せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2002年05月16日(木) 「陽気な幽霊」稽古

 久し振りに(こればっか)稽古の最初から稽古場へ。
 今日は、昨日の続き。中盤の僕抜きの流れを。
 昨日と同じダメを両チームに出す。
 ノグには、「言い方で表現しようとしない」ように話す。
 このところ声の仕事があったりして、この頃のノグはなんだか声で芝居をしようとしてる。
 「おい!」とか「ちょっと、待てって」とかっていう台詞が、ちっとも相手に届いてない。
 またしても、らしくやらなくていいから、ちゃんと相手に伝えて!と話す。
 それから、ノグにはもう一つ。
 この芝居の初演以来のノグは、目の力がすごかった。
 それは、「にらみがきく」とかそんなんじゃなくて、彼が見てるものが、ちゃんと伝わってきたってこと。
 「陽気な幽霊」って芝居は、全編、小道具がなしで展開するんだけど、それ以外に、何かを見て、説明するっていう芝居がむちゃくちゃ多い。
 しかも、ノグの役は、劇中で唯一のノンケ男子で、彼が見てるものっていうのは、実はとっても大事だったりする。
 幽霊である僕の姿が見えたり見えなかったりってことも、実は、彼の役があるからこそ、きわだってきてる。
 それが、今日の稽古では、ちっとも見えてこない。
 柾と一緒に歩く二丁目の風景も。
 そこで、正直に「目の力がなくなってるね」と話した。
 あなたが手に入れたと思ってる力、これができるようになったと思ってることはきっとあるんだと思うけど(それはたぶん台詞のうまさとかね)、そのかわりにあなたは、大事なものをなくしてるよとも。
 それは、芝居のためにも、あなたのためにもつまらないことだって。
 つづいての稽古では、ちゃんと見えるようになってた。
 ちょっとほっとする。
 忘れてたってことなんだね、きっと。
 だめだよね、こんな大事なこと忘れてちゃ。
 続いて、Bチーム。
 マッスーは、まだ台詞が初見のようで、ちっともやりとりになってかない。
 そこで、毎回同じことをやろうとしないで、一階ずつ違うことをやろうとしてごらんと話す。
 「じゃ、3回、違うことやって!」
 そして、見せてもらった3回は、それまでのぎくしゃくした、ただ台詞をしゃべってるだけのものより、何倍も何倍もおもしろかった。
 それでいいんだよ。一回一回、相手にちゃんと向き合っていけば、どんなに違ったことをやってもそんなに「全然違う」ってふうにはならないんだから。
 毎回同じことをただなぞるだけで見せてもらうより、一回一回「何、それ?」ってつっこみたくなるような生き生きしたやりとりを見せてもらうほうがずっといいんだから。
 続いて、気の弱いバーのマスターのヨシオの登場。
 僕がいない間にいろいろやってたみたいで、なかなかおもしろい。
 よしおは、普段から、「毎回違くやる」ことを追求してるんだけど、今日もいろいろと。
 もう少し何言ってるかわかるようにね、とか、立ち位置の基本とかを説明する。
 いいかんじなので、「これからもいろいろやってね」と話して、今日はおしまい。
 繰り返し再演してきた舞台の、陥りやすい「ダメなパターン」にならないよう、しっかり作っていこうね。大事なのは、おもしろがってしまうことだ。


