京のいけず日記

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2005年03月31日(木) 箱館行3 碧血碑 イケズな、お姉さんに感謝

碧血碑の写真【碧血碑(へっけつひ)】

旧幕府脱走軍戦死者を弔うために、明治8年に建立された石碑。函館山中腹にある。周辺には名も知れない多くの遺骨が眠る。

ここへは初めて。昔、函館へ来た時に寄らなかったのは、時間がなかったせいばかりじゃなく、正直言って怖かったからだ。写真なんか撮ってごめんなさい。
オタク気分で参りに来るところではないが、この目で、肌で感じることができて良かった。心残りはないぞ。



聞いてぇな、歳三さん。
函館で、こんなイケズな人に会うと思わへんかった。

碧血碑まで行くために駅前でタクシーを拾った。
帰りの飛行機の時間まで、もうあまり時間がなかったから。

乗り合わせたタクシーの運転手は女の人。
痩せた華奢な女性で、若いのか、おばちゃんなのか、よう分からん。

助手席に座ったダンナが地図を見せて行き先を伝えると。
その女の人は開口一番、

「私、細かい字が見えないのよ。言って下さい」と地図を見る素振もない。

む。なんやねん…。このおばはん。

「え?碧血碑…はいはい。お客さん、あそこは止めた方がいいわよ」

「は!?」

車はまだ発車もしない。押し黙っていると、彼女はぺらぺらと話し始めた。
どうやら観光ルートの立待岬方面が車両通行禁止になっているらしい。
立待岬など元々眼中にないので、渋面を作っていると。

「お客さん、どうしても行きたいんですか?何にもありませんよ」と彼女。

「ええ」(← 怒ると、何故か、ずんずん標準語になっていく)

気まずい雰囲気のまま発車。車中も、よほど物珍しい客に見えたらしい。

「裏から上がれば行けるかもね。でも。お客さん、このお天気ですよ。山道を歩くんですよ。(あなた)分かってますか?」

「……」無言。

「道なんか雪でグチャグチャだし。あはは。かなり歩きますよぉ」

「どれぐらい?」と、ダンナが聞いた。

「さぁ。1.5キロぐらいかしら」

1.5? …なんや、あほらし。それなら昨日も吹雪の中歩いたわ。
すると彼女は、またケタケタと高い声で笑って、

「お客さんってば、どうしても行きたいんですね?」

行きたいから、タクを拾ったんやろ。ぼけッ!
…などとは言わずに、黙って頷く私。

「それじゃ、函館山のロープウェーに…」
変えようかと、優しいダンナは言い出しだしたが、却下。

「行ってください」
こーなりゃ、どんな所でも、意地でも行ってやる。

子ども達の顔を見れば、同じようにブスリと、かなりフキゲンな顔。
彼女の言葉を素直に聞きそうなのはダンナばかりだ。

足元の悪いところへ子ども達を付き合せたあげく、飛行場にも間に合わない事にでもなったら困るが…。

「お母さん、行ってもいいかな?」
もとより特に行きたいところもないから、お母さんが好きな所へ行ったらいいと言ってくれていた子ども達。にこりと笑って頷いてくれた。

「あはは。すごく熱心なんですねぇ」

ほっとけや。
電車の駅が見える。谷地頭駅。右手には雪が残る函館山だ。
車で行けるところまで行ってみましょう、と、親切にしてくれたはいいが。
「この坂をずっと登って行くんですよ。いいんですね?」
と、ケタケタと、この調子。

「無理だったら途中で帰るから」と優しいダンナは大人だ。

ありがとうも言わずに、さっさと子ども達と車を降りた。
ズンズン坂を登っていく。

が。内心、愛宕山(京都市の北西にあり標高924m)登山みたいだったら、
どうしようかと、ビクビクもんだ。(ちなみに函館山は標高約330mでした)

