君からの電話
出なかった
出れなかった

何度かかかってきたけど
音が聞こえないように
クッションで押さえ込む

出るのが怖かった

『もうなんとも思ってない』

そう伝えたのに
それでも君の相手が心配するから

『実は君達が付き合う前から
　僕には相手が居たんだよ』

と、今までついた事のない
嘘をついてしまった。

正直迷った。
でもこれでよかったんだ。
君達の仲を心から認めた事になる。

認めたかったんだ。
そうしなきゃ・・・

気持ちが落ち着いてきた。
仕事は日に日に忙しくなってきて
肉体的にも精神的にも辛いけど
情緒が安定してきた気がする。

無理して止めていた煙草を
最近また吸い始めた。

あいつの前では自分を抑えてきた。
いつも心のどこかで
『こんなの自分じゃない』
そんな気がしてた。

でも今は違う。
本来の自分を取り戻し始めてる。

そのままの自分でいる事って
こんなにも楽だったんだ。



やっと解き放たれた。

人が亡くなった

一度しか会った事がない
会社の人の友人

とても面白くて魅力的な人で
僕をとても気に入ってくれた


詳しい事はわからないが
死因はどうやら事故らしい

人の命の儚さよ・・・

−幸せになれよ−
『・・・う〜ん・・・』
−幸せなんだろ？−
『・・・私の事どう思ってる？』

付き合ってる奴がいるのに
どうしてそんな事聞きたがる？

−さっきも言っただろう？−

適当に流してるのに
何度も何度も聞いてくる。

君は一体何を言ってほしいんだ？
どんな言葉を期待してるんだ？


もうお前には会いたくない。
声も聞きたくない。
顔も見たくない。

これ以上お前なんかに
振り回されてたまるか！


失せろ

君にもやっといい人が
見つかったみたいだね

最初はちょっと動揺したけど
今は心がすっきりしてる

今まで心にかかっていた
モヤモヤが一気に晴れた
不思議なほど綺麗に

僕はこれをこの状況を
心待ちにしていたのかもしれない
決して強がりなんかじゃない

これからはわだかまりなく
前に進める気がするよ

本当に良かった
心からおめでとう

モヤモヤモヤモヤ
モヤモヤモヤモヤ

心の中が煙ってる

灰色がかってる

いつになったら
晴れるんだろう

でもきっといつか・・・


やまない雨はないから
はれない霧はないから

まだ微妙に葛藤してる

以前に比べて落ち着いてきたけど
多少無理してる部分もある


だけど
立ち止まってるわけにはいかない
時間はかかるだろうけど
少しずつ前に進まなくちゃ

掻き乱される事のないように
意思を強く持って自分のペースで

用事があって君と二人で会った

君はすぐ出掛けなきゃいけないと
申し訳なさそうにしてたけど
別にそんな顔しなくてもいいし

こっちも用事が済んだら長居せず
さっさと帰るつもりだったんだし

最近いろんな人に
素敵になったね
綺麗になったね
と言われるようになった

頑張ってる効果が
徐々に現れ始めたかな？

もっともっと
上を目指して頑張ろう

自分の気持ちに負けないように
押し潰されないように・・・