妻はこの三日間スクーリングだとか言っていなかった… 上に一度も夕飯を作らなかった。
6時過ぎに帰ってきてるんだから、作れるんじゃないのか? 初日はそう思ったのだが、 どうやらすこぶるできが悪いらしく、 お持ち帰りで作業しているため、睡眠時間が極端に少ない。 夕食作りを促して、倒れられたりしたらえらいことなので黙認。
しかも、2日目は雨で車で送り迎え。 3日目はみるからに睡眠不足でふらふらしているため、 危険な香りが漂っていたので、送り迎え。 自転車に乗って自力でいったのは初日だけじゃないか。
あの立派な自転車は何のために買ったんですかねえ。
あ、そういえば2日目に忘れ物を届けるために雨の中僕が乗ったか。
しかも、持っていってやったのに、
「あ、あたしの自転車…」
と、不満そうにつぶやかれたっけ。
あたしが乗らないから乗ってやってるんだろうが!
次の週末から2週続けて妻は土日ともいない。 つまり僕が全面的に子供のめんどうを見るわけだ。 いや、いつもそんなもんだけどな。
しかし、プレッシャーだ… ため息をついていると、
「午前中どっか行ってきていいよ」
と、妻。
おおお。 君も少しは申し訳ない気持ちとかいたわりの気持ちとかあるんだな。
「新しい自転車、使っていいから」
な、なんと。 昨日は、乗るんだったら「かーしーてー」と言えとか、 汚れないように乗れとか言っていたのに。
「今日は結婚記念日だし〜」 「こんな私に12年もつきあってくれてありがとうございました〜」
おお。殊勝な。 じゃあおことばに甘えてちょっくらサイクリングでもしてくるか。
「あ。どうせ行くんならさあ」
どき。
「吉祥寺に行ってグリップ直してもらってきてよ」
ぐ。そう来たか。 ま、特にあてもない旅に出る予定だったからまあいいか。
吉祥寺か。 ついでになんか甘いもんでも買ってくるか。 母の日だし、結婚記念日だし…
はっ。 いいように操られている?
さすが結婚12年… 成長しているのは身体だけじゃないんですね…
妻がスクーリングに行くのに自転車がいるのだと言う。 たしかにバスは時間が読めないし、自転車がいちばん早いのだが。
なぜ、新しい自転車が必要なのだろうか。 うちにはオトナが乗れる自転車が二台もあるのに。
「子供のせかごがついてるのはいやなんだよー」 「それにあの自転車ものすごく重いんだよー」 「しかもぼろぼろじゃん」
まー、たしかに見た目はそうかもしれませんけど、 まだ乗れるんですから。
「でもね。前にチェーン切れたんだよ」 「こないだはパンクにブレーキ」 「もう寿命なんだよ。うちの自転車。十年以上乗ってるんだから」
たしかににアナタが乗っているのは、 子供2人+アナタというとんでもない重量… 成長してるのは子供だけじゃないみたいですしね。
おっと、話がそれた。 結局、
「吉祥寺にいいのがあるんですよ、だんな」
そう言われて先日見に行った。
うーん。 スーパーで売ってるのとどこが違うんだろうか。
「え?どこって。ど、どことなく」
それは吉祥寺で売っている、ということだけじゃないんですか。 とりあえずその日は下見だけだったのだが。
今日いきなり携帯に電話が。
「あのね、赤い自転車はないんだって。取り寄せなんだって」 「み、緑でもいいかな。今日乗って帰りたいし」
は? ま、まあアナタのですからいいですよ。好きにしてください。
しばらくして今度は写真つきのメールが。
「帰る途中で気がついた。グリップが破れてる…」
なんで買うとき確認しないかなー。 どうしてそういう買い物するかなー。
僕は今日誕生日でした。
妻からは昼間メールが届きました。 あれ?これ去年と同じじゃないですか?
- 確認中 - - - - -
しまった。 過去のメールってどうやってみるかわからない…
夕飯はカレーでした。 誕生日なのにカレーですか。
「だっていちごがおとーさんはカレーが好きだって言うから」 「みんなで作ったのよ」
ほほー。 そうだったんですか。 先に言ってくださいよ。 うれしいなあ。
ケーキもついてました。 チーズケーキでした。
「それもいちごがまぜたんだよ」 「りんごもいっぱい手伝ってくれたよ」
あれ?アナタは何をしたんですか。 なんだかごまかされてる感じがするなあ。
ムスメ達が妻の実家に泊まったので、とっておいたビデオを見た。
主人公が、妻が病気の老夫婦の家に訪問看護に行く話が出てきたのだが、 その妻が夫に、アイスを買ってきて、と頼んだ後に
「こんなわがままを言ったのは初めてなの」というセリフがあった。
思わず僕がほおっと言うと、妻も驚いたように、
「わ、わがままだって」 「じゃあ私はわがままばっかり言ってるてぇの?」
あ、いや。 まあ人それぞれですからね。
で、この妻が亡くなった後に夫が
「とてもきちんとした人でした」 「僕が起きる前に身支度をしているような」 「台所に入ろうとするとあなたはそんなことしないで、と言って」
などと亡き妻について語った。
「うひゃー、じゃあ私は死ぬときまでだらしないってことかぁ」
ま、まあ。 人それぞれですからね。
「しかし、何よね。やっぱアンタより早く病気になって先に死なないと」 「めんどう見てもらうほうがお得だもんね」
お得ってアナタ。 まあ… 人それぞれですからね…
ふっ。
2003年05月02日(金) |
やすうけあいから約一週間 |
名刺はさすがに作っていただきました。 ぶちぶちいいながら。 家族総出でプリンターから出てきた紙を、 ミシン目でパリパリと切りました。
旅行は本人が行きたいのだから、ちゃんと手配してくれました。
で、ボタン。 未だにつけてくれません。 「半そでのシャツにボタン付けてくださいね」 と、何回も言ってるんですけど。
とうとう聞こえないふりするようになりました…。 このシーズン、このシャツは着られないかもしれません。
|