白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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引越し先 白い木蓮の花の下で


2005年10月31日(月) ホッっとしました。

昨日は飛び込み自殺現場&血みどろの人を目撃して、思いの他ダメージを受けたらしく、夜中は見事にうなされた。悪夢を見たのは覚えているので「もしかして寝言とか言ってたかもなぁ……」と思っていたらば、危惧した通り大騒ぎしていたらしい。乙女な母から「ふえ〜っ。ふえ〜っ」と長い時間唸っていたと聞かされた。

自分自身、こんなにショックを受けたってことに不甲斐ないやら、情けないやら。だが「あんな場面を目撃したら、誰だってそう思うさ。そうさ。それで当たり前さ!」と開き直って出勤。だが寝不足と疲れで、調子が出ないまま1日が終わってしまった。

帰宅してメールチェックをしたらば、未来の夫からメールが来ていた。新居の事務連絡かと思っていたらば、昨日の事件の続報だった。ネットのニュースのURLを送ってくれていたので、いそいそと読みにいった。自殺を試みた人は年輩の男性。列車のブレーキは間に合わなかったらしいのだが、なんと。彼はレールとレールの間の溝に落ちたらしく、頭を怪我しただけで生命には別状が無かったとのこと。

笑っちゃいけないけど、ホッとして大笑いしてしまった。

頭の怪我って、ことのほか大量に出血するものなぁ。私は被害者の人に近寄らなかったので詳しいことは分からなかったのだ。それに電車に飛び込んだ血みどろの人……ってだけで「死んじゃった」って思ったのだ。

私の安眠と安らぎの時間を返してくれて……と言いたい。

が、お年寄りが自殺を試みた…って事実は変わらない。そんな年齢になって自殺しようと思うなんて、よくよくのことだろうと思う。なので笑うのは不謹慎。ご本人は助かって不本意だったかも知れないが、生きてて良かったな……と思った。吉報を知らせてくれた未来の夫に感謝した。

今夜はゆっくり眠れそうだなぁ……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月30日(日) 無題(題名思いつかず)

今日は未来の夫の家で結婚式の招待状の用意など。宛名は筆耕さんに頼んだのだけど、住所を確認したり、メッセージカードに何某かを書いたり。面倒臭いことこの上なし。ま、しかし「やる」と決めたのは自分達なのだから、嫌がらずにやらねば。明日は新居の引渡し。未来の夫が有休を取ってくれて立ち会ってくれる。これからリフォームの手配をしなくては。やること山盛りで息切れ気味。

自宅へ帰るべくJRの駅へ。快速電車の停まらない駅なのに、なぜだか快速電車が停まっていた。「どうしたんだう?」と思っていたら、担架が運ばれてきたので「快速電車の乗客に急病人でもでたのかな?」(←以前、そういうことがあったので)なんてことを思いつつ、ズイズイとホームを歩いた。……と。前方に血みどろの人が。

ホームにいた人が突然、快速電車に飛び込んだとのこと。ホームには、そこそこ人がいたのだけれど、騒然としている訳でもなかったので、そんな大変なことが怒っていたなんて気付かなかった。人はショッキングな出来事に遭遇すると、思考が停止してしまうのかも知れない。救急隊の人や警察がドヤドヤとやってきて、目撃者に話を聞き始めた頃から、やっとザワつきはじめた。

実際、私も呆然としていた。血を見るのは平気だけど、自殺とか、死人とか、そういうのには滅法弱い。未来の夫と愚弟に「人身事故があったしくて電車が停まっちゃってる」とメールを打って、しばらくホームでボーッとしていた。未来の夫から「電車が動かないなら地下鉄が帰りなよ」と返事があったので、やはりボーッとしたまま駅を出て地下鉄で帰った。

メールじゃなくて電話をして駅まで来てもらえば良かった……と後で思った。メールには「血みどろの人」の話を書かずに、ただ「電車が停まってる」としか書かなかったから、未来の夫には仔細が何も伝えられなかったのだ。あとで報告して吃驚されてしまった。なんかこう……未来の夫に気を使ったんじゃなくて、吃驚し過ぎて頭が回らなかったのだ。

電車に飛び込んだ人にも色々と事情があったろうけど、電車の運転手さんは気の毒だなぁ。私だったら運転手を辞めたくなっちゃうかも知れない。だけど家族とかいると、そうも言っていられないだろうし……なんてことを、あれこれ考えてしまった。

そんなこんなで今日はガックリと疲れてしまった。こういう日があるのも仕方が無いことなんだけど、ちょっとなぁ……って感じ。気を取り直して明日からまた頑張って働こう……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月29日(土) ちいさなおうち

新生活をはじめるにあたって小さな家を買いました。

「新婚さんで、いきなり持ち家って凄いね」と言われますが、全額ローンですし、もともとの値段が安いので、ちっとも凄くはありません。ローンの月々の支払い額は今、家族と住んでいる2個イチの長屋の家賃よりも安いくらいなのです。

築35年。玄関北向き。間口の狭い鰻の寝床のような長い家です。建築基準法ギリギリな感じで土地いっぱいに家が建っているので、お花を育てるような庭もありません。ちょうど団塊の世代のお父さんたちが、なんとか買える家……ってコンセプトで建てられたのだと思います。廊下なんて洒落たものは無くて、部屋と部屋の間は建具で仕切られています。「家族のプライバシーって何? それって美味しいもの?」というような間取り。3年前にリフォームしたらしくて、台所とトイレとお風呂の水周り設備だけは綺麗です。

そんなこんなで「お洒落な生活」からは程遠い家ですが、新居が決まって嬉しくてしょうがありません。築年数がたいがいですから、リフォームしないといけないのですが、それでも夢のマイホームです。家が決まったとたん「家具とかも用意しなくちゃね」とて、ネットで安い家具などを見るのが楽しくってしかたがありません。

和風な家……というよりも、むしろボロ家なので、お洒落な家具で囲むよりも庶民的なものの方が似合うのは充分すぎるほど承知しています。その上、手持ちの資金も乏しいので、出来るだけ贅沢はしないでスタートしようと思っています。なのに……家具を見ていると、新婚らしい夢が膨らんできて困りものす。はじめは「畳に布団を敷いて寝ればいいよ。ベッドを買うなんて勿体無い」とか言っていたのに、ベッドが欲しくてたまりません。「畳にベッドってどうかな?」と思うのですが「和室に絨毯を敷けばなんとかなるかも」とか思ってしまったりもしています。

もしも新居に……小狭い和室にベッドがあったら笑ってください。夢だけで突っ走ってしまったのだと思っていただいても間違いないでしょう。あれこれと新生活を妄想しつつ、貯金通帳とにらめっこしつつ、今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月28日(金) 悪口でした。

