世にもいい加減なネバーエンディング海外ドラマ
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2002年05月28日(火) リチャードmyラブ 5

         アリーはぶつぶつ言いながら、またユニセックスのほうへ歩き出してしまう
         ユアンはリチャードの横を通りすがる


ユアン  「(びくっ)な、何?」

        いつものごとく突然取り付かれたようにリチャードが
        うっとりと人差し指をユアンの喉元にすべりこませたのだ


リチャード  「いやぁ、別に、ほら、すすが・・・」
ユアン    「・・・・すす?」
リチャード  「(既に指を嗅いでるし)・・え?すす・・」
ユアン    「・・・・(腑に落ちないが仕事を終らせようとする)」

         そばにいたジョンはあきれている。エレインはそれを見逃さない
         
         アリー、用は済んだんだったと気がついてUターン
         戻ってきてエレインをじーっと見る


エレイン   「あら、なーに?アリー」
アリー    「うんと、その、今までに、間違えられたことある?」
エレイン   「・・・何と?」

       アリーとエレインが話している間に、ユアンがリチャードのところに戻る
         
エレイン   「やだ、アリー。私よ?ありえない・・・あ(と、気づく)」
アリー    「(それに気づかず)そうよね、そう、きっと、彼女の方が不思議な・・・」
エレイン   「アリー!それより、見て、リチャード」
アリー    「え?」(振り返る)
エレイン   「・・・(微笑)」
アリー    「え?何?」
エレイン   「(嬉しそう)・・・ユアンのたるみ」
アリー    「触ったの?!」
エレイン   「さっき」
アリー    「(もう、リチャードったら・・・)・・・さっき?今じゃなくて?」
エレイン   「ええ、さっき。彼女、わざわざ戻ってきたみたい」
アリー    「え?それってどういうこと?」
エレイン   「さぁ。でも、多分、これからがいいところ。うふ」
アリー    「何、それ?」
エレイン   「勘よ。いいから、見てて」(目がきらきらしている)
アリー    「!・・・・この目だ」

         と、エレインを見た後、しかしアリーもリチャードたちを見てる
         丁度、マークも通りかかり、ふとリチャードの方に目をやる
         リチャードはユアンが自ら近付いてきたので、ぽかんとしている
         ジョンはそばでただならぬ雰囲気を感じ取る
         ユアンは、そのうちだんだんとりあえずにやけはじめるリチャードを見ているが


ユアン   「この現代の社会生活で、首にすすがつくことって、そうないと思うけど」

つづく


2002年05月24日(金) リチャードmyラブ 4

ジョン     「あぁ、リチャード」
リチャード  「何?ジョン」
ジョン     「いやぁ、別に・・・その、ただ、いい光景だと思って」
リチャード  「光景?」
ジョン     「そう、なんていうか、空気に清浄感がある」(満足)
リチャード  「そう。・・・で、それ、どういう意味?」
ジョン     「・・・(見返す)」
リチャード  「(無邪気に)なんかの比喩?あぁ、比喩だって、俺」
ジョン     「・・・あの光景見て感じないの?一服の清涼感みたいなものを」
リチャード  「全然。ていうか、いつも澱んでるわけ?ここらあたり・・・あれ?
        あの子(やっと気づいたか)」
ジョン     「そう、あの子」
リチャード  「いいたるみ」
ジョン     「君ってやつは!もう、いいよ」

リチャード  「え?なんで?何、怒ってんの、ジョン」
ジョン     「彼女の持つ、一種独特のあたりを爽やかにする感じ、わかんない?」
リチャード  「え?人間空気清浄機?」
ジョン     「(もういい、という風に両手を動かす)・・・(ふと)あれ?はじめて見るの?」
リチャード  「俺はね」
ジョン     「彼女のこと知らないの?」
リチャード  「俺はね」
ジョン     「(首を横に振る。あきれている)」
リチャード  「それにしても、あれはいいたるみになる」

        ユニセックスから戻ったアリーを途中で捕まえるユアン
        びっくりするアリー


アリー  「え?え?ユアン、何?どうしたの?」
ユアン  「ごめんね、ちょっと聞きたいことあって」
アリー  「何?」
ユアン  「ちょっと・・・」(と、エレインの見えないところへひっぱる)
アリー  「え?ど、どこ・・・な、なんでしょう?」
ユアン  「ここならいいわ」
アリー  「な、なにが、ですか?(軽く緊張して改まってしまう)」
ユアン  「会ってすぐで、なんなんだけど」
アリー  「え?」
ユアン  「すごく立ち入った事聞くけど」
アリー  「はい」
ユアン  「こういうことは、最初にはっきりさせておいた方がいいと思うから」
アリー  「ええ、そうかも・・・」
ユアン  「あの、エレインって」
アリー  「え?エレイン?(拍子抜け)」

ユアン  「そう、直接聞けばいいけど、ほら、微妙でしょ?」
アリー  「び、妙・・・?」
ユアン  「あなたたち仲よさそうだから、いいかなと思って」
アリー  「何が、いいのか・・・な?」
ユアン  「プライベートな質問、替わりに聞いても・・・」
アリー  「いや、あの、(またちょっと緊張して)どうだろうそれは・・・」
ユアン  「?」
アリー  「(じっと見つめられて)答えられることと、そうじゃないことと
      もちろんあるっていうか、知らないこともあるわけだし・・・」
ユアン  「(笑って)それはそうよね。でも、プライベートだけど、
      ベーシックな質問だから」
アリー  「べ、ベーシック?」

