すず子さんのボヤキ。
モクジ|カコ|ミライ
2005年04月21日(木) |
宴のあと・・・その3 |
「すず太郎、出張で金曜日、車で東京来てて、 それで今日、一緒に乗せてもらってきたの」
「うん、それは知ってるよ」 「で?金曜日、会ったんでしょ?で、で???」
「・・・居酒屋行こうと思ったらさ、すず太郎、仕事終わったの11時でさ」
「それで?」
「・・・しょーがないから、ウチで飲んだの」
「・・・。『しょーがないから』、ねぇ。。。」 「で、タロちゃん、そのまま泊まったの?」
「そうそう、すずこが泊まっていいって。 ベッドに寝せてくれたんだよねぇ〜」 すず太郎、今度はすずこさんのパンチを見事に防御。
「オレさ、良く知らないんだけど、 タロちゃんとすずちゃんは、 付き合ってるわけじゃないんだよね?」 旦那サマが腑に落ちない様子で聞いてくる。
「学生のころはタロちゃん、フラれっぱなしだったもんねぇ?」 サツキも同調する。
「ところがどっこい、そうでもないんだな〜 あの頃は若気の至りっていうもんもあったりしたんだよ、実は」 すず太郎が思わせぶりな口調で語る。
「っつーか、今もあんまり変わってないみたいだけど」 と、すずこさんを見ながら付け足す。
へ?!
すずこさん、状況をちょっと理解できず。
「わかんないよぉ、すずこ。ちゃんと話して!全部。」
「・・・サツキさぁ〜、すず太郎に余計なこと吹き込んだでしょ?」
「え?何のこと??」
「すずこはね、レンアイしてないらしいよ」 今度はすずこさんの蹴りがすず太郎のすねにミゴト炸裂。
「あら・・・!そうだったんだ」
「だからさ、オレも知らずに地雷踏んじゃったわけ。 『恋してるんだって?』ってさ。 そしたら、切れやがったの、コイツ」
はぁ〜っ・・・。 すずこさん、大きくため息ひとつして。
「すきっ腹にお酒結構飲んでてさ、 すず太郎殴ったら 涙は出てくるわ 頭は痛いわで、どうでも良くなっちゃって、 布団出すのめんどくさいから そのままベッドで寝ちゃったの!」
「・・・すずちゃんって、お酒飲むとそうなるんだ」 なぜか旦那サマはニコニコ・・・。
「でもね、何にもありませんから!!」
はぁ〜っ・・・。 今度はすず太郎がため息。
「すずこの記憶はそこで終了してんだ?」
「・・・え?」
「もう、暴露大会でいいよね〜?俺らだけだし。」 すず太郎、すずこさんをチラッと見ながら。
「オレもさ、ちょっと悪いこと言っちゃったな〜と 反省して布団に入ったわけさ。 で、コイツが『どけ』とかいうから大人しく 端っこでちぢこまってたんだよ。 そしたら、しばらくしてすずこから抱きついてきたんだよ。」
「うそっ?!」
「理性保つの必死になってたオレの苦悩を考えてよ 被害者はむしろオレだよなぁ・・・」
「そりゃそーだな、タロちゃん」 旦那サマ、激しく同意。
「すずこ〜。マジなの??」
「・・・。私が聞きたいぐらいだよ。 起きたらすず太郎が抱きついてたし。」 すずこさん、かなりテンション低し。
「タロちゃん、大人だねぇ。。。 これが若造だったら、何にもないじゃ、済まされないよな〜」
「そう思うでしょ? でもね、あったの!その『若造』時代にも!!」
「・・・すず太郎、そこまで暴露しなくてもいいから」 すずちゃん、ノックアウト寸前です。
「あ、それはね、私も知ってる。倉田先輩のときでしょ?」 お構いなしのサツキ。
