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V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
夏の甲子園を観ていて、どのチームもピンチになった時に深刻な顔をせず、逆に笑顔が多いことに驚いた。これは、監督が単に「笑え」と言っているだけでなく、実は監督が笑っているからであろう。もし、監督がベンチで「この野郎!」怒りを前面に出したり苦虫を嚙みつぶしたような顔をしていたら、選手にこんな顔ができるはずがない。企業も同じだ。上司が怒ってばかりでは社員は委縮するだけだ。今期の甲子園は土壇場で同点に追いついたり逆転するケースが相次いだが、「笑顔」がもたらすポジティブさが信じられないドラマの引き金になったのだろう。
飛騨職人学舎を立ち上げたときの同社のスピードは約半年。8月に「3月に間に合わせろ!」と指示し、それで間に合わせたという。カリキュラムは秋山木工というお手本があったとはいえ、高校を回っても生徒集めが大変だったという。社員は「開校準備には3年は必要」と言ったそうだが社長は「こんなものは走りながら考えてやるものだ」と一蹴した。完璧になるまで待って動かずに時代に乗り遅くれる人と、方向感だけ決めて走りながら考える人。飛騨職人学舎が飛騨産業の魅力のひとつになっていることから考えると、結果的に成功するのは後者だと思う。
地域の伝統を引き継ぎ、魅力的な商品開発と魅力的な人財育成を行う企業は、地域内部より地域外部から多くの人を集める…それが飛騨産業である。工場の平均年齢は30代半ばだが、今年も大卒者を20名雇い入れ、若返り中だという。さらに採用の70%は他府県からの応募者。また女性の希望者が多く、460人中126人が女性だという。こうした人口流入や、女性活躍の話を聞くと、地域の産業は、本当に地元を強くするのだと感心した。
飛騨産業のV字回復の秘訣は何といってもその商品力にある。木の節目が出ていたからと捨てていた材料を「もったいない」と感じた流通出身の岡田社長は、それまで欠点と思われた節目を「チャームポイント」だと考えた。そして業界の常識を覆す「節のある家具を作れ」と指示した。この奇想天外な商品開発は、多くの反発にあったものの、市場に出したところ大受け。同社にとって空前の大ヒットとなる。さらに工場にトヨタ生産方式を導入した。これにより、材料のムダ、人を活人化し手待ちんのムダをカットした。
飛騨産業の今の姿を築いたのは、外部から招聘された岡田社長だ。15年以上前、左前だった飛騨産業を建て直すために、問屋との取引を止めて小売り直接取引を開始。このとき問屋が行っていた価格破壊を止めるため、小売りの仕入れ価格引き上げを提案した。小売りは当然反発する。そこを頭を100回下げて説得せよ、と社長は言った。流通出身の社長ならではの指示だが、結果8割の取引先は直取引で値上げ要請を飲んでくれたという。古い家具流通が衰退し、ニトリやIKEAが進出する大転換期のこの決断と行動は凄いと思う。
飛騨産業の営業企画部長に、飛騨産業の歴史と現在、未来を語っていただいた。飛騨の匠は「縄文時代」から存在し、平安京の頃には寺社仏閣の建築に活躍したという。また、現在は周辺の杉材を圧縮材として加工した家具ができないか研究開発投資をしている。これは、パリ協定を遵守するための森林整備に貢献する取り組みだという。そうした流れを聴きながら、飛騨産業は単なる家具屋ではなく、「飛騨」という地域が持つ歴史と資源と、そこに住む人間の生き方に誇りを持ち、それを次の時代の引き継ぐ区ことを「引き受けている」存在のように思った。歴史も環境保全も匠の技もいずれも社会的な課題ばかりだ。それを「引き受ける覚悟」の強さと謙虚さが今、多くの人から強く必要とされる秘訣だと思った。
