へる(ぷ)の日記
へる(ぷ)



 下作「寂しがり屋」














寂しくも怖く震えが停まらない夜ってあるよね

そして

そう言うときに限って携帯は無慈悲な泣き言を連れてくる

独りは寂しい

独りだけど

寂しい















2002年04月30日(火)



 下作「不自然」











生きたいのに死にたくて

死にたいのに生きたい

ボクを自由にさせないこの体は

さしずめ

神が打ち込んだ「正」への楔

ちょっとは 自由にさせて欲しいものですが…











2002年04月29日(月)



 4部作「軽い茶番劇」














<序>

可愛らしい気持で あなたを愛しましょう

目の前を通り過ぎてゆく人に目もくれず

恥じらいもなく愛し合いましょう

呼吸が睦言が涙が

ボクの頬を擽る快感が

胸を熱く締め上げるようです

この日が好きだから

この日を永遠の日にしましょう

明日も 明後日も

この日が来ることを祈りつつ

握ったキミの手を放し

「またね」と手を振りましょう

暮れなずむ街に消えてゆくキミの後姿が

小さく 小さくなろうとも

いつまでも 見えなくなるまで 飽きることなく見守りましょう

小さく 夕陽に溶けて 消えてしまうまで

寂しい

不意に襲う 強烈なまでの寂しさ

耐え切れずキミに電話してしまう

「どうしたの?」

その一言で我に帰り 

「あ・・・や、なんでもない」

と 恥じらいながら呟くボク

一瞬一瞬が幸せと思えてしまう

そんな恋だったと思う




<失>

何年経っても変わらないのは

暮れなずむ街と あの夕陽

何年か経って変わったのは

キミの横で幸せそうにする奴

何年経っても変われないのは

過去の重石を捨て切れない

つまらなさ過ぎるボク



<責>

あぁ キミを無くして ボクを亡くす

ボクが亡くなっても キミは笑う

あのオトコの横で

ずっと

キミは笑うことでしょう

それでも

そうと解っていても忘れられないボクは

やっぱり

つまらないオトコだと思う。



<結>

いい加減 目を 覚ませよ!
















2002年04月28日(日)



 下作「回帰の中で悟る」









貴女と同じ目線に立ったとき

初めてボクは

泣きたいと思った






幼いと思いますか?

恥と思いますか?











2002年04月27日(土)



 大駄作「あの日に帰る」









祈りは

「無理」への

反逆の掛け声






いいかげんな

嘘は

事実よりも

さらに性質が悪く

ボクが

ボク以上に

腹黒く

汚らわしく

生きている意味を

見失うきっかけを産み落とす






前を向く努力は

振り返る逃避に

相殺され

後ろ向きで

前を歩くボクは

いつも

小さな小さな

突発的な障害物に躓く

そして

壊れる






壊れたものが

何故

綺麗に見えるのか?

キラキラ光る

壊れたもの達

ボクが

壊した儚いもの達

モノはモノだから

きっと自分から壊れない

だから

壊したのは

ボクだよ






ボクは

居た堪れなくなって

綺麗なゴミ屑の中から

破片を一欠けら

手のひらにのせ

滂沱の涙を流し

無表情に

「ボク」と「ここ」を繋ぎ止める「因果」を

切り捨てる

ツマリソレハ赤イ紅ノ涙






自傷する

ボクはボクを自称し

ボクの存在全てを否定し

反抗し

楯突き

やがて

あのビルの屋上で

ボクはボクを

自傷する






壊れたものが美しいならば

ボクも壊れれば

美しいのでしょう

美しくなったボクを見て

キミが

なんと声をかけてくれるか

凄く楽しみ

だから

ボクはボクを

壊す

猿が二足歩行する進化と同じように

ボクはボクの美を進化させるために

ボク自身

つまりは

ボクを包む「殻」を壊すこわす

コワスコワス

KOWASUKOWASUKOWASUKOWASU














作者:病的なまでの忘我で機能することを止めたキチガイ





追記:現実は全てを汚し 特にボクを醜くする













2002年04月26日(金)



 亡作「汚悪」











電話越しの愛しいキミの

震える体を抱きしめられなかった

ボクの弱さを

一瞬でも強く恨んでください

ほんの少し キミが楽になるのならば

ボクは喜んで 悪になりましょう

醜悪でも極悪でも凶悪でも








あの日触れた 唇の柔らかさが永遠に

ボクを悲しみの淵に追い詰めるとしても

ボクは喜んで 悪になりましょう

あの日触れた唇の感触を キミが忘れてしまうまで

ボクは 汚らしい人間でいるつもりです













ボクは キミのためにも

美しくはありたくないのです











汚らしいボクを

忘れてください
















2002年04月25日(木)



