TOM's Diary
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S氏は珍しく、短編小説を書いていた。 いまどきはパソコンのワープロソフトを使用して書くのが普通だが、 S氏は小説を書くときくらい万年筆が良いと言うこだわりを持っていた。
しかし、近頃めっきり手書きで文章を書いていなかったS氏は すぐに腕が痛くなってしまった。やっぱりパソコンのほうが 楽だな・・・そう思ったS氏は、パソコンに入力した文字を クモ型ロボットに手書きさせることにした。 S氏はさっそくS氏が作った高性能、クモ型ロボットを呼び出し、 パソコンとケーブルでつないだ。
クモ型ロボットはとても退屈そうにS氏がパソコンに入力した 文章を万年筆で手書きしていった。S氏の入力速度はかなり 早いほうだが、クモ型ロボットの手書き速度はもっと早い。 クモ型ロボットは退屈で仕方が無かった。が、S氏にもこだわり があるのだろうと、クモ型ロボットは我慢した。
1時間ほどするとS氏の入力速度がどんどん落ちてきた。 あきれたクモ型ロボットがS氏の見ているパソコンの画面に メッセージを送った。
「あのさぁ、口でしゃべってくれない?ぶっちゃけ、あんたの 入力速度遅すぎて退屈なんですけど・・・」
!
S氏は「その手があったか!」と感心した。 さっそくS氏は短編小説の内容をしゃべり始めた。 クモ型ロボットは手書きをしつつもパソコンのほうへもデータ を送信して、さらに空いた手で、疲れたS氏の身体をマッサージ し始めた。
それにしてもS氏のこだわりっていったい・・・ と思うクモ型ロボットであった。
先日、かみさんが出かけてしまったので、一人で会社の近所のカレーショップに夕飯を食べに行った。
案内されたテーブルの隣に迷彩服を着た若者が座っている。 ちょっといかれた若者か?(かなり偏見?)いまどきそんなファッション だなんて・・・ちょっと嫌だなと思う。
しかし、近づいてみると、本物の兵隊さんのようである。 なんだ本物の兵隊さんか。 少なくとも、変なオタクとかではないので安心して席に着く。
頼んだものが運ばれてきて、食べ始めると、兵隊さんが席をたった。 伝票を見ながらお財布をポッケから出して・・・ふと見ると椅子に 毛糸の帽子が落ちている。拾うかな?拾わないかな?と思っていると そのまま置き去りにしてレジに向かってしまう。
あわてて「帽子!帽子!帽子忘れてるよ!」と言う。 まったく気が付かずにレジに言ってしまう。 店員さんがこっちを見るがすぐに目をそらす・・・と言うか ほかのことで手がいっぱい?
あわてて兵隊さんを追いかけて、帽子を手渡す。 近くで見るととても兵隊さんとは思えないほどかわいらしい顔した好青年。 日本語が不得手と見えて帽子を見るまでこちらが話しかけてもまったく 無反応だったのだが、帽子を受け取ると、満面の笑顔で「センキュウ・サー」。 とても良い感じ。
あの兵隊さん、戦場に行ったことがあるのかどうか、あるいは今後行かされる ことがあるのかどうかわからないが、戦場にとても近いところにいるのだと 思うと、複雑な気持ちである。
先日、かみさんが出かけてしまったので、一人で会社の近所のカレーショップに夕飯を食べに行った。 本を読みながら頼んだものが出るのを待っているとお隣のテーブルに3歳くらいの子供を連れた若い夫婦が案内されてきた。顔を上げると母親だけがテーブルに着いてる。父親と子供はトイレにでも行った様子。いや、正確に言うとトイレに行った父親の後を子供が追いかけていったようで、子供はトイレの外からドアをバンバンと叩き騒いでいる。母親はちらりと見るだけで注意もしない。
父親もトイレから出てても子供に注意をするわけでも、手をつないでテーブルに連れて戻るわけでもなく、一人で戻ってくる。子供は騒ぎながらも、父親の後について来るが、テーブルまで戻るとそのままテーブルを通り越して、はしゃぎながら厨房のほうへ駆けていく。 料理を持った店員さんが、体当たりをしてくる子供をすんでのところでかわし、別の店員さんがあわてて厨房に入るのを防ぐ。
ようやく、母親が大声で子供を呼び寄せる。 子供はテーブルに一度は戻るが、またどこかへ行こうとする。あわてた母親は子供の腕を掴みなんとかテーブルに座る。
そこで一言「おとなしくしないとパンチするよ!」。
パンチする人(母親)がいないところでは、騒いでよいのか?と、子供は思うのではないかと思ってしまうのはわたしだけだろうか?おとなしくしなければいけないのは、ほかの人へ迷惑がかかるからで、パンチされるからではないと思うのだが。少なくともうちの親は私に口がすっぱくなるほど「人様に迷惑をかけるようなことをしちゃいけない」と教えてくれた。「なんで?」と問えばそれにもちゃんと答えてくれた。
たまたま疲れていたとか、諸般の事情があって特別な状況を目撃しただけかもしれないので、上記の若い夫婦の教育がなっていないなどと言うつもりは無い。 ただ、最近そういう光景をよく目にする気がするので、とても気になってしまう。
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