今日は、愛称って書いて字のごとく愛があるから愛称なんだなぁ……ってことに気付かされた。

今の職場の同僚や上司達には様々な愛称がついている。ちょっとフルネームで語るのは憚られるからってことで隠語のような言葉で呼んでみたり、あるいはその人の特性を表現するような愛称で呼んでみたり。食パンマン様、星の王子様、ゴマメくん、おしゃべり星人……などなど。極親しい同僚の中で仕事の話をする時に本名が出ることはまずなくて、たいてい何某かの愛称が進呈されてる。私も何人かの人に愛称を進呈させていただいた。

この秋、職場の人事がゴタゴタしていて、一緒に仕事をしている同僚はストレス溜めまくりの毎日だったりする。よくある話なのだけど、派閥云々で部下から愛されていた仕事の出来る有能な人が飛ばされちゃって、空いた席にとんでもない人が座っている……ってな感じ。で、そのとんでもない上司はいままで愛称を持たない人だった。なので、ずっと苗字にさん付けで呼ばれ続けていたのだけれど、同僚と彼のことを話している際、私はポロリと口を滑らせてしまった。「まったく…あのタコ坊主ったら!」と。

同僚から「白蓮さん……それは隠語でもなく、愛称でもなく、悪口だよ」と言われてしまった。

まったくもって、その通り。だって、私は彼が大嫌いなのだ。だから、その呼び方に愛情なんて、ひと欠片もなく、あるのは悪意だけだった。「タコ坊主」ってのは、あまり良い表現ではないのだけれど、それでも愛すべき人に愛称として付けられたのなら、その呼び方は決して悪いものではないと思う。だけど、今回ばかりは「悪口」としか言いようが無かった。今までも「ゴマメくん」とか「星の王子様」とか、ちょっとマイナスイメージがする愛称も登場したけれど、それは決して蔑称でも悪口でも無かったのになぁ。「困ったヤツだなぁ」と思っていても、嫌ってはいないし、むしろ愛情を持っているのだったら悪口じゃないと胸を張って言えるのだけど。

本人のいないところで言った言葉では無いのだが、それにしても大人げなかったと思う。だけど「だって嫌いなんだから、しょうがないし」と、どこか開き直っている部分もあったり。ちょっと頭を冷やさなくちゃね……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月27日(木) 街頭募金

街頭で「募金をお願いします」と声高に活動す一群を見かけた。

ひとくちで「募金」といっても色々あると思う。募金の名を語って詐欺を働く悪い人もいるし、そういう悪意がなくてもイマイチお金の使い道が不透明な団体もある。だが猜疑心ばかりを募らせていてもキリがないし、わずかばかりでも社会に貢献したいと思っているので、よほど詐欺っほくない団体なら、募金をするのはやぶさかではない。

しかし……だ。思わずひっくりかえりそうになるほどの大声で「お願いします」と「ありがとうございました」を連呼されたら、かえって足を止め難い。いかににも「してあげてます」って感じだし、嫌が応でも道行く人の視線に晒される羽目になる。熱意を持って活動するのが悪いとは言わないけれど、そういう活動に従事するなら、もうちょっと……こう公共の場で活動するって事や節度という問題について、考えてみた方がいいのではないかと思う。そんな訳で今日は足を止めることが出来なかった。

「何かしたいけど、なんだか気恥ずかしくて」と足踏みしてしまう人って、案外多いんじゃないかなぁ。街頭での募金活動って本当に有効な手段なんだろうか? 恥の文化を背負っている日本人にとって、あの方法は敷居が高いような気がしてならない。

いきなり話が飛んでしまうが、うちのワンコはひとまず持ち直したみたいだ。獣医さんから「もう駄目です」宣告を受けた時は、それ相応の覚悟をしたが、いったい何がどうなっているのか、元気のないなりにもポックリいってしまいそうな気配はどこかへ行ってしまった。年齢的にも「治った」とは言えないのだけど、とりあず持ち直してくれて嬉しい限り。

さてと、あと1日頑張ったら週末。ここのところ、頑張りがきかないというかガッツが足りなくていけない。ま、そこそこに働きますかな……ってことで、今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月26日(水) 未来の夫の友人達

未来の夫の友人達がお祝い会を開いてくれた。

未来の夫も私も「週の半ばだし仕事、抜けられるかなぁ」とドキドキしていたのだけれど万事上手くことが運んで、午後7時30分に全員集合。総勢8名也。それぞれに社会人だったり、家庭人だったりするのに、多くの友人が駆けつけてくれて嬉しかった。

大学時代のクラブの仲間とのことで彼らの職業や立場は様々だった。建築士さん(仕事ネタで盛り上がってしまった)や、呉服屋の若旦那、公務員さん、司法浪人さん、学者さん、ワイン通のアルコール卸業者さん、などなど。真面目そうな人もいれば「仕事は出来そうだけど、かなり遊び人ですねぇ」てな人まで幅広く。

初対面だったが、旧知の友人のように盛り上がってしまった。「ぜひ新居に遊びにきてください」と約束して。ワイン屋のYさんは、イベリコ豚の生ハムをもって遊びに来てくれるとのこと。奥さん共々いらしてください……と嬉しく思った。

未来の夫が、ああいう友人関係を築ける人だということに対して、頼もしくも思ったり、感心したり。未来の夫の友人達は、世間的に見るとかなりハイスペックな男達だったが、私は真っ白な状態で彼らと会っても、間違いなく未来の夫を選んでいるだろうなぁ……なんてことを、ぼんやりと思ってみたりした。

これから先、ずっと一緒に暮らしていこうと思う人の友人達とは、仲良く、そして末長く付き合っていきたいと思う。そうやって自分の狭い世界が広がっていくのは、つくづく嬉しいことだと思う。

そんなこんなで浮かれているが、明日も明後日もガッツリ仕事。さっさとシャワーを浴びてこよう……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月25日(火) 鼻ポキリ。

今日は友人の誕生日だった。大阪の人と東京の人と。

なんちゅ〜か。友人でも家族でも知人でもそうなんだけど、親しくしている人の誕生日ってのは、それなりに気合が入る。で、今回も早くから張り切って準備万端整えていて「今年は、やったぜ……吃驚する顔が楽しみだ。ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ」と1人でほくそえんでいたのだけれど「荷物が届かないかも」なんてトラブル発生。定時後にアタフタと運送屋さんとやり取りをして、なんとか今日中にブツを届けることが出来た。

本当なら午前中にブツを届けて、目一杯吃驚させるつもりだったのに、夕方になっても届いていないだなんて、友人よりも私の方が吃驚してアタフタしてしまった。昨日の「俺様ってイケてる」の話ではないけれど「私って、イケてるかも」とか思っていたのに、それどころか天井まで伸びた鼻をポキリとヘシ折られてしまった感じだった。なんちゅーかさ。仕込み系のプレゼントってのは成功してこその華であって、失敗したら泥沼なのだ。が、しかし東京の友人は、それで喜んでくれた。