・・・大学時代、すずこさんは倉田先輩って言う大好きな 先輩がいたのでした。 しょっちゅう一緒に遊んでて、旅行にも行ったし 誕生日パーティを開いてもらったりもしたし、 倉田先輩が卒業してからも、よく集まって飲んで遊んでました。 でもそれは、いつも「みんなと一緒に」で、 気づいたら倉田先輩にはカワイイ彼女が出来てました。 そんな時、すずこさん、同じサークルの子に告白され・・・
「あの頃はその子と付き合うなんて全然考えてなくて ちゃんと断ったんだけどさ、 『みんなで俺の家で飲もう』って連絡来たから 行ってみたら誰もいなくて、ゴハン食べ終わっても いつまでたっても誰も来なくてさ、 そしたら、『今日は泊まっていけよ』とか言い出して、 もう、最悪だったんだよ。 『イヤだ!帰る〜っ!!!』って言って 逃げるように帰ってきて、すず太郎んちで飲み直したの」
「そこでやっぱりタロちゃんなんだ」 旦那サマが笑う。
「あのときは怒り狂ってたよな〜。ガンガン飲んでさ、 結局俺んちで寝やがった。 で、『すずたろ〜』とか言って抱きついてきたんだよ。 先輩のことやらソイツのことやら一部始終聞いてたらさ、 さすがに何にもする気になれなかったよ。 案の定、次の日何にも覚えてなかったし。」
「・・・ハイハイ。そのせつは大変お世話になりました。」
「すずこ、恋愛と酒が入ると人が変わるよねぇ。。。 普段は全然そんなことないのに。」
「この2回だけなんだけど・・・」
「その2回とも、俺が被害者なんですけど・・・」
「なんだ、じゃぁ、2人でくっついちゃえばいいじゃん」
ここで、すずこさん、それは否定したんだけど。 でもねぇ。。。 私も、そこはどうなのよ?・・・って思うんだけどなぁ。
だってさ、サツキと旦那サマとすず太郎は知らないけど、 こんなタイトルつけてるもんねぇ。。。
ま、この件はいずれ、すずこさんに ちゃんと語ってもらわないとね。
私の役目はとりあえずここまで、かな。
2005年04月20日(水) |
宴のあと・・・その2 |
・・・さて、サツキの旦那様のお友達の進行で 2次会、3次会も盛大に盛り上がり、 すずこさんも大満足で宴は終了しました。
「サツキ、今日は楽しかったよ。 今度は新居に招待してね。」
「すずこ、この後、私たちの部屋においでよ ゆっくりしゃべれなかったし」
「え〜?!いいのぉ?!」
「いーのいーの。向こうも友達呼んでるみたいだしさ」
・・・という訳で、いったんホテルにチェックインして 一休みしてからサツキの部屋へご招待となりました。
結局、すずこさんが泊まるホテルはサツキ夫妻の泊まるホテルと 一緒だったのでございます。
約束した時間に、いざ、スイートルームへ行ってみると、 そこにはすでに役者が勢ぞろい。 サツキ夫妻、旦那サマのお友達2人、そしてすず太郎。
「げ・・・、タロちゃん、アンタもいたのか。。。」
「当然じゃ〜ん! この二人がこうしてここにいるのは誰のおかげだと思ってんの!」
すず太郎、これまでの宴会でかなりハイテンション。。。
「すずこ〜。今日はホントにありがとね。 スピーチも、色々暴露されたけどさ、嬉しかったよ!」
ようやく大仕事を終えたサツキに迎え入れられ、 スイートの応接間に案内され・・・ それから、その日いったい何度目かわからない乾杯で最後の宴は 始まりました。 またまた昔話に花が咲き・・・ 日付が変わるころ、旦那サマのお友達は 「俺たちはもうそろそろ行かないと・・・」と、 帰り支度を始めたとき。
「すずちゃん、サツキに写真見せてもらったけどさ、 学生のころって随分パンパンだったんだね〜」
