妊娠したので夏頃には仕事を辞める予定でいる。
派遣社員には産休だの育児休暇だのという制度が無いので、妊娠したら当然ながら仕事は辞めざるを得ない。「今まで働き続けてきたのに勿体無いなぁ」と思う部分もあるけれど、もしも正社員として雇用されていたとしても、子育てをしながら今の仕事は続けられないだろうと思う。精神的にも身体的にも、子育てをしながら今の仕事を続ける自信なんて、どこを探しても見つからないのだから。
卒業してから十数年働いてきたのだけれど、今の職種についてからは通算8年。「自分のやりたい仕事に就きたかったんです」なんて明るい理由で転職した訳ではなく「事務職よりも金銭的に恵まれていたから」という理由だけで選んだ職種で8年もご飯を食べるとは思ってもみなかった。長い目で見ると派遣社員ってのは正社員に較べて、色々と不利な面が多いのだけど、1円でもお金が欲しいと思っていた時期を乗り切れたのは、今の仕事のおかげで。ガッツリ働いていた時は、20代でけっこうな報酬を得ていたのだ。正直、転職していなければ水商売に手を出していたと思う。それくらい当時は大変だった。
そんな事情から手を染めた仕事なので「働くのはお金を得るため」と言う割り切りがあったはずなのに、いざ仕事を辞めてしまうとなると「残念だなぁ」とか「寂しいなぁ」という気持ちで一杯になってしまう。
一応、技術職なので「手に職がある人はいいねぇ。子育てが落ち着いたら復帰出来るし」と言われるが、現実問題として考えるだに1度手放したらもう2度とは戻れないだろうと思う。それくらい技術の進歩は早い。実際に、出産して仕事から離れた同業者達は口を揃えて「もう戻るのは無理」と言っている。
仕事を手放してしまうことに「惜しい」と思う気持ちが無いと言えば嘘になってしまうけれど、本当にお金や仕事が必要になったらその時はまた何かがまわってくるだろうと思っているので、しばらくは子育てに専念したいと思う。出産後、早い時期なら赤ん坊を保育所に預けて職場復帰も可能だろうけど、金銭的な事情でも無い限り、子供と一緒にいられる短い時期に仕事をするのは勿体無いような気がするのだ。
専業主婦生活なんて経験が無いだけに想像もつかないのだけど、この夏以降は家事と子育てを自分の仕事にしていくつもり。家にいるのが向かなくて、赤ん坊を保育所に預けて社会に戻ってしまう……なんて可能性も否定出来ないけれど、専業主婦って私には案外向いているんじゃないかな…と漠然と思っている。
そんな訳で夏には生活が一変する。私にとっては結婚よりもずっと大きな変化かも知れない。どんな風に生活していくのか楽しみだなぁ……って事で、今日の日記はこれにてオシマイ。
ようやく風邪が完治した……なんて書いてしまうと、たった一行で終了してしまうが、今回の風邪はいつもより少し大変だった。。
先週は妊娠が分かって周囲から「妊娠おめでとう。大切な時期だから無理しないでね」と祝ってもらったのに、いきなりの風邪。しかも高熱。流石にちょっぴり凹んでしまった。昨年は秋から3度目の風邪ってことで夫に申し訳ない…と言う思いもあったし、何よりもお腹の子に申し訳ない気持ちで一杯だった。母体が風邪をひいても影響はないらしい…とは分かっていても「やっぱり居心地悪いだろうなぁ」と思うだに「どうして、もっと慎重になれなかったんだろう」と後悔しきり。
しかしながら凹んでいても風邪は治らないので、お腹の子には「残念だけどお母さんは、常に居心地の良い環境を提供してあげられない。頑張って早く直すから、あなたもしっかりお母さんにしがみついていなさい」と言い聞かして、自力で治すことに。病院へ行けば胎児に影響のない薬を出してくれるとのことだけど抵抗力の落ちている時期にこれ以上余病を貰いたくなかったのだ。
修行のようにスポーツドリンクを飲み、いつも以上にガッツリ食事。ここのところ悪阻で食事が苦痛だったのに、風邪をひいている間は悪阻が収まっていたのが不思議である。「治したい」一心だったからか、お腹の子の後押しなのか、それとも単純に風邪の症状が悪阻に勝っていたからか。たぶん風邪の症状が勝っていただけだとは思うのだけど、ちょっとラッキーだった。スポーツドリンクをがぶ飲みしても熱に水分を奪われてしまうせいか、汗もかかなければ、トイレにも行かない状態が続いて参ってしまったが、努力が実を結びなんとか回復。思っていたよりも早く治ってホッっとした。
妊娠生活のスタートからいきなり躓いてしまったけれど、その分「妊娠中は無理しちゃいけないんだ」って事を身に染みて感じた。以後気をつけようと思う。風邪の間は悪阻が収まっていたので「もしかして、これを期に悪阻卒業しちゃったりして?」とお気楽に考えていたら、風邪が治ったとたんに悪阻も復活。そうそう都合の良い話は無いらしい。
今回もまた夫には迷惑をかけてしまった訳だけど、嫌な顔せず引き受けてくれたので本当に助かった。家族がダウンすると元気な人がいつもより頑張らなくちゃいけない…ってことは私自身、うんざりするほど味わっているので、申し訳ないやら、ありがたいやら。夫には本当に感謝している。
風邪が治って外に出たら白い木蓮の花が1つ2つ咲いていた。先週、東京の友人が「木蓮の花が咲いたよ」と教えてくれたけれど、私の住んでいる場所はまだ咲いていなかったのだ。ちょっと嬉しかった。来年の今頃は赤ん坊を抱いて、あの白い花を見上げるのだなぁ……と思うと感慨深いものがある。そんなこんなで風邪の顛末を書いてみたところで、今日の日記はこれにてオシマイ。