……嬉しかった。

「ありがとう」の電話を受けながら、内心パニくってしまった。喜んでくれたのが嬉しかったのと、思いがけず声が聞けて嬉しかったのと。私はメールとか手紙が大好きで、どちらかと言うと電話は不精なんだけど、電話っていいよね……と思った。インパクト強いよなぁ。人の声って。まったくもって、友人よりも自分の方が喜んじゃって、誰の誕生日なんだか……てな感じ。

そんなこんなで、1人でアタフタしてたりヤキモキしたりして、ちょっと凹んで、そして浮かれた1日だった。終わり良ければ全て良し……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月24日(月) 俺様がいっぱい

私が仕事をしているグループは業務がキツイせいか若い男性が多い。20代後半〜30代前半の脂ぎった男達は働き者ばかり。既婚者もいれば未婚者もいて、内心では互いにライバル心を燃やしていたりするのだろうが、比較的仲が良くて微笑ましい限りだ。

そんな彼らと話をしていたらば「俺達の中で女性から好感度が高いヤツは誰なんですか?」てな流れになった。

私のグループには、ちょうど私と同じ年のNさんと言う出世頭の男性がいる。頭が良くて仕事が出来て、気配りも上手で、見た目も素敵。私は密かに彼のことを「E課の出来杉くん」とか「E課の食パンマン様」と呼んでいたのだが、今では女性陣の中での通り名となっている。まぁ、それくらい素晴らしく人間の出来た人なのだ。そんな訳で「ダントツなのはNさんだよね」と言うと、男性軍団も、それには異論が無いらしく「じゃあNさん抜きだったら、どうかな? お昼休みにでも集計取ってよ」ときたもんだ。

声に出して笑ったりはしなかったけれど、可笑しくてたまらなかった。だって、彼らはそれぞれに自信満々で「……てか、なんだかんだ言っても、俺ってイケてるよね」と本気で思っているようだったから。いったい、その根拠のない自信はどこから来るのだろう? どうして、そんなに「俺様最高!」とか思ってるんだろう?

言っちゃぁなんだが、彼らが自分達の評判を気にしている女性達は、食パンマン様以外の男性は「その他大勢」としか見ていないのだ。みなそれぞれに、いいヤツばかりだし、私だって彼らの事が大好きだ。が、なんと言うか「どんぐりの背比べ」なんだなぁ……本当のことを言うと。

それはさておき、彼らが「俺ってイケてるよね?」と思っているってことが微笑ましくて、可愛らしくて、私はますます彼らのことが好きになってしまった。自信過剰は良くないけれど、自尊心って言うのかな……そういうのが無いと頑張っていけないもの。彼らは「俺様」と言っても、人に迷惑をかけるようなタイプでは無いのだから。それにしても、一緒に働いている面々が揃って俺様だったとは驚きだった。おとなしめのTさんまで「なんだかんだ言って、俺って嫌われないキャラみたいでさ」とかアピールしていたし。

こういう馬鹿馬鹿しくて、役に立たないお喋りって好きだなぁ。まぁ、喋ってばかりはいられないのだけど。明日も俺様達と頑張って働かなきゃね……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月23日(日) ティム・バートンの恋

未来の夫とティム・バートンの『コープスブライド』を観に行ってきた。

ここのところ家探しだの、結婚式の準備だのといった雑用に追われっぱなしだったので、久方ぶりにデートらしいデートだった。『チャーリーとチョコレート工場』が今ひとつ心に食い込んでこなかったので、ぢつのところ期待していなかったのだけど、かなり良かった。『ナイトメア』だの『シザーハンズ』だのの神懸り的なパワーは感じられなかったものの、やっぱり私はこの人の作品って好きだなぁ。どこをどう切っても「恋」の物語なのだと思う。

結局のところティム・バートンの描く恋の形は『人魚姫』なんだと思う。

狂ってこそ恋。ぶっ込んでこそ恋。「だって好きなんだもん」と言いながら「うぇぇん」と泣いてこそ恋。結ばれようが、結ばれなかろうが、特定の人へと向かっていく、ひたむきな想いがあってこそ……なんだなぁ。ちなみに私は恋愛淡白質なので、そういう話は好きだけれど自分自身は、ティム・バートンの描く「恋に生きる人」ってタイプではなかったりする。人は自分に無いものを求めてしまうのかも知れない。

それにつけてもティム・バートンの描く人々は、第一印象で「ちょっ嫌なヤツかも」とか「なんか気持ち悪い」って感じるんだけど、見ているうちにだんだん可愛く思えてきり、愛しく思えてきたりするから不思議だ。今回の作品では、エミリーの健気さと、骨ワンコのスクラップの可愛さが胸キュンだった。

映画に気を良くした後で、未来の夫の兄夫婦宅へ訪問。義兄さん&義姉さんとは、初対面なのにすっかり打ち解けてしまった。仲良く出来そうな予感満載。特に義姉さんは、間違いなく私と気が合うタイプの女性とお見受けした。「姉さん、一生ついていきます」と。そして川原泉が大好きだという姪っ子とも、仲良く出来そうな気がする……てか「漫画貸してあげるから遊びにおいでね♪」て感じ。

昨日の芝居はイマイチだったが、今日の映画はとても良かった。相対的に良い週末だったし、明日からまた頑張って働こう……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月22日(土) 観劇と切り絵

今日はご贔屓劇団、劇団☆新感線の芝居『吉原御免状』を観に行ってきた。

ここの劇団とは、かれこれ9年ほどのお付き合い。ファンクラブにも入っていて、熱い思いでもって通い詰めていた時代もあったが、最近は劇団員の高齢化や、有名になり過ぎて商業演劇化してきて、以前ほど好きではなくなっている。チケット代も馬鹿にならないので、もう観に行くのを辞めたら良いと思うのだけど、ここまで長くつきあっていると「恋人とは、もう9年も付き合ってるんだけどね。最近では愛情もトキメキも感じなくなっちゃってさ……いい加減別れた方がいいと思うんだけど、嫌いって訳でもないし、別れるのにもエネルギーいるし……踏ん切りがつくないんだよね」てな感じ。ここの芝居を観るのは私にとって唯一の無駄遣いと言えるかも知れない。好きでたまらないから観に行く芝居は、どんなにチケットが高くても無駄遣いでは無いと思えるんだけど。

いまいち、心が満たされなかったので帰りに本屋へ寄ったのだけど、お目当て本は見当たらず。姫野カオルコの新刊が面白そうだったので買おうかと思ったが「図書館で読んでからにしよう」とこれも断念。『星の王子様』の新訳本が平積みになっていて、ちょっと欲しかったのだが、あの独特のイラストを見ていたら唐突に気持ちが違う方向に向いてしまった。