少し行くと、山へ入る道には、道幅いっぱいにゲートが降りていて、車が通れないようになっていた。人もここを跨がないと入っていけない。

「行ける所までって言ったのに、あの人、ここまで来たらええやんな」
と笑う長女。予想通り、コイツはかなり気分を害していたらしい。

ロングスカートにショートブーツの私。
確かに、こんなところを歩くには褒めた格好じゃない。
冷かされても仕方ないか。

スカートの裾を持ち上げ、前で結ぶ。これでよしッ。
着物の尻はしょりのようなものね。ロングスカートは意外に便利だ。

ダンナがあと230メートルの標識を見つけた。

ところが、そこから一面は降り積もった雪の道。うへぇ。
残された靴跡からちょっとそれると、たちまち膝の下ぐらいまで雪に沈む。

「誰か歩いていった跡がある。同じような物好きがいるんやで」

「お父さん、そこ犬のウンコ!あ。踏んだ」

雪玉を作って投げたり、きゃいのといいながら、思わぬ楽しい道行に。
あっけなく碧血碑の前に着いた。

先客がいた。雪の道に残る足跡の持ち主かな。
ヤッケに、ズボンの歩き慣れた格好の年配のご夫婦だ。

碑の裏側に彫られている文字を指でなぞる。…冷たい。
裏の巨石の下にはたくさんの遺骨が眠っているんだろうか…。

そっと合掌して、帰りは函館八幡宮の裏に出てくる道を選んだ。
ねぐらがあるのか、カラスの姿がやけに多い。

「滑るぞ」
「うわぁ」

ずぼっ雪に足を取られたり、凍った山肌に足を滑らせらたり、木の幹にしがみついたり、みんなでこんなところを歩くのは随分久しぶりだ。
裏山で遊んだ記憶がよみがえってワクワクする。

京都に帰ったら、愛宕山とは言わないけれど…、鞍馬から貴船に抜ける道や、京の七口、久しぶりにブラブラ、また歩いてみたいな。

山道から八幡宮の駐車場へ出て、舗装された坂道を下る。
谷地頭からはまた電車で駅へ。時間はぴったり間に合った。

…考えてみれば。
あのイケズな、お姉さん(…と呼んであげよう)と会わなければ、
もしかしたら、また今回も行けなかったかもしれない。

今度、函館へ行く機会があれば…。そうやね。
あの姉さんタクシーをつかまえて、川汲峠や、二股口を、にぎやかにまわってみるのも楽しいかもしれない。

「お客さん。どうしても行きたいんですね?山の中ですよ」
「はいッ」


2005年03月30日(水) 箱館行2 土方・啄木浪漫館に行く

・2005/03/26 
五稜郭から函館駅まで電車で戻り、荷物を出して又電車で湯の川温泉へ。

天気が良ければ函館山の夜景見学も考えたんだけど…。
漁火の季節でもなし、歩きずめだったせいもあって、無理はやめた。

函館の夜景を見たのは、もう何十年と前…。
宝石箱をひっくり返したみたいに、キラキラと、とってもきれいだった。
神戸もそうやったけど、港町って風情があってロマンチックやねぇ。

いや、いや。京都にも自慢できる夜景があるぞ。
お寺のライトアップに、大文字の送り火 …何やら抹香臭いね。


・2005/03/27 
函館市内。午前中は晴れ間が覗くも、午後より吹雪く。

翌日は大森浜にある土方・啄木浪漫館へ。
正直、外観はサイトから勝手にイメージしていた感じとは少し違ってた。
うーん。なんつーか、土産物屋、兼、ドライブインのような印象かな。
周囲にも何もなくて、ぽつんと現れたような感じで、ちょっと浮いてた。
 (…どうやら最初は琢木記念館だけで、一階は本当に食堂だった?みたいですね)

大森浜の写真← 啄木小公園付近の大森浜
浪漫館の隣は公園になっている。

石川啄木の銅像があるだけで
これといって何もない。
それでも盆地生まれの私には、
この風景だけでも感動…。


海とひと言でいっても、土地によって、表情が違う。季節によって違う。
寒風に吹き晒されて、目を細めて沖を見る。船影を探す。
歳三さんも、この浜に来て、海辺を眺めることなんてあったのかなぁ…。


琢木小公園にあった自動販売機自動販売機にあった土方歳三の絵

琢木小公園内にあった自動販売機とその販売機にあった「箱館茶屋 土方歳三の絵」
むむむ。箱館茶屋って…?茶屋って、もしかして自動販売機のことか…? さみしいぞ。



さて。土方・啄木浪漫館へ入館。
1階が土方歳三記念館で、2階が石川琢木の記念館になっています。

大きなカバンを、入り口で快く預かってもらって、1階の展示ブースへ。
建物内、展示スペースは思いのほか、狭い。
刀剣物が多いのかな。

所狭しとある展示物の中で興味を引いたのは、尺八と、碁石。
真偽のほどは別として、土方がヘタな尺八を吹き、碁を打っていたなんて、想像するだけでも面白い。

五稜郭跡から出てきたという碁石。
そうやね。開戦までの間、ひと冬を越したんだもん。
何の娯楽もない時代。碁の一つも打ったかもしれんね。

うちのお父ちゃんも碁を打つのだけど、対局したらどっちが強いかなぁ。
賭け碁に、花札…。若い頃は勝負事が好きだった父。
囲碁は何度か教えてもらったが、陣地がどうの…さっぱり分かりません。

追い込まれて、めずらしく熱くなっている歳三さんと、それとは対照的に、
口元に余裕の微笑が浮かんでいる若い頃の父。

少女に戻った私は、その間にちょこんと座ってニコニコと笑っているの。
あるいは、銀か、市ぐらいの少年隊士かなぁ。うふふっ。

などと展示物の碁石を眺めて、ブキミな笑みを浮かべている間。

ものの5分で見終わったダンナと、子ども達は、ビデオコーナーへ。
その後、2階に上がって、精巧な琢木のロボットにちょっと感動したり。
展示物も、琢木の好きな人ならきっと垂涎ものなんだろうなぁ。