2002年05月15日(水) 「陽気な幽霊」稽古

 久し振りの稽古だ。
 といっても、久し振りなのは僕だけ。このところ、パレードの実行委員会がらみの用事で2回お休みしてしまってた。
 その間、みんなには「自主トレ」をお願いしてた。
 今日も、スポンサー営業のうちあわせ(そういうこともやってるのよ!)があったので、かなり遅れて稽古場へ。
 中盤の僕の出番じゃないところをやってみてもらう。
 健ちゃんと柾の二人の場面。
 まずは、Aチーム。
 マミーとノグは慣れたもん。あれこれとダメを出していく。
 続いてBチーム。
 ハヤセくんとマッスーのやりとりが、ちっとも「会話」になってかない。
 「らしくやろう」としないで、ちゃんと「やりとり」をしてほしいと話す。
 まるで初見のような台詞の流れに、ちょっとイライラもしたりして……
 久し振りの稽古場で、「僕がいなくてもだいじょぶよね」と思ってたので、「だめじゃん!」なかんじは、とってもショックだった。
 「台本があるんだから、早く慣れてちょうだい」とも話す。
 今回初挑戦のBチームにはもっと「どん欲」になってほしい。
 今日の稽古場も9時までだったので、あたふたとおしまい。
 帰り道、さっき、きつくダメだしをしたハヤセくんとおしゃべり。
 また犬が一匹増えたんだって。
 今度は、シェットランドシープドッグ。ドラムくん(♂)っていうんだそう。
 すっごい小さくてかわいいんだって。
 先輩犬のナッシュ(ゴールデンレトリバー、1歳♂)が、「お兄さんぶって」がんばってるんだって話を聞く。
 対面させた時に、「こわくないよ」って自分の耳を倒したりしてるんだって。
 それもまたかわいいよね。
 だだっ子のナッシュが、お兄さんになってるかんじが、なんだかとってもほほえましかったんでした。


2002年05月11日(土) 「陽気な幽霊」稽古

 パレードの実行委員会で、すっかり遅くなって下馬の稽古場にたどりつく。
 今日はマミーが知り合いの結婚式でお休みなので、Bチームの稽古。
 僕が行ったら、2場を通してるところだった。
 僕の役はノグがやってた。
 僕ったら、そんなふうに見えてるのね……となんだかおもしろかった。
 続いて、僕が入って、同じ場面を。
 マッスーの健ちゃんは、何をやるかわからないので、僕も、それに応えてたらどんどん「過剰な」芝居になってった。
 この場面はただでさえ、動きが多くて、おかしいところなんだけど、なんだかむちゃくちゃなことに。
 早瀬くんは、真剣に笑っちゃって芝居にならないならない。
 型をなぞるんじゃないってことが楽しくって僕もかなりな「やりたい放題モード」。
 見てるみんなもケラケラ笑うからうれしっくってね。やや悪ノリしてたかも。
 でも、「同じことをしない」ってことを心にとめて芝居をするのは、やっぱり楽しい。
 こうまでいろいろじゃなくても、忘れないでいたいことだな。
 僕は、マッスーと思い切り口げんかして、追っかけ回されるんだけど、マッスーは自分がどうやるかってことに一生懸命であんまり僕を追い回してくれない。
 なので、「もっと追い回してちょうだい」とお願いしてみた。
 その方が、場面がおもしろくなるでしょって。
 で、もう一度、同じ場面を返してみたんだけど、僕はマッスーにあっさり「追いつかれてしまいました」。みんなもここで一番笑ってたかも。
 油断してたの!って言い訳したんだけど、かなりショック。
 どうしよう……。走り込みをやらないといけないかしら?
 最後に、この場面でオコゲ女子大生を演じるヨシオがらみの立ち位置とキャラづくりをあれこれと。
 僕が稽古場にいたのは、約1時間なんだけど、あっという間にグロッキー。
 部屋のリフォームのため一時引っ越し中のノグから、部屋にあった「gaku-GAY-kai」の王様の衣装(「新・シンデレラ」)やら、パートナーの安南嬢からのお下がり衣装やらの大荷物を抱えて帰る。
 部屋に戻って、つい爆睡。
 3時過ぎにあわてて起きて、今日の活動開始。って、すっごい朝型(?)になってるかも。