飛騨産業は、「飛騨職人学舎」という、木工職人養成学校も別法人で経営している。生徒は現在5名だが、彼らの教室を見学すると1年生3人が1人2分で自己紹介してくれた。彼らが語るのは、自分の出身、家族構成、入舎動機、人生の夢などである。これを2分で語るだけでも立派だが、彼らは毎日スケッチブックに両親への手紙を書いていた。日頃、電話禁止で連絡が取れないルールなので、このスケッチブックをご両親に送るのだという。恋愛禁止、スマホ禁止の中で人間を育成しようとする精神に感動した。
飛騨産業の工場はとてもよく清掃されていて、木片やおがくずひとつ落ちていない。これは1日4回清掃しているからだが、面白いのはその清掃時間。休み時間の前の5分を、音楽を流し清掃タイムとしていること。つまり「休む前に掃除する」という、人が年末の大掃除をするときと同じ心理を利用している。スタバの社長や長谷川仏壇の社長はこの工場を見学して、店舗で使用する家具や仏壇のOEMを決めたという。つまり、工場がショウルームとなり、営業マンの仕事は工場に連れてくればいい、ということ。社員の挨拶も実に気持ちよく、5Sの行き届いた工場はそれだけ魅力的なのだ。
無敵経営研究会で、「飛騨の匠」の家具作りを伝承する飛騨産業を見学した。約300mほどの工場に資材〜部品加工〜組立て〜塗装〜梱包〜出荷のラインが直線的に並ぶ。かんばん方式を採用しており、仕掛在庫が最小限に管理されているのがわかる。出荷場の在庫はせいぜい2日分という少なさだ。トヨタ生産方式は、トヨタに行っても対象が大きすぎてよくわからないが、この工場なら大変よくわかる。当研究会には家具業界ではない製造業の人が大勢参加しているが、ヒントになったと喜んでいただいた。
社会的課題を解決する企業は、それを一社で解決することなど到底出来ない。よって開発も販売もコラボが不可欠になる。コラボする相手は当然同じ社会的課題の解決に取り組む、価値観を同じくする人。よって自分たちの価値観(理念、思想)を発信し、「この指とまれ」が言えることが、成功の第一歩だ。先日も、私のクライアントが商品を売るために店を持とうかと考えていたが、「店を持つことは問題を一人で解決しようとすること。それより、営業はコラボレーション。コラボできる相手を探した方がいい」とアドバイスした。
成長し続ける企業の条件は、3段階ある。第一は、需給バランスを満たす。「充足」である。第二は高付加価値化。「向上」と言っていった。第3は社会課題の解決である。「価値創造」と言っていい。高付加価値だけを追求する会社は、それが量産されると一気に安売り競争に巻き込まれて行く。よって「少量」の部分=特注対応や手作り職人技がないと中小企業は生き残れない。いつまでも「いいものを作れば売れる」と考えていると未来を自分で消してしまい兼ねない時代なのだ。
マッキンゼーで伝説のように言われているプロフェッショナルの定義。「21世紀の社会では、あらゆる分野で、それぞれの専門知識や技術を持ち、組織に属していても、いなくても、自己規律と職業倫理により行動して、顧客や社会の価値を作り出せるプロフェッショナル人材が必要とされると私は確信しています」。素晴らしい定義だが、この中で、自己規律と職業倫理が最も大事。最近は政治家でも芸人でもスポーツ選手でも、ここができていなくて失脚する人が多い。それは、価値観(being)よりスキル(doing)のみを評価してきた社会風潮にある。やり方の習得だけに走ると、いつしかAIに全部奪われるだろう。
当社が協賛している団体「岐阜立志教育プロジェクト」のイベント『立志教育支援フォーラム』に参加した。そこで「AI時代の教育〜意志ある学びで夢をカタチにする未来教育」を、シンクタンク未来教育ビジョンの鈴木敏恵先生の講話を聴いた。AI時代には、未来を描くチカラや現実を見るチカラが問われる。そのためには「知識を与える教育」から、「生徒が自分の手でつかみ取る教育」へ進化する必要があるという。そのためのキーワードは「対話、俯瞰・シェア」。また、主体性を引き出すポイントはリフレクション(振り返り)とリフレーミング(違う見方)の2Rだと指摘。迫力満点、事例満載で大変勉強になった。私も教育を担う者の一人。早速仕事に活かしたい。
