新婚生活初日。初日記。独身生活最後の日〜披露宴の覚書など。
独身最後の日はケジメとして母に挨拶をしなくちゃ……と思い、あらたまって話を切り出そうとしたのだけれど、乙女な母はそういうノリが嫌だったらしい。「結婚しても、こんなに近いんだし…」なんてことを言い始めたので話の半ばで軌道修正。「子供が1人巣立ったことだし、これからは自分が楽しむことに力を入れてね」と前もって準備していた指輪を渡した。乙女な母のツボにヒットしたらしく、いたく喜んでくれた。夜は馴染の小料理屋さんで外食。最後の晩餐くらいは乙女な母が手料理を振舞ってくれるかな……なんて思っていたけど、まぁ、ある意味において我が家らしい晩餐だと言えなくもなく。
結婚式当日は朝から恐ろしい寒さだった。総勢26名の小規模な披露宴は、私の友人の3名を除けば全員親戚縁者。恐ろしく年齢層の高い宴となった。親戚ばかりだし、地味な宴会になるのかなぁ…と思っていたが、以外と楽しかった。始終笑いっぱなしで、東京から来てくれたFからは「白蓮、笑い過ぎ」と言われる。心配していた料理の味も、まずまずだったのでホッっとした。「何もしないけど、食事だけは美味しく食べてもらいたいね」と思っていたので何より。
披露宴の定番である「娘から母への手紙」も披露した。「たぶん泣けないだろうし、泣かずに淡々と手紙を読む花嫁って感じ悪いよなぁ…」とて司会者に手紙を読んでもらったのは大正解。挙式から披露宴の間、一滴の涙もこぼれることなく、最初から最後まで笑ってばかりいたように思う。
披露宴の後は「二次会」しないし、「素敵なホテルのスィートルームで一泊」なんて行事もせずに真っ直ぐ新居へ。新居の玄関先に『笑っていいとも』なんかに贈られるような生花のスタンドが置かれていたのに度肝を抜かれた。友人達からの贈り物。こんな花を貰うのは最初で最後じゃないかなぁ。素敵な演出をしてくれた友人達に感謝。夕食は夫と2人でモツ鍋など。
そして今朝は朝イチから生花スタンドの花を花瓶に活けかえた。花瓶5つ分の大容量。今まで生きてきて、1度にこれほど沢山の花を捌くのは初体験。花好きの私にとっては幸せ過ぎる時間だった。食卓に花。窓辺に花。玄関に花。外は寒いけれど、春が来たような賑やかさである。
新婚初日の朝食は、朝昼兼用でホットケーキを焼いた。ホットケーキが好きな夫を吃驚させようと思って、事前にホットケーキミックスを買っていたのに、すでに夫はホットケーキミックスの存在を知っていた。もっと上手い場所隠せば良かったなぁ…と思ったが、ホットケーキは美味しかった。
来週の職場復帰まで、のんびり過ごそうと思う。披露宴が無事に済んで良かったという気持ちと、祝福してくれた人達に感謝する気持ちで一杯である。そして「あぁ…これで結婚式関連の雑事から解放される!」という気持ちがあるのも付け加えておかねばならない。「遠足は家へ帰るまでが遠足です」ではないけれど「結婚式は内祝いを贈るまでが結婚式です」と言うのが、私と夫の合言葉。しかしながら、まずは目出度い……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。
2006年02月04日(土) |
さようなら、マイ・サンクチュアリ! |
今日は朝から新居に整理ダンスがやってくる。長年愛用していた整理ダンスが曲がり階段を通らずに、慌てて買いに走った整理ダンスは「ものすごく好き」って品物では無いのだけれど、他の物では寸法が折り合わなかったので妥協することに。気に入らない部分も使っているうちに馴染んでくるだろう。
明日はいよいよ結婚式。整理ダンスの搬入確認と荷物の片付けついでに、愛用のPCも運び込むつもり。今夜くらいはネット遊びをしないで家族と時間を過ごそうと思っている。夫も「最後の夜は家族水入らずで過ごすといいよ」と言ってくれているし。
今、暮らしている長屋は私が生まれ育った家ではない。居住年数は7年くらい。だけど、何かと波乱の多い時期に暮らしていたので、ちょっとした特別感が。板貼りの4畳半の台所の隅っこを「マイ・サンクチュアリ」と定めて、ノートPCに向かいセコセコと色々なことを書き散らしてきた。もう、2度と元には戻りたくないとは思うけれど、愛着があるのも事実だ。