階下の土産物コーナーをチェックして、バス停へ。
バスを待つ間は公園で写真を撮ったり、撮られたり…。
子ども達は、親とはしゃぐのがもう恥ずかしいのか、めんどくせぇーのか、
二人で好きに撮ったら?…という感じでした。はい。

さて。次なる目標は「碧血碑」だ。


2005年03月29日(火) 箱館行1 函館駅前から五稜郭まで歩く

歳三さんのフィギュア←五稜郭の売店で買った歳三のフィギュア

もうすぐ4月だというのに、空港の空は吹雪き、雪が積もっていました。

最初の宿泊地、登別まではJRで。
山野は白一色の世界。
聞けば先週ドカ雪が降ったらしい。

北海道へ来て思ったこと。
道が広くて、土地がだだっ広い。密度が薄い…。乾いている。

ただでさえ盆地でせせこましい京都市内から来てるからかなぁ。
自然という懐に人の住む空間が間借りしているという感じ。
何だか圧倒されそうで、人恋しい…。淋しさを感じた。

翌日。登別から函館へ向かう列車の中。
また吹雪き。白く輝く山の稜線。黒くうねる海。
寒々とした海岸線を車窓に見ながら、ぼんやりと考える。
凍てつく大地を見て何を思っただろう…。

30分遅れで函館駅到着。
あいにくの天気はそのままに、時おり強い風が吹き、空一面、雪。
吹雪く。

駅前のロッカーに荷物を預け、2日間フリータイムの電車乗車証を購入。
まずは駅前近くにある、土方歳三最期之地碑へ。
碑は福祉会館前の小さな公園の中にある。
観光シーズンはずれなのか。こんなお天気のせいか。人影も少ない。

しばらく参っていると、白杖を持った男性が雪の中建物へ入っていった。
観光客だけじゃない、ふだんは、きっと色んな人が前を通るんだろうな。
良かったね。ここなら淋しくないね。

最期の地とされている一本木関門は若松町あたりにあったらしい。
一本木関門から五稜郭までは、当時は人家などあまりなかったんだろうな。

土方の碑から次の目的地、中島三郎助父子最期の地碑を探す。
道に迷うわ。吹雪が激しくなるわで、途中、コンビニにて傘と地図を入手。
足が痛い。碑よりも、先に中島町の標識を見つけて感激。

22歳と、19歳の息子と共に、陣屋に立て篭もり、壮絶な死を遂げた三郎助。
中島登の絵姿にもあったよね。歳三とはどんな会話を交わしただろう。

千代ヶ岡陣屋付近から五稜郭へ。
歩いて回る気はさらさらなかったが、電車の駅や、バスの路線が分からず、結局、歩いてしまった。あほやねぇ。

おおっ。ひさかたぶりの五稜郭タワー!
入り口付近に「展望台へ上がって、歳さんと写真を撮ろう」などと、
きれいなお姉さんと一緒に写っているポスターが貼ってあった。
(※ 昨年、建立された立像は五稜郭タワーの向かい側にあります)

ふふん。撮らん…ぞ。

売店にある歳三グッズに目を異様に輝かせながら、展望台へ。
星型の五稜郭を真下に見て、せまい展望台内を一周。
売店で足が止まる。修正版の歳三さんがいっぱいで、こそばがゆい。

買うもんか…と思いつつ、口と手は勝手に動く。
近藤さんと組のクリアファイルと、冒頭のフィギュアをめでたくGet。

銅像(坐像)のある場所では、皆がにぎやかに記念撮影していた。
しょぼな展望台、銅像、何となく通天閣のビリケン様を思い出す。
いや、京都タワーの展望台も相当にしょぼいけど…。

ふん…。わたしゃ、ミーハーとはちゃうぞ。
たかが銅像。あほらし。記念撮影なんかしいひんのッ…のはずだった。

が。さぁ。降りようかという時に。
「おーい。歳さんと写真を撮ろうや」大きな声に振り向くと、
新選組オタクとも思えない、5、6人のおっちゃん達グループが、屈託なく笑いながら、その銅像を取り囲んで写真を撮っていた。

何や楽しそうやなぁ。

今度は、照れずに、まじまじと、その銅像の顔を見た。
写真のイメージにはほど遠い気もするけれど、何て穏やかに笑ってんやろ。
おっさん顔の歳三さん。嬉しそうやなぁ。

そう思ったら、ダンナの手を取って、子ども達にカメラを渡していた。
ダンナを呼んだのは照れ隠しかって?
ううん、そうじゃない。
三人で一緒に撮ろう。何だかとっても嬉しかったから。