ユアン  「どんどん、混乱してくるから、早く本題に入ってもいいかしら?」
アリー  「え、ええ、その方がよさそう」
ユアン  「違ってたらいいんだけど、その・・・エレインて女性が好きなの?」
アリー  「?!・・・・・あ・・・エレインが?・・・・・・」
ユアン  「さっきのダンスに誘われたの、まさかデートじゃないわよね?」
アリー  「まさかエレインに限って、それはないと思うけど」
ユアン  「そう、なら、良かった」(すっきりしている)
アリー  「あ、あなた、それで、私を誘ったの?」
ユアン  「え?」
アリー  「あ!いや、その、誘ってないけど、誘ってる風な・・・
      ほら、さっき、私に水を向けたでしょ?」

ユアン  「あぁ、そう、もしも彼女がデートのつもりならまずいな、って思って・・・
      って、もしかして、あなたはあなたで、私を誤解した?」
アリー  「あ、ごめんなさい、もしかして、って・・・ちょっとだけ、ほんと、
      ほんのちょっとだけ、なんかわかんないんだけど、ピンときて」
ユアン  「あはは、おかしい、私たち」
アリー  「あは・・・(力なく)そうね、おかしい・・・でも、エレインを、なんで?」
ユアン  「あんまり強くじっと見つめるから・・・」
アリー  「あぁ、あれが普通。くせみたいなもの?興味わくことには、何でもあんな感じだから」
ユアン  「そう、それ聞いて安心した。これで気軽に楽しめる。
      今夜も行くかも知れないって伝えておいて」(仕事に戻る)
アリー  「あ、わかった・・・・って・・・私がドキドキしてどうするのよ」

つづく


2002年05月21日(火) リチャードmyラブ 3

             そう背は高くはない。髪も肩より長めシャギーの入った金髪
             目元がぱっちりしている。ボーイッシュではないが不思議と中性的な
             感じがする。ケイジ&フィッシュの空気に馴染んでいる。


ユアン   「郵便よ」
エレイン  「あ、ありがと」
ユアン   「あ、それからこれも」

             と、小包を渡す。そばにいたアリーはそれを見ている

エレイン  「あら、届いた」
アリー   「また何買ったの?通販でしょ、それ」
エレイン  「うふふ、これはね・・・(言いかけて、じっとユアンを見つめる)」
アリー   「・・・?エレイン?」

             過去のメールガールとの顛末が走馬灯のようにアリーに思い出される

アリー   「エレイン?ちょっとまさか、また敵意むき出す気じゃ・・・」
エレイン  「アリー、私も成長するの」
アリー   「え?(切り返しに意表をつかれる)」
エレイン  「ねえ、あなた、ごめんなさい、ねぇ」(ユアンに呼びかける)
ユアン   「(声に振り向き)・・・」
エレイン  「ええ、あなた」
ユアン   「はい?私?」
エレイン  「ええ、そう。うふ、呼び止めてごめんなさい。名前まだ知らなくて」
ユアン   「ユアンよ、よろしく」
エレイン  「私、エレイン、こちらアリー、彼女は弁護士で私は彼女の秘書なの」
ユアン   「よろしく」(アリーに)
アリー   「あ、よろしくね」(と、友好的なエレインに途惑いながら)
エレイン  「(行こうとするユアンに)ユアン、あの、名前が知りたくて呼び止めたわけじゃなくて」

ユアン   「?」
アリー   「エレイン!(やっぱり?という感じで制する)」
エレイン  「(アリーに)違うから。(ユアンに)ね、思い出さない?私のこと・・・」
ユアン   「え?(あまりにじーっと見つめられ少しひいている)」
エレイン  「ほら、やだ。バーで。何曜日だったかしら、ねぇ、踊ったじゃない?」
ユアン   「あなたと?」
エレイン  「2人じゃなくて」
ユアン   「(ふいに思い出し)あぁ、もしかして・・・」
エレイン  「そう(スゴク嬉しそう)」
ユアン   「楽しかったわね。みんなで踊った時でしょう?」

アリー   「・・・(話がみえない)」
エレイン  「(アリーに言いながら嬉しそうにユアンを見てる)
       この前、下のバーで盛り上がっちゃって」
ユアン   「へー、あなたもいたんだ」
エレイン  「この人はいないわよ」
アリー   「(首を振ってる)」
ユアン   「じゃなくて、エレイン、あなたもってこと」
エレイン  「あら・・私を覚えてたわけじゃないんだ?(ちょっとショック)
       思い出してくれたかと思ったのに」
ユアン   「ごめんなさい。あぁいうその場で盛り上がって、ぱっと一体感が一瞬にしてできる
       感じっておもしろくて、好きなの。それで、はしゃいじゃって、実は
       誰がそこにいたかなんて覚えてないの(爽やかに笑っている)」

         いつの間にかジョンがフロアに出てきてその様子を見ている

エレイン  「そ、そう」
ユアン   「気を悪くした?」
アリー   「この人、ダンスは自信があるから、目だってなかったことが悲しいのよ、
       気にしないで」
エレイン  「なんでアリーが代弁するの?」
ユアン   「ほんと、あのバーも初めて行ったし、ここの人よく来るって聞いてたけど、
       ここにくる前だったし、ごめんねエレイン」
エレイン  「いいの・・・」

ユアン   「我を忘れるってほどじゃないけど、踊ってるのが楽しいって気持ちに没頭しちゃって」
アリー   「そうよね、ナンパしにいってるわけじゃないんだから、人の顔、いちいち
       覚えようとなんてしないものね、ほんと気にしないで」
エレイン  「だから、私の気持を勝手に代弁しないでったら、アリー」
ユアン   「ふふ、でも、あなたおもしろい。それに、あの時、一緒だったんなら、
       うまかったと思うわ、ダンス」