ニコニコしながら旦那サマの鋭い一言。
「まぁ、しょうがないじゃないですか。食べる量が全然違ったもん」 すずこさんも素直に認める。
「そうだね、すずこ痩せたよねぇ、あのころに較べて。」 サツキも同意。
これで済めばよかったのに・・・。
「でしょぉ〜?!抱き心地も全然違うんだよ、コイツ」
・・・。
「ばっ・・・!」 すずちゃん、あわててタロちゃんをけん制・・・するも、時すでに遅し。
「え?!」 サツキの目がまん丸になる。
「あ、キミら、今日一緒に来てたよね。何だ、付き合ってるんだ?」 旦那サマのお友達が間髪入れずに聞いてくる。
「え?!えぇ〜っ?!そうなの?!そうなの、すずこ?!!」 昼間飲めなかった大好きなワインをグビグビ飲んでたサツキが大興奮 ・・・しすぎて、まだ半分以上残ってたボトルをひっくり返す。
「待ちなさいっ!! 違うから! 違いますっ!!!」 すずこも必死。
見事に床に広がったワインを旦那サマのお友達が 一生懸命タオルで拭きながら、 「サツキちゃん、大丈夫かなぁ・・・」と心配そうに見つめつつ、 「じゃ、俺らはこれで帰るから。またこっちに来たら声かけてくれよ」 と部屋を後にしたのでした。
・・・ヤレヤレ。
後に残された4人も、テンションダウン。 ・・・と思っていたら、
「でもさ、さっきの『抱き心地』って・・・?」
攻撃再開。
「あ、それは事実事実!」
すず太郎のテンションも再燃。
べちっっ・・・!!!
すず太郎、すずこさんから2度目のパンチを喰らい。。。
「もう〜っ!すずこ、ちゃんと話してよ。 話すまで部屋から出さないからね。」
「だ〜〜〜っ!!! わかったよ、話すよ。」
酔ったサツキにはどうにも勝てず。 すずこさん、昨夜のいきさつを語るハメになったのです。
こんばんは。冴子です。
・・・確かに。
あれ、すずちゃん?式当日の話はこれだけ?! と、正直思いました。
でも、そのうち付け足すんだろう・・・と思ってました。
・・・が、どうやらアナタ、逃げましたね? 自分じゃ、書きたくなかったのね?
ってことで、ピンチヒッター引き受けます。
式当日、確かに会場に着くまでは、すずこさん、前回書いたとおりで間違ってないです。
でも、式の後のスイートルームでもスルーできない出来事があったんだよね。。。
『ごくごく親しい友人たちと』って、そこにいたのは サツキと旦那さんと旦那さんのお友達と、すずこさん、それにすず太郎・・・。
このメンツで他愛もない昔話で盛り上がって、さぁおしまい、 なんてなるわけないです。
この日もまた、バタバタがありました。
その話は、近々お披露目いたしましょう。
こんばんは。すずこです。
新年度も本格稼動して、
フツーに仕事、忙しいです。。。
多分、そろそろ心配性の冴子が黙っちゃいないと思うので、
この際、この忙しさを理由に、冴子にゴーストライター
依頼します。
冴子、信頼してるからね。
その聡明なアナタの判断で、許容できる範囲で
好きなこと、お書きくださいませ。
結局、車の中で何度暗誦しても、
隣ですず太郎がちゃちゃ入れてくるので、
また、そのちゃちゃがスピーチの新たなネタにも
なりそうなヤツだったりしたんで、いつまでたっても
頭の中はまとまらず・・・
「うぅ〜・・・。もう、いい!
その場で思いついたこと言う!」
と、投げ出した。
「そうそう、その方がいいよ。緊張感あって。」
・・・すず太郎は気楽なモンだよね。
「・・・で?
