Diary
沙希



 ありがとう。


お別れの言葉はありがとう。
ありがとうありがとうありがとう。
何回言っても足りないぐらい。

今まであたしの側にいてくれてありがとう。
あたしのくだらない話を、たくさん聞いてくれてありがとう。
キミの話を、たくさん聞かせてくれてありがとう。
一緒に泣いてくれてありがとう。
いろんなところに連れてってくれてありがとう。
いろんなものを一緒に見てくれてありがとう。
たくさんのあたしの過ちを許してくれてありがとう。
あたしの成長を、見守ってくれてありがとう。
どっちつかずなあたしを、待っていてくれてありがとう。
あたしが出した結論を、受け入れてくれてありがとう。

最後の最後の決断を、前向きに踏み切れなかったあたしに、
キミは一言も責めたりなんてしなかった。

この何年か、キミを手放すことができない自分に
何度も感じた弱さ。
この何年間か、キミに対して感じた
大きな希望の光。

それでも、あたしが告げた別れ。
弁解の余地もない言葉の数々。

ごめんなさい。
は、あえて一言にしておく。
それよりも、たくさん。キミに贈りたい言葉。

愛してる。と、ありがとう。

こんなこと、言わなくてもいいけれど
キミとの未来を誓えば、きっとあたし達は幸せに過ごせるって
その予感は今でも消えてはいないんだ。

恋のときめきなんてもんは、
今はないのが本音だけど、
それでも、同じ目標を二人で背負って生きていくのに
これ以上のパートナーはいないって
それも本音の話なんだ。

でもあたしには自信ががない。
何があっても、自分で立ってられるっていう自信が。
キミを幸せにしてあげる。
って心の底からキミに告げる自信がない。

これ以上、キミを待たせることはできない。
これ以上、自分に嘘はつけない。

ないものをあるかのように誤魔化して、生きていくことはできない。

だからあたしは、
とりあえず今できることから。
もっと自分らしく生きてみようと思う。

くだらない憶測で押し込めたたくさんの言葉を、感情を、
そろそろ解放してあげようと思う。

やりたいことをやる。
前向きに、自分を信じて。
やりたいことをやる。
行きたい場所に行く。
もう、諦めたりなんてしない。
もう、閉じ込めたりなんてしない。

そう思った瞬間に視界が開けて、
毎日が楽しくて仕方がない。

平穏な日々を・・・。

って願ってたときには、ちっちゃな事件すらおきなかった毎日に
たくさんの変革が訪れている。

毎日が濃くて、心が動いて、
痛いことだってあるけど、
それでも前向きなあたしがいるのが嬉しい。

キミと出会えたこと、キミと過ごした六年には足りないほどの時間。
とてつもない感謝。
キミが生まれてきてくれたことに。
キミがあたしと出会ってくれたことに。
キミがあたしの側にいてくれたことに。
キミがあたしを好きだって言ってくれたことに。

キミの強運が、この何年かのあたしを救っていてくれたもの
わかっているしね。

キミは幸せになれる人だって
あたしは出会ったときからずっと、思っているよ。
絶対に幸せになれる人だって。

残念なのは、あたしがキミを幸せにすることができなかったことだけど。

キミが生きていることが、あたしは嬉しい。
自分勝手に別れを告げたのは、あたしなんだけど。
キミの存在を感じることができなくても、
キミが生きていることが、嬉しい。

どうか、どうか、幸せになって。

ありがとう。




2007年08月23日(木)
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