 下作「不協」






昨日の

他愛もない電話

雑談めいたメール

風変わりな立ち話

全てが怖いぐらいに

わからない

生まれつきボクには目と耳がない





隣でシーツに包まるキミも

寒さに喘ぐか細い寝息も

ボクだけの絹の肌も

全てが全て

曖昧すぎて理解できない

ボクはキミを愛せるのだろうか

わからない

生まれつきボクには目と耳がない





ボクの悪意に

軽いジョークで

処女のはにかみで

胸くそ悪い泣き声で

返事をするはずのキミが見えない

キミは何所に帰るのだろう

わからない

生まれつきボクには目と耳がない





あぁ居なくなったキミよ

情熱に溶け消える

雪の花嫁よ

ボクに夢を見せておくれ

ボクの耳を魅了しておくれ

ボクから常識を一枚一枚剥ぎ取っておくれ

キチガイじみた愛情で優しく優しく抱いておくれ

…こんなにこんなにキミが好きなのに

何があったのか

よく

わからない






ボクには生まれつき目と耳がない






2002年04月24日(水)



 駄作「土竜」









今ボクは

土竜になりたい気がする

日の光も射さない

暗澹と湿った土の中で

丸まって眠る

ちょっと卑屈な土竜になりたい

好きも嫌いも

夜空も星も

貴女の顔も夢も

恋した想い出たちさえも

湿った土に埋めてしまえば

甦ることはないだろう

狂死するほど掻き毟るこの体を

土の中に埋めてしまい

安全とした未来からの大脱走を試みる

そんな自由さが羨ましく

思う訳で








ボクは今

ちょっと卑屈な土竜になりたい











2002年04月23日(火)



 下作「今夜」










一滴の酒と

ワンフレーズの歌だけが

ボクの慰め

今宵ひっそりと 

闇と交尾

誰にも

覗かれない

疑われない

嫌われない

虐められない

嫉妬されない





…棄てられない…









2002年04月22日(月)



 幼作「キラキラ」











ほら

無くしたものが そこでキラキラ 輝いている

友達だって

虐めっ子だって

パパだって

ママだって

愛人だって

変態だって

無くしてしまえば そこでキラキラ 輝いている











2002年04月21日(日)



 駄作「そら まうよ」








伏せめがちな眼で地面を見れば

排水溝の中から

流れてゆく人の後姿から

走り去る車の中から

信号待ちの皺まみれの背広からから

おしゃべり好きのミニスカートから

孤独抱える詰襟から

私を笑う奴がいて

私を追い詰める奴がいて

私はアイツに仇されていて





背中に視線感じて立ち止まれば

私の震える後姿を指さして

「  」と言う奴がいて

「  」と言う奴がいて

「  」と言う奴がいて

私の弱さを嘲笑っている





足元から吹き上げる風が妙に心地よくて

足元はもう既にガクガクで

足元だけで震える体を支えながら

地面を涙目で見つめる私を指さして

「  」と叫ぶ奴がいて

「  」と叫ぶ奴がいて

「  」と叫ぶ奴がいて

私の幕引きを邪魔する野次となる





羽が無いから空を飛ぶ

羽が無いから地を這う

地を這う虫も生きている

地を這う人も生きている

地を這えない傲慢な私を

「大人たち」の箱に詰まることのできない

自分を潰すために私は地面を目指す

あの地面まであと少し





あぁ そら まうよ








2002年04月20日(土)



 偽作「オオイ」








砂を噛むような現実は いらない

ベットのシーツは洗いたて

この温もりは私の温もり

着古した洋服脱ぎ捨て

新しい仮面をつけて

嘘を平然とついてしまう君をとても

寂しく思う

君の嘘は私の嘘

君の暴言は私への楔

「愛してる」だなんて今更言わないで

遅すぎるのよ

すごく

遅すぎるの…






すごく

寂しすぎるの…。





どこかで捨てられた私を呼ぶ声がする

「オマへが偽ってる。」

それでもいいと思って煙草をふかしてなにが悪い?

メンフィスの煙は肺に幕を引くが

ステージの幕は引かない

私は一見自由そうで

何かしら不自由…いや、強制連行

だって 私の自由は

水溜りの中の色白な男

ポスターの中の優男

排水溝から覗くヲタク野郎

携帯色の軟派野郎

コーヒー色のイケイケ。

奴らがみんな縛ってる

奴らは蜘蛛!蜘蛛蜘蛛!

虫唾の走る唾液の糸で

女の尻を喰らう

あの蜘蛛よ!