そのあとは足のむくまま五稜郭内を散策。そして博物館にどっぷりこん。
とっても幸せな一日でした。

雪が吹雪く中、地図を片手に、市中を歩くはめになったけれど。
おかげで、一本木関あたりから千代ヶ岡、そして五稜郭…。
ぼやけていたイメージが、確かな距離感を持って、道がつながった。
あいにくのお天気にさえ感謝したい。

この道を、馬に乗り、徒歩で、何度往復したんだろう。

何を考えていたのかな。怖い顔だったかな。
荒涼とした面持ちだったかな。…笑ったことはあったかなぁ。

うふふっ。


2005年03月28日(月) 目指せ 実のあるインストラクター!

昨夜、五稜郭のある函館から帰ってきました。うふっ。
写真を整理して、これからゆっくりズブッと浸かって妄想日記書きますね。
思いっきりミーハー。グッズまで買ってしまった(何歳じゃ、ワレ)


で。さておき、仕事の話。

実は旅行中にお呼びがかかって、今日中に相手先に連絡を取れ、と。
(旅行のこと仕事先にナイショにしていたのに、たまたま依頼があったらしい。ふぇーん。北海道から京都だもん。市外通話料もってくれー!)

会計ソフト。金銭に関わる事なので、初めに税務会計のエキスパートではありませんよ、とお断りし、納得してもらった上で引き受ける。

依頼のあった方は、昨年、会計ソフトを導入し、顧問の税理士さんにもチェックしてもらっている方だから安心だけど…。
個人、法人、業種が違えば、もちろん勘定科目も処理も違う。
実務からも何十年と遠ざかっている。
どれだけ役に立っているか、講習料に見合っているか思うと情けない。

簿記の資格を持っているだけで、出来るだろうと思っている無邪気なオーナーが腹立たしい。現場とは無縁の人がネットワーク系の資格を取って、ネットワークの授業をしているようなもんじゃないですか。


昔、もっと真剣にやっていれば良かったな…。

「ここは税理士事務所であって福祉事務所じゃない」
要領の得ない私を叱咤し続けてくれた、亡き先生。
結婚が決まって、仕事も辞める事になって、やれやれと思っただろうな。

法人の決算ぐらいは組めるようになりたいな。
先生、今頃、こんなこと言うてます。

もうエキスパートを目指す根性も、夢を見るほど無邪気でもないですが、
せめて、マニュアル通りではない実のあるインストラクター。
今年の目標です。よしッ!!


2005年03月24日(木) たぶん 明日は北海道の空の下


◎イメチェン遊び その2◎

昨日の茶髪ロンゲはお気に召しませんでしたかい、だんな?

黒髪に戻った歳三さん

え?アフロ。…麦わらのルフィーみたいな?
そりゃ。あっしは構いませんがね。後から恨みっこなしですぜ。


予定では、金曜日の朝は千歳行きの飛行機に乗っているはず。

え…。今、何時だ?
はい。金曜日の午前3時半、少し回りましたね。

あ。もう4時になっちゃいました。
もう3時間ほどしたら伊丹へ出発します。

昨日は夜の仕事で、家に帰ったのは11時前。そのさぶいこと。さぶいこと。
京都の底冷え。…まるでイケズ根性みたいだ?
そんなことおますかいな。

函館はどうですか?
セーターもう一枚持っていった方がいいですかね。

早く寝ろ。

ヒコーキじつは恐いんですよ。
日本全国、地震も心配ですし。

…いいかげんにしないと、酔うぞ。

うん。お休みなさい。歳三さん。明日、行きます。


2005年03月23日(水) まる子ちゃん、卒業する。

晴れの卒業式に備えて美容院へ久々に行ってきました。
ショートだし、剛毛だし、あんまり変わりばえしません。

茶髪ロンゲの歳三さん「どうです、ダンナ?」


茶髪ロンゲで変身の歳三さん

今日はまる子ちゃんの卒業式。あいにくの雨で少し肌寒い。

式のあとの茶話会は近くのコミニュティーホールでお母さん達と談話する。お母さんはおろか、子ども達の顔もほとんど知らない。

仕事で外に出ているから、ふだん遊びに来る友達を迎えたりすることもなく、毎月の授業参観、懇談会は、ほぼ全滅状態だった。

それでなくても、こういう場所、人の集まるところは苦手だ。
早く家に帰りたい…。などと、子どものように思ってしまうのだ。

「あ。まる子ちゃんのお母さんですね。いつも仲良くして頂いて」
「は?…い、いえ、こちらこそ、いつもほったらかしで、すみません」

ぼーっと立っていると、見知らぬお母さん達から声がかかる。

えーっと…。
日頃、聞いている、仲の良いお友達の名前を何人か思い浮かべる。
結局、思いあたらない。
そのうち、次々と話し相手が交代する。
こちらでは分かっていなくても、相手はよく知っているようだ。

苦笑い。

情けない親に対して、まる子は子どもの世界でちゃんとやっているらしい。
えらいぞ、まる子。卒業おめでとう!