エレイン  「そう?(気持の切り替えが早い)ねぇ、よかったら今度また一緒に踊らない?」
ユアン   「ええ、あのバーはああいうの多いの?」
エレイン  「いつもじゃないけど、昨日面白い人見つけたの。また盛り上がると思う、
       今夜は来る?」
ユアン   「あ・・・今夜はちょっとわからないけど」

       あまりに嬉しそうにじっと見つめて話すエレインに、ちょっと敏感になるユアン
       横で郵便を見ながら話にそれ以上加わるでもないアリーに


ユアン   「アリー、あなたはいかないの?」
アリー   「あ、私は毎晩踊ってるわけじゃないけど・・・行くのは、行く、かな?」

       急に話を振られて、今度はアリーが敏感になる

エレイン  「ここの事務所の人間は誰かいると思うから、都合のいい日に寄ってみて。
       ふふ、ほんとおかしな人見つけたのよ」
アリー   「とにかく、その中でもエレインがいる確率はかなり高いから」
エレイン  「そうね、できれば一緒に踊りたいわ」(にこにこしている)
ユアン   「じゃ、まだ他、まわらなきゃ・・・(と、郵便物を見て)」
エレイン  「そうね、じゃ」

       ユアン、いぶかしげな表情で他の郵便をくばりはじめる
       アリー、いぶかしげな表情でユアンを見ながら、思い出したように
       手に持った郵便を置き、ユニセックスの方へ
       ジョンの横にいつの間にかリチャードが立っている


つづく


2002年05月19日(日) リチャードmyラブ 2

リン       「あら、ここにいたの?」
サンシャイン  「はい(ドキドキ)」
リン       「あとで寄ってくれる?」(と、声をかけるだけで、すっと去ってしまう)
サンシャイン  「はいっ!(夢見ごこち)」
アリー      「あぁ、ほら、嬉しいのはわかるけど、ちゃんと商売しなきゃ。
          ハイ、お金」
サンシャイン  「あ、そうでした。ありがとう・・・」
アリー      「それから、リチャードだけど、ほんといい人なの。でも
          (軽く顔をしかめて笑いながら)伸びてきた人差し指には気をつけて・・・」

             返事が聞き取れないほどのスピードでリンの部屋へ向かおうとするが
             入り口でリチャードに出くわす。


リチャード   「やぁ、サンシャイン。僕の分もある?」
サンシャイン  「(気持はスゴク急いでいるので)ええ、何かあります。
         急いでいるのであとでうかがいます」
リチャード   「そう?じゃ寄ってくれる?」(と、思わず人差し指が・・・)
アリー     「(見ていて)リチャード!!」
リチャード   「おぉっと(手を引っ込める)」

アリー     「やっぱり彼女がリチャードに取り入ったってことはなさそう。
         将来のたるみ予備軍でリチャードの方が気に入ったみたいね。だからエレイン、
         もう変に構っても無駄、煽れないと思う。残念だろうけど・・・やめなさい!」
エレイン    「せっかく一波乱あるかと思ったのに、つまらない・・・」

          アリー、エレインと扉口のリチャードを見ながら会話している
          リチャードはへらへらっとサンシャインの後ろ姿に手を振り
          2人の視線に気づき、とりあえず、愛想に手を振ってみるが
          形勢不利と、そそくさと退散する。
          リンのオフィス。リンはソファに座っている。サンシャイン、はいってくる


リン       「あら?」
サンシャイン  「あ、あ、あの遅くなりました。えと、あの・・・」
リン       「そんなとこに突っ立って、私にそこまでサンドイッチ選びに行けって言うの?」
サンシャイン  「そ、そんな・・・入ってもいいんですか?」
リン       「どうぞ」
サンシャイン  「失礼します」
リン       「よそでは平気なのに、どうしてそんなに堅いの?」(わかってて聞いている)
サンシャイン  「え?べ、べつにリンさんが怖いとか、そういうんじゃなくて、あの、その」
リン       「・・・(笑っている)」
サンシャイン  「ちょっと緊張してしまって・・・」
リン       「いいわ。今日のお薦めは何?」
サンシャイン  「えっと・・」
リン       「(さえぎって)チャイニーズ風なものってあるのかしら?」
サンシャイン  「いえ、メニューにはないですね。・・・あの、チャイニーズお好きですか?」
リン       「特別どうしても好きってわけじゃないけど、聞いてみただけ」
サンシャイン  「チャイニーズなサンドイッチって・・・・(困惑)」
リン       「ちょっと想像つかないから、食べてみたいの。でも、今日はお薦めで許してあげる」
サンシャイン  「あ、はい。じゃ、これ・・・。(渡しながら意を決して)
         おやじさんに聞いてみます。そういうのできるかどうか。結構リクエストには
         答えてくれるんです。組み合わせとか、具の量とか、パンの厚みとか」
リン       「そうなの。じゃ、聞いてみて」

        リンからのリクエストで頭が一杯のサンシャイン、そのまま帰ってしまう
        リチャードがフロアに出てきて、エレインとアリーに声をかける


リチャード  「ね、僕のランチちゃん知らない?」
エレイン   「?」
アリー    「・・・誰って?」
リチャード  「サンシャイン。ね、知らない?後で寄ってくれるって言ってたんだけど。
       (なんだかのほほんな感じ)まだ買ってないからサンドイッチ」
エレイン   「彼女なら、さっきエレベーターで降りたと思うけど」
リチャード  「ウソだろ?僕のランチちゃん・・・」
アリー    「リチャード・・・それ、多分、ギリギリかも。ていうか、語弊がある」
リチャード  「なんで」
アリー    「わからなければいいけど。彼女、名前あるから。リンと違って
        食べ物の名前で呼ばれてもきっと嬉しくないと思う」
エレイン   「それに、食べモノそのものな言い方だし・・ふふ」
リチャード  「・・・(肩をすくめて部屋へ戻る)」