2002年05月10日(金) 「ダウンタウン・フォーリーズ」

 青山円形劇場でミズシマくんと「ダウンタウン・フォーリーズ」を見る。
 構成・演出、高平哲郎、出演は島田歌穂、玉野和紀、吉野圭吾、北村岳子という顔ぶれ。
 4人の出演者と生バンドの演奏による「ミュージカルショー」。
 これは、とってもとってもおもしろかった。
 実力派の4人が、「こんなもんでしょ」というラクなものじゃなくって、ぎりぎりせいいっぱいのとっても難しいものに挑戦してる。それがとってもすがすがしい。
 ていうか、それが「コメディ」の基本なのかもしれないね。
 ケロッとした顔して、他愛のない話をさらっとやってみせる。
 でも、それには、ものすごく高度なテクニックが必要なんだ。でも、「うわあ、大変そう」とか少しも思わせないで、ただただ「すっごーい!」ってワクワクさせてくれちゃう。
 島田歌穂ちゃんは、「こんなに踊れるんだっけ?」ってくらいガンガン踊ってる。
 彼女は、基本的には歌い手だと思うんだけど、そのことにまずびっくり。
 他の3人はダンサー(もちろん俳優)なんだけど、彼らの歌と芝居の「うまさ」にも感動(もちろんダンスもね)。
 高平哲郎さんは、昔っからテレビの構成をしてる「大御所」なんだけど、かなり「ベタ」なお話を次から次へと繰り出して、ちっとも飽きさせない。休憩入れて2時間30分があっというまだった。
 いろんなミュージカルナンバーや歌謡曲をどんどん歌って踊って見せてくれる。
 最新のミュージカル情報(?)もしっかり盛り込んでて「マンマミーア」のパロディで「日本のデュエット曲を歌詞をそのまんまでショーにする」っていうのもあったし、「フルモンティ」の一番有名なストリップの場面があったり(吉野くんったらとってもセクシー)。
 一幕の終わりのアバの「ダンシングクィーン」もよかったな。
 ほんとにおなかいっぱいな大満足なステージでした。
 島田歌穂ちゃんは、ラストのベルベットのドレスが「なんだかゆるそう」で、「稽古中にやせたんだ……」ってかんじがひしひし。
 北村岳子さんとは、十数年前に一度だけ舞台でご一緒したことがあるんだけど、さすがのパワーはとってもすばらしかった&なつかしかった!
 カーテンコールの一番最後(挨拶の後ね)が「おもしろきゃ人に言え、つまらなきゃだまってろ。早く帰れ!」って歌詞だったのもとってもよかった。二度繰り返してるのもね。
 こんな歌を「確信犯」で歌っておしまいになるショーって、すごいよね。
 とってもぜいたくな時間をすごさせてもらいました。
 それと、僕もがんばらなくちゃねってこともちゃんと考えたし。
 19日までやってるので、ミュージカルが好きな人はぜひってかんじです。

 帰りに、ミズシマくんと一緒に渋谷の「ケイヴィ」という店に初めて行ってみる。
 こんなふうに「知らないとこ」に来るのってドキドキするよねって話してたんだけど、昔からの友達のマサミチくんがいたり、映画祭のMくんがいたり、タックスノット友達のトシくんが来たりと、なんだかんだと仲良しモードに。
 とってもステキなお店だったね。
 渋谷で芝居を見たりした後って、「どうしようか?」っていつも考えてしまうんだけど、いいところを見つけたってかんじ。
 また行こうね、ミズシマくん。ていうか、ごちそうさまでした。


2002年05月09日(木) 「陽気な幽霊」稽古

 今日も9時までなので、あたふたと。
 1場の柾と健ちゃんのやりとりを両チームにやってもらってから、Bチームの2場を初めて立ってみる。続いて、Aチームも同じように。
 マッスーの健ちゃんは、この場面でもやっぱり「壊れて」いて、やりなれたノグとは違って、あちこちでぎくしゃくしながら、それでもなかなかおもしろかった。
 僕は、今日、自分のカラダをもてあましていたかんじだ。
 次がどうなるかわからないと、思い切って動いてしまうことができないみたいな。
 ずっと昔のこの芝居の「初演」の頃を思い出した。
 劇場もOFFOFFシアターだったんで、「そんなに」走り回ったりはしなかった。
 ってそんなこと考えてしまってるってことは、やっぱり芝居を楽しんでなかったってことなんだろうね。
 もっともっとやりたいのに、現状は、まだまだだ。
 みんながどうこうってことじゃなくって、僕の問題。
 気持ちよりも、お客さんの予想よりも、ずっと先に「軽やかに」動いてしまってるカラダがほしいな。今回の僕の目標は、それに尽きるかんじ。
 段取りがきっちり決まらないうちに、ちゃんとした軽やかなカラダでいるためには、それこそ全部の神経を張りつめて、のびのびと楽しんでなきゃいけないみたいだ。
 これはなかなか難しい。でも、やりがいはある。今だからこそね。