親は見守ってやるだけでいいのかもしれない。

口を出さないで、信じて、ただ見守る…。
コレが、結構、難しい。

何故って、親には一歩先の石ころが見えるもの。

私が子どもの頃、理屈だけは一丁前の私は、よく母を困らせた。
そんな事はなってみないと分からない。やってみないと分からない。
痛い目に合わなきゃ、分かるもんか。

今でも、そう思う。
出来るか出来ないか、やってみないと実際分からない。
あるのか、ないのか、行って、この目で見ないと分からない。
青い。育ってない。天邪鬼のまんま。

でも。この頃、よく感じる。
明らかに立ちふさがる困難や、矛盾や、無駄や、賭けてみる以上のリスク、マイナス要因となるべきものが見えてしまう。

一歩前の石ころに躓く姿、こけて泣いて痛がる姿が映ってしまう。
そこは危ないよ。気をつけなさい。と、声を掛ける。
出来るものなら先回りさえして、障害を排除してしまいたい。

母と大喧嘩をした。高校生の頃か。
「おまえも、その年になったら分かる」と、母はいつものように言った。

「それでは意味がない」今に生きたい私はそっぽを向いた。

「おまえの好きなようにしなさい」淋しそうに母は言った。
立ち往生して、惨めに泣いてる私の姿が見えていたんだろうか…。

母というよりは、祖母と言ってもおかしくなかった存在の母はもういない。
我が家も親の出る幕はあとわずかだ。

ダンナや、私が元気なうちに早く大きくなぁれ。


と。やれやれ…。
中学校の卒業式・小学校の卒業式・高校の説明会、仕事の修了式…。
やっと終わった。

金曜日から3泊4日で北海道行きだい♪

で。帰ってきたら、今度は高校の制服をもらいに行ったり、入学式が2回。
ふぅー。

それが終わったら、5月の講習が入るまで、日中はやっと一人っきりに…。
思いっきりネクラに家に籠ろう。うん。


2005年03月19日(土) えあーぽけっとに陥る

らくがき
お彼岸ですね。
いつか煩悩の川を渡って、彼岸にたどりつける日など来るんでしょうか。神さま(…って仏さまだろ)川を渡りきれずに溺れそうです。…ちなみに25メートルも泳げません。


ふとした瞬間に時々自分を見失う。

いや。もともと見失う自分など何一つないのかもしれない。

母でもない。妻でもない。女でもない。子どもでもない。人でもない。
わたし。という、つまらない存在。

だから。しがみつく。

不安になって。恐くて。確かめたくて。
目の前の忙しさに。馬鹿馬鹿しい妄想に。
手に触れる物に。痛みに執着する。

わたし。という存在を認めてくれる、他人の意識にしがみつく。
しがみつくこの手を解き放てば、わたし。は消えてしまうだろうか。

どこから来て どこへ向かうのか。
道標のない寒々とした路上で、いつまでも迷子のように怯えている。

精一杯の虚勢を張って。
こんな大人が生きているなんて不思議だ。


2005年03月18日(金) ツイてない日

久しぶりに娘からペンタブを奪取して、落書き遊び♪

相変わらず、線はブルブル。色はベタ塗り。一年前から進歩なし。

娘じゃないけれど、ガッコ(仕事)の勉強の方が分かりやすい。点数を取ればいいのだから…。
うーん。色ぺー絵描きたいー。


一昨日のこと。
定時仕事のあと、夜のコマがあったのに、移動の合間に本屋さんへ。

おにぎり買って食べている間はないけれど、本は買える。
買いたい本も決まっているし、どこのコーナーにあるかも分かっている。

だから、パッと買って、ビュッと電車に飛び乗るのだ。
で。本屋に着いた。目抜き通りの大きな本屋さん。
職場の近くに本屋は何軒かあるが、ここしか置いてないんだから仕方ない。

エレベータに乗って3階へ。文庫と児童書関係のフロアー。
よし買うぞ!

ところが、ツイていないことに、この日は改装、本の入れ替えとあって、
3階フロアーは閉鎖状態。

あぁ。あそこに目指す本があるというのに!
仕方なく手ぶらで職場へ行った。

次の日。つまり今日。
今日も今日とて連ちゃんの夜のコマだけど、一度欲しいと思ったら、
もう是非もない。餓鬼のようだ。

書店へ電話をして本の入れ替えが終わったことを確認。
よし。買うぞ。

パッと買って、ビュッと電車に飛び乗るのだ。
エレベータに乗って3階フロアー、目指すコーナーへ一直線。

ところが…。
おっ。ラインナップがすっかり変わっている…!

