V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
オリエンタルランドで25周年の取組みを聞いた。同社の2010年度までのスローガンは『涙が出るくらいの感動』。サービスを提供する側が自分達のサービスに感動しなくて、顧客に感動を提供することはできない。また従業員に自分の仕事を誇りに思ってもらうことが感動を提供する一歩。そう考えた同社は年に一度、閉演後にアルバイトがゲスト(客)になり、管理職がキャストになる日を設けている。こうした体験が『ネームタグを付けるとスイッチが入る』と言われるサービスを生んでいるのだ。
舞浜でシルクドソレイユを観劇。噂には聞いていたが、そのスケールに圧倒された。上海雑技団とレベルは同じでも、ストーリー構成や舞台仕掛けはその何倍も凝っている。不思議の国のアリスの世界のサーカスと言った感じ。アクターが白人、東洋人、黒人と様々。そうした民族の壁が取り払われたときに、人間はアリスのような世界を好むのだろう。どきどきしながら癒される。世界最高峰のサーカスだ。
2週間前、情けない管理者セミナーをしてしまった。うまく受講生を乗せられなかった。要点は伝えたが、伝え方が下手で入っていかなかった。そして今日、同じ内容のセミナーを、同じ会社の別の管理者を対象に行った。レジメは同じ。しかし今回は、前回の反省を活かして話す順番を変えた。そして、メリハリを付け、特に関心の高かったところを重点的に行なった。おかげで成果は上々。終わりに頂戴した拍手が気持ちよかった。
ぬいぐるみ争奪戦を始めたマネージャは、部員たちの変化をこう振り返った。「1ヶ月目:徐々に結果を気にする人が出た」「2ヶ月目:業績グラフや日々の集計表を意識して見出す」「3ヶ月目:自分たちもほしいと言い出す人が出た」「4ヶ月目:絶対に取るぞ!と部下に発破をかけるリーダーが出現」。変化は一朝一夕には起きないが、徐々に良い方向に転ぶ。れを楽しむのもマネージャの醍醐味だ。
半年前、成績を張り出しても無関心だった燃えない営業部隊があった。そこでマージャーは考えた。部隊を6つのチームに分け、毎月一番優秀だった月間MVP賞を与える。副賞はぬいぐるみ「ゴマちゃん」。これを、天井からぶら下げるのだ。つまり月間MVPを取ったチームの上には、いつもゴマちゃんがぶら下がっている状態になる。3回取ったチームには3匹のゴマちゃんがぶら下がる…。すると、皆、燃えた。ぬいぐるみ取るぞ!と走り出したのだ。
あるコールセンタではその日頑張った7人を選び「日替わりMVP」を授与している。といっても、数値的に高かった人が選ばれるのではない。クレーム処理をしたり、難しい問い合わせに応じたり、ルーチン業務の中でも難易度の高い仕事をした人に、マネージャの主観で与えられえるのだ。副賞は、百円ショップから調達した商品。これが部屋の真ん中にあり、選んで変えることができる。女性の職場ならではの発想だ。
社員数2万人のC社でプレゼンテーションのコツを伝授するセミナーを行なった。最初に「私のこと知っている人?」と尋ねたら、45人中5人だけ。次に「ここに書いてある4人を知っている人?」と尋ねた。その4人は、私がこれまで仕事でお付き合いしたことのあるキャラの濃い人。すると全員の手が挙がった。そこで4人と私の出会いやいきさつを述べた。これによって受講生と親近感が沸き、私の得意技がすぅっと入っていった。
株価の乱高下、円の急上昇。そのふり幅の大きさに唖然とする。この乱高下は、売買とか取引と呼ぶ水準を超えている。ひとつの情報が一気に世界中に伝播し、皆が即座に反応している。「誰かと話し合う」とか「倫理上どうか」を考える間もない。この過剰反応的な意思決定を連発しなきゃならないのが情報化社会の宿命だ。だからこそ、コンプライアンス整備がうるさく言われたり、個々人の品性が問われるのだろう。
長野県伊奈市で二年連続二度目のセミナー。セミナー終了後、楽屋に受講生が訪ねてきた。昨年度受講して興味を持ち、拙著を購入し何度も読み返しているとのこと。今回は、セミナー中に行なった個人ワークを添削。実に良くできていて、そのまま回答のサンプルに使えるのではと思うほどだった。セミナー内容が難し過ぎたかな…とへこんでいただけに、彼女のワークの出来栄えに救われる思いだった。
焼酎メーカーをブランド化し、企画販売するルネッサンスプロジェクトの中村社長の話を聞いた。同社は汚染米の問題が発覚したとき、焼酎の売上げがガタ減りすることを9月上旬に行なった自社の百貨店のフェアの散々な実績で体験。これは一大事だと、早速手を打った。それは「安心・安全シール」を開発し、確認された焼酎にはそれを添付すること。このシールは逆に他社との差別化になり、10月は前年比プラスを記録した。
先月、汚染米の事件が発覚した頃に訪ねた某商社。同社は業績好調だが、そのときは取扱商品の一部に島田化学の商品があると大騒ぎだった。が今日、再び訪ねてその後の状況を確認したら「すっかり沈静化しました。もう随分前の話ですよね」という。この会社のスピード感覚は他社の何倍も早いことがこの一事で分かる。実際に同社の強みを顧客アンケートで確認しても「スピード」と出ていた。
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