             そこにメールガール、ユアンがやってくる

つづく


2002年05月18日(土) リチャードmyラブ 1

 われらが「ケイジ&フィッシュ」にとって、なくてはならない男、それは共同経営者の1人、リチャード・フィッシュに他ならない。もちろんジョン・ケイジの存在を彼より軽く扱おうとしているのではない。彼について、それは、また別の話・・・。
 
 リチャード・フィッシュ、その存在がなくてはならない理由は、まず、彼が『アリー・マクビール』の幕を開けたに他ならないからだ。あの日、アリーが前の事務所を辞めたその日、その直後、アリーはリチャードと再会する。そしてほどなく彼の事務所に雇用されることになる。その時物語は動いた。・・・アリーとビリーが再会するということがもし運命で決められていたならば、きっといつか他の時、他の場所でも出会っただろう。しかし、それが、「ケイジ&フィッシュ」であったことは偶然ではなく、もはや必然と言えるのではないだろうか。ここだったからこそ、アリーとビリーは良き再会を果たせたのではないだろうか。
  
 物語の主軸2人の過去を知る友人。同じ場所で学んだリチャード。しかし、彼はダメ弁護士扱いである。出てくる言葉は「金!金!金!」フィッシュ哲学ふりかざす、合理主義的経営者。はなもちならない金持ち(?)。今は死語?ヤン・エグっ!!なのに、なのに、愛されキャラ。憎めないキャラ。そう、一刀両断(というとカッコウ良過ぎか)「前向きに!」のフィッシュ哲学で全てをチャラにしようとする男。だがアリーたちは幾度、このフィッシュ哲学に助けられたことだろう。
 しかし、ここに、忘れてならない、彼のキーワードが残されている。「たるみ」だ。この物語はリチャード・フィッシュの「たるみ」への飽くなき、果敢な、時に無謀とも言えるアプローチを余すところなく追ったドキュメンタリーである。・・・・・・・・わけがない。



『リチャードmyラブ』〜たるみは舞い降りた〜


              ボストン空撮。午前。ケイジ&フィッシュ外観。
              アリーのオフィス。ドアは開放されている。自席につくアリー。
              エレインがサンシャインとしゃべりながらサンドイッチを選んでいる


エレイン  「ねぇ、サンシャイン、ほんとのところ、もしかしなくてもリチャード、タイプとか?」
サンシャイン 「(即答で)いいえ、全然」
アリー   「エレイン、急に何言い出すの?また何かたくらんでる?」
エレイン  「(アリーににっこり笑って、無視して、サンシャインに)そうなの・・・・」
サンシャイン 「いけませんか?」
エレイン  「いいの、ただね、リンに憧れてるあなたがリチャードを好きなら・・・
       ふふふ。ちょっとおもしろい・・・いえ、大変かなって思っただけ・・・」
アリー   「はぁ(やっぱり・・・な表情)サンシャイン、無視していいから、
       エレインの・・・(手をくるくるさせて)そういう話しは」
サンシャイン 「(アリーをちらっと見て、無視。エレインに)何故ですか?」

          アリー、良かれ、と思って口をはさんでいるのに、見事に無視され唖然。
          それを横目で楽しそうに見ながらエレイン更に続ける。


エレイン  「彼女達、最近までカップルだったから・・・」
サンシャイン 「・・・(結構ショック)」
エレイン  「あら・・・。もしかしてあなた女性のゲイ?(悪気はない)」
サンシャイン 「ち、違います!女性としてリンさんに憧れてるだけです・・・でも・・・」

アリー   「エレイン、いぢめて楽しまないの!」
エレイン  「しーっ!アリーは黙って!『でも・・・』何?」
サンシャイン 「リンさんが彼氏に選んだ人だから、きっと素敵な人なんですよね?
        リチャードさん。確かに親切だし」
アリー  「すごく自分に言い聞かせてるように聞こえる」
サンシャイン 「意味もなく『すすが・・・』って、首触るし・・・ちょっと・・・
        リンさんは、もっと違う人と付き合ってて欲しくて」
アリー  「リンにセレブ並みに、憧れちゃってるわけだ」
エレイン 「でも、リチャードとは、結局別れちゃったから、心配しなくていいんじゃない?」
アリー  「それに、リチャードもいい、・・・人よ。弁護士には向いてないけど、
      楽しいし、ちょっと寂しがり屋で、お金が好きで」
サンシャイン 「・・・?」
エレイン  「アリー!!」
アリー  「フォローになってなかった?・・・」

エレイン 「それにリンは」
アリー  「(こそっ)ハイ、ストップ」
エレイン 「(こそっ)なんで?現状把握しておかなきゃ。」
アリー  「(こそっ)彼女は、かっこいい女性=リンのことセレブみたいに憧れて、
      昼間のひと時を幸せに過してるの。その情報は、わざわざいいでしょ?
      夢壊したら可哀想じゃない」
エレイン 「でも、ジャクソンならいいかも・・・」

サンシャイン 「・・・(考えていて聞いていない)あの、リチャードさんてどういう人なんですか?」
エレイン 「あら?興味でてきた?(わくわく)」
サンシャイン 「だからそういう意味ではないですっ」
アリー  「振り出しに戻ってるってエレイン。いい加減にして。ほら、サンドイッチ選べたの?」
エレイン 「(少しつまらなそうにしてから笑って)うふ。今日はこれにしよう」
サンシャイン 「毎度、ありがとうございます・・・あ」

        通りすがったリンが見える。そそくさと出て行こうとするサンシャイン
        リンも中に気づく


つづく


2002年05月10日(金) 「アリー幕ビール」 予告2

「アリー・幕ビール」一幕劇集(?)から、第1回目に登場しました『ネルmyラブ』
約1ヶ月に渡りましたが、いかがでしたでしょうか?お楽しみいただけましたでしょうか?