2002年05月08日(水) チラシの折り込み

 落合にある「ネビュラプロジェクト」へ、折り込み用のチラシを持っていく。
 ここに納品すると、それぞれの公演に折り込んでくれるという、とっても便利なサービス(有料)。
 2500枚。500枚の包み×5個。
 いつも荷物を運ぶのに使ってるカートにくくりつけて……と思い、きっちり積み上げてみたのだけれど、「動かない」。
 あまりの重さに、カートの支柱がしなってしまって、びくともしない。
 どうしよう……。
 結局、自転車の荷台にくくりつけていくことにした。
 で、高円寺から落ち合いまでは、環七〜早稲田通り、これは、ラクチンな道のりだわと走り始めたら、ガラガラ、怪しい音がする。ていうか「走らない」! 
 あまりの重さに、タイヤがパンクしてしまったのかしらと思ったんだけど、空気は抜けてない。
 荷台がタイヤにこすれてしまってるのかしらとのぞいてみたのだけれど、そうでもないらしい。
 結局、判明したのは、荷台の横のパイプ(?)が、チェーンカバー(?)にぶつかってこすれてるんだっていうこと。
 ちょっと走っただけなのに、チェーンカバーはもう傷だらけになってる。ショック。
 でも、もう引き返せない。この重たい荷物を手で持っていくのは、絶対にイヤ!
 しばらく、僕は乗らないで(少しでも軽くなるようにね)押して歩いていったのだけれど、あまりにラチがあかないので、ていうか、あまりに荷台が重たいので、まっすぐ歩けないので、あきらめてまた乗っていくことにした。
 ただ、重さが後ろにかからないように「立ち漕ぎ」をしながら、走っていった。
 初めて通る早稲田通りは、上り下りの少ないとっても走りやすい道。
 約30分ほどで到着。無事に納品。
 帰り道は、思いっきり軽くなったカラダですいすい帰ってくる。
 パンクしてたらどうしようかと心配だったんだけど、何ともなかった。
 ただ、傷だらけにはなってしまったのだけれどね。
 マミーは、今日、シアタートラムへ折り込みに行ってきた。
 こっちは1000枚。それでもかなりの重さだよね。
 思いついて、チラシの包みを体重計で計ってみたら、1つ5キロだった。ということは、計25キロ。マミーは、10キロ。
 印刷屋さんが好意でしてくれた「分厚い紙」のフライヤー。
 かっこいいんだけど、やっぱり、ちょっともてあましてしまってるかなあ。


2002年05月07日(火) 「陽気な幽霊」稽古

 雨降りなので、自転車での稽古場行きはパス。
 これから、はっきりしない天気が続きそうで、ちょっと残念。
 今日の稽古には、友達のカメイくんが来てくれた。
 彼はヨシオの大学時代に同じ劇団に所属していた間柄だそう。
 基礎トレをたらたら始めて、それから稽古に。
 今日は、これまでのところを通してやってもらってから、その先に進んでみる。
 それは、つまり「僕の登場」ということだ。
 初めての立ち稽古。
 まずは、初演以来ずっとやってるマミーと。
 いやあ、緊張しました……。
 このところの「演出するカラダ」と「演じるカラダ」はやっぱり別モノだったのねと痛感。
 かなりあたふたしながら、1場の終わりまで。
 この場面を以前やったときとの違いが、いろいろわかる。ていうか、感じられてしまう。
 前はもっと「軽く」動いてたよね、とか、そんなこと諸々。
 続いて、今回初めてのハヤセくんと。
 前にやってたことをなぞろうとするのは、やめて(わりと)、こう来るならこう行くみたいなことを心がけたら、少しラクになった。
 でも、やっぱり、カラダは重い(!)。
 続いて、2場の大学のキャンパスの場面を。Aチームと。
 ここでは、マミーとヨシオとノグと、バシバシ絡む。
 アンド、ずっと動き回っている。
 1場の稽古でかなり「息が上がってた」んだけど(笑)、このへんになると「ランニングハイ」な状態になってる。
 終わりまで通して、ほとんど死にそうになる。あ、僕だけじゃなくって、マミーも汗だくさ。
 ノグは「汗かかないんだよね」とか言っちゃって、憎い!
 最後に、ヨシオとの絡みを小返ししておしまい。
 体力的にはいっぱいいっぱいなんだけど、だんだん楽しめるようになったかんじ。
 覚悟は決まったっていうかね。
 いつもの「動かない」芝居とは全然違う芝居を僕はしてる。
 うるさいくらい動き回って、走り回って。
 いつもと違うカラダのかんじが、だんだんつかめてきた気がする。
 ていうか、これから始まるのねってことかな?
 帰りは、雨は小降りになってたんだけど、ちょっと歩きたくって、阿佐ヶ谷から高円寺まで徒歩。
 汗かいたカラダに涼しい風がいい気持ちだった。
 これまで演出のみだったんだけど、今日から、僕も役者として参加ってかんじだ。
 もっともっと楽しんでみよう。