やはり今夜か明日の朝は乙女な母と愚弟に改まった挨拶をした方がいいんだろうか? 乙女な母にはちょっとしたプレゼント(彼女は身を飾るのが好きなので指輪を買った)を用意しているのだけど、なんと言って渡したものか。
今夜はきっと眠れないと思う……って。安眠していたら大笑いだけど。
さてと。そろそろPCを落として、残った荷物でも片付けようかな。次の日記は新居からの予定。結婚式の様子などをご報告出来ればと。「面倒臭い。もう嫌だぁ」と散々ウンザリしながら結婚式の準備をした訳だが、面倒なことを頑張ったのだから当日は楽しんでこようと思う。ではでは、そんなこんなで今日の日記はこれにてオシマイ。
結婚式を明後日に控え、やっと身辺が落ち着いてきた。
今日は結婚式場へ出掛けて最終打ち合わせ。美容室で衣装だの小物だのの確認をしていたら「爪の手入れをしてくださいね」と釘を刺された。私はマネキュアはしない主義。なので、突然「当日はマネキュアを塗ってきてください」と言われたからって上手く出来るはずもなく。仕方がないので、美容室のお姉さんにお願いした。切り取り線で切り取られた爪は美しく磨かれ、マネキュアを塗られ、左手の薬指には可愛らしいお花まで描かれた。爪を美しくするのも悪くないなぁ……とは思ったが、帰宅してあれこれ用事をしていたら、1日も経たないうちに無惨な姿に。ネイルアートってヤツは家事活動には不向きだってことを知った。
今日は友人からお祝いのトースターが届いた。バーバパパのキャラクターの焼き色が付くトースターは私がリクエストしたものである。夫もいたく気に入ったらしくアニメのバーバパパの歌を歌い出したので私も一緒に歌った。2人ともバーバパパの歌が歌える世代である。
今日まで親戚、友人、知人から沢山のお祝いの品や、お祝いの言葉を戴いた。夫から「ちょっと数が凄すぎない?」と言われるほどに。実際のところ、私は決して友人の数が多い訳ぢゃない。仲の良い人は、ものすごく仲が良くしてると思うのだけど。心から祝ってくれる人が周囲にいるのは、感謝しなくちゃいけないなぁ。お返しなんて出来やしないが、目一杯幸せになって「こんな風に暮らしています」と報告したいと思う。
自分の気持ちを表現することに妥協したり、いい加減なことをしたりしちゃいけないなぁ。その方法が「物」であっても「言葉」であっても「行為」であっても。自分のことが、いっぱい・いっぱいの時ってのは、自分以外のことは、おざなりにしがちだけど。面倒がらずに大事にしよう。
明日はいよいよ今の家族と生活する最後の1日。何が出来るって、ものではないけど、気持ちの良い1日にしたいなぁ……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。
私。本日をもってメデタク人妻となりました。
朝イチで夜勤明けの夫に「昨夜はちっとも眠れなかったよ。遠足前の小学生…って感じかな」なんてことを話しつつ、私の運転する自動車で市役所へ出掛けた。朝が早かったせいか待ち時間無しで窓口へ。可愛いお姉さんに促されて鞄から必要書類を出そうとしたら……肝心の婚姻届が入っていないではないか。「ゴメン……持ってくるの忘れちゃったみたい」と夫に謝り、受付のお姉さんに謝り、自宅へ引き返す羽目に。
いくらウッカリ者だと言っても、ちょっとこれは酷すぎる。ウッカリにもほどがあると言うか、なんと言うか。言い訳の余地さえ無かった。「鞄に入れ忘れた」とか言う可愛らしい物でなく「何がどうなっているのかサッパリ分かりません」てなレベルの惚けよう。我ながら「やっちまった…」と頭を抱えた。一世一代の大事件になんてこったい。人として失格過ぎる……。
夫が「遠足の前の晩なのにリュックサックの確認はしなかったの?」と聞くので「ごめん。バナナがオヤツに入るか入らないか考えていたら、夜が明けちゃってねぇ…」などとツマラナイ返しをしてみた。夫が、こういう失敗にキレるタイプぢゃなくて良かった……と心から思った。むしろかなり面白がっていたらしく、助手席に座って替え歌を歌いはじめる始末。
