夫、出勤の土曜日。今日は午前中に掃除や買い物を済ませ、中断していた「あるもの」の製作に着手した。
前の冬は「苦手なものを克服する冬」にしたいと、編み物に挑戦した。結局のところマフラーだの帽子だのといった簡単な小物を作っただけに終わってしまったが、それでも家族や友人のための小物を幾つか編み上げることが出来たので、編み物シーズンが終わった時に「次は針仕事に挑戦しよう」と材料を買っていたのだけれど、とたん妊娠が分かり悪阻でそれどころではなく、今日までずっと材料のまま中断していたのだ。
私は「雑巾縫いとボタン付け以外の針仕事は全部外注に出す」と心に決めていたくらい針仕事が大嫌いなのだけど、編み物が上手くいったので少し自信がついたみたい。編み物の時の要領でいきなり大作に挑むのではなく、猿でも作れそうな簡単なものからのスタート。夫が独身時代から使っていて、妊娠して身体がしんどくなってからは私が愛用している「座椅子」にカバーを作ることに。
座椅子カバーと言っても、布の三方を真っ直ぐ縫って、スナップを付けて、レースをちょびっと縫い付けただけの簡単仕様。我が家にはミシンなんて洒落たものがない(第一、あったとしても使いこなせない)ので、居間のちゃぶ台に陣取って、ひたすらチクチクと針を動かしていた。
お裁縫の好きな女子小学生よりも下手くそな縫い目に涙を禁じえなかったが、なんとか最後まで仕上げることが出来た。袋状ににして裏返してあるから縫い目の粗さは分からない。見る人が見れば無惨なものだと思うのだけど「ちょっと、いいかも」と自画自賛。この調子で、いくつか小物を作りたいなぁ……なんて思っている。少し上達して夏に仕事を辞めたら、生まれてくる子供のものを作ってみるのも良いかも知れない。
仕事を辞めたら、しばらくは専業主婦生活。ずっと家にいるのであれば家の仕事を出来るだけ楽しくこなせるようになっておきたい。料理しかり。掃除しかり。「良い妻」とか「良い母」になりたい…という以前に自分が楽しく暮らしていくために。専業主婦の生活って想像もつかないけれど、外に出て働く以上に「自分自身」をちゃんと持っていないと崩れてしまうんじゃないかなぁ……と思う。
専業主婦になるべく、自分の意識とポジションを少しずつ移行していこうと模索中。
今日はこれから義兄宅へ出掛ける。夫とは義兄宅で合流して、義母を交えて食事会。食事会も楽しみだし、入魂の座椅子カバーを夫に見てもらうのも楽しみ。そろそろ出掛ける準備をせねばなぁ……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。
私にもようやく母親らしい気持ちが芽生えてきたようだ。
今日は検診日。夫を送り出し今度こそ性別が分かるかも」とて浮き浮きと病院へ。近頃は出産出来る病院が少ないらしくて受付には「1月に出産予定の方の予約は終了しました」との張り紙があった。うっかり、発見が遅れちゃって近くの病院で出産出来ない人もいるだろうなぁ……なんてことを思いつつ、待合室でじっと待機。
もうエコーを見せてもらうのは何度目かになるのだけれど、いままでは「これが頭です」とか「背中ですね」とか説明されても「はぁ…」と気の無い返事しか出来なかったのだが、今回はお腹の子も随分と人間らしくなっていて「手」とか「背骨」とか素人目にもハッキリ分かった。お腹の子が自分の手を口に持っていく瞬間を見たときには「あぁ…なんて可愛らしい」と胸がキュルルンとしてしまった。ちょっと前までは「子供が授かったのは嬉しいけれど妊娠って、しんどいばっかりで大変だなぁ」と思っていたのに、俄然楽しくなってきた。
主治医は「元気に動いているし順調ですね」と診察を終えようとするので「性別、分かりますか?」と聞いてみた。主治医は待ってましたとばかりに「聞きたいの?」ときたもんだ。生まれるまでのお楽しみにする人もいるだろうが、私は断然聞きたい派。「聞きたいです!」と詰め寄るの巻。
「たぶん男の子だね」とのこと。
男の子でも女の子でも、どちらでも良いと思っていたけれど、性別が分かるとテンションも上がるようで「うひゃぁ」と喜びと驚きともつかぬ声を上げてしまった。男の子のお母さんかぁ……。私も「男の子は愛想無くてツマラナイわ」とか「男の子って嵩ばっかり高くてねぇ」なんて月並みな自慢とも愚痴ともつかぬ事を言うのだろうか。楽しみでしょうがない。