2002年05月06日(月) 「陽気な幽霊」稽古&西野さんとうち合わせ

 昨日の続き。
 前回、前々回とお休みだったマッスーが復帰。
 オープニングから、ここ数日ずっとやってたところを、二つのチームでそれぞれやってみる。
 マミーは風邪気味で体調が悪い。
 なかなかやりとりが成立していかないので、きつめのダメを出す。
 マッスーは、絵に描いたような「バカノンケ」を楽しそうにやってる。
 ノグが演じるのとは、かなりテイストが違うけど、なかなかおもしろい。
 ゲイである僕が「絵空事」として描いたノンケのキャラを立ち上げるという意味では、マッスーの方が、大胆で、大がかりだ。
 「女優」と「女形」の違いってこういうものなのかな?とちょっと思った。
 ヨシオは、まだ台詞でいっぱいいっぱいになっていて、場面がはずんでいかない。
 続きは明日。
 稽古の後、僕は、新宿で、11月の台本の原作を書いていただく西野浩司さんとうち合わせ。
 阿佐ヶ谷から、大久保通りで新宿まで、自転車で行く。約40分。
 二丁目のココロカフェで待ち合わせ。
 シノプシスを教えてもらって、今月いっぱいが締め切りのパレードのガイドブックに掲載できる広告データを作りたいというのが、僕からのお願いだったのだけれど、それはしっかりしたシノプシスとプロットを用意してきてくれました。
 「ハッピーエンド」というタイトルは本決定になったので、これからさくさく準備をすすめていきます。
 ストーリーと人物についてもちゃんと話をうかがうことができたので、これから、キャスティング案を考えていこうと思います。
 西野さんにお願いしたのは、舞台用のお話だからって、舞台化しやすいものを……というふうには考えないでほしいということ。
 それは、いつもの僕のやり方なので、そうじゃない、「え、そんなの舞台になるの?」というような「無理難題」をたくさん用意して下さいと話す。
 映像では無理なことでも、舞台では、どんなことでもできてしまう自信が僕にはある。
 それは、お客さんの想像力の助けを借りてということなんだけどね。
 それでも、つい、自分の「手の内」で作ってしまってる、僕の芝居を、もうひとつ大きくしてもらえたらと思ってる。
 今日はおもしろい話がたくさんできて、大満足。
 6月いっぱいをめどに、もう一段階くわしいプロットをもらって、僕はそこから、台本化の準備を始めようと思う。
 とっても楽しみな作業になりそうだ。
 どうぞよろしくお願いしますね。西野さん!
 ココロカフェの隣の席に、「グランディーババレエ」を観劇帰りのジャスミンさんがいらっしゃって、びっくり。
 あれこれおしゃべりをする。
 ジャスミンさんたらば、しっかり「ドラァグ」姿をしていて、「これで劇場の客席にいたのね」と思うと、すごい!の一言。かっこいいったらありゃしない。
 うち合わせ終了後、僕は、さくさくと帰宅。もちろん自転車でね。
 新宿からは30分。こころなしか「タイム」が縮まっている。
 これもトレーニングの成果かな?


