サウンドスケープ

2004年07月31日(土) 祖父の放蕩の果て

これまた葬儀の後のこと。
父や叔父が酔って話してくれたことだが、うちの実家は岡山で
その地方では由緒ある苗字らしい。財界の超有名人の一族と
いうことだが、実際は単に分家されただけなのかもしれないが。

葬儀の日、どうしても父も叔父も叔母も知らない人たちが2人
いた。誰に聞いてもわからず、住所を見ると岡山からである。
父が代表して伺うことにした。

しばらく話して深々とお辞儀をしたあと、いつもしかめつらの
父が眉間の皺をより深くしてもどってきた。
「どうだった?」一番下の叔母が聞く。



父の話によれば、お二人は祖父が岡山時代に生まれた。
お二人の母上はもう亡くなっている。
そして、お二人の父は祖父その人であった!!!
放蕩者であった父が岡山時代につきあった女性との
間にできた子供であった。
父は実に60年経て、自分の義兄弟に対面したのだった。
父の眉間は未だに深い。



2004年07月30日(金) 祖父の電話

僕が小学校4年のときだったろうか。家に初めて電話が
入った。当時としては標準的な時期だったと思う。
黒いダイヤル式の今はほとんど見かけないジリリリン
と鳴る普通の電話器だった。

祖父にはもちろん初めての家電話で、本人興味なさそう
にしていたが、内心は興味深々だったのだろうと思う。
数日後、電話がなった。



まだ、殆ど電話番号を知らせていなかったので、かかって
くるのは家族しかいない。母が電話に出て「もしもし?」
というと、電話の向こうから明らかに祖父の声が聞こえて
きた。「どちら様ですか?」これは母の言葉ではない。
電話をかけてきた明らかに声でわかる祖父の言葉であった。

しばらくして、散歩から帰ってきた祖父は何食わぬ顔で
「電話がかかってこんなぁ」とのたまう。
僕は母とこっそり顔を見合わせたのだった。



2004年07月29日(木) 祖父の思い出

祖父と同居していた。小さかった頃はいつも僕を膝に
乗せて、どこかの古本屋で借りてきた漫画を読んでく
れたりした。当時僕らが面白がったのは「おそまつ君」
やパーマンだったと記憶しているが、祖父が自分が
知っている漫画を借りてきてくれるので、読んでもら
ったのは、「矢車剣之助」や「鞍馬天狗」などの時代劇。



祖父は巻いてある半紙に筆でサラサラと達筆な字を書くよう
な人だったが、読むほうがちょっと変わっていた。
それは、小さい「っ」や「ゃ」などをそのまま読んでしまう
のだ。例えば、刀で敵を切るシーンの擬音「シュバッ」などを
”シュバツ”、「ハッハッハッハ」と笑う場面を、”はつはつはつはつ”!!

やつたな!とか
がつはつはつはつ、とか 
パカツパカツパカツパカツ 笑

従って僕はそのように覚えてしまい
学校でしばらくひそかな物笑いになっていたのだった。



2004年07月28日(水) お盆

祖父の思い出などを少々。

長距離トラックの運転手だった父が反面講師にするほどの
暴れ者だった祖父。亡くなる頃は流石におとなしく
なり、遺影はくまのぷーさんに出てくるティガーの
ようなやさしい笑顔だったが、小学生の頃は昼間から
飲み仲間と湯飲み茶碗で冷酒をあおり、大声で喧嘩を
していたのを覚えている。

父が結婚する前にも警察から引き取り依頼の電話があり
父と叔父が一緒に警察署まで引き取りにいくこと数えき
れず。父も叔父たちも祖父を反面教師として地道な仕事
ぶりで人生を過ごしたのだそうだ。かつては商売をして
随分お金もあったらしいが、祖父の放蕩により財産らし
きものはほとんどなくなってしまったらしい。



祖父が亡くなったとき父から聞いた話。
葬儀のあと戸籍を何気なくみていると兄弟たちの誕生日が
変なのだという。父が、10月10日。叔父が4月4日。本人は
7月7日。・・・要するに誕生日がゾロメなのだ。ここで父
たちは気がついた。この誕生日はみんな正確ではないことに。
ばくちも打っていた祖父のことだ。縁起を担いで、生まれた
子供たちの誕生日をみんなゾロメで戸籍に登録したに違い
ない!!いや、まさにそうなのだろう。

豪快な祖父であった。
僕の好きな祖父の逸話の一つである。



2004年07月25日(日) 水を見るのが好きだ2

予定が一つキャンセルになったので、娘たちを
プールに入れた



涼しげな娘とはい裏腹に首にタオルを巻いて
全身汗でびっしょりなお父さんは足先を水に浸して
いすに腰掛けて麦茶を飲みながら気分だけ海の家

夕方まで楽しんだあと水を捨てるのがもったいない
ので、2階からの落差を利用してプールの水をホースで
乾燥した庭の木々に撒いた。埃っぽい地面が芝生が
見る見るうちに水っぽくなった。水を撒いた後の涼しげな
地面を見ているのも好きなのだ。