夫とは「性別なんて、どちらでも良いね。どちらでも可愛いだろうし」と話をしていたのだけど、義母は男の子を熱望していたので、そういう意味では良かったなぁ……と思った。義母に電話で報告した時の喜びようと言ったら。孫夢中のお婆ちゃんになりそうな予感。
性別はともかくとして、母子共に順調ってのが何より嬉しい。このままスクスクと育ってくれて私も元気で出産出来たらいいなぁ。しんどい事も多いけど、お腹の子が元気で出てきてくれるよう努力を続けていきたいなぁ……なんて決意を新たにしつつ今日の日記はこれにてオシマイ。
夫とは1つのベッドで眠っている。
なんのきっかけで、そうしようと思ったのかは忘れてしまったけれど夫が「眠いのに寝れない」感じだったので、子供の頃、乙女な母がそうしてくれたように低い声で昔話などを語ってきかせた。定番物の「桃太郎」では芸が無いので、夫が主人公のデタラメ即興の昔話。
むか〜し、むかし。あるところに……○○という働き者がおりました……
「昔話で眠くなる」なんてのは子供だましだろうと思っていたのだけれど、どうやら大人にも聞くらしい。夫はスヤスヤ寝入ってしまった。人の話を聞きながら眠るなんて変だなぁ……と思うけれど「相手を寝かしつけよう」として聞かせるお話は、楽しませようとして聞かせるお話とは微妙に違う。言葉がやさしい感じだったり、いささか単調な繰り返しが入ったり。あの様式は昔から脈々と受け継がれるお母さん達の知恵なのかも知れない。
夫の寝顔を見ながら、お腹の子供が生まれたら寝床で絵本を読んだり、昔話を聞かせたりするのかなぁ……なんてことを想像して楽しくなってしまった。私も晴れて母親になったらば。かつて、愚弟にしてやったのとは、ひと味違う気持ちで絵本を読んだりするのだろうか。いまいちピンとこないのだけど、慌てなくてもそんな日が来るのだろうなぁ。
ちなみに。目覚めた夫は「話の途中で眠くなった」のは覚えていたけれど「昔話風の物語を聞いていた」のは覚えていなかった。なかなかの傑作だったのに残念である。また気が向いた時に別のお話を聞かせるチャンスもあるだろう。
まだまだ母親の自覚も何も無いのだけれど、胎動を実感するようになって、ちょっと張り合いが出来た。今までは「本当にいるのかなぁ?」と半信半疑だったのだけど。今週末は検診日。今度こそ性別が分かると嬉しいんだけどなぁ……なんてことを思いつつ、今日の日記はこれにてオシマイ。
昨日は夫と夜のお散歩に出掛けた。
早めの夕食を済ませた後、なんとなく時間を持て余していたら夫が「今日は涼しいし散歩でも行こうか」というので連れ立って出掛けることに。何の目的も無く歩くのもなぁ……って事で、夕食のおかずとして作った牛すじ肉と牛蒡の甘煮をタッパーに詰めて、実家へお裾分け。乙女な母と小太郎(実家のワンコ)のご機嫌伺いなど。不意の訪問に乙女な母は上機嫌。乙女な母の初孫フィーバーは現在進行形のようで、大きくなったお腹を満足げに眺める様子が印象的だった。
実家をおいとました後は田舎道を歩いて少し遠いドラッグストアへ出向いた。私の住んでいる市は、まだまだ田んぼや畑が多い。田んぼはそろそろ田植えの準備が始まっているらしくて、もう水が張っていた。蛙の声を聞きながら夫と想い出話など。田んぼの水面に映る月の光が美しかった。
ドラッグストアで台所用洗剤を買い、住宅街を抜けて自宅に向かった。夕食時の住宅街を歩くのって、ちょっと楽しい。昨夜は窓を開け放しているお宅が多くて、あちらこちらの家から夕食のいい匂いが漂ってきたり、テレビの音や話声が聞こえてきたり。お風呂の小窓から湯気が上がっている家があれば、子供が叱られている声が聞こえたり。それぞれの家で当たり前の生活が営まれているのを遠巻きに眺めながら、当たり前の光景があるって幸せなことなのだなぁ……なんてことを思った。
