封筒を開けた瞬間に 広がる あなたの匂い
一年に一度の逢瀬 その序章
封筒から 立ち上る空気を 覚えている自分に 少し驚いて
写真に封じられた 思い出は 今も其処に 動かないのに
二人で過ごした夜は もう 遠くて 思い出せない
私達は 変わっていく
少し息苦しくて 懐かしい匂い
2002年02月16日(土) |
私達は ちっぽけだね |
「口紅は ひかないの いつでもキスが 出来るように」 彼女が 言う
その声を聞きながら 滲み出す 液体を思った
絡みつく その長い髪が好き 怒った顔の 少し突き出す唇も
冷たい風を 遮断する 大きな背中が 欲しいね
星を見上げる 余裕と 花を選ぶ 時間と
私達は ちっぽけだね そのちっぽけさ具合が たまらないね
ねぇ 明日はどうしよう?
乾いた 空気の中
「いっそ 壊れてしまえれば 楽に なるのにな」
驚いて 一瞬 嗚咽が止まる
静寂に 飲み込まれる
あなたから そんなコトバが
聞けるなんて 思わなかった
ゆっくりと 視線を上げる
逃げたりしない まだ 大丈夫
誰かのせいに したりしないよ
ゲームをしようか。
今日は沢山 話していいよ。 でも 頷いたり しない。
君の言葉に 言葉で返そう。 「どうして そう思うの?」 「その時 そうしたのはどうして?」
言葉のアゲ足を 取るのでは 無くて ココロの核心に 触れたいんだよ。
段々と 声が小さくなる君から いつまでも 眼を逸らさずに。
段々と 言葉が出なくなる君と いつまでも 会話を続けよう。
怒り出すか 泣き出すか ふたつにひとつだね。きっと。
そしたら 抱き締めてあげるよ。
ねぇ。 いつもより 近付いた気がしない?
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