ネル・ポーターのかわいい仮想ネット恋愛、
と、うたってみたものの、かわいいところはかいま見えまして?
ネルってやっぱり恋愛は不得手なの?という今回のお話しになってしまいましたね。


 次回、登場してくれるのは、ケイジ&フィッシュになくてはならぬあの男!!
ええ、あの男の登場です。
何、鳴らしましょうか・・・・・そうですね、今回はあえてヴァンゲリスの「炎のランナー」を・・・・。

 おわかりですね?


では、では、

Coming SOOOOOON!!!


2002年05月08日(水) ネルmyラブ 16(最終回)  

           翌日、夕方。アリーの事務所にレネとラリーがくる

アリー   「ラリー!(すごく嬉しそう)来てくれたんだ」
ラリー   「あぁ、思ったより早く終ったからね、バーで待ち合わせる前に、
       ここに来られる時間があるなと思って」
アリー   「早く会いたかったの?」
ラリー   「そういうことにしとこう」
アリー   「(くすっ)・・どうも、レネ。早く終ったの?」
レネ    「そう。(異様に顔が笑ってる)裁判所でラリーに会ったんだ。それで、
       一緒にきちゃった。いろいろ話しながらね」

アリー   「ん?」
ラリー   「そうだ、レネに聞いたんだけど、『カタフトモモ』の件では、大活躍だったとか」
アリー   「レネっ?!(うわずってる)」
レネ    「(笑いながら)アリー
      (笑って言えないけど、余計な事は言わないほうがいいよってアクションで)」
アリー   「な、な、何を?」
レネ    「(すでに大笑いしてる)」
ラリー   「(何がそんなにおかしいのか?ってレネを横目に)
       それだけしか教えてくれないんだ。けど、そんなに面白い話?なら、
       聞かせてよアリー」

アリー   「え?それは、その、人に話すような・・・?!
       (どういう話になってるの?と、レネを見る)」
ラリー   「堅い太ももがどう活躍したって?君の太ももそんなに堅くないよね?」
アリー   「はは、それ笑える」
レネ    「(大笑い)」
ラリー   「君のは柔らかい太ももだと思うけど(ちょっと笑って、肩をすくめる)、
       堅い太ももというのが別の誰かだとしたら、それはいったい君にとって
       どういう関係の人なんだろう?(茶目っけたっぷりに)」
アリー   「もう、ラリー。(ちょっと気が抜けて)それ以上言うと、セクハラで
       訴えることになるかも」
ラリー   「なんだ、楽しい話みたいだったのに・・・」
アリー   「とにかく、私は大活躍なんかしてません。期待するような面白い話じゃないし、
       それに、大昔のことよ、もう忘れたから、ね、バーに行こう!」

          そこにリンが通りかかる。エレベーターホールのあたり

アリー  「あ、これからバーに行くんだけど、一緒に行かない?」
リン   「今日は・・・・そうね、ええ、行こうかしら」
アリー  「どう?ネル」
リン   「さすがはネル・ポーター、訴えるのも止めて、別のところでまたメールフレンドを
      見つけようとしてる。懲りないわ、彼女」
アリー  「少しは懲りたんじゃない?それに・・・本当に待ってるだけかも・・・」
リン   「何を?」
レネ   「(リンと同時に)懲りるって何?」
ラリー  「(リンと同時に)訴えるって?」
アリー  「いいって、いいって、さ、行こう!」
ラリー  「(なんとなくくちづさむ)エラ・マラビジョッサ・ソラ♪」
リン・アリー  「エラ?!」

         アリーに「言ったの?」という視線を投げかけるリン
         「言ってない、言ってない」と首を横に振るアリー
          なんだかまだ笑ってるレネ
         そしてラリーたちの次のセリフが聞こえるか聞こえないか
         エレベーターがきて乗り込むところでフェイドアウト


ラリー   「エラ?彼女って意味だけど?『そして美しき彼女は1人♪』
      (わけがわからないけど、おもしろいのでくちづさむ)」
アリー   「もしかして3人とも1人?(リンと顔を見合わせる)」
リン    「YOU(あなた)、きれるやつ?」
ラリー   「僕?」
              
         ボストン夜景
         バーで飲んでいる4人とエレイン、マーク、ジョン
         ヴォンダが歌っている。あの曲だ。「World without love」
         途中から、ネルのオフィス。ほの暗い明かりなので
         デスク上のPCの明かりがぼーっとあたりまで広がり、ONなことがわかる
         ネルは、また窓の外を見ている。少し切なそうでもあるけれど
         少し、考えがまとまって新たに何かが切り替わったようでもある。

         『そうよ、私は待っているの きっともう少し・・・
          本当の愛っていうものが私に微笑みかけるわ
          彼はきっと現れる それがいつかなんてわからないけど
          だけど、彼が現れたらその人なんだって私にはわかる
          だからお願い その時までは
          どうか鍵をかけて私を閉じ込めて、放っておいて
          私は私の孤独を抱えてここにひっそり隠れてるの
          誰がなんて言おうとかまわない
          愛のない世界にいるつもりはないから』