そっか。改装したんだ。どこだ。私の探す本は。
店員さんに、すぐに聞きゃいいのに、なぜか意地になって探しまくる。

おーい。どこにいるんだ。見つけてやるぞ。こっちか?あっちか?
返事しろいっ。

あいにく仕事の時間が迫っている。
フロアーを一周して、あきらめて店員さんに聞いた。

「あのう。ここのコーナーにあった本は…?」とわたし。

「あぁ。ノベルズですね。それなら、1階の書籍コーナーに移動しました」

なんだ。…ったく、勝手に変えやがって。
1階ね。はい。1階…と。…え?

と。いうことは…。昨日、来た時、すでに1階で買えたってつーこと!?

………。

ショップの模様替えはウキウキしますが、
なじみの本屋さんの模様替えは、あんまり嬉しくないですねぇ。(^_^.)


2005年03月15日(火) 解放おぉーーーっっ!!

ノルマっーか、目標達成!!

ほぼ一夜漬け。お尻に火が付いた状態だったけれど、がんばったもんね。


一夜明けてお疲れさんの歳三さん

お疲れさま。いや…一夜漬けの意味が違う…。


滑り込みセーフ♪ 良かったー。

3月15日…確定申告…じゃなくて。
インスト関係の方ならお察し頂けるかと?…思います。うふ。

さぁ。何が嬉しいって…。決まってまんがな。

これで、ちんたら、うだうだできるもんね。うふふのふ。
北海道も行くし。仕事も来週がキリだし。

そうそう。今日は釈迦堂(清涼寺)のお松明でした。
おーい。春だぞーーーーーーぃ。

いっぱい書きたいけれど…またね。今日は早めに寝ます。


2005年03月10日(木) 旅の算段

・今にも降りそうな曇り空。水・木、連ちゃんで、夜の仕事でした。

「木曜日はよく雨が降りますね。先週も先々週も降ってませんでした?」
 先月からクラスを持った生徒さんに聞かれた。

 雨女は誰だ?
 もしかして私かなぁ…。
 
 あ。今、入っている仕事が終わったら、

 じゃん!! 北海道へ行ってきまぁぁーすっ!!!!!!
 
 ダンナと子どもが一緒の「卒業・入学祝い、兼、家族旅行」なので、
 オタク限定「歳三」ツアーではありましぇん。
 日もないんで。2泊3日で登別と函館。

 本音は一人で妄想にドップリ浸かって、ゆっくりと回りたいんですが…。
 北海道、ヒコーキ代、高いもん。4人家族… (^_^.)

 土方歳三の銅像。似てるのかなぁ
 昔…、いや大昔、行った時にはなかった、
 土方歳三函館記念館(→コチラ)や、
 歳さんの銅像、見に行くぞ。
 称名寺や高龍寺にも参ってきたいなぁ。
 どうか。雨が降りませんように。

 にしても。
 計画を立てたり、北海道行きに
 一番積極的なのはダンナ…。
 子ども達は、家族が一緒なら
 どこへでも良いみたいで。 
 何故かワイルドの幸福の王子を思い出す銅像…。ツバメになってその肩に止まりたいな。

 …旅行に行ってまで、私のペースに巻き込まないように気をつけよう。
 などと思いつつ…。久々の函館…でへへへっへ……♪


2005年03月08日(火) 最強の睡眠剤

仕事を終えて、深夜、パソコンに向かう。

眠たい。
モニタのひねくった問題を眺めているうちに瞼が落ちてくる。
知識問題は苦手だ。

おっと…。これではいかん。気合を入れてモニタを睨む。
一問解いた。

よし。次…。
ところが半分も読まないうちに、また瞼が垂れてくる。

カックン。
ガバッ。

カックン。
ジュル…。
ガバッ。

何度か繰り返したあげく、ちょっと休憩とばかりに、体を横にしたら。
そのまま朝まで眠っちまった。


2005年03月06日(日) 悲しい気遣い

(昨日の続き)

ということで。
証明用の写真を撮りに行ってきました。

で。写真が出来上がって渡してもらう時に、そこのおばちゃんがひと言。

「少し修正しときましたから」

「はいィ?」

「分け目のところが白くて目立つのね。染めてひと月も持たないでしょ」

分かるのよ。分かるのね。私もなのよ。私もそう。
うんうんと頷いてくれた、おばちゃん。60代!