昨日、突然オレが殴られた理由は話してくれない訳?」
・・・来たか。
「それはすず太郎が最初に殴ってきたからじゃん。」
「あれぇ?そうだっけ?」
・・・とぼけるなよ。
「じゃぁ、なんで泣いた訳?」
「痛かったし。」
「えぇ〜っ!俺が食らったビンタのほうが
よっぽどイタかったと思うけど。」
「だよねぇ〜。そのつもりで殴ったもん。
・・・。
ま、その罪悪感っつーか、何つーか・・・」
「あー。。。それでベッドに寝せてくれたんだ。」
「で、何で気づいたらすずこもベッドで寝てたわけさ?」
「だよねぇ・・・」
「・・・オイ、黙るなよ!」
「酔ってたしねぇ・・・」
「酔って乱れてフトンに潜ってくるほど飲んでなかったっしょ?」
乱れてないやい!!!
「・・・。また泣くぞ。」
「あ・・・逃げやがった。」
「うひゃひゃ。」
「まーま、今日はメデタイ日だしね、
すずこもシアワセいっぱいもらってね、
新しい一歩をだね、
踏み出していかないとねぇ」
「察しがいーじゃん。・・・まぁ、そういうことですよ」
「だてにトシ食ってないからねぇ。。。オレ『ら』って」
「・・・ムカつく!」
「すず太郎は新しい出会いはないのぉ?」
「自分のこと棚に上げてオレに聞くわけ・・・。」
「だってさ〜なかなか聞く機会もないしさ〜」
そんなこともないのだが。。。
このままやられっぱなしは口惜しい。
「出会いはいっぱいあるよ〜。
でもさ、付き合うだのケッコンだの、そーゆーのは
今考えてない」
「ふ〜ん・・・。なんで?」
「仕事も忙しいし・・・、オレはね、一度は身を固めた訳だし。
今んとこ結婚願望は、ない。」
・・・すず太郎、バツ1です。
「でもさ、仕事忙しくて、それだけで満足なの?
ウチ帰って淋しーなーとか、ないの?」
「ないねぇ。。。商売繁盛でバリバリっすよ。
遊ぶ友達、飲む友達は沢山いるしなぁ。
・・・それより、何、すずこ?
淋しーなーとか、思うようになった?」
「前はねぇ・・・思わんかったけどねぇ・・・」
「あ〜。恋しちゃったんだねぇ・・・」
「だねぇ・・・。」
しんみり。
ここでタイミングよく高速を降り、一路、式場へと向かう。
寝坊はしたものの、高速ぶっ飛ばしたおかげで遅刻もせず、
すず太郎のちゃちゃのおかげで、私のスピーチも想像以上のウケをとり、
サツキの結婚式は大満足。
2次会、3次会と続いた後、ごくごく親しい友人たちと
最後はサツキ夫妻のスイートルームで打上げを行い、
大満足の1日でした。
・・・ココロときめくような出会いはなかったけどサ。
フトンに潜り込んだものの・・・
泣いた後遺症は意外に大きく、
アタマが痛くてしばらく寝付けず。
するとまた、色んなことが頭に浮かんできて
なかなか寝付けなかった。
すず太郎への申し訳なさと、
なんで隣にいるのが涼野くんじゃないんだろうっていう
なかばバチ当たりな未練のカタマリと、
でも、ぬくもりを感じていられる居心地の良さと・・・
気がつくと、すず太郎の腕が巻きついてて、
暑くて汗かいてた。
「すず太郎、暑いよ」
そう言って、起き上がる。
・・・!