                END

*この物語は実在する(のか?)ケイジ&フィッシュとは関係ないはずです。
 登場人物の言動は全て世にもいい加減ななんちゃって海外ドラマです。


2002年05月06日(月) ネルmyラブ 15(最終回の前)

          リン、ネルを残し、アリーを自分の部屋へ引っ張っていく

アリー  「ちょ、ちょっと、リン。いいの?ネルほっといて」
リン   「落ち着くまでほっといたほうがいいんじゃない?訴える!とかいきまいてるのは
      普段のネル・ポーターだし」
アリー  「訴えるのが好きだったのはリンだったんじゃ・・・」
リン   「(ガルルな瞳)」
アリー  「(だって・・・な瞳)ま、いいけど、何があったの?」

リン   「かいつまんで言うと、YOUとエラとホセフィーナに虚偽の申請があったってことね。
      それをUK・・・イギリス人チャラ男が自分もよく似た手を使った事があるからって、
      気づいて事務局に調べさせたら、すぐわかっちゃったってこと」
アリー  「あの・・・かいつまみすぎかなぁ、リン」
リン   「これはショックよ、ネル!(にやり)だってYOUは女性だったの。そしてエラが男性」
アリー  「どういうこと?」

リン   「エラはYOUがこのグループに入ることを知って、どうやったかはわからないけど、
      女性でメンバー登録したらしい。彼女、あ、彼か、ややこしいわね!
      YOUの同僚で、もともと気が在ったんじゃないの?本来、性別をごまかしてるYOUは
      誰とも実際には会えないはずだけど、エラのことメールしてるうちわかったんじゃない?
      それで、ネルのこと断わってきたのよ」

アリー  「え?じゃ、YOUはいい人なの?」
リン   「どこまでお人よしなの。虚偽の申請をする人がいい人?」
アリー  「・・・・うう。でも、年齢や職業ならまだしも性別まで・・・
      ストレートだとしたらウソつく必要ってどこにあるの?」
リン   「事務局調べでは、YOUはこの会にまずホセフィーナという女性で先に登録して、
      あとで、別のコンピューターから別のサーバーを使ってYOUという男で登録もした。
      自分がだまされない為の防御って書いてあったけど、本当のところは、
      小説のネタさがしかもしれないと、私は思ってる」
アリー  「え?YOUは男性で、ホセフィーナという女性と同一人物?何それ?」
リン   「事務局もいいかげんだけど、チャラ男もよくそういうの見つけること、スゴイ」
アリー  「リン、変なとこで感心してないでよ。なんか私まで腹立ってきた」

        ネル、リンの部屋まで来ている。ドアのすきまからノックまでの間に
        次の言葉を偶然聞いてしまう。


アリー   「ネル・・・大丈夫と思う?」
リン    「そりゃ、大丈夫じゃないでしょう。でもしばらくは、様子を窺うってとこね」
アリー   「リンて、いつもそういうとこあるよね」

       リンがアリーの言葉に反応しようとする時、ノックをしながらネルが入ってくる
       ネルに気がつく


リン   「・・・」
ネル   「じゃ、なんで?」
アリー  「ネル!・・・」
リン   「なにが?」
ネル   「じゃ、なんで、今回は様子を窺うだけじゃなくて、入り込んできたの?
      さすがのリンも好奇心?」
リン   「自分でもちょっと不思議だけど・・・」
ネル   「何が?」
リン   「まぁ、それはいいじゃない。(席を立つ)」
ネル   「?この話、前にしてない?デ・ジャ・ビュ?」
リン   「いいえ、したわ」
ネル   「じゃ、今度は答えて」
リン   「・・・・(少しばつが悪そうに)アリーほどではないけど、
      ネルが危なっかしそうに見えたのかも・・・。それからアリーほどではないけど、
      おせっかいやきたくなったのかも」
アリー  「・・・(軽く、どういうことよ?的にむっとする)」
ネル   「・・・(こちらもちょっと気まずそうに)そ、そう」(部屋を出て行く)
アリー  「(リンを見て微笑む)」
リン   「(表情をくずさない程度に笑う)」

つづく


2002年05月05日(日) ネルmyラブ 14

リン・アリー  「・・・(続きを促すような視線)」
ネル   「(言いにくいな、という風にリンをチラッと見て、主にアリーを見ながら)
      エラってもろラテンだし、思い込みが激しいんだって思う。もしかしたら
      登録年齢より若いかもしれないし。でも、それにしてもネットで幾度か
      会話しただけの人に興味は抱いても、話が合って楽しいと思っても
      『恋しくて、会いたい』とか、言う?『会えなくて、辛いとか切ない』って言う?
      ルールとは言え、そこまでメーリングリストで流す?」
リン   「するかもね、そういう人なら」
アリー  「それ自体が驚きでスゴイと思ったの?それだけ?」

ネル   「・・・・(益々、言いにくそうではある)あ・・・
      『恋しくて、恋しくて、会いたくて、会いたくて』そんな風に思える自分て
      いるのかなって。その上『会いたくて、会えないのが、辛くて苦しくて切ない』
      そんな私って今までいた?って・・・」
リン   「(刑務所行きの医者の事を思い出し)要素はあるんじゃないの?」
アリー  「(そのことは知らないので)リン?リンも?」
リン   「今はネルの話、私にはありえない」
アリー  「・・・・ありえるかもしれないのに?」
リン   「・・・・(ぎろり)」