「そうだ。久しぶりに切り絵を作ろう!」

最近、友人の影響で「私も何か作りたい」という欲求が高まっていたのだが、針仕事も編み物も、絵を描くことも苦手な私は途方に暮れるしかなかった。が、私にも切り絵なら出来る……ってことを、ふと思い出したのだ。ぢつは学生時代は今の仕事とは全く関係のない児童教育課に在籍していて、その関係で絵を描いたり、紙芝居や、人形を作ったり……といった工作系はひととおり経験済だったりする。

その中でちょっとばかりマシだったのが切り絵だった。卒業後も気が向いた時に、ちまちまとアートカッターで切り絵を作っていて、今でもカッターを手に届く場所に置いているのに、今の今までそのことをすっかり失念していた。心もウキウキと100円ショップで色画用紙とカッティングシートを買ってきた。今夜からぼちぼち、何か作ってみようと思う。もっとも、どこまで根気が続くのかは激しく謎ではあるけれど。

秋の夜長……温かい紅茶を飲みながら紙を切る。もうそのシュチュエーションだけで酔ってしまいそうだ。さてと、今夜から張り切って切りまくるぞ! ……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月21日(金) 街をゆくマタギ達

日を追うごとに寒さが増してくる今日この頃。みなさま、いかがお過ごしでせうか? クリスマスだの年末だのが近づいてくるとテンションが上がる方や、その反対に下がる方……それぞれの秋をお過ごしかと存じ上げます。かく言う私は寒さが大の苦手でして、今くらいの気温で踏みとどまってもらえたら、どんなに嬉しいことかしら……などと、せんない事を思ったりしています。

街を歩く女性達も随分と変わってまいりました。私も女性の端くれではありますが三十路をたっぷり過ぎてしまった身としては、最近の流行にはとんと疎くなっているようで、着飾った若い女性達を眩しく眺めているばかりです。あぁ……だけど、なんでございますね。今年の秋冬は、ワイルドな服装が流行っているのでしょうか。生きる本能を掻きたてるような……そんな服装の方がやたらと目についてしかたありません。私は彼女達の出立ちを見た瞬間に思いました。

「マタギだ! マタギが歩いている! しかも集団で!」

マタギとはクマなどの大型獣を捕獲する技術と組織をもち、狩猟を生業としてきた人達のことです。私は今まで生きてきて、マタギを生業にする人とは遭遇したことがありません。なので本物のマタギがどんな風な格好をしているのかは分からないのですが、私には彼女達の格好が『マタギ風』とか思えないのです。

しかながら人間の視覚って不思議なものでございますね。ファーのベストは今年の流行であり洒落なアイテムだと思うのですが、いったん「マタギだ!」と思ってしまった以上、私の目にはもう彼女達の格好が「マタギ」にしか見えないのです。この夏以降にマタギが登場する小説を続けて2冊も読んだのが原因なのだと思います。

私は寒さが苦手なので、いっそマタギ風のベストを買ってみるのも良いかも知れません。マタギ風のベストは私を寒さから守ってくれるでしょう。あぁ……だけど駄目なのです。マタギ小説の面白さを反芻してドキドキが止まらなくなってしまったらお洒落どころではないでしょうから。

この冬はマタギ風のベストを着用した人を見るたびに、羆を狙う撃ちにしたワイルドなマタギを連想してドキドキするのだろうなぁ……と思いつつ今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月19日(水) ハッピーターン

私は食べることが大好きな人間だ。だがスナック菓子ってヤツは余程気が向かないと買おうとは思わない。食品添加物が嫌いだから……ではなく、単に「ながら食べ」の習慣が無いからだと思う。食べる時は一生懸命食べるし、何かする時はそれに集中する。要するに、頭が悪いので1度に沢山のことが出来ない性質なのだろう。聖徳太子には程遠い人生。

それなのに今日は出勤途中にコンビニでスナック菓子を買ってみた。どうしたものか、やけにハッピーターンが食べたい気分だったのだ。冷静に考えてみるだに、ハッピーターンはそんなに美味しい食べ物ではない。化学調味料がドサドサかかっていて、オカキに分類するのも肩腹痛いような、中途半端に柔らかい米菓子で、身体に悪そうなこと請け合いである。それなのに……分かっているのに……たまに食べたくなるお菓子らしい。

「3時のオヤツか、残業の時にでも配ろう♪」そんなことを思いつつハッピーターンを机の引き出しに入れた。だが今日は3時のオヤツどころか、昼休みも返上しなければならないほど殺伐としていて、仲間達は、ちょっと「逝っちゃった目」をしていた。現場に出ていて昼抜きってのは、珍しくないが、事務所にいるのに総出で昼抜き……って事態はちょっと珍しい。

人はお腹が好くと頭が働かなくなってくる。ささいなミスをしたりもする。だからって、食事をする時間などなく……てな時に思い出した。「そうだ。ハッピーターンがあるぢゃないか!」と。「はい、これ2つ取って隣の席にまわして」とハッピーターンを配給。腹ペコで食べたハッピーターンはやけに美味しかった。

ハッピーターン=すっごく美味しいお菓子

おかげで私の頭の中には妙な認識が刷り込まれてしまった。ハッピーターン恐るべし。ハッピーターンは、もともと好きなお菓子だが、今日の出来事で私の中のお菓子ランキングをいっきに駆け上がっていった。次にハッピーターンを食べるのはいつの日だろう……ってなことを思ってみたところで今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月18日(火) 針治療報告書

整骨院で針治療に挑戦してきた。

ここ数日は仕事が比較的まったりなのに、気温が下がってきたせいか肩凝り&腰痛の具合がよろしくなくて、担当の先生から「どうしても嫌…って訳でないのなら針をしてみせんか」と勧められて、おっかなびっくり試してみた。

痛いのは覚悟の上で「矢でも鉄砲でも持ってきやがれ」ってな勢いでベッドにうつ伏せたのだけど、想像していたよりも痛くはなかった。今まで体験した痛みの中で、あえて似たようなものを探すならぱ、歯の治療で、虫歯の先っちょをお医者さんからツンとされて「痛てっ。ジーンときた」という感覚と似ているかも知れない。なんとなく注射の痛みを想像していたのだが、注射とは全く違った感覚だった。そして、その痛みは痛いだけでなくて、ツボをピンポイントで攻めてくる「痛気持ちいい」感じで、我慢出来ないような痛みは全くなかった。

ただ針治療には、マッサージでいうところの「揉み返し」のようなものがあるらしい。痛くはないんだけど、腰が異様にダルイのだ。明日になったら、また違ってくるようなので朝起きるのが楽しみだ。効くかどうかは分からないけれど、これなら試しに続けてみてもいいな……と思った。

私が痛いのは腰なので施術中はうつ伏せ状態で自分が針山のようになっている姿を見ることが出来ないのが残念である。TVやなんかで針治療を受けている人を見るたびに「うわぁ。痛そうだけど大丈夫なの?」とドキドキするのだけれど、自分が治療されている時は、どんな状態なのか全く分からないのだ。見える場所に針を打ってもらいたいなぁ……なんて思ったが、悪くもない場所に「先生、どんな感じで刺さっているかを見たいので、ちょっと打ってくれませんか?」なんて子供染みたことは流石に言えない。