うーん。お気遣いどうもありがとさん。
どうせなら言わずに渡してほしかった…。

髪の質が太くて多く、高校生の頃から若白髪や…と主張して、早や30年。
今や「どうしてこんなに多いの?」とは誰も言わなくなった。

茶髪の歳三さん旦那。チャパツにしてみやした。
 ・・・ん。

惚れ惚れするような漆黒の豊富な髪質。
ゆくゆくはシルバーグレイ系だったかな。
それとも…。
はえぎわのあたりが怪しかったりして…。
ぷく。


2005年03月05日(土) 顔のない主婦

ストイック生活に入って今日で一週間…。
落書き遊びもしてないし。通勤文庫にする本も新しいの買ってないし。
妙な妄想のたぐい…は相変わらずだけど、少し真剣味を帯びてきた。

さて。成果といえば…ぜんぜん予定通りやない。進まん。
電話帳ほどあるテキストはまだ半分以上残している。



おまけに今日はちょっと落ち込んだ。
申請書類にある顔写真入りの身分証明証…
が用意できない。
 写真の代わりに似顔絵とかやったら、オモロイのになぁ…。


今からでも遅くない。せめて単車の免許を取れよ、とか。

写真入の資格は何も持っていないのか、とか。
(そりゃ、あんたは色々持っているでしょうよ。ブンッ)

パスポートもないのか、とか。
(誰だ。長らく連れてってくれないのは。…え?また出張やて?ムカッ)

前からダンナに言われてたんだけど…。
健康保険証やら、クレジットで何とかなったんで、とんと忘れてた。

ふん。

どーせ。ワタシャ、車の免許もないし。パスポートも持っていない。
社員証も、学生証も、立派な資格も、何一つ持ってない主婦ですよーだ。
あいにく仕事も身一つでやってんだい。

ぶっぅぅぅぅーーーーっ。

ワタシを社会的に証明するもの?
公的に通用する証が何一つないとしたら、いったい、
ワタシという存在は何なんだ…。

地域の力が、家庭の支えが必要なんです、などと持ち上げながら。
主婦(夫)が主婦たるゆえんを証明するものはないのかしらん。

え? ごねるな?

今どきの主婦は車の免許ぐらいあるだろう? …ない。
海外の一つぐらい行った事があるだろう? …ここ10年以上、ない。

あ。そ。

え? そんなアナタのために、住基ネットの顔写真入りカード…がある?

そういえば…当初、反対とか話題になっていたけれど、どうなったんやろ。
国民の総背番号制度?? 
ニッポンの四番バッターは誰かなぁ…。長らく不在とちゃうか。もし。

netで調べてみたら、カードを作るのに2〜3週間かかるらしい…。
こりゃ。パスポートのほうが早いな。

よし。明日は念入りにお化粧して証明写真を撮りにいこう♪


2005年03月04日(金) まる子ちゃん遠足に行く

「仕事の話」

・昨日の彼女は小さい事にこだわって煮詰まっていたよう。
 俗にいうドツボ…いや、コツボにはまった状態…。
 ♪抜けた〜ら、ドンドコショと、今日は順調に滑り出したもよう。
 良かった。良かった。

・にしても。休憩時間。パソコンで在宅ワーク。誰でも出来て月20万円!
 目を輝かせて、これってどうなん、と聞く若い男の子。
 何だかびっくり…。今どきいるのか。カキコミが減らないわけだ。
 石橋の欄干を念入りに叩いて、橋の本体には無頓着って感じで、
 頭はすごく賢いのにどこか危なっかしく見える…。大丈夫かなぁ。 


まる子の作ったてるてる坊主まる子ちゃんが
遠足でUSJへ行ってきました。

お天気はあいにくの雨模様。
でも昼ぐらいから止んだみたい。
昨夜のテルテル坊主が効いたかな。

← ナマイキざかりの小学6年生。
まだ、こんなことしています。可愛い。


ところで → ユニバーサル・スタジオ・ジャパン 略して、USJですが。
オープンして、もう4年ぐらいになるのに。
大阪のお隣に住んでいながら、まだ誰も行ったことがなかった。

何となくずっと行きそびれている。
ダンナも、長女も、並ぶのが嫌いだもんね。

まる子ちゃんに感想を聞いて
また行きたい、なんて言ったら、行ってみるかな。

混雑も嫌だけど…。
誰も乗っていないジェットコースター、人気のない遊園地なんて、
めちゃくちゃ淋しいもんね。

レオマワールドってまだやってるのかな?
宝塚ファミリーランドも、伏見桃山キャッスルランドもなくなっちゃたし。
ひらパー(枚方パーク)がんばれ〜♪

でも。岡崎の動物園の古びた観覧車はまだ健在だぞ、たぶん。
動物園も長いこと行ってないなぁ…。

にやんこ触りたい。なんだ。突然。


2005年03月03日(木) 厳禁生活 何日目だ。

・暗礁に乗り上げる
 昨日、失敗したってかまへんやんか、などとブツクサ書いたら、
 1チームが作業の途中で座礁した。
 一日潰した彼女らには悪いけれど、いい経験だと思う。

