すず子さんのボヤキ。
モクジ|カコ|ミライ
厄介なヤツから電話が来た。
・・・エンピツにはこれまで出てきたかな。
・・・出てくるハズないか。
そいつの名は、『すず太郎』。
「すず子?久しぶりぃ〜!
お前さ、週末、こっちに来るんだろ?
サツキの結婚式、出るんだろ?」
・・・!
なんでアンタから電話が?と思ったけど、
・・・もしや?!
「オレもね、新郎側で呼ばれてるんだ。」
・・・オーマイガーッ!!!
サツキと旦那サマは、どこをどう通ったんだか、
すず太郎がらみで知り合ったらしい。
「アイツらもさ〜東京住んでんだから、
東京で式挙げりゃ〜いいのになぁ。
わざわざこっちでやるなんて、律儀ってゆーか、なんつーか。。。」
ソコばかりは、ワタシも同感。
わざわざ式は、旦那サマの地元で行われる。
「で?何の用事?二次会の幹事にでもなってるの?」
「まぁ、それもそうなんだけどね。。。
オレさ、金曜日、東京に出張なんだよね。マイカーで。」
「ふ〜ん。。。 で?」
「土曜日、どーせ午後からっしょ?
おそらく金曜はクライアントの接待入っちゃうんだよね。
でさ〜、そのまま運転して戻るわけにも行かないから・・・
すずこんち、泊め・・・」
「お断りっっっ!!!!!」
「・・・言うと思った。。。
でもさぁ〜、イロイロ考えるとそのほうが都合がいいんだよ」
その後、しばらく、すず太郎の計画が語られる。
「・・・なぁんでワタシがっ!アンタを泊めなきゃなんないのさ?!」
「あ、もしかして、もう新幹線取った?
なんなら乗せてくよ。もちろん交通費タダで」
「うっっ・・・!」
ここで、一瞬詰まってしまったのがマズかった。
この前の旅行ドタキャンのおかげで財布は淋しい。
ところが、サツキとワタシの付き合いだから、ご祝儀はケチれない。
きっと、2次会、3次会・・・と続くだろうし、そのつもりでホテルも
とってある。
しかも、往復のチケットは未だ入手しておらず。。。
きっと、サツキからいくらかの心づけはあるかもしれないけどね。
「まぁ、そういうことだから、金曜は久々にゆっくり語ろうや。」
「どーせ接待でしょ。遅いんでしょ?そんな語るヒマあったら、
寝ろっての!」
「ふ〜ん。寝せてくれるワケね?
ちゃ〜んとおフトン用意してね。」
・・・んなモン、知るか!!!って言おうと思ったけど、
墓穴掘りそうなので、我慢した。
「じゃ、また連絡するわ」
・・・。
すず太郎はクラスメートだった。
名前がね。一文字だけ違うのよ。
「すず太郎」はアダ名だけどね。
う〜ん。。。
まぁ、ちょっとイロイロあったりしたわけサ。
久しぶりだなぁ〜。。。
何年ぶりだろう。。。
!!!
ちょっと待て?!
出張ってことは、フツーに宿取りゃ、手当が出るモンでしょ?!
・・・ちきしょー!
何なんだよ、全く。。。
どういうつもりなんだよ?!
・・・でも、まぁ、いっか。
今度連絡来たら、言ってやろう。。。
ちょっと楽しみだったりしないワケでもない事だしね。
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