狛の日記...狛。

 

 

LIVE TALK - 2005年11月15日(火)


TourbillonのLIVE TALKがあるときいて、
何となく聞いていただけだったのに。
HEAVENのPVの中で響く歌声と、歌う姿を見たら感動してしまった。

ドキドキして、瞬きの瞬間さえ勿体ないと想ってしまった。
何だか凄く、どうしようもなく、嬉しくて仕方ない。
最後に流れたLIVE映像を見ながら、少し余韻に浸ってみた。

追い詰められた今の状況の中で、本当に幸せな時間でした。



...

原点。 - 2005年11月11日(金)


老人病院に初めて訪れたのは、15歳の丁度今頃の時期だった。


感謝祭で集められた果実を様々な施設に届け終わった帰り道。
誰にも言わないと約束できるなら、と部活の顧問に連れていってもらったのは、
奥まった場所にひっそりと佇む古びた白色の四角い建物だった。
ついて行った部屋の一番奥で、固そうなベッドの上に寝転ぶ小さな老女の姿を、
自分は多分生涯忘れることはないだろう。

彼女がほんの1年前まで教鞭を振るっていたあの厳しい先生だと分かるのに、
一瞬の間があったのは、頭の中に渦巻く全ての感情よりも、驚きや衝撃が勝ったからだと思う。

いつも小柄な身体に派手めなスーツを纏い、
戦後を生き抜いてきた力強さと、何だか分からない威圧感のある先生で。
それが、乱れた薄っぺらい寝具を纏い、虚ろな眼を宙に向けているのは、
ただただ衝撃でしかなかった。


細い鉄パイプのようなベッド柵。
冷たいコンクリートの床。
薄汚れて見える白い壁。
窓の外に見えるのは、冷たい晩秋の景色だけ。

ひっそりと息を潜めるような呼吸と、抑制された細い細い手足。

まるで牢獄の中に迷い込んでしまったような錯覚に陥った。



その記憶は、自分にとって酷く恐ろしいもので。
思い出すたび、胸をえぐる強烈な痛みを伴うし、
突然フラッシュバックする映像に身震いしそうになる。

あまりにも強烈な印象を脳裏に刻んだ現実は、
今ではほとんど見られなくなったけど、
こんな現実は嫌だと、本当に切実に想ったのが自分の原点だったように想う。
何かをしたいとか、何かをするべきだとか、そんなことよりも、
とにかくこの現実を変えたいと想ったし、変わって欲しいと真剣に想った。


あの時のことは、懐かしいなんて生易しい表現は適さない。
いまだにトラウマになるほどくっきりと爪痕が残っているのが分かる。
これが現実なのかと、愕然とした気持ちとか、
頭を打ち抜かれたような衝撃とか、痺れてしまった感情とか、
そういう感覚を、昨日のことの様にはっきりと覚えている。

医療の現場に対して恐ろしいと思ったのは、それが初めてだった。
見捨てられ、絶望に染まった世界の様だと想った。


あれから10年経って、世の中は変わったのかもしれないけど、
それでもふ、と思い出す。
あの劣悪な環境と、
手足を抑制され、虚ろな眼で宙を見つめていた人たちを。
そこで感じた感情を。
それから、あの衝撃を。



...

1108 - 2005年11月08日(火)


この時期になると、
ひっそりと胸の内側から細い針で突付かれる様な微かな痛みを感じる。


先日、つけっぱなしのテレビが映し出した懐かしい人の映像に、
眼が釘付けになっていた。
彼らの元気な姿をこうして見詰めている時間は本当に幸せになる。

変わらない本質や、変わらない雰囲気があって。
だけど変わってゆくものたちもたくさんあって。

そんなどうしようもない時間の中で、
離れ離れになった彼らが互いをどう想っているか分からないけど。
彼らの関係を密やかに結び付けたいと考えてしまうのも本音だったりする。


彼らの中に、互いの存在はどのくらい残っているのだろう。
自分の中には5人が5人ともこんなにも鮮やかに印象付いているのに、
彼ら自身はもしかしたら遠い思い出として
どこか隅に追いやってしまってはいないだろうか。
自分の事ではないのに、それは酷く怖ろしい事に想えて仕方がない。

彼らが互いにどう想っていようと構わないと口では言いながら、
その実、それぞれが均等に互いを想っていて欲しい気持ちが本音だ。
忘れてはいないだろうけれど、
彼らの中に、お互いがどれほどの存在感と価値を置いているのだろう。


そんな小さな、身勝手で迷惑な心配なんかをしてしまう日。


...

カウントダウン - 2005年11月07日(月)


あと少し。
あと少し。

自分に言い聴かせながら、
途中で投げ出してしまわないように戒める気持ちで。


教えられる事はこの先もきっとたくさんあるけれど。
今のこの論文についてアドバイスをもらえるのは今だけだから。
難解な言葉の数々に疑問符ばかり浮かぶ思考回路を必死で繋げている。
たくさん悩んで、たくさん迷って、たくさん困って。

適当に何とかしようとする甘い自分を叱咤しながら、
少しでも周りの人たちに使えるものに仕上げるためのラストスパート。


あと3ヶ月。
できることはどうせ小さなことだけど。
せめてその小さな部分を精一杯やってやろうと想った。


...



 

 

 

 

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