今日は定時ダッシュで針治療をして帰ってきたので、寝るまでの時間がやたらと長い。こんなに、のんびりだと「何をしよう? 何して遊ぼう?」と興奮してしまうぢゃないか。だが、しかし「何もせずダラダラとネットして就寝」してしまうような予感満載。明日の朝は針治療の効果が出てるかどうか楽しみだなぁ……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月17日(月) 苦手なこと

仲良しのweb日記を読んでいたら、ここのところ刺繍に熱中しているらしく、ちょこちょこ画像がアップされている。そんなのを見ていると猛烈に手芸がしたいような気分になってしまった。が、残念なことに私は壊滅的に不器用で針仕事は大の苦手だったりする。

親しい人からは「白蓮は家事万能」と思われている節がある。確かに料理は大好きだし、掃除や部屋の片付けもそれなりに出来る。だけどお裁縫は全般的に苦手なのだ。出来ることと言ったら、ボタンを付けることと、雑巾を縫うことくらい。生まれてこのかた学校の家庭科の時間以外で「手芸」で何かを作ったことは皆無なのだ。

なので「手仕事」ってのに憧れてしまう。刺繍でも編み物でもパッチワークでも。「夏のワンピースくらいなら自分で作っちゃうよ」なんて人は私の目には神様も同然。特に寒くなってくると、温かい部屋で手仕事をする……って絵になるしなぁ。手先の器用な人って男女係わらず尊敬するし、惚れもする。

「手作りっぽいもの」とか「刺繍もの」なんて大好きなのに、自分で作れないのだから情けない。世の中には手芸が好きで好きでたまらないから、せっせと造っちゃうのに、自分ではとても使い切れなくて…なんて悩みを持つ人も多いと聞く。そういう方と是非お友達になりたいものだ。(←他力本願なのはどうかと思う)

「新居を手作りもので飾りたいなぁ。白いレースのカフェカーテンとか……花瓶の下に洒落た花瓶敷なんかもいいよね。紅茶のポットにもカバーがあるといいよね」なんて出来もしないことを妄想して、うっとりしてしまった。まず間違いなく私は作らないと思う。その辺のスーパーとか、ホームセンターとか、良くてハンズとかロフトで買ったものを、投げやりに飾っていることだろう。

引越しとか諸々の雑用が終わって、仕事を再開するまでに余裕があったら、手芸にチャレンジしてみるのも良いかも知れないなぁ……なんてことを思いつつ今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月16日(日) マリッジブルー?

来年2月に控えた結婚に向けて、あれこれと順調にことが運んでいる。

「私、本当にこの人と一緒になって大丈夫かしら?」と言うような類の不安は一切無い。仕事と準備に追われて「面倒臭いなぁ。もう嫌になっちゃう」と思うことは多々あるが、せいぜいその程度のこと。巷の話を聞いていると結婚式だの新居だのを決める際に双方の親が出てきて揉めた……みたいな事があるようだけど、私達の場合はそういうことも一切無くて、そういう点では恵まれていると、つくづく思う。

が、結婚にあたって心配事が全くないかと言うと、それはまた別の話。自分の新しい生活に不安はないのだけれど、私が抜けたあとの実家のことを思うと不安は尽きない。

まずは失業中の愚弟の就職が決まっていない……ってのが大問題。いちおう資格取得に向けて勉強しているのだけれど、これがちっとも頼りない。勉強に対しても仕事に対しても真剣さが足りないし、第一自分で切り開いていこうとするガッツが感じられないのだ。私が結婚する頃には仕事も決まっているだろう……とて結婚準備を始めたのだが、あやしい雲行きになってきた。姉にはもう弟に齧らせる脛など持ち合わせてはいないのに。

もう1つの悩みは乙女な母と愚弟の今後の生活。今まで私が当たり前のようにこなしてきた事柄を2人でやってもらわねばならないので、最近は小姑のように口うるさく「私がいなくなったら、自分達でしなきゃいけないんだからね」と2人にさせるようにしている。ぶっちゃけ2人とも私に依存し過ぎなのだ。

そして何より心配なのは乙女な母も愚弟も「自分の力で幸せを掴む」能力に劣っているということだ。2人の言動を見ていると、肉親ながらもムカつくことが多い。行動するより先に不満を口にするタイプなのだ。どうして彼らは積極果敢に「幸せになる努力」が出来ないのかと不思議に思う。決して多くは望まない。母と息子で機嫌良く、それなり暮らしてくれたら充分なんだけど。

こういう悩み事も、大きなくくりにするとマリッジブルーなんだろうか?

さてと。話を変えてワンコの病状記録。「数日で駄目かも?」な感じから、ちょっと盛り返してきたのか、昨日、今日は少しだけ食事とっていた。獣医さんの言うことには「どんなに頑張っても年越しは無理」とのこと。うつらうつらと寝るばかりで、痛みがないのがありがたい。

そんなこんなであれこれと、順調だったり順調でなかったり……な日々である。明日からまた1週間。あまり仕事がキツキツでないといいのになぁ……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月15日(土) 雨の日。PCに向かって。

今時の平積み小説のようなタイトルをつけてみた。最近の本って、やたらと題名が長いけれど、あれは流行なんだろうか? ロマンティクな題名に惹かれて買った本には、しょっちゅう裏切られているのに、時折、うっかり買ってしまうのには困ったもだと、いつも思う。

ワンコはまだまだ頑張っている。獣医さん曰く「痛みが無いようなので、それだけが救いですね」とのこと。しかしながら衰えは隠せず、1日中うつらうつらと寝てばかり。それにつけても動物の持つ「生きよう」とする力には頭が下がる。「もう手の施しようがありません」みたいなことを言われた訳でもなければ「食事をしないと、もっと衰えていく」と頭で理解している訳でもないのに、食べ物を受け付けないながらも、果敢に食べようとする姿は崇高でさえある。それくらい生きるってのは大事なとなんだと再認識。

生まれてきたからには、生きなきゃいけないんだと思う。人も動物も。

午前中は整骨院へ。「これは、ちょっとどうしようもないですね。針治療をしてみようかと思うのですが、どうでしょう?」との提案があり、来週にでも針治療デビューすることになった。仕事の立て込み具合と腰痛の具合は仲良しの関係にあるらしい。まいったなぁ…来週もたぶん、そうそう整骨院に行けそうにないのに。

午後からはPCに向かって書き物など。日記とか、本の感想とか。その他諸々。つくづく「読んだり書いたり」するのが好きなんだなぁ。読んだり書いたりしたからって、何がどうなる…って訳ではないのだけど、読まずにはいられないし、書かずにはいられない。なんだかんだ言って自己主張が激しいんだろうと思う。