ネル   「私もありえない。・・・はず。そんなのもうネル・ポーターじゃないし!」
アリー  「どうして自分で言うの?たしかに、ネル・ポーターらしくないけど、
     そういう気持にネルがなったとして、ふふっ(笑う)私、そういう一途なネルも
     見たいかもっていうか・・・ネルは意外に一途かもしれない、うん・・・」
ネル   「何、言ってるの?!ずれてる!」
アリー  「あぁ、でも、それだけじゃなくて、そう、そういう風に、恋人の事
      『会いたい、会いたい、会いた〜い!』って言ってるネル見てみたい。
      それに、そういう恋愛状態に陥っても、それはそれでネル・ポーターなんじゃないの?
      きっと、なんかそのエラって子娘とはまた違う感じで。ネルらしさが出てるんじゃないの?
      どっか、絶対零度だとか・・・わかんないけど、そう思わない?」
リン   「誰への問いなのかがわからないし、言いたいことすら、よくわからない」
ネル   「しかも、勝手に人のこと一途とか言って笑わないでくれる?」

アリー  「行動は突飛だったけど、気持は結構、一途だったじゃない?」
ネル   「いつ?」
アリー  「ジ・・・」
ネル   「もういいわ。・・・・(現実を受け止めて)・・・心配してくれてありがとう。
      でも、ただ、気の合うメールフレンドを失ったのでがっかりしてるだけ、きっとそう、
      だから、大丈夫。少しの間だけ、物足りないかもしれないけど、大丈夫だから」
アリー  「物足りない、なんて言わないで、寂しいって言っちゃえばいいのに」
リン   「言えないから、ネル・ポーターじゃないの?」
アリー  「そっか・・・これが限界なのね素直さの」

ネル   「あ、それから、リン、ごちそうさま」
リン   「どういたしまし、て・・・・(気がつくと自分用のも食べられてしまっていた)
      うそ!ネル、ふたつとも食べたの?」
ネル   「おごりって、くれたんじゃない」
リン   「一緒に食べよう、って二つ持って来たら、普通一つづつだと思わない?」
アリー  「いいじゃない。それでネルの気も少しは晴れたんだし」
リン   「(あわてて立ち上がって)アリー、サンシャインまだいた?」
アリー  「リチャードの部屋にいるかも・・・でも帰ったかも」
リン   「(さっと部屋を飛び出す)」
アリー  「あれ?ちゃんと名前覚えてるじゃない・・・ふふ、リンていいとこあるよね」
ネル   「認めたくない時もあるけど」
アリー  「じゃ」

       アリーが出ようとすると、リンが帰ってくる。部屋に入りながら

リン   「もう、帰ったあとじゃない。私のお昼どうしてくれるのよ?」

       と、ネルの雄たけびが重なる。アリーも部屋に戻る

ネル   「何これ!信じられない!・・・あ・・・・ほんと、何なの?あのチャラ男ぉ!・・・・」
リン・アリー  「どうしたの?」
ネル   「チャラ男からメール」
リン   「しばらくそれと話てたら?」
ネル   「それどころじゃない。事務局からもきてる。このメンバールームは閉鎖だって」
アリー  「YOUとエラとひっついたから?」
ネル   「それだけなら、補充があってケイゾクされていくの・・・ほんと、信じられない」

          そう言ってる、らちのあかないネルの横からリンがPCを見る

リン   「UK・・・チャラ男ね・・・ふーん・・・・(黙読)さすがチャラ男、自分もやってるんだ、
      色んなこと、同じ匂いがしたわけね・・・。で、事務局からは・・・・
      へーなるほど。ネル、ご愁傷様」
アリー  「何?何が起きてるの?」
ネル   「・・・(呆然)こんなことってあるわけ?人を馬鹿にするにもほどがあるわよ!
      訴えてやる!」
リン   「YOUを?エラを?まさか、チャラ男?」
ネル   「事務局!ずさんすぎ!!」 

つづく


2002年05月04日(土) ネルmyラブ 13

          妙な沈黙。

ネル   「(心ここにあらず?)・・・・」
リン   「食べないの?」
ネル   「・・・・・」
リン   「『ジャクソンと食べたら?』とか、悪態つくかと思ったけど、その元気もないの?
      調子狂っちゃう」
ネル   「あなたに合わせて、生きてるわけじゃないから」
リン   「私も」
ネル   「そうでしょうね」
リン   「ね、ネル。裁判所で別れてから、事務所で会うまでの間、何かあったでしょ。
      落差ありすぎ」
ネル   「決め付けないで!」(*「ビバヒル」のタイトル邦題ではありません、念のため)

リン   「ネル・・・ジョンを振ったとき」
ネル   「何?なんでそれ持ち出すの?」
リン   「持ち出すの!あの後と同じ、嫌われキャラ、またやりたいの?やりたくないなら、
      話したら?それが嫌なら、普通にしてて」
ネル   「しばらく、ほっといてくれたら、普通になるから」
リン   「待てない。もうすでに、嫌われキャラ入ってるし」
ネル   「リン」
リン   「言ったでしょ?私はお見通しだって。やりたいの?
      嫌われ、しかも負けっつらの嫌な女キャラ!」
ネル   「(火がつく)わかった!食べるから、頂戴」
リン   「(にやり、渡す。)」

ネル   「(封を開けて、ぱくつきながら)お見通しなら、理由も見通してみたら?」
リン   「(自分はまだ食べないでいて)当事者の口から聞く方がリアルでいいもの」
ネル   「言い逃れの天才・・・?」
リン   「なんとでも」
ネル   「はぁ(ため息)・・・ゆうべ、2人でチャットしててエラが割って入ってきたから、
      私は止めたの。そしたら、YOUが、すぐ後にフォローのメールを送ってきてくれたわけ。
      だから、私も、それに対してメールを出しておいたの」
リン   「会いたいって?」
ネル   「痛い方のツボ押した」
リン   「あらそ?」

