!という感じがギュンギュンしました。 あと、漫画を読んだ時は全くそうは思わなかったのですが、アニメのホロホロはカイオリス辺りのサルトビを彷彿とさせます。(微妙な位置) そんなこんなで今日も荷解き作業は全く進みませんでした。ああ。 どなたか荷解きのコツなど有りましたら教えて下さい。お願い致します。 ――――― 体が疲れている時は何故か、脳が融け落ちる程に媚び媚び受け受けなガルデンか、おっぱいドーンて感じのむちむちプリンな女性キャラが描きたくなるのですが、これは何かの病気なのでしょうか。 因みにお絵描き掲示板で描こうとしたのは「人妻処刑人」なガルデン。普段は平凡な主婦として暮らしながら裏では国家機密捜査員として活躍。しかしいつも妙な事件に巻き込まれアレな目に遭う。(番組見たのかよ)
※アデュガル同棲設定で※ 「……疲れたか?ガルデン」 「疲れてなどいない……」 「強がり言うなよ、汗びっしょりだぜ。少し休もう。ほら、水飲みな」 「……ふん」 「しっかし、朝からずっと……で、もう夕方だぜ。 お前が此処まで頑張るとは思わなかった。 普段はやろうって言っても面倒臭いとか一人でやれとかつれない事言うくせにさ」 「が、我慢の限界だったのだ……」 「かなり溜まってたもんな。五日間……だっけ?やってなかったの」 「……お前の所為だろう」 「でも、それに我慢できなくなったのはお前だし」 「…………」 「本当の事だろ、そんな顔するなよ。 それに、俺ももう我慢できなかったんだ」 「アデュー……」 「さあ、そろそろ……続き……な」 「ん……」 ゴウンゴウンゴウン 「それにしても幾らやっても追いつかないな」 「汚れ物を溜め過ぎたのだ。一日で済むかどうか」 「洗濯機が使えないってだけでこんなに困るとは思わなかったぜ。 やっぱ途中でコインランドリーでも行くべきだったかな」 「……大体お前が、引越しの時に設置業者に連絡を忘れていたから!」 「お前だってちょっと汗かいたからって一日に何度も着替えてただろ。 この洗濯物の大半はお前の服じゃねえか」 「何日も風呂に入らなくても平気なお前と一緒にするな!」 「怒るなって。……ほら、脱水終わったぜ。干しに行こう。 そろそろ昼に干したのが乾いてるかも知れないし。 今日はさらさらのシーツで眠れるぜ、良かったな」 「……ふん」 いきなり頭の涌いた小話で済みません。ダンボールが山と詰まれ寝る場所も無い新居からこんばんは、TALK−Gです。それはもう山脈か要塞かと言う積みっぷり。まるでバリケード封鎖されたテロリストか過激派のアジトです。実際を見た事はありませんが。 梱包されたパソコンを取り出す余裕も無く、今は予備のノート(別名「シュテル配下無人ソリッド1号」。携帯性やタフさは優れているが他の面では圧倒的に役不足。しかもこれもwinME。)でこれを書いております。三年かけて飼い馴らしたPCの辞書やアプリやブックマークやといったものを使えない不便さが身に染みます。「ガルデン」が一発変換できなかったときの衝撃と言ったら。今はもうノー問題ですが。パソコンでも携帯でもワープロでもなんでも一番最初に辞書登録されるのは「ガルデン」。 しかしその不便さの中でもネタを探すがオタクのド根性。 いずれぼちぼち此処に書いていこうかと思います。 取り敢えず浮かんだコインランドリーネタはパティガルで、ストーブの話を下僕とパティで。 「……ああ、やっと終わった…… もう洗濯物など見たくも無い」 「ま、嫌でも明日もシーツを洗う事になるけどな」 「え……」
引越し作業が続いています。 作業中、家を空けたり物を移動させたりと慌しいので、ちょっとした現金と7枚ほどのキャッシュ・クレジットカード類、各種証明書はまとめて一つの財布に入れる様にしていたのですが。 今日はその財布を紛失すると言うファインプレーが発生しました。 馬鹿馬鹿私の馬鹿ーーー!!! 恐らくゴミ収集の時に、不用品に紛れて、一緒に捨ててしまったのでしょう。 私が……私が精霊石の杖を使いこなす事が出来れば、みんなを護ってあげられるのに……!!(錯乱) すぐさまカードを止め紛失届を警察に提出したので、大事にはならないと思うのですが。 しかしこんな時でもネットと言うのは大活躍ですね。 何処に何を届け出、連絡すれば良いのかすぐに調べる事が出来ました。 日頃から、自分の使っている金融機関のサイトくらいはちゃんとブックマークしておいた方が良いですね……。 ――――― 今日の下僕収穫 昨日夜篠輪嬢に勧められた「Landreall」(おがきちか著・スタジオDNA刊・ゼロサムコミックス)登場の、主人公の家に仕える忍者「ロッコー」(六甲)。 でかい、厳つい、純情、ですます調、有能、忠誠心強し。でも鈍感。 ロッコーの他にもナイスキャラが多く、話そのものも「竜と剣」といったファンタジー王道を押さえながら独特の雰囲気を持っていて、とってもイイ感じです。 引き続き下僕話募集中。(現実逃避?)
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