明日は未来の夫と新居の相談など。ワンコの具合次第では、うちに来てもらうことになりそう。今日も会う予定だったのだけどワンコの病院優先。ペットと恋人は較べられないけど、病気の人(犬)と元気な人とを較べると、考えるまでもなく前者優先。さてと。そろそろ夕食のことを考えなくちゃ……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月14日(金) それも余裕があればこそ

昨日は帰宅が遅かったのだがワンコがまだ生きててくれたのでホッっとした。

「私が帰ってくるまでに死んじゃってるんじゃなかろうか?」と思うと気が気ではなかった。が、その反面で「死んでてもしょうがない。それはそれで仕方ないし」と言い聞かせながら玄関の扉を開ける自分がいる。願わくば家族がいる時に逝って欲しい。1人っきりで逝くのは寂しすぎるから。もっとも、これは残される者の感傷で本人には何ら係わりのない話なのだけど。

彼女はどれくらい頑張れるんだろう。もうまったく食事を受け付けなくなっているので、近いうちにその時が来るのは確かなのだが、命って案外シブトイからなぁ。無理だと分かっているのだけれど「驚異的な回復力で持ち直したりしないだろうか?」なんてことも思ったりする。

ペットと人間を同列にして考えるのは間違っていると思うけれど、父の時はそういう感慨などまったく抱かなかった。日々の生活と資金繰りに精一杯で、亡くなった時でさえ「やれやれ」という感慨こそあれ、哀しみはほとんど感じなかった。弟が事故で死ぬかも……って時は「死なしてなるものか」と思うばかりで「死ぬかも」なんて想像は1度もしなかった。だから「大変だぁ」とは思ったものの、哀しいとは思わなかった。

死んでいこうとする犬を見て、切なくなったり哀しくなったりするのは、心身ともに余裕があるからなんだなぁ……と思う。心底切羽詰まっていたら、感傷に浸っているような時間なんて無いだろう。

今日は現場直行で朝がノンビリ。朝っぱらからウダウダと書き連ねてみたところで今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月12日(水) うちのワンコ

我が家には15歳になメスの老犬がいるのだが、どうやらお別れの時が近づいているらしい。

犬で15歳と言えば、いつお別れがきても不思議ではない年齢だし、彼女は以前からガンを持っているので、いつかはそんな日も来るだろう……と覚悟はしていた。だが年寄りながらもご機嫌で過ごしていたので「なんだかんだ言いながら、あと1〜2年は頑張れるかな」と思っていたので、気持ちがまったくついていけない。

いつまでたっても「死」という通過儀礼には慣れることが出来ないらしい。

こんなこと何かと比較出来るような問題ではないのだけれど、たとえば今、何某かの事情で来年予定している結婚が駄目になったとしても、諦めることが出来ると思う。そりゃぁ、多少のダメージはあるかも知れないけれど「しょうがないなぁ。縁が無かったんだもの。次、行ってみよう!」と自分に言い聞かせて、それなりに折り合いを付けられると思う。が、犬に限らず、自分の周りにいる人(今回は犬だが)が死んでしまうとなると、どうしても……どうしても諦めきれないのだ。

生きている中での別れと、死によってもたらされる別れは根本的に違う。死んでしまった人は絶対に戻ってこないのだ。2度と会えないし、取り返しがつかない。哀しみも恨みも、いつかは良い想い出になっていくってことも、経験上知っている。だが、なんかこぅ……納得がいかない。

そして私は何よりも「死」と対面するのが恐くてならない。

愛犬の残された時間を大切にしてやろうと思っているし、ちゃんと見送れることも分かっている。だけどやっぱり不安だし、死んで欲しくないと思う。だからって犬としての一生をまっとうさせてやりたいので延命治療はする気もないのだけれど。

生きているものは死に対してどうしようもなく無力なのだと思い知らされずにはいられない。そんなことを思いつつ今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月10日(月) ぐう・ぐう・ぐう

3連休最終日。今日は1日寝て過ごした。

朝は6時半に起床。が、朝食の後で2度寝。ビタ一文も早起きの意味無し。起床後、買い物へ行き昼食。そして昼寝。頭がボーッっとして手の込んだ食事を作る気になれず、夕食は鶏肉のクリームシチューとモズクの酢の物。昨日の晩は鶏団子鍋で、鶏が続いてしまったけれど、まぁご愛嬌ということで。こんなに寝たのに、まだまだ眠れそうな勢い。明日から出勤なのに困ったものだ。それにしても一足飛びに寒くなったのには吃驚。あわてて冬物のスカートを引っ張り出して、アイロンをかけた。

寒さに弱いせいか、寒くなってくると、とんとお洒落をする気が無くなってしまう。「防寒第一」で服の組み合わせを考えるので、どうしても野暮ったくなってしまうのだ。TVで見るロイヤルな女性達(日本、海外問わず)は、寒い時期でもエレガントなスーツだけで野外にいたりすることが多いが、あれはどういうカラクリなんだろう……と思っていたら、高性能のオバシャツを着用しているとの話を何かの本で読んだことが。そうでなければ寒さでどうにかなってしまうよなぁ。私も、そんな素敵ななオバシャツが欲しい。

色々と書いてみたいことがあったりするが、ボンヤリ頭ではロクな事が書けないだろうと思われるので、自重することに。ゆっくりお風呂に浸かって早く寝よう……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月09日(日) くん・くん・くん

そこここで、良い匂いがする。金木犀の季節到来。金木犀と言えばトイレの香り……って印象を拭い去れないところだけれど、本物の金木犀の香って、かなり好きだ。幼い頃に暮らしていた家の庭にも、今の長屋に来る前に暮らしていた家の庭にも金木犀が植えられていたっけか。

今日は未来の夫と家探し。気に入った物件をもう1度偵察に。結婚式の準備云々よりも、ずっと力が入るの巻。今日見た物件に決まるかどうかはさておいて、来年早々には引越ししているはずである。人生3度目の引越し。もうこれで打ち止めにしたいものだ。そんなことを考えるような年齢ぢゃないのだけれど、終の棲家に憧れる33歳の秋である。

夕食は自宅で味噌仕立ての鶏団子鍋。缶チューハイを買ってみたものの、半分も開けられなかった。元気の乏しい時はアルコールが身体に入ってこない。気持ちは有り余るほどに元気一杯なのだけど、身体の方は疲れが堆積しているようだ。一重瞼がデフォルトなのに、今日は朝からずっと二重瞼になっていた。

明日は3連休最終日。地元のユニクロへ服を買いに行く以外は、大人しく家にいて身体を休めようと思う。それにしても新しく家庭を持つってのは、何かにつけて大変だなぁ……ってことをシミジミ思いつつ、今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月08日(土) 雨の日の郵便受

