『ウサギとカメ』の童話を思い出す。
よかったね、カメさん。
でもね、僕は時々不安になるんだ。 もしもあのとき、ウサギさんが先にゴールしてしまっていたら、どうなっていたんだろう。
僕はのろまで臆病者で、怖いことがあるといつも隠れて、自分の身を守ることで必死だったんだ。 一人になるのが怖くて、誰に対してもヘラヘラ笑いながら、腹ん中はぐちゃぐちゃだった。
きっとね
卑屈になっていたのは僕なんだ。
君の背中を追いかけて、追いつけなくて、何度も足を止めようと思った。 そのたびに君は振り返ってくれて、僕はまた歩きはじめた。 遠くにいるようで、いつもそばにいてくれた。
君の姿がみえなくなっても、僕は一人じゃなかった。
ねえ。 いつも迷惑かけてゴメンね。 いつも待たせてゴメンね。 いつも傷つけてゴメンね。
それでも、こんな僕でも。 そばにいて、励まし続けてくれてありがとう。
君の笑顔を思い浮かべて、また一歩、足を前にだすよ。 ゆっくりでも確実に、また一歩、足を前にだすよ。
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