2002年05月05日(日) デレク・ジャーマン イメージガーデン「You know what I mean」

 イメージフォーラムで開催中の「デレク・ジャーマン イメージガーデン」でデレク・ジャーマンへのインタビューで構成されたドキュメンタリー「You know what I mean」を見る。
 上映の前に、トークがあって、今日のゲストは篠井英介さん。
 「デレク・ジャーマンがすっごい好きという訳じゃないんだけど……」というスタンスでのとってもフランクなトークでした。
 篠井さんと何となく目があって、何となくなご挨拶。
 途中からは、客席の「デレクファン」な女性をステージに呼んでのトークに。
 デレク・ジャーマンについてよりも、篠井さんの話がいっぱい聞けて、とってもおもしろかったです。
 客席の女子もあらかたは「デレク・ジャーマン」のファンというよりも「篠井さんのファン」というかんじで、みんなで「むずかしい映画(?)」をがんばって見るというノリが何ともほほえましかったです。
 「You know what I mean」は、89年に撮影されたドキュメンタリー。
 僕は、ほとんど「義務」のように「デレク・ジャーマン」の作品を見てるんですが、ほんとにおもしろいと思って、全編を(ここがポイント)見た作品ってそうはないんですよ。
 一番好きなのは、「エドワードセカンド」だし、あとは「セバスチャン」とかね。わりとドラマがちゃんとしてる方がおもしろいと思ってしまう。
 やりたいことはわかるし、とっても共感できるんだけど、「わあ、おもしろい!」っていうふうには見られないかんじ。
 でも、自分がゲイであり、HIVポジティブであることを、表現の土台にきっちり据えた彼の作品は、見るととっても僕を勇気づけてくれる。
 今日の「You know what I mean」は初見。
 いつも作品の中で語られてたデレク・ジャーマンの言葉(?)が、ほんとに彼の口から直に聞ける。これが一番よかったかな。
 僕は、とってもイカツイ人という印象があったんだけど、「You know what I mean」での彼はとってもチャーミングで、生き方について、とっても迷っていて、なんだかとっても近しい人になった気がする。
 「自分がゲイであるということを受け入れてから、何をやればいいのかということが、ものすごくはっきりした」という言葉がとても印象的だった。
 今日の往復は、しっかり自転車。
 高円寺〜渋谷は、ほぼ1時間だということが判明。
 一番の「近道」ていうか、「疲れない道」は、青梅街道を新宿まで、それから明治通りをまっすぐというのが、正解っぽい。
 「陽気な幽霊」の本番の「ウィメンズプラザ」も、今日のイメージフォーラムからは目と鼻の先。
 自転車通勤も可能かな? って、梅雨入りしたりしてるのかなあ?
 こないだまでは、とってもきつかった坂道が、いつの間にか、さらっと通っていけるようになってる。
 トレーニングの成果か?
 っていうか、ツラくても漕がないと帰れないっていうのが、ポイントかな。
 間違いなく、30分以上の有酸素運動はできてるかんじ。
 心なしか、脇腹のお肉もすっきりしたような。心なしかですけども……