私は身動ぎできずに羽をもがれる

哀れな末期蝶

何れは死にゆく

囮蝶

分解された

ただの屑

死に晒せ 死に晒せ










私って美味しい?























2002年04月19日(金)



 喜作「幸」








「昨日」の鏡と

「今日」の鏡と

「明日」の鏡に

「今」のボクが写ってれば

最高に幸せなんだろうな





…にやけてるとかって突っ込みはなしだよ?









2002年04月18日(木)



 贋作「スキ」











小さな声で「スキ」と言って

たった一度でいいから

小さな声で

「スキ」と言って












2002年04月17日(水)



 捨作「散歩」






縛られた体と

砕けた想いを引き摺り

わからない 欲しいモノを 探すために

街をさ迷うと

母親に手をひかれた子供が

ボクを指さし

「お母さん キチガイが 歩いてるよ」

と 自慢げに説明していた

手をひく母親は 嗜めるように

「看てはいけません あれは 片輪よ」

と 優しい顔で 子供の頭を撫でながら言った

指をさされてるボクは

何も目に入らなかった

何も聞いていなかった

何も知らなかった










ただ

今日は この街の風が 気持よかった気がする











2002年04月14日(日)



 駄作「葬春」






春の宵醒め

ふっ…と頬を擽る

華を舞い散らす一陣の風に

騒ぎ立てられる惜別の慕情

昔の想いは土の中






積み重ねられる 心底の土

想い出の墓場で眠る

甘苦の経験

淡い想い出

似合いもしないノスタルジア





悲しい思い出は

紅梅と共に

哀しい思い出は

春告げ桜と共に





葬送された思い出達よ

今 ボクは 限りなく幸福 故に

墓場の底で

眠り給え

もう二度と

目覚めることなかれ





カナシイ思い出達は



墓の下に。





思い出に耽り

外を見れば

桜が綺麗な気がする

幻だらけの

春の宵





気づけば「次」が

忙しない「次」が

ボクの心を躍らせる






例えそれが

「次」の華であろうとも

「次」の恋であろうとも







…「また」出会うであろう キミであろうとも…







2002年04月11日(木)



 下作「ゆらゆら」






揺り籠に

空席は無し

揺り籠に

空間は無し

揺り籠に

空気は無し

揺り籠ゆらゆら ボクに生きる場所は無し





水辺の揺り籠

小さな抜け殻の

ボクが捨てられている

揺り籠ゆらゆら 揺れている





ボクは生まれながら

生まれていない

小さな抜け殻

祝福されない

凄惨な産声

揺り籠ゆらゆら 耳障りな目覚し時計





ボクは窮屈な揺り籠に

ユラユラ揺られ

やがては地球に溶け込んでゆく

母なる地球に喰い込まれる

揺り籠ゆらゆら つまりゴミ





ボクの産声は耳障り





狂ったボクの声は



貴女に届くでしょうか?

聞いても聞かなくてもいいけど

放置ぷれいは嫌だな

揺り籠ゆらゆら 倒錯の愛?






ボクは生まれてはいけない

ボクは死んでいない

ボクは誰?





あぁ

そぅ

思い出した

とぅさんごめんね

かぁさんごめんね

確かボクって喋っちゃいけない

生きてちゃいけない

揺り籠ゆらゆら ボク中絶児





揺り籠ゆらゆら ゴミの上

揺り籠ゆらゆら ボク乗せて

揺り籠ゆらゆら

揺れている。







2002年04月10日(水)



 醜作「ゴミ棄て」







あぁ

オレヲ埋めてくれ

腐っちまった心

陰気な顔

喋れない口

見えない目

聞けない耳

…たんぱく質製のゴミみたいな体

不燃ゴミだろうから

燃やさず埋めてくれ

埋めてくれ

埋めてくれ




…棄ててくれ…







2002年04月09日(火)



 雑作「迷宮」















ガラスの迷路で

キミを見つけて

鏡の迷路で

キミを見失って

そのままボクは

迷ってしまって





「初めの時間」から 揺り籠で

夢朧のキミには





迷路で迷うボクなど目に入らなくて

迷路で迷うボクなど知る由もなくて












つまり ボクの「好き」は 直情であって

つまり キミの「好き」は 婉曲であって














つまり ボクは キミに 必要ではなくて。













2002年04月05日(金)



 駄作「問」











          ボクはキミのダレですか?











2002年04月04日(木)



 旧作「強く。」











          キミのために強くなれても

          キミの前では弱くなれない












2002年04月03日(水)



 喜作「喜」








目を閉じても

目を瞑っても

目を失っても

あなたを好きでいられる幸せに

あなたを知ることのできる日々に

あなたが与えてくれる涙に













全て ここに 賛美。











2002年04月02日(火)
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