 Aさんは○のやり方が効率的だと言う。
 Bさんのやり方は△だと言う。
 Cくんは×のようにするのが間違いないと言う。

 人には人のやり方がある。
 Aさんには良くても、それが自分にとってベストだとは限らない。

 誰かがこう言ったから…なんて言い訳にもならない。
 選択するのは自分自身だ。

 ううん。
 自分だけの思惑で決定し、行動できるのならどんなにいいだろう。
 人がからむ。相手がいる。

 それでも選択し結果を引き受けるのは自分自身だ。
 人のせいにする前に、まずはそこへ立ち戻れ。

 さて。今日は仕切りなおし。
 がんばってね。


・今日はひなまつり。
 生徒さんから、桜餅の差し入れ。美味しかったん♪ 
 そして夜は今朝の続き…♪……おい…おい。

・深夜、落書きしている時は全然眠くならないのに。
 一人にしておいて、と、ダンナのちょっかいにも苛々するのに。

 勉強となると、すぐに瞼が垂れてくる。
 ダンナに邪魔されても気にならない。

 そ。気が逃げる。
 すぐにサボろうと思うのね。思うように進まない。うーん…困った。


2005年03月02日(水) 厳禁生活 4日目

明日は”ひなまつり”というのに、我が家は、ちっともらしくない。
おまけに、3日は、夜も仕事だ。あーあぁぁ…。


・まる子ちゃんの給食費の支払い 9日目までに
 まだ中学生にもなっていないのに、早、給食の案内がきて申し込む。
 好き嫌いの多い、まる子ちゃん、「美味しいのか?」と姉に聞く。

・ダンナとは、いつもにまして、すれ違いの毎日。
 今朝、ダンナがちょっかいを出してくる。
 この三段腹のだらしなく弛んでしまった体のどこがいいんだろう…。
 ごめんね。

・若い人は、極力、無駄なことをしたくないと言う。
 失敗、やり直しは誰だって嫌だ。
 だけど、何が無駄なのか、始めもしないで、どこで判断するんだろう。
 実際、やってみなきゃ分からないこともある。
 何度もフィードバックする中で、試行錯誤していく中で、
 良いものが出来上がるんじゃないのかなぁ…。

 …頭でっかち。横着なようで生マジメ。生マジメなようでフマジメ。
 だんだん腹が立ってきた。
 
 言ってくれたら、する。…んなこと、自分で考えろいっ!


2005年03月01日(火) 現金生活 3日目 字のごとし

密かなる目標達成までは、うだうだ、ぐだぐだ…しないって決めた。

ああ、それなのに、その口で、…じゃないですよ。
しばし休憩中。日記書いてまたがんばります。…たぶん。

今朝、近所に住む男の子のお母さんに、駅でばったり出会いました。
仕事に出るようになってからは、近所とのお付き合いもご無沙汰で、
ゆっくり子どもの話などしたのは、ほんに久しぶり。


近所の男の子

以前、描いた落書き。その時は照れずに
ちゃんと挨拶してくれた近所の男の子


今日はヤンチャな次男坊の高校の卒業式だそうです。
彼が坊主頭の小学生だった頃、まる子なんかはまだほんの幼児で。
時にはちょっかいだして、遊んでもらったり…。
やんちゃで、でも男の子らしいお兄ちゃんでした。

「子どもが大きくなるのは早いねえ」
なんて言いながら、JRの中、久しぶりに会った先輩ママさんとおしゃべり。

朝起きたら、女の子が家に泊まっていた、とか。
電車で学校に通わせたら、途中下車してサボってたとか。
それで自転車通学にさせたら、いつのまにかバイクに乗っていたとか。
今どきの男の子はこうなんか?

「嫌やわぁ。知ってるやろ?」

え?…なんの話? 知らん。知らん。

「ほら。あの子、ダブってんねん」

「あんたとこは女の子やろ。気を付けたげや」

ふだん話さない人や、久しぶりに会って話すときは結構スリリングだ。
時には知ってるような素振りをして、探りながら相手の話に合わせる。
時間を稼いで、つじつま、つながりを付けていく。

知らない内に相手を傷つけることがないように。
楽しい空間になるように気を使う。

こりゃ。本(…引き続き、陰陽寮6)など読めへんなぁ…。
チラリとうずく自分をはじっこへ押しのける。

自分のリズムが崩れるのが嫌だったけれど、話しているうちに温かくなる。なんか、こんな会話を久しくしてないなぁ。

そのお母さんと、仕事帰りに、また偶然会う。

「いやぁ。今まで仕事?なんで、そんなに頑張って仕事すんの?」
と笑って彼女が言った。


…なんで、そんなに頑張るの? なんで仕事するの?
何気に言われた言葉が引っかかってしょうがない。

心が貧乏性なんだ。…遊ぶってことが不安なのかも。
何せ、ドツボタイプで、ほどほどを知らない人間だから。

いや。やっぱし、食べるためか。


Sako