2004年07月24日(土) 水を見るのが好きだ

水を眺めるのが好きである。
例えば、蛇口から落ちる雫。
その下のコップに溜まった水に
到達して小さな波紋を作るのを
じっと見ているのは
頬杖をつく肘が痛くなるまで。

例えば風呂の水を抜くとき排水溝から
小さな渦を作りながら流れ出ていく水を
留守番の昼下がりの貴重な一人の時間を
つぶす価値があるものだと言い切れるほど。

そういえば
洗濯機に洗剤を入れた後
十分に攪拌されるのを確認するために
渦の流れに目を奪われていて
回転の向きは定期的に変わるんだと発見した
のはいつだったっけ。



そうだ
明日はきっと天気がいいのだから
ホースで水を撒こう
なるべく遠くに飛ぶように指先でぎゅっと
ホースをつまんで
小さい虹でも作ってみようか

水の飛沫が少し風に流れて
愛犬のノラが昼寝をじゃまされて
迷惑そうな顔をするかもしれないな



2004年07月21日(水) 大きな絵

その会議室には大きな絵がある



日本のような
日本ではないような
小さな船着場の寂しいような様子
波の無い海と
誰もいない様子
おそらくこの絵の作者しかいないのではないだろうか

船はおそらく
小さな波に揺らされて
船着場のヘリにゴツゴつと
ぶつかりながら
漂っているに違いない


僕はここで待たされるとき
コーヒーを飲みながらこの絵を観るのが大好きで
「待たせたね」とクライアントがあまり早く来ない
ほうが嬉しいのである。



2004年07月17日(土) 言いなりになる鳥

つづいてまたまた面白いサイト。

http://www.subservientchicken.com/


鳥の着ぐるみをきた謎の人物がカメラ?
に写っていますが、画像下にある入力
フィールドに命令を打ち込むとその通り
に動きます!!
例えば、fly。ね?
cry。泣くでしょ?
無理難題も結構こなします。
Danceなんてどんなことするかな?

お試しあれ。



2004年07月16日(金) 三流ホテル?

こちらは、ローマのTurner Hotelのウェブサイト。

各国語で紹介が記載されている。
今日は仕事中に笑いが止まらなくて困った。
致命的な、しかし、致命的過ぎて笑うしかない誤訳が目白押しである。

1.日本語トップ
  いきなり、”Turnerホテルは、三流のホテルです。”ときた!
  おいおい・・三流なのかよ?と思って、英語ページを見ると、
  "The Turner Hotel is a three-star and first class hotel"
  なるほど。三ツ星ホテルと書きたかったのか。
  次には、"ローマのセンターに建ててやりました。"・・・随分強気だな。

  他のメニューには、
  ”余分サービス”!!
  これは、service on requestのことだ。

  さらに”ガンベロロッソ賞品”。
  どうやら、そういう賞を受けたらしい。

  そして、ダメ押し!
  ”ローマの一番よい三流のホテル”もうだめだ〜〜〜

2.普通の部屋とスウィート
  備品のリストがある。何気なく見終わって妙な違和感。
  ”貯金箱”!!部屋で貯金しろってか?
  どうやらsafetyBOXのことらしい。
  さらに、”人子衛星テレビ”?
  ”トルコ風呂”懐かしい呼び名だなぁ。
  今は違うよね。笑

3.バー&朝食
  ”骨を休めるために土品なパルを見てください”
  土品?調度品?いや、上品の書き間違いだろう。


他の言語でもどうやって翻訳されているか知りたいなぁ〜〜
漢字の間違いが多いから日本語特有かもしれない。

それにしても今日の僕ははたから見ていたら
口を押さえてしかめ面をして、肩を震わせている変なオヤジだったことだろう。



2004年07月15日(木) Yellow Monkey

家の壁は黄色
ファミリーカーは黄色のFord
今後社長から黄色いワーゲンを譲り受ける
黄色いアロハで運転しようか



そうさ♪
おいらは
イエローモンキー



2004年07月13日(火) 新居

新しい家に移った
新しい木のにおいがする
新しい気負いを胸に
深夜まで灯りをつけたまま
道路を走る車の音を聞いている



まだ片付けが終わっていない
積み上げたダンボール
思いでも
しがらみも
積み上げたまま
明日からまた少し前に進む


 < 過去  INDEX  未来 >


emans [MAIL] [home]

投票ボタン↑My追加