7年前の教え子が訪ねて来てくれた。彼は当時、メガバンクのバンカー。MBAホルダーであり、選抜者の合宿研修に参加していた。現在は、思うところがあって転職。お互い企業支援の仕事であり、これからコラボしていけたらな、と思う。彼に、私が教えたことで印象に残っていることは何かを尋ねたら、次のような答えだった。「「顧客のお客」という話です。苦しい業績の会社に対してバンカーが廃業を進めるかどうかという事例を通して、取引先や従業員など、社長が見ている人を一緒に見つめていくことで同じ思いで答えにたどり着けるというお話をしていただいたことで、自身のもやもやしていたものを吹き飛ばしていただきました」。人が組織を超えて成長していく姿を見るのは嬉しいこと。次は私が教えていたたく番だ。
大阪のインスタントラーメン発明記念館に行く。開場早々オリジナルヌードル作り体験コーナーは長蛇の列。見るコーナー、聞くコーナーもありますが、そちらは人少なめ。参加者は受け身。だから「与えるだけ、教えるだけ、見せるだけ」の企画ではマーケットは作れない。タイガースのファングッズは参戦するためのもの。カップヌードルミュージアムの体験もカップヌードルの世界に参戦してもらうためのもの。キーワードは参戦?大阪人はそうでないと相手にしてくれないのかも知れない。
甲子園球場前のタイガースのグッズ売り場を訪ねる。このユニホームの数実に36。一軍登録選手は28だから、それ以上。ドラゴンズファン用のレプリカはとてもこんな種類はない。しかも、背番号の大きな選手が多い。今凄い選手より、これから凄くなる選手や、試合には代打でしか出ないような選手を応援するタイガースファンの支援魂は凄い!さらに、コラボ商品の数々。ミニオン、ディズニー、ドラえもん、キティ、コナンなど。ドラゴンズにこんなコラボ商品はなく、タイガースの人気が国民的であることがよくわかる。ローカル球団のマーケティングのお手本がカープなら、メジャー球団のお手本がタイガース。ドラゴンズの人気のなさは、弱いことにはなく、ファン心理を汲み取りきれていないマーケティングにあるとわかる。
娘と大阪でデート。一番の楽しみは甲子園だったけど、15日は雨天順延でやむなく甲子園歴史館を見学。思っていたより充実していた。特にバックスクリーンに入れたことと、手書きの選手プレートに感激。ファンが何を大事にしているかを、主催者はよくわかっていると感じた。バース・掛布・岡田…ファンにはこの打順が今でもたまらなく気持ちがいいのだろう。高校野球コーナーも大越投手の仙台育英とか、東邦のバンビが負けた瞬間とか、オールドファンにはたまらないつくりになっていた。試合したのは選手ですが、それを歴史にしたのがファンだということがよくわかった。
ワンマン思考の幹部がいる会社は、その人がもし会社を辞めたら…と考える。もし、それで傾くような会社はダメな会社だ。その人がいなくても回る会社をつくらないといけない。それには現場を鍛えることだ。現場社員に� 崋�分たちが目指すもの」がちゃんと腹落としされ、�◆崋�分たちらしさ・ならでは」が明確で、それが確実に実行でき、��PDCAを回し成果を確認できる「自分たちのやり方」が浸透していたら、その人がいなくても上手く行くはず。特定個人のスキルに依存しない、ノウハウを教え合う仕組み、情報をシェアする仕組みが必要だ。