郵便受にダイレクトメール以外の物が届いていたら、それだけで「今日は良い日だ」と思ってしまう。お手紙が好きだ。アーノルド・ローベルのかえるくん達みたく、じっと待っている訳ではないけれど、不意のお手紙って、なんかいいなぁ。

今日の大阪は「これでもかっ!」って勢いの雨。郵便物も濡れていて、いささか憂鬱な気持ちで開封したのだけど、中身は無事でホッとした。手書きの文字を何度も読み返しつつ、大事に残しておかなくちゃ……と机の引き出しに仕舞った。

本日は結婚式場に小道具の打ち合わせなど。アクセサリーとか、ペールとか、髪飾りをどうするか…とか。面倒臭くてしょうがないけど「これはある意味修行だよね」と自分に言い聞かせつつ、黙々と仕事をこなす。帰宅途中で買出しをして、漫才番組を観つつお昼寝。最近、祭日に時間が余ると昼寝をせずにはいられない。

夕食はロールキャベツとチーズオムレツなど。ロールキャベツ本体は冷凍食品で。玉葱だの、キノコだの、トマトだのをドッサリ入れて適当に煮込んだ手抜き料理ながらも、自画自賛してしまうほどに美味だった。

地味ながらも満ち足りた土曜日に感謝しつつ今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月07日(金) 心外だなぁ。

仲良しの直上司に結婚と退職の報告をした。

派遣会社を通して責任者クラスには報告したし、その流れで責任者には話をしたので、実際に仲良く仕事をしている上司とも同志とも言える人に、やっと話をすることが出来た。本当ならばCADの相棒の次に言いたいところだったのだけど、やはりここは派遣社員としての筋を通さねば……ってことで。

「残念だけど仕方ないよね。お祝いしなくちゃ」と上司は祝福してくれた。大変なときに抜けるのに、何も言わずに祝福してくれるなんて嬉しいなぁ……と胸いっぱいになった私に彼は言った。「だけどさぁ〜。どうせ、すぐ働くつもりでしょ? 落ち着いたら派遣会社をと通さずにおいでよ。せっかく取引先にも顔を売ってるんだし、もったいないしさぁ」と。

心外な言葉に目を白黒させてしまった。

確かに……生活が落ち着いたら、職場は変わったとしても仕事には復帰するつもりでいた。だが、はなから「復帰する」と思われているのは、どういうことだろう? 万に一つでも「すいません。私、専業主婦になるんですよ。てへ」って言うとは思わなかったんだろうか? 今の職場で楽しく働いているのは事実だけど、だからって「仕事大好き人間」って訳ぢゃぁないのに。むしろ、怠惰に生きたいと願っているのに。

まぁ、そんな風に「仕事好きそう」とか思われているというのは、考えようによっては、嬉しい限りだ。契約期間内は一生懸命務めさせてもらおうと思う。それにしても急いで報告しなければならない人に報告出来てホッっとした。

明日は結婚式場へ打ち合わせ。生憎と未来の夫は仕事なので、私1人で。明後日はまたとても不動産屋へ。あれこれ忙しいけれど、三連休だし頑張れるさ……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月06日(木) 朝のホームで

今朝、通勤途中の乗換駅ホームで痴漢が突き出されているのを目撃した。

えらい騒動だった。痴漢と思しき人物は20代後半〜30代前半の男性。50代の男性に腕をつかまれていた。駅員さんを大声で呼んでいたのは女子高生。いかにも正義感が強そうな元気娘。被害にあったのは大人い雰囲気の女子高生で私が通っていた高校の後輩だった。痴漢にあったのがショックだったのか、叱られた子供みたいに項垂れて、涙ぐんでいた。

痴漢は冤罪が多いという話を耳にするので、突き出された男が本当に痴漢かどうか分からないのだし、あまりジロジロ見ないようにしよう……と思っていたのだが「こんなブス触るかよ。ざけんじゃねぇよ。馬鹿!」と男が逆ギレしていたのを聞いて、思わず足を止めてしまった。被害者の女子高生は青ざめて、可哀想で見て入られなかった。「何言ってんねん! あんたが、やってるの見たんやから」と、もう1人の女子高生がもの凄い剣幕でまくし立てていた。結局、男は駅員さんに連行されていった。

それにしても可哀想になぁ。突き出された男が本当に痴漢かどうかはともかく、言うに事欠いて「こんなブス触るかよ」とは何事だろう。いい年した大人だって、そんな言葉を聞かされたら凹んでしまうだろうに、多感な年頃の女の子は、どんなに傷ついただろう。気の毒で仕方が無い。唯一の救いは、近くに助けてくれる人がいたということだろうか。男の腕を掴んで取り押さえた50代の男性と、頭から湯気を立てて怒っていた女子高生。他人事ながら、知らん顔されなくて良かったなぁ…と思いつつ、しかし私もプンスカ憤慨してしまった。

性犯罪が許せない…てのは当然のことだが、精神的、あるいは肉体的に強い者が弱い者に危害を加えるってこと自体が許し難い。それがどういった形であったしても自分より強そうな人間から危害を加えられたら、誰だって恐怖を感じるだろう。力にまかせて乱暴なふるまいをするなんて、してはいけないことだと思うのだ。

痴漢にあった娘さんは、たいそうショックだっただろうが、早いところ元気になると良いなぁ……なんてことを思いつつ、ことのあらましを思い出して、あらためて憤慨しつつ今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月05日(水) コンビニデザート

今日は季節の果物やなんかを使ったデザートを買って帰ろうと思っていた。栗とか、サツマイモとか。和菓子も良いし洋菓子も捨て難い。柿や葡萄を使ったタルトもいいな……などと、気持ちだけはヤル気だったが、そんな時間に帰宅出来なくて、コンビニでカスタードプリンを買って帰った。

最近のコンビニデザートはよく頑張っていると思う。けっこうイケる。悪くない……が、コンビニデザートには色気がない。そこが不満。「甘い物が食べたい発作」を満たすだけの甘味はあれど「甘い物を口に運ぶ幸せ」を満喫するには遠く、腹ペコの野獣のよう飢えた心を満たしてくれるには至らないのだ。なんちゅーか。コンビニのデザートにはパワーが無いのだ。

手の込んだお菓子が食べたい。洋菓子でも和菓子でもいい。「人の手で作りました」って感じのお菓子を存分に食べたい。色気のないプリンを口に運びながら、自分の身体が安っぽい物質に変化していくような錯覚に陥ってしまった。

しかしながら私がコンビニの食べ物を利用するのは、デザートか、あるいはお弁当を作れなかった時くらいである。コンビニの食べ物がメインになっている人は毎度、味気ない思いで食べているのだろうか。便利だけど……使わざるを得ないのだけど人間的じゃないよなぁ……と思う。

週末は私の欲求を満たしてくれそうな「ちゃんとしたデザート」を買って食べようと思う。幸いこの週末は3連休だし。それを励みにあと2日、頑張って働こうかな……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月04日(火) 大きい秋