♪結婚しようと 役所へ 出掛けたら 届けを 忘れる 愉快な白蓮
↑『サザエさん』のOPのメロディーで。
2人して、ずっと笑いっぱなしだった。寝不足の夫には悪いことをしたとは思ったが、おかげで忘れ難いスタートとなった。おかげで「あぁ…私って人妻になったのね」と言うような感慨も感動もなく笑いに包まれた入籍となった。ある意味において私達らしいスタートだと言っても良いのかも知れない。
午後からは書類関係の改姓手続きなど。銀行、郵便局、保険、クレジットカード、免許証など、あちことを1日で周ったものだからグッタリ草臥れてしまった。当然ながら新しい姓には慣れていないし、新居の住所や電話番号も覚えていないので必要以上にエネルギーを消耗した気がする。
まぁ、そんなこんなでお笑い草な1日だったが、無事に入籍が済んで良かった。私のウッカリぶりに夫は「これからの人生、楽しくなるような予感がする」と言っていたが、これって蓼喰う虫も…とか言うヤツだろうか。
明日は結婚式場へ最終確認へ行ってくる。雑事が片付いてきて、やっと気持ち的に楽になってきた。「見て。あれがダラダラ日和の星よ!」と、少し先のダラダラ生活を夢見ながら今日の日記はこれにてオシマイ。
今日は朝から雨だった。新生活の滑り出しだというのに、なんてこったい……なんてことを思う間も無く引越し開始。引越し屋さんが予定より早く到着したので、まだ残っているミルクティをゴキュゴキュと雄々しく飲み干し、作業員さんに荷物の説明など。引越しは得意だし、荷物が少ないので簡単に終わっちゃうんだろうなぁ……と思っていたが、実際に笑っちゃうほど簡単だった。
午前8時半開始。午前9時半終了。
引越しのSは仕事が丁寧なので気に入っている。前回の引越しで好印象だったので、今回もお願いしたのだけれど、満足のいく仕事っぷりだった。おおむねスムーズな引越しだったが、ちょっとショックなことも。子供の頃から使っていた整理ダンスを2階に運ぶことが出来なかったのだ。そんなに立派な家具ではないのだけれど、強引な曲がり階段に進入を阻まれたのだ。原因は前の住人が行った強引なリフォームだと思われる。窓から入れようにも、道路面の窓が小さくて、それも出来ないなんて不幸過ぎる。偶然にも作業してくれた人達は前の住人の引越しの際にも仕事をしていて、搬出の際にタンスを壊して出した……という話をしてくれた。
経費節減のために自分が使っていたタンスを修理して、自ら丁寧に磨いて使う気満々だっただけに、ガッカリしたことこの上なかった。作業員さんが「途中で分割するタイプの整理ダンスなら搬入できますよ」と教えてくれた。引越し屋さんが帰った後で、廃棄物処理業者に電話をして整理ダンスを引き取ってもらい、荷物をあらかた片付けて、地元の家具屋へ整理ダンスを買いに出掛けた。携帯で写真を撮って未来の夫と相談の上、購入を決める。予定外の散財だったが、今週中には落ち着きそうなので良しとしよう。
荷造りの際、かなり丁寧に分類&梱包したので荷解きは楽勝だった。和室の6畳間に本棚を2つ並べて、私の本と未来の夫の漫画を並べたら、居間がグッっと良くなった。コタツと本とテレビのある居心地の良い空間の出来上がりである。
大仕事が片付いて心底ホッっとした。思えばバタバタ生活ももうすぐオシマイ。結婚に関わる雑事は体力的にしんどくて、まったくウンザリだったけれど、未来の夫と諍うことなく進めてこれたのは良かったと思う。結婚準備期間にケンカをしたり、相手にガッカリしたりするカップルもいると聞くけれど、未来の夫とは「おお。同志よ!」と肩を抱き合いたいような、恋愛とかそういう類の感情ではない絆を感じるようになった。こういうのって大切だなぁ……と思う。
明日はいよいよ入籍。感慨深いものがある。結婚式や披露宴は対外的な儀式に過ぎないけれど、婚姻届を提出して、入籍するということは法律に乗っ取った約束ごとだもの。誠実な妻でありたいと思うし、誠実な夫でいて欲しいと思う。共白髪まで連れ添えるかどうかなんて分からないけれど、そうなると良いなぁ……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。