時計を見たら、1時間寝坊。
「すず太郎〜!寝坊した〜っっ!!!」
あわててシャワーを浴びる。
シャワーから戻ったらすず太郎はまだ爆睡中。。。
「すず太郎〜〜っっ!!!」
「・・・。
まだ大丈夫だよ。間に合うから・・・。」
「いーから起きなさいっ!!!!」
フトンをはがす。
まだモゾモゾしているすず太郎を横目に、
髪の毛を乾かす。
着替えを準備して、化粧して、頭セットして・・・。
そか。
男の子は化粧しないか・・・。
もともとすず太郎は私より1時間遅く起きるつもりだったらしい。
「どうせ向こうで着替えるんだろ?化粧も車の中ですれば?」
「ん〜・・・。」
どうやら、そうするしかないらしい。
バタバタと着替えを用意して、化粧道具持って家を出る。
車の中での化粧は・・・結構恥ずかしかった。
すず太郎が隣で運転してるからじゃなくて、
隣に並んだ車から丸見えだから。
けど、おかげでゆうべの気まずさはどこかへ吹っ飛んでしまった。
「あ〜っっ!!!」
「なになに?どーした?!」
「・・・スピーチのあんちょこ、置いてきちゃった・・・」
何かやらかすと思ってた。
仕方ないので、車の中で思い出しながら、一生懸命暗誦する。
バタバタだヮ。。。
せっかくの日なのに。
サツキの一大イベントと平行して。
すず太郎との約10年ぶりの再会も決行されました。
木曜の夜遅く、すず太郎から2度目の電話あり。
「そーいやさぁ、すずこ、オマエ引越しとかしてないよな?」
「うん、してない。だってココ、便利だもん。」
「そーか、そーか。なら良かった。
じゃぁ、明日、東京着いたらすずこんちのとこに車置いてから
仕事行くから。クライアントのほうも歓迎会が入ってるらしくて
接待なくなりそうだから、仕事終わったら連絡するよ。」
「・・・あのさぁ、タロちゃん?つかぬ事をお伺いしますが・・・。 フツーに宿泊手当てとか出てんでしょ?宿取りなさいよ。」
「・・・あのさぁ、すずこさん?宿代浮けば、酒代が出るんだよ?
タダ飲みできるサ!」
「・・・。おごりなワケ?そーなの?じゃぁ、お店は私が決めていいのね♪」
「・・・。すずちゃ〜ん。」
「知るか・・・!」
こんなやり取りがあり。
金曜日。
5時半の時点で、まだ、連絡ナシ。
「ま、まだ早いか。」
6時半。
「・・・仕事も片付いたし、その辺ブラブラしてるか。」
7時半。
「・・・まだかなぁ。。。」
8時。
「・・・とりあえず、ウチ帰っちゃおっかな。明日の準備もあるし。
近所のバーで飲めばイイや。」
9時。自宅。
自宅脇の空き地にすず太郎のものらしき車が置いてある。
「・・・。ちゃんと仕事には来てんのね。なぁんで連絡ないのよっ!。」
・・・と、ここでようやくこちらからメールしてみる。
「もしもし?接待になったん?ウチに戻ったから。」
9時半。ケータイが鳴る。
「すずこ、ゴメン!!今、仕事終わったから。1時間後には
そっち着くよ。」
・・・1時間後って。明日、何時に出んのよ?!
結局、すず太郎がウチに来たのは11時。
バーは朝までやってるけど、行ったら最後、明日の朝
起きれる自信がないので、ウチで酒盛りすることになった。
「おっ!前はこのソファーなかったよね?」
「そだね。今日のタロちゃんの寝床、ソコだから。」
「え?!マジ?!足半分、出るんですけど・・・。」
「イヤならいーよ、別に。酒代、浮いたんでしょ?
駅前にビジネスホテルあるから、そこ泊まってもらっても。」
「・・・ゴメンなさい。」
ビールと焼酎でとりあえず乾杯して、酒盛りスタート。
昔話に花が咲く。
1時を回りそうになって、そろそろ寝なきゃ明日もキツイな・・・
と思ったころ、いい感じでテンションあがってきてたすず太郎が、一言。
「すずちゃ〜ん、恋してるんだって?」
「・・・え?」
「サツキから聞いてるよ〜。すずこは今、レンアイ中だって。」
「・・・。
そりゃ〜間違いだわ。」
「何だよ〜。今の『間』はぁっ!!!」
バコッ!!と、すず太郎の手がワタシの頭を打つ。
「痛いなぁ〜っ!何すんだよっ!!」
バチッ!!
・・・あ、ヤベ。。。ほっぺたぶっちゃった。
「何だよ、ムキになって・・・」
すず太郎もワタシの反撃にびっくりしたらしい。
ワタシもびっくりした。
酔いが一瞬醒めて、ひるんだすず太郎を見たら、
感情のコントロールが効かなくなった。
じわっ・・・と、涙が出そうになる。
わー!!!ヤバイ!ヤバイよ!
