もうかなり昔だがダイビングに夢中になっていたことがある 沖縄の離島やミクロネシア諸島へ暇をみつけては潜りに行っていた 水中というのは別世界 見えるもの、聞こえるもの、そして肌の感触 全てが地上にいるときと違う 現実社会から、日常生活からいっさい解き放たれていく 会話が無意味な海中では完全なる孤独感が手に入る 浮遊、足が地についていない不安定さが心地いい もうこれ以上深く潜ると耳がヤバイ パートナーがアップの合図を示してくる 「もうちょっと」「このまま死んでしまっても・・・」わたしはダウンのサインをおくる 海には魔力がある 人間の判断力を鈍らせてしまう甘くやさしい誘惑のようなもの 死への誘い
わたしは登山はしたことはないが山を愛する人はどうなんだろう しっかりと大地に足を着け一歩一歩登っていく 前をしっかりと見据え目標に向かって困難に立ち向かっていく たとえなにか命にかかわることが起こっても決して生きることをあきらめないのだろう 現実からけっして目をそらさないのだろう
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