ネル   「私は書いてない。でも、返事は、戻った時、丁度きていて・・・ふーっ・・・」
リン   「・・・・」
ネル   「もう個人的にメールできないかもしれない。エラと会う事になったからって・・・・」
リン   「・・・」
ネル   「エラからメーリングリストが流れてて・・・はぁー・・・それがスゴイの」
リン   「どうすごいの?」

       ちょうどアリーが少し開いてるドアをノックしようとして話が続いているので
       ちょっと後にしようかとためらっている。ネルもリンも気がついていない。


ネル   「あなたが思ってるようにはスゴクないと思うけど、これが
      『YOUのこと、恋しくて、恋しくて、会いたくても、会えないのが辛くて、辛くて、
       切なくて。思い切って会う事を申し込んだ』って」
リン   「それのどこがスゴイの?」
ネル   「やっぱり」
ネル・リン  「アリー向きかも」

       自分の名前が出てきて、うっかり、構えてた手がドアをノックしてしまう。

アリー  「・・・・はは・・・」
ネル・リン  「アリー」
ネル   「またやったの?立ち聞き」
アリー  「ううん(激しく首を横に)違う違う。ノックしようとためらってるとこに
      私の名前が聞こえたから、勢いで・・・」
ネル   「てことは、しばらくは聞いてたのね・・・もうしないって言ったのはどこの誰・・・」
アリー  「あぁ、・・・ごめん」
リン   「(無視に近く)ネル、あなたも会えばいいじゃない。そういうこと、出来ないの?」
ネル   「それは、申し込む事は出来るけど、もともと会うつもりもなかったし、
      彼から個人的なメールすらしないって返事がきたのよ」
リン   「それで落ち込んでるの?」
ネル   「YOUとエラがどうのっていうより、YOUとのメールは楽しかったから、
      それがなくなると思うと、つまらないかも」
リン   「また見つければいいじゃない」
ネル   「そうなんだけど」

アリー  「(突然割って入り)ねぇ、ネル・・・もしかしてあなたエラの言葉が
      ショックだったんじゃない?」
リン   「やっぱり、アリー向き」
ネル   「ショックは受けてない・・・つもりだけど」
アリー  「でも、彼女のメール見て、スゴイって思ったんでしょ?」
ネル   「あなたも聞いてたとおり(嫌味である)、スゴイと思ったとは言ったけど」
アリー  「ちょっと責めるのは後にして、ね、ネルあなた、なんでスゴイって思ったか、
      わかってない?ほんとは自分でもわかってるんでしょ?リンにはわからないだろうけど」
リン   「わかりたくもないけど」
ネル   「・・・多分?」    

つづく


2002年05月03日(金) ネルmyラブ 12

              エレインがお茶を持ってくる。さっそく食べるアリー

アリー     「エレインもここで食べる?・・・ちょっと、これ、ほんとおいしいじゃない!」
サンシャイン 「そ、そうですか?う、嬉しいです。」
アリー     「リチャードも、たまには正確な情報を伝えられるのんだ」
サンシャイン 「そんな人なんですか?突然押しかけたのに、良くしてもらって・・・」
エレイン   「とにかく気に入られてはいるみたいだからいいじゃない」
サンシャイン 「エレインさん?どうですか?」
エレイン   「ええ、おいしいわよ。種類も色々あるし・・・オーダーとか取り置き予約できる?」

サンシャイン 「はい、できます」
エレイン   「じゃ(と、アリーを見て)・・・」
アリー     「明日も、きてもらおうかな、ばたばたしそうだし・・・時間帯は今頃?」
サンシャイン 「だいたいそうなります。他も回るんで」
アリー     「じゃ、もし席はずしてたら、エレインに頼んでおくから、よろしく」

サンシャイン 「ここの人、いい人たちですね。」
アリー     「そう、かな?そうだといいけど、ま。よかったじゃない?
         とりあえずは、第一関門突破ってとこ?」
サンシャイン 「リンさんに、会えるだけで夢のようなのに、お話までして・・・
         でも、お口にあったでしょうか?」
アリー     「それは、わからないけど、・・・きついけど、彼女、悪い人じゃないから」
サンシャイン 「はい、なんでも、もう嬉しいです」
アリー     「サンドイッチも売れ行き好調だし」
サンシャイン 「それは、もうどうでもいいです・・・あ、リンさんの反応は気になるけど・・・」

アリー     「はい?もしかして本気でメインはリンなの?」
エレイン   「私たちはついでってわけ?(ちらり)」
サンシャイン 「あ、もちろん、デリバリーは真面目にやってますし、調理しているのは
         信頼のおけるおやじさんで味はばっちりですから!店は・・・」
アリー     「あぁ、カードもらったから、何なら後で調査に行くわ、リンもいるときにね」
サンシャイン 「あ!じゃ、木曜以外にしてください、木曜は絶対私、入ってないんです」
アリー     「わかった、わかった・・・へぇ、でも、リンに一目ぼれする
         女の子まで現れるとはね・・・ふふ」

              リンは買ったサンドイッチを持ってネルの部屋へ

リン   「言った?私、あなたにも、ネル」
ネル   「何を?」
リン   「はい、これ、デリバリーサービス」
ネル   「何で?」
リン   「ランチを一緒にできるのは週に限られた回数なの。だから、
       私がランチの相手を誰にするか、かなり重要なことなの」
ネル   「・・・」

リン   「とにかく食べない?しかもおごりだし」
ネル   「誰の?」
リン   「私」
ネル   「そう・・・」

つづく


moto |M@IL日常こんな劇場(^▽^)ノネェネェd(@^∇゚)/前向きに

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