意外と頭の中は冷静にそう思ってたんだけど、思えば思うほど、
涙が出てきて、「くぅ〜・・・!」と、嗚咽交じりになる。
たまらず、タオルを取りに席を立つ。
「すずこ〜、だいじょぶか?悪かったよ、ゴメンな?」
返事も出来ず。
「う〜。。。」とタオルに顔をうずめたまま座り込む。
酔いがさらに回って、頭イタイ。。。
バツが悪くて顔を上げることも出来ない。
嗚咽が収まっても、しばらくそのまま座ってたら、
すず太郎が一人で片づけを始めた。
顔を上げるタイミングを失って、そのまますず太郎が片づけする気配を
感じてた。
「ハイハイ。ごめんな。明日早いし、もう、寝よ。」
「・・・すず太郎はあっち。」
と、顔を上げずにベッドを指差す。
もともとそのつもりだった。私がソファで寝る。
「あ、そう。どうも。」
ここで「イヤ、オレはソファで寝るよ」とか言っても、時間の無駄だと
察したのか、素直にすず太郎も従う。
・・・こんなつもりじゃなかったのにな。
ホントにバツが悪くて、結局すず太郎が先にフトンに入るまで、
動けなかった。
「オヤスミ。先寝るよ。すずこも早く寝なさい。」
「ん〜・・・。オヤスミ」
ようやく顔を上げて動き出す。
ヤバイよ。明日、顔腫れてるよ。
バシャバシャと顔を洗う。
明日起きたら、シャワー浴びなきゃ。
寝坊しないようにしなきゃ。
忘れ物しないようにしなきゃ。
スピーチ、ちゃんと話さなきゃ。。。
。。。
色々考えながら顔を洗ってたら、また涙が出てきた。
「・・・ゴメン、もっとそっち行って。」
結局、この日、タロちゃんと何年か振りで一緒のフトンで寝る。
ごめんね、タロちゃん。明日、車の中で話せたら話すよ。
オヤスミ。
サツキ、おめでとう。
そして、ありがとう。
ホント、良かったよ。
いい式だった。
自分でも、あんなに大泣きするとは思わなかったけど。
ブーケ、ありがと。
そして、メッセージもね。
一生忘れないよ。
大事にするよ。
末永く幸せにね。
厄介なヤツから電話が来た。
・・・エンピツにはこれまで出てきたかな。
・・・出てくるハズないか。
そいつの名は、『すず太郎』。
「すず子?久しぶりぃ〜!
お前さ、週末、こっちに来るんだろ?
サツキの結婚式、出るんだろ?」
・・・!
なんでアンタから電話が?と思ったけど、
・・・もしや?!
「オレもね、新郎側で呼ばれてるんだ。」
・・・オーマイガーッ!!!
サツキと旦那サマは、どこをどう通ったんだか、
すず太郎がらみで知り合ったらしい。
「アイツらもさ〜東京住んでんだから、
東京で式挙げりゃ〜いいのになぁ。
わざわざこっちでやるなんて、律儀ってゆーか、なんつーか。。。」
ソコばかりは、ワタシも同感。
わざわざ式は、旦那サマの地元で行われる。
「で?何の用事?二次会の幹事にでもなってるの?」
「まぁ、それもそうなんだけどね。。。
オレさ、金曜日、東京に出張なんだよね。マイカーで。」
「ふ〜ん。。。 で?」
「土曜日、どーせ午後からっしょ?
おそらく金曜はクライアントの接待入っちゃうんだよね。
でさ〜、そのまま運転して戻るわけにも行かないから・・・
すずこんち、泊め・・・」
「お断りっっっ!!!!!」
「・・・言うと思った。。。
でもさぁ〜、イロイロ考えるとそのほうが都合がいいんだよ」
その後、しばらく、すず太郎の計画が語られる。
「・・・なぁんでワタシがっ!アンタを泊めなきゃなんないのさ?!」
「あ、もしかして、もう新幹線取った?