2002年05月04日(土) 「陽気な幽霊」稽古

 下馬で稽古。
 今日は、連休のどまんなか。
 僕は、急に入った仕事の後、稽古場へ。
 みんなは、ノグの引っ越しを手伝ってから。
 稽古場まで「自転車」で行ったので、いつも自転車で来てるヨシオやナルミとしばし「自転車談義」。
 東京ってほんとに坂が多いよねという話をする。
 僕の折り畳み自転車は、車輪が小さいので、かなり漕ぐのがキツイ。
 ちょっとした坂道でも、細かくギアを変えていかないと、たちまちへばってしまう。
 ヨシオが「地名ってほんとなんだと思う」と言う。
 「○○坂下」っていうところはほんとに坂の下だし、「○○山」って地名は高台だ。
 たとえば、阿佐ヶ谷とか、渋谷とかは、ほんとに低くなってる。
 てことは、「行きはいいんだけど、帰りがつらい」ってこと。
 「初台」っていうのも、高くなってるんだよね。
 山手通りを渋谷方面に走ってると、中野坂上(ここも高いね)から「いったん下って、また上る」。で、初台の交差点を過ぎると「ものすごい勢い」で下って行って、「富ヶ谷」に至るってかんじ。その先には、もちろん「渋谷」があるんだけどね。
 で、一生懸命自転車を漕ぎながら、僕が一番考えるのは、「どのルートが一番ラクか」ってこと。
 大きな道路の上がり下がりは、かなりわかるようになったんだけど、出来心で「脇道」を通って「近道」をしようとすると、思いもよらない「山」や「谷」があったりする。
 東京中の「等高線入りの地図」がほしいと思うわ、ほんと。
 ずいぶん話がそれました。
 今日の稽古は、前回の続き。
 頭から、ヨシオ演ずる「柾の母親」の最初の登場の場面まで。
 ハヤセくんのBチームで。もっとも、健ちゃん役のマッスーがお休みなので、同じ役をやってるノグにつきあってもらう。
 ハヤセくんは、失恋というよりも、振られてしまったことに怒って(?)るようで、なかなか切なくならない。
 で、ノグとエチュードをしてもらった。
 ゲイだと話してない同級生から、好きな女の子についての相談を受けるというもの。
 この場面でほしいのは、二人のカラダの距離感だ。
 ゲイだってことがわかったとたんに、その距離感はどうなるのか?
 理屈じゃなくて、感じてってほしかったので、その前段階の「全然気にしてない」かえって「べたべたしてるくらい」の友達ノリをやってもらった。
 ノグは、二枚目っぽくやろうとしてしまって(もしくは「結果として」ね)、台詞が前に出てこない。
 やりとりが全然成り立たなくて、同じ場面を何度も何度もやってもらう。
 エチュードは、二人がのびのびするのに、ずいぶん役に立ったような気がするな。
 ハヤセくんには、悲しい時に「悲しそう」にやらないでちょうだいと話す。
 ノグには、かっこよくやろうとすると、次の場面につながらないでしょと。
 二人がそれぞれ、ボールを相手に投げてるだけだったのが、だんだん一つのボールをやりとりできるようになったところで、先に進むことにする。
 次はヨシオの母親役。
 ここでもカラダとカラダの距離の話をする。
 それと、ストップモーションと台詞のタイミング。
 いろいろやってもらって、なかなか笑わせてもらったんだけど、僕がやってもらいたいテンポにはまだまだ。
 次回に宿題。
 今日は、みんなが集まるまでの間、おしゃべりをたくさんしてたんだけど、そのとき「中山(仙)道ってどこだっけ?」という話になった。
 みんな正確にはわかってないことが判明。
 ホソちゃんは、「仙台の仙だから、あっちの方行くんじゃないですか?」とか言うし。それは「奥の細道」でしょ!
 ホソちゃんは、同じ流れ(?)で出た「フランス語」の話の中で、「もう、Je m'applle(私の名前は……)くらいしかわからない」という話も。「Je m'applle HARUKI HOSOKAWA 」だけど、フランス語では「H」は読まないから、「アルキ オゾカワ」になるということが判明。
 というわけで、今日から彼は「オゾちゃん」ということになりました(定着するかな?)。
 帰り道は、三軒茶屋までみんなと歩いて、そこから僕は一人、自転車で高円寺まで。
 小雨が降って来たのでやや急いだせいか、電車のマミーよりも「微妙に」早くつきました。
 「運動の後30分は何も食べない方がいい>食べたものから消費されちゃうから>やせないよ」というノグの忠告を守って、ちゃんとお茶で我慢をしました。


2002年05月02日(木) 「陽気な幽霊」稽古

 荻窪で稽古。
 今日の稽古場は9時まで。
 「音の出るもの」は延長使用ができないということで。
 仕事を終えたみんなが集まって来るのは、7時半をすぎた頃。
 それからあたふたと稽古をしても、あっという間に終わってしまう。
 基礎トレの後、頭から僕の幽霊が登場するまでを両チームやってもらう。
 「らしく」やらないで、「ちゃんとやりとり」するように、話す。
 いきなり全体をやろうとしないで、細かいやりとりを丁寧に積み上げてちょうだいと。
 主人公の柾(まさき)くんは、中学からの同級生、健ちゃんに告白して振られてしまうんだけど、それが、ちっとも「失恋」ってかんじになってかない。
 柾役の2人には、これが宿題。
 母親役のヨシオには、台詞とストップモーションの流れをカラダにおぼえさせといてちょうだいと話す。
 ほんとにあっという間に終わって、駅までてくてく歩く。
 どんどんあったかくなってきたけど、夜になるとちょっと寒いくらいだ。
 空気が湿ってる。
 街中が甘い花のにおいでいっぱいだ。咲いてるのは何なんだろう。
 雨の日の方が香水が余計に香るっていうのは、ほんとうなんだね。
 僕は新宿で友達と待ち合わせ。
 ひさしぶりな「夜遊び」。
 いい夜だったな。


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