妻があちこちさまよったり(もちろん散財している),同じ種類のケーキを毎日焼いたり,あろうことかそうじしたりしている。 自転車であっちまで行った。こっちまで行った。今日のケーキはふくらんだ,ふくらまない,ここがきれいになったから見ろ,ほめろとうるさい。
まずい。ひまなんだな。こんなときには…。
「模様替えしたい」
はっ。やっぱり。なまじちょっとそうじをしたら,いろいろ目に付いてきたんだな。
「こう,大々的にリビングの配置を変えたいなー。棚も買ってさ」
いや,今のままでいいんじゃないですかね。それより,もっとちゃんとそうじと片づけをすれば,模様替え以上の効果が得られる…
「私の席はテレビが見にくいんだよっ」 「何より飽きた!」 「予算いくら?」
って,まだ模様替えに賛成してないんですが。
「あー,でもなー,やっかいものがあるからなあ」
はっ。それは,あれですね。 リビングの壁に鎮座ましましている。 もっと小さいのにしろと言ったのにあなたが無理やり買った。 その。
「ばかでっかいブラウン管のテレビ」 「だいたい○○タイマーで壊れるはずなのになんでこれだけ壊れないのさ」 「あーあー,一思いにぱーっといっちゃってくれないかなあ」
なんてばちあたりな。そんなこと言ってほんとに壊れちゃったらどうする…。あ,あれ? つつつ,つきませんよっ。うんともすんとも言わなくなっちゃいましたよ。
「やったあ」 「グッドタイミング!」
ひどいこと言うなあ。 修理っていう手だってあるんですよ。 しかし,なんで急に映らなくなっちゃったんだ。
「もう寿命なんだよ,買い替えだよ」 「って言いたいところだけどさあ」
「コンセント,抜けてるよ」
あっ。
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