なんなら乗せてくよ。もちろん交通費タダで」
「うっっ・・・!」
ここで、一瞬詰まってしまったのがマズかった。
この前の旅行ドタキャンのおかげで財布は淋しい。
ところが、サツキとワタシの付き合いだから、ご祝儀はケチれない。
きっと、2次会、3次会・・・と続くだろうし、そのつもりでホテルも
とってある。
しかも、往復のチケットは未だ入手しておらず。。。
きっと、サツキからいくらかの心づけはあるかもしれないけどね。
「まぁ、そういうことだから、金曜は久々にゆっくり語ろうや。」
「どーせ接待でしょ。遅いんでしょ?そんな語るヒマあったら、
寝ろっての!」
「ふ〜ん。寝せてくれるワケね?
ちゃ〜んとおフトン用意してね。」
・・・んなモン、知るか!!!って言おうと思ったけど、
墓穴掘りそうなので、我慢した。
「じゃ、また連絡するわ」
・・・。
すず太郎はクラスメートだった。
名前がね。一文字だけ違うのよ。
「すず太郎」はアダ名だけどね。
う〜ん。。。
まぁ、ちょっとイロイロあったりしたわけサ。
久しぶりだなぁ〜。。。
何年ぶりだろう。。。
!!!
ちょっと待て?!
出張ってことは、フツーに宿取りゃ、手当が出るモンでしょ?!
・・・ちきしょー!
何なんだよ、全く。。。
どういうつもりなんだよ?!
・・・でも、まぁ、いっか。
今度連絡来たら、言ってやろう。。。
ちょっと楽しみだったりしないワケでもない事だしね。
酔っぱらってたのかな。
ヤバイよ、アレ。
夜書く手紙は朝読み直したほうがいい、ってよく言うよね。
ヤバ過ぎです。
素で読み直したら、お尻のアタリがムズムズしました。
やっぱり、自分らしくいかないと、無理が出ます。
う〜ん、こそばいっっっ!!!!!
ごめんなさい。
もう、あんなマネはいたしません。
・・・でもね。
せっかくだから、戒めとして、残しておきましょう。
再び同じ失態を繰り返さないために。
あーーーー、ホント、恥ずかしい。。。
彼女の話を聞いていて、ふと、思う。
「もう、めんどくさい。ぜーんぶ、ナシにしちゃったらラクなのに」
おかれている環境の違いはあっても、どうしても自分とダブらせてしまう。
でも、本当の自分は。
あきらめられない。
どこかにきっと、可能性が残ってると信じてる。
「これじゃ、次に進めない。」
そう、つぶやいてみても、相変わらず『可能性』にこだわり続ける。
わかったフリをして、
「前と何が変わったって言うの?
これじゃ、あんなに疎ましいと思ってたあの娘と何も変わりないじゃん
『自分は違う』、と思ってたんじゃないの?」
と、自問しても、何かを待ち続けてる。
現実は。
何も起こらない。
ケータイも鳴らない。
鳴らないケータイを握り締めて、
スケジュール帳は空欄のまま。
「今日こそは」という期待を抱きながら、
当てもなく、時間を過ごす。
その繰り返し。
これに何のイミがあるの?
そう。
やっと、それに気づき始めた。
だからカミングアウト。
「コタエラレナイ」って言われても、
自分の気持ちの整理がつくまでは
もう少しだけ、ウダウダさせてください。
気持ちの整理がつくまでは、
まだ今までどおりのウダウダを続けさせてください。
時間がたてば、きっと、自分なりの答えを見つけられると思うから。
それがどういう結果であれ。
納得のいかないまま、無理矢理次には進みたくないので。
無理矢理進んじゃったら、きっとまた、今まで以上に
自分を見失ってしまうので。
メールもらうの、1ヶ月早すぎたよ。
|