秋なんだなぁ……と、つくづく思う。

大阪地方は雨だった。しかもジャバジャバの大降り。「呼んでる口笛 もずの声」が、小さい秋なら、今日の雨は大きい秋。これからは、ひと雨ごとに寒くなっていくんだなぁ…とて嫌が応でも思い知らされてしまう。寒いのが大の苦手な私としては「そんなに慌てて寒くならないでください」と懇願せずにはいられない。

近所に住み着いている野良猫の兄弟も、寒さを感じていたのか、洗濯干し場の隅っこに置いてある新聞紙の束の上で、2匹がひっついて眠っていた。夏の間は見られなかった光景。特定の棲家を持たない彼らには、厳しい季節の到来だなぁ。

今日は比較的早く帰宅出来たのに、これと言って何もする気になれず、台所の板の間でゴロゴロと寝転がっていたらば東京のFから電話アリ。馬鹿話を2つ3つ。いつものように「返事に誠意が感じられない」と言われてしまった。が、反論の余地無し。「うんうん。頑張ってな。うん。そうやな」と言う言葉は、心から発したものでも、頭で考えたことでもなく、筋肉運動の賜物なのであった。

まだ火曜日だというのにイマイチ勢いに欠ける感じ。明日は仕事帰りに秋らしいデザートでも買って帰ろうかな……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月03日(月) しばし休憩。

やはり年末で仕事を辞めることにした。

結婚後も続けられるように残業を考慮してくれる……との、ありがたい申し出があったのだけど、どう考えても体力的に無理だなぁ…と。もう少し職場が近ければ、それもアリだと思うのだけど。

思えば図面描きになってからというもの、ずっと派遣社員だったので渡り鳥のように職場を変わっていたけれど長い休憩って取ったこと無かったものなぁ。仕事をしていない期間が無かったとまでは言わないけれど、そういう時って何某かのトラブルを抱えていたのだ。家族の誰かが入院してたり、自宅療養していたり。

賃金労働は、しばらく休ませてもらうと思う。新生活が落ち着いたら、また改めて仕事を探して頑張ったらいいかな……と。今の職場から離れるのは残念だけど自分が1番大事だもの。とりあえず腰痛を完治させるところからはじめよう。

それにしても、あと3ヶ月で職場の人達とお別れかと思うと寂しくてたまらない。こんなに「寂しい」と思えるなんて、ありがたいことだなぁ…と思う。プンスカ怒って辞めた前職場とは雲泥の差。

退職までの残り時間、手を抜かずに頑張ろう。恩返し…って訳ぢゃなくて、お給料の分だけ働かないとね。明日は現場直行で、朝がノンビリなので、寝床に入って、ちょっくら本でも読むかな……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月02日(日) 乙女な母の誕生日。

今日は濃厚な1日だった。

未来の夫と、夫の母。私と乙女な母との4人でランチなど。いわゆる「親同志の顔合わせ」ってヤツである。未来の夫のお母様は、明るくおっとりとした女性。たぶん仲良くやっていけるだろうと思う。乙女な母も未来の夫のお母様と会って安心したようだ。始終なごやかなムードのランチタイムだった。

ランチを終えて解散してから、家へ帰る道すがら乙女な母の誕生日プレゼントを買いに靴屋へ行った。今日は乙女な母58回目の誕生日。私と愚弟からささやかな贈り物ということで。「足の悪い人でもはきやすい靴」と言うことで、心熱い、仕事熱心な店員さんが勧めてくれたのは、底が厚くクッションのしっかりした上質のもので乙女な母大満足。気に入った靴が見つかって良かった。

1週間の食料の買出しを終えて帰宅。食料を買うついでに、スーパーで竜胆の花を買った。リンドウって、どうして龍の肝なんていうイカツイ漢字が当てられているのは、根っこが胆汁のように苦いからだそうな。ちなみに、この知識は立花えりか&北野じゅんこのイラスト絵本からの受け売り。

帰宅したらば、どっと草臥れてしまって1時間半ほど昼寝をしてしまった。最近、草臥れると腰にくるらしくて、仕事もしてないのに腰が痛くてしょうがない。明日からまた1週間がはじまるというのに困ったものだ。

夜は味噌仕立ての石狩鍋で乙女な母の誕生日を祝った。なんだかんだと文句を言いながらも、無事に誕生日を迎えてくれるのは、ありがたい。あと何回乙女な母の誕生日を祝えるかは分からないけれど、これからも平和に祝いたいものだと思う。

さて。明日からまた1週間が始まるのだし、お風呂に入って早く寝よう……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


2005年10月01日(土) ツイてない土曜日。

今日は朝からツイてなかった。

齢15歳の愛犬がオシッコの失敗をしたところから朝がはじまった。オシッコの躾は完璧に出来ていたのだが加齢と共に泌尿器が弱ってきたらしく、ちょくちょく失敗するようになっている。本人の意思とはかかわりのない失敗なので、叱る訳にもいかず。朝から後始末に追われて、軽く草臥れる。

不動産屋へ行くべく9時半に未来の夫がやってきた。約束の時間までマイ・サンクチュアリで紅茶を飲もう…とて、まったり過ごしていたらば、不動産屋のオバチャンより電話。こちらが客だと言うのに、約束の時間にもなっていないと言うのに「早くおいで」と催促されて、お茶もそこそこにして不動産屋へ。

2軒ばかり連れて行かれたが、酷い物件でウンザリした。おおよそ「この世のものとは思えない」ほど異臭の漂う汚い家で「どうやったら、ここまで汚くなるんだろう」と呆れてしまった。古い云々以前の問題。不動産屋のオバチャンも「この物件は酷いわ。駄目やね」と呆れ顔……てか、中身を確認してから案内して欲しかったと思ったが、あえて突っ込まず。

地元のカフェで昼食を取り、気を取り直すべく映画へ行った。映画の日だったので映画館は大混雑。観たい回は満席だったので、書店&喫茶店で時間を潰して夕方から『チャーリーとチョコレート工場』を鑑賞。

役者としてのジョニー・ディップも、監督としてのティム・バートンも大好きなので期待していたのだけど、まったくもって受け付けないタイプの作品だった。原作は子供の頃に読んでいるので粗筋は知っていたのだけど、なんかこぅ……後味が悪かった。そして映像の気持ちを悪さにゲンナリ。悪い映画とは言わないが私の感覚には合わなかったらしい。期待していただけにガッカリ度もさらに倍。

ついてない日というのは何をやっても駄目だと相場が決まっているのだ。「駄目な時は撤退する勇気が必要だよね」ということを学んだ。

身も心もボロ雑巾のように草臥れて帰宅。休みの日にお金を使って草臥れるなんて馬鹿みたいだが、こんな日もあるさ…ってことで、今日の日記はこれにてオシマイ。


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