今日は近くのスーパーで買い物をした以外は1日家でのんびり。家にいたのに電話の多い日で6月の休日の予定が、あれよあれよと言う間に決まっていった。次の週末は義兄一家と義母とで焼肉を食べに行く予定。もともと肉より魚派だったのに、悪阻が終わってからは肉派になっているので、今から楽しみでならない。明日からまた1週間がスタート。ぼちほち頑張ろう……って事で、今日の日記はこれにてオシマイ。
今日は午後から工務店の人が階段手摺を付けにきてくれた。
営業さんと一緒にやって来た職人さんは60代と思しき男性。浅黒く焼けた肌と引き締まった体が印象的な人だった。柱の位置等を確認した後、私の身長にあわせた位置に手摺を付けてくれた。簡単な工事だったので、作業時間は1時間弱。アッっと言う間に手摺が付いた。我が家は狭小住宅で階段がとても急なのだ。お腹がますます大きくなって、足元が見えなくなった時に、階段手摺は役立ってれるだろうと思う。
作業後、お茶を出した際に少しばかり職人さんと世間話など。最近、彼は住宅に手摺ばかり付けているとのこと。お年を召して身体が不自由になった人のいる御宅が多いのだとか。ひと口で玄関先に付ける手摺りといっても、かなり種類があるようで「プロの仕事って違うなぁ」と思わせてくれるような話が聞けて興味深かった。「人間、不自由にならないと分からないことがあるからねぇ」と職人さん談。たかが手摺…されど手摺。
それにしても自分の仕事に誇りを持って職人さんって素敵だなぁ……と思う。勤め人のように定年退職が無いのも羨ましい。体力と気力のあるうちは現役で働き続けられるって素晴らしいことだと思う。もちろん年齢を重ねることで出来ない仕事なども出てくるだろうけれど、仕事の調整も自分の裁量のうちなのだろう。きっと、今日来てくれた職人さんも若い頃は第一線でハードに働いておられたのだと思う。
今日は良い職人さんに仕事をしてもらえて良かった。仕事上でも職人さんと係わる事が多いので、感じるのだけど良い職人さんって、腕前もさることながら「何か違う」と思わせてくれるものがある。その違いが何なのかは私には分からない。だけど確実に「何か」が違うのだ。
階段の手摺を見るにつけ、彼のことを思い出すのだろうなぁ……なんて事を考えながら今日の日記はこれにてオシマイ。
何年かぶりに
ハウスのプリンを作ってみた。お鍋にプリンの素と牛乳を入れて煮立てたものを、型に入れて冷蔵庫で冷やして食べる、アレである。
今週、夫は仕事が忙しくお疲れのご様子。しかも夜勤週間ということで生活リズムが乱れているため、疲れもさらに倍増という印象。何か元気をつけてあげたいなぁ……とて作ってみたのがハウスのプリン。夫は甘い物が大好きなので、きっと喜んでくれるだろうと。昨夜、夫を送り出して夕食の仕度をした後で、プリンを仕込んだ。スーパーで買ったプリンの素は138円。牛乳代とガス代がいるといっても4つ分のプリンが出来るのだから、安上がりなデザートだ。
そして今日。食後プリンを出してみた。夫の喜びっぷりったらなかった。「ありがとう。そうそう、この味! カラメルがザラザラしてるよね」とて、こちらが恐縮するほどに喜んでくれた。実際、何年かぶりに食べたハウスのプリンは美味だった。夫はご機嫌でプリンを食べて、夜勤週間最後のお勤めに出掛けて行った。
だけど「味」だけで言うならハウスのプリンは、それほど美味しいものではないと思う。ちゃんとした洋菓子屋さんのプリンの方が美味しいに決まっているし、そこまでいかずとも、コンビニプリンだってかなり美味しい。「プリン」と名前が付いてるけれど、粉と牛乳で作った「プリン風デザート」が本気のプリンに勝てる訳がないのだ。
だけど美味しいのだなぁハウスのプリンって。あれは、想い出込みの美味しさなのだろうか? 子供の頃、母親に作ってもらった記憶があるから美味しいのかも知れない。それとも、単にあのチープな甘味が美味しいのかも知れない。日清のUFO焼きソバは、本物の焼きソバとは似ても似つかない代物だけど「あれは、あれで美味しい」と感じるみたいに。
とにかく、夫が喜んでくれて嬉しかった。かく言う私も1週間が終わって少々草臥れ気味。明日は午後から工務店の人が来て、階段に手摺りを付けてくれる予定になっているけれど、それ以外はのんびりと過ごそうと思う。良い週末になるといいな……って事で、今日の日記はこれにてオシマイ。