「俺が俺が」のワンマン思考の幹部がいるがどうしたらよいか…という相談を、復習の会社から相次いで受けた。このことについて松下幸之助は次のように語っている。「いわゆる知識もある、手腕も持っている立派な人が成功しているかというと、案外そうではない。(中略) 結局、それは、すぐれた知識、手腕のある人は何もかも自分でやってしまう傾向があるからじゃないでしょうか。勢い部下の人もおもしろくないから、あまり意見を言わない。だから衆知が集まらない。また、部下のやっていることがまだるっこしく見える。自分がやった方が早いということで、仕事を任せなくなる。たとえ任せても口出しするんですな。それでは部下はやる気をなくしますよ。やはりね、いかにすぐれた人でも、一人の知恵・力はタカが知れたものですわ。衆知、衆力にはかなわない」(人生談義より)。。
松下幸之助翁はビジネスのことを「商い」「商売」という。この言葉を好んで使う背景には商人の心=「お客様にお金をいただいて感謝すること」を大事にしていたからだ。ビジネスの醍醐味は、お客様に新しい価値を提供し(問題を解決し)喜んでいただくことにある。この初心を忘れないために、「商売」や「商い」という、リアルな情景が浮かぶ言葉を大切にしたのであろう。大相撲でもプロ野球でも初勝利や初登板が一番印象に残っていると語るプロは多い。私も、痺れるようなお役立ちを感じた瞬間=初心を大事にしたいと思う。
松下幸之助翁は、反省をするときに、自らを励ます努力もしていたという。「自分は運が強い」「経営はうまくいくようになっている」といった信念を培うことができたという。そして首尾よく成功したとしても、それは結果での話であって、その過程には小さな失敗というものがいろいろある。それらは一歩あやまてば大きな失敗に結びつきかねないものである。自分の成功は運のおかげと言い聞かせ、謙虚にその成功を見つめなおす。すると案外、反省し改善すべきことがみつかる。そこに気づいて、地道な反省を積み重ねていくことで、成長し続けることができたのです」。成功しても反省を怠らないところは見習いたいと思った。
今回の松下幸之助の哲学を私に教えていただいているのは理念経営塾を主催している窪田貞三先生だ、先生は、セミナーのたびに落ち込むという。これを聴いて「自分と同じじゃないか」と驚いたが、その理由が振るっていた。先生曰く、「なぜならセミナーの一番の目的は、皆に『これだ!』と思って帰ってもらうことであって自分が褒められることではないからだ。人は「これじゃだめだ、もっといい方法がある」と思うから反省する。反省するのは欲がある証拠だよ」。これを聴いて、反省して落ち込む癖は決して悪いことではないと思った。
松下幸之助翁の商売心得十カ条を学んだ。今日はその��。
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松下幸之助の経営哲学を学んだ。経営道「正しい経営」は以下の9点。�―庵里鮟犬瓩秦完�経営 �▲�ラス張り経営 ��ダム経営(蓄えて余裕がある)�づ�正経営(経営はバランスが大事。何が出来ていて何が出来ていないのかを考える)�ゼ�主責任経営(経営者は自責で)�Ρ�が降れば傘をさす経営(当たり前のことを当たり前にやる凡事徹底)��日々新たな経営(昨日のことは忘れて日々新たに。朝と昼と夜は違う)�╋β原Ρ鼻焚饉劼麓匆颪慮�器。社会のことを念頭においてから考える) ��適材適所の経営 こういう考えはとても大事だと思う。
ある経営者から「ネット通販よりリアル店舗が優れている点はどこでしょうか?」という質問をいただいた。私の回答は「ユーザー同士のコミュニティができること」。よってマニアックな専門店ほど、リアル店舗での成長の可能性を秘めている。大衆相手の大型店で量を売ろうとするのなら、常に大手との価格競争にさらされるし、その傾向はネット通販でより強くなる。これからは今まで以上にマニアックな専門店向けの商品こそ、B2B2CでWin-